人文科ブログ
9月12日(火)人文科講演会
9月12日(火)人文科講演会
コロナ禍にて1回は中止(講師の方は翌年へ延期)、2回は校内開催となりました、人文科全体行事の「人文科講演会」。今年は、校外会場によい場所を担当のH教諭にみつけていただき、完全復活第一弾としましてとてもよい形で終えられました。
コロナ前は春日部イオンのイオンホールを2年(2回)ほど借りて実施しました。今後しばらくはここで…と考えていたところのコロナ禍。3年間、まさかのワクチン接種会場!とてもいい会場でしたし、学校から近いですし、この先会場予約をとれるようであれば戻ってもいいのですが、イオンホールはステージが無く、椅子はすべて自分たちで出し入れせねばなりません。一方、校内実施では人数と場所の関係でどうしてもリモートという形になってしまいます。移動が無いのは楽ですが、やはり「講演」という感じが弱まってしまいます。
新会場は、「春日部中央公民館」。久しぶりでしたが、校外のちゃんとした講演会用の会場は、やはりいいものです。H教諭が部活動で体育館として時折借りていた場所で、壁面収納式観客席をコートに出せば、立派な会場に早変わり。いかにも「講演会」という雰囲気でやれます。会場準備も、客席に関してはフロア保護シートをL字に敷くだけでよく、大変使い勝手の良い会場でした!
この日、1,2,3時間目は学校全体で「文化祭の片付け、閉祭行事、表彰」でした。4時間目から人文科生徒だけ動きが異なります。もっともそういう活動は年に何回も無いのですが…人文科生徒たちは現地集合で、多くの者が自転車。時間内に全員揃いました! 中には春日部駅から1駅だけ乗って八木崎駅で降りてきた生徒もいました。
校長先生から、講師の紹介です。
国境なき医師団から、助産師の髙橋先生がいらっしゃいました。
国境なき医師団は、その大きな主義としまして、一切どこの国や団体とも特別な関係を待たず、全て平等、全てフラットな相互関係の中で活動をされています。そのことを尊重させていただき、肖像を始め、あまり事細かに画像を掲載しないこととします。ただせっかくですので、髙橋先生(ご自分では先生ではない、とおっしゃりますが、圧倒的な経験値をお持ちの講演者ですから、「先生」で通させていただきます)の活動された国と、サブタイトルのあるポスターだけざっと紹介します。
スーダン
イエメン
パキスタン
ラオス
ナイジェリア
ヨルダン
レバノン
ケニア
シリア
…なんだか、政治経済や人権等に疎くても、いかにも大変そうな国々に思えますが、この後、ご講演の中で凄まじい体験談をたっぷりご紹介いただきました!すごい方から、お話をうかがえたものです!職員は正に「役得」!
主な活動は「緊急医療援助」、そして意外と恐らく一般に認知されていない「証言活動」。なるほど!団体の活動として医療面で助けるのは当たり前でしょうが、世界各地のシビアな現場で、何が起きているのか、どんな状態なのか、それを知らなかった人々に知ってもらうこと。問題の解決に向かって、大きく2つの異なる側面から取り組んでいるのですね。
その上での「独立性、中立性、公平性」。
髙橋先生のお話のされようは、資料画像を操りながら心地よい声で聴きやすい発音で小気味よく進められます。
しかしてその内容の凄まじさ!すごい熱意で上記各国での体験をどんどん紹介されました。証言活動の一環でもあるのでしょう。
紛争地、被災地、難民キャンプ、医療の届かぬへき地…困難というものや、それに直面した人の気持ちなどは、比較してどちらがより大変かとか、上下とかを考えるものでは無いとは思いますが、それでも、たとえ社会の影や裏で多様な困難を抱えていても、この日本は恵まれているのだな、と感じました。
質疑応答では、3年生男子から「高校生の立場でも、こういった世界の状況に貢献できることはありますか?」という趣旨の質問がありました。
的確なご回答をいただきました。まずは知ること。その上で可能であれば、募金やボランティア。なにしろまず知ることですね。確かに!
3年生の代表からお礼の言葉をお伝えし、拍手でお送りしました。
髙橋先生!有難うございました!
おまけ。
全て解散/撤収後、職場に帰るべく駐輪所へ向かうと、敷地内の公園にまだ人文科の生徒が数人残っていました。
3年生の女子が、ジャングルジムにたかって??いました( ´艸`) 一緒に歩いていた担任のG教諭が早速おもむいて、放課後のひと時を過ごしていました。いいですね、こういう時間も!
ちなみに、私は敢えて近づかず、遠くから撮影したのですが、1人私に気が付いてピースしてしています!
お疲れ様でした!
9月8日(金)文化祭校内公開 人文科の様子
人文科独自の活動ではありませんが、
学校(全体)行事中の人文科の様子、ということで。
9月8日(金)文化祭校内公開 人文科の様子
★1年生「ポップコーン屋」
私はいつも、文化祭の様子を撮影する場合は初日の校内公開の日に回ります。
校内が比較的すいていて装飾など落ち着いて見て回れるのと、
自分が関わっている生物部の出展を生徒に任せて現場を離れるのに不安が少ないからです。
2階の生物室から出発してまずは1階の、授業をもっている3年生のある教室へ。
その後、同じ階段を戻って3階の1年9組へ。
この時↓、財布を持参しなかったので、
せっかく買ってくださいと声をかけてもらったのに買えませんでした…
全体的に大人しめでしたが、いい感じで楽しめているようでした。
★2年生「射的・フォトスポット」
ブログ姫のKさん、ナイス!いいタイミングで会えました!隣のIさんもポーズ!
↓OさんとKさん。見た目地味なコーナーですが、射的自体はよくできていました。
私もやってみてくださいということでやらせてもらいました。
輪ゴム鉄砲はかなりしっかりした作りで、さらにKさん!射的の名人かも。
3年生「キッキングスナイパー」
このクラスは昨年度「人文科探鉱」で人間モグラタタキをやったクラスでしたね。
装飾は写真写りは地味ですが、ストラックアウトの会場はしっかり作られていました。
3年生ですね。
こういったブログのような不特定多数の方々に向けた発信というものは、シビアなものだと思います。
であればこそ、あまり不必要に擁護せず 素直に感想を述べれば、
全体的に装飾は少々弱かったと言わざるを得ないでしょう。
しかしそれで終わってしまっては(第一次批評で終わってしまっては)、
教育の現場としましてはよろしくない。
個人的にでもちゃんと検証したいですね。
春日部東高校の文化祭は、特にHRの出展は生徒主体です。
それは大切なことですし、今後もそれでいいとは思います。
ただ、明らかに「文化祭」という特別活動における様々なノウハウが
生徒からだけでなく我々教職員からも失われつつあるとも感じます。
任せて、3回のチャンスで、成長も見込んで、やれる範囲でやってもらい、
それである程度のレベルを見込める状態が永く続いたことと思われます。
それが、
・企画段階~話し合う力、調整力
・様々な材料等の入手力
・作業の設定、整理、分担力
・工作その物をする能力
・それらを学校独自の決まりの中でやりきる要領
…そういったものが、じりじりと弱まっている気がします。
同時に我々がうまく糸を引いて、反省対象も含め、
各学年に適切なレベルで成功体験をさせる力も…です。
そこに重なって、コロナ禍の大打撃もあったでしょう。
しかも、今回は県内でも文化祭のタイミングでコロナの集団感染が相次ぎ、
教室の飾りつけにも「全ての窓とドアを開け放てる状態を保つ」等の
従来は無かった規制が加わり、
いわゆる文化祭的な装飾はやりにくかろう、とも思いました。
一切合切、全部ひっくるめて、しかし今回の文化祭は、
成功であったかと思います。
楽しそうでしたし、学ぶべきことも学べた模様です。
大きく、面白いトピックだと思います。
また考えていきたいですね。
9月5日(火)人文科探究 1年生「ネタ帳ラベリング」2年生「論文の構造を再確認」
9月5日(火)人文科探究
1年生「ネタ帳ラベリング」
1年生の2学期1回目は「ネタ帳ラベリング」です。
夏休み中の宿題であった「ネタ帳作り」。
今日はその中身を整理します。
…の前に、12日(火)の「人文科講演会」の予習を先にします。
来週の人文科講演会には、「国境なき医師団」から
助産師の方が講師としていらっしゃいます。
そのお話をスムーズに聞けるよう、また理解を深められるよう、
あらかじめ「国境なき医師団」の紹介冊子をいただいております。
授業中に漫画を読んでいるみたいですが、「国境なき医師団」です!
ここから、ネタ帳のシーンです。
今回、私は2年生の授業を引き受けましたので、様子は直接見られておりません。
担任のY教諭曰く
「まだ頭の中を整理できていない者が多そう。
何度かやる中でくっきりでてきてほしい」との事です。
今学期末には論文の骨組みを考えるまでいきます。ガンバレ!
2年生「論文の構造を再確認」
2年生は、2年間の「人文科探究」の大詰めです。
1学期にポスター発表も済ませ、ある意味この時期が、
研究してきた内容を論文の型に落とし込む際、
不備を大きく改善するチャンスでもあります。
1つの疑問(課題)に対して、1つの独自の仮説。
この仮説を「正しい」と証明するための、2つ(できれば3つ)の根拠。
できれば2つ(3つ)の異なる視点から考えた結果の根拠であってほしい。
なにしろ論文の型にあてはめて適当な作文をするのではなく、
あくまで「多角的視点」で「論理的」に、
身の回りの何気ない疑問について「考えること」が目的です。
そういう意味ではちょうど1年前(上記1年生が今シーズンやること)が
実は探究の本質に最も近づく時期なのです…
2年生は久しぶりに主任(わたし)の授業です。
※ちなみに人文科講演会の予習は、担任の先生が
ご自分の通常の授業の時間を割いて済ませておいてくだすったので、
ここで私は今回の内容に集中することができました。
3年生につきましては人文科探究の時間はもうありませんので、タイミングは担任に一任してあります。
撮影を副担任のM教諭に依頼しておいて、いつどう撮影されたかほとんど自覚がありませんでしたが…
必要な説明をしっかり済ませて、その後、
2年生の夏の宿題として提出された「論文の下書き」を1人ずつ返しました。
ぱっと見気が付いたことをアドバイスしながら返却し終えるとチャイム!
さあ、とりあえずこの後は文化祭です!
8月25日(金)1年生サマースクール (後半)
8月25日(金)1年生サマースクール @Tokyo Global Gateway(後半)
お昼休みから解散までを、後半とさせていただきます。
お昼のアクテビティは、まだコロナ前の本当のランチプログラムに復活はしていません。
★ランチプログラム
昼食を食べた後は、昨年と同様、画像で、TGGのエージェントたちが
クイズ形式で視聴者に自分の出身国を当てさせるゲームです。
クイズは難しいヒント3つと簡単なヒント3つで、最後に答え合わせをします。
4~5人分の出身国紹介となりましたでしょうか。
★午後「先にエアポートゾーン」班の様子
午後は、全体5班を3班と2班に分け、エアポートゾーンの体験と、演劇の体験に分かれました。
まずは先にエアポートゾーンを体験することになった2班の様子から。
このコーナーは、非常にリアルに作り込んであり、
それはすなわち見学者がさらに入り込みにくいエリアということになります。
具体的な活動の中身は無理に探らないことにしました。
パスポートもありますし、IMMIGRATION(入国管理)コーナーや
お土産ショップコーナーもありますので、
空港→機内→空港と入出国の流れを一通り体験するのでしょう。
★午後 「先に演劇をしよう」班の様子
こちらは3班。内容は恐らく昨年同様、最後には
「1人しか渡れない橋」の真ん中で人と鉢合せ、
自分の都合の深刻度を言い合って相手を退かせる寸劇をやる時間でしょう。
この時間はアップの活動まで見守りました。
ここのまとめ役は、ドイツ人の方??でしょうか、英語の感じが。
それにしても、ここは各アクテビティのメカニズムを細かく把握していて、
適切な説明と資料が用意されています。
懐かしい!二人組で、赤線を挟んで向き合って立ち、互いに物まねをやり、
相棒がそれを当てられたら1っ歩ずつ後退していき、いかに早く互いに後退しきれるか。
昨年のあのアップです。
これもやってた!輪になって歩いたり小走りしたりしながら、
指示があった瞬間にゼスチャーで指示されたテーマを体現するアップ。
「演劇」「DRAMA」というものは、欧米では授業、つまり「科目」として学校で学びます。
体を使っての意思の体現、あるいは発声、発表の組み方など、発信に関する考え方や重要度に違いを感じます。
さて我々引率団はこのあたりでいったん休憩に。
★午後2コマ目「後からエアポートゾーン」班の様子
つまり直前の演劇をやっている 生徒たちの、エアポートゾーンでの様子です。
先にの班と時間をずらして、人でなく内容を網羅してみました。
エアポートゾーンは空港だけでなくレストランの体験もできるようです。
★午後2コマ目「後から演劇」班の様子
こちらは、「橋で鉢合せ&相手を退かせる」の様子が撮れました。
ちなみにまとめ役は「オウキイドウキイ」先生でした!
1回で引くな、粘れ、という指示でしたが、粘り切れない人もいます。
屁理屈の応酬になると楽しい寸劇なのです。
さあお疲れさまでした。これで今日のアクテビティは一通り終わりです。
ちなみに今更ですが、こちらで勝手に分かりやすく「アクテビティ」という表現を使って
ブログ紹介をしましたが、TGGでは各授業を「セッション」と呼んでいます。
あらためて、全「セッション」が終わりました。
★振り返り
終わった終わった、さあ帰る、とはなりません。
今年の振り返りの様子は班ごとにかなり多様で(UNOが始まったり)、
反省というよりクールダウン的な様子の班が目立ちました。ま、それはそれで…
さあこれで本当にサマースクールも終了です。
★解散まで
寂しいですが、エージェントとは2階でお別れです。
引率団は先に1Fに降り、生徒を迎えます。
ロビーの反対側で、最後は集合写真を撮影する予定。
同じタイミングで終わる他校(高校とは限りません)と重ならないよう、順番待ち。
その間に最後の話や連絡も済ませました。
人文科1年生、お疲れ様でした~!いかがでしたかね~???
この「非日常」体験を、いかにして日常に反映させられるか。
是非、良き体験として今後の糧としてくださいな。
あと、気を付けて帰ってください!!家に帰るまでが…
8月25日(金)1年生サマースクール (前半)
8月25日(金)1年生サマースクール @Tokyo Global Gateway 前半紹介
今年度もお世話になりました、TGGことTokyo Global Gateway(東京グローバルゲイトウェイ)。
今回は引率5名でのり込んで?来ました(引率扱いでないと入館できない)!
1年9組担任+副担任、教頭先生、1学年主任、そして人文科主任の私。
東京湾のど真ん中、青海はダイバーシティプラザの隣、ユニ〇ーンガ〇ダムの近くです。
ゆりかもめのテレコムセンター駅下車、歩いて直ぐのTIME24ビルの、1階の一部と2階、3階がTGGとなります。
主任の私は駅の改札外で誘導、副担任のM教諭は途中の辻で誘導、担任は現地で点呼です。
学年主任のI教諭は、リベロで駅とTGGを移動しながら集合を見守りました。
彼は実は3~4年前、人文科の副担任でした。
当時、本校人文科が初めてサマースクールの体験先をTGGに変更した際、
前主任よりTGGとの折衝を任されたのですが、
せっかく実現できるよう頑張ったのにコロナのせいで実現を見ず人文科を出ました。
今日は「1学年主任」として来ておりますが、気持ちは一入でしょう。
駅で通りかかる生徒の人数に不安を覚えましたが、結果的には数名が集合時刻にちょっと間に合わず…くらいで、トラブルなく有意義な1日を過ごすことができました(遅れた者は私の出番はなく担任がちゃんと話をしておりました)。
さあ、入場です!2階にはどんな世界が待っているかな(担任と私は知っている)?
まずは、受け入れ部分を仕切るお姉さんにしたがい、
今日1日お世話になるエージェントと顔合わせ、
そしてチームビルディングです。
この時間に、午後のアクティビティで使用する本物そっくりのパスポートも配布されました。
そう、今年は、昨年度体験できなかった「エアポートゾーン」での活動もできるようお願いしておきましたので。
この場ではエージェントを含め班員同士打ち解けるべく、なにやらダンスを披露し合っていましたでしょうか?
さあ、班ごとに1時間目に向けて移動です。
午前中は全員同じ部屋での活動となりますが、あくまで活動は班単位になりますので、移動もエージェントが旗を持ち、自分の班を誘導します。
一応ここで裏話的解説をいれさせていただきますが、
こういった語学研修におきまして、引率の介入はご法度です。
本校生徒はこれまで見て来たなかでは、
こういった場でエージェントの英語を理解できなかった場合に引率に助けは求めてきませんが、
聞き取れない、分からない、という場面も含めて体験となりますので、
我々もつとめて生徒に話しかけないように気を付けます。
撮影も、動画は希望があれば各校1名で申請の上撮影ポイント指定、となります。
静止画は活動の邪魔をしないように、とのことですが、
各現場ではエージェントたちが割と快く招き入れてくれるので、撮りやすかったです。
我々は、1日朝から夕方まで立ったまま全てのアクティビティを見尽くすのも大変ですので、
各授業のだいたいの流れと雰囲気を掴め、ほしい画像も撮影できたら、1階の休憩スペースで休憩も入れます。
ちなみにエージェントたちは国際色豊かで、白人の方々は全体の2割くらいでしょうか。
世界の様々な場所からここへ集っているようです。
8人に1人ついてくれる形ですので、今回5班、5名のエージェントたちにお世話になりました。
また、各班ではなく、1日全4コマのアクティビティそれぞれに全体進行役で1人ずつまとめ役が付きます。
全体訳が全体進行を司り、各班のエージェントが班員たちがスムーズにアクテビティに移れるよううまくリードします。
★1時間目 SDGs 地球の17の目標を考えよう
1コマ目のまとめ役もユーモアたっぷりの方でした。
まず始めに、「分かりました」「OK」という反応を全員一緒に
「オゥ・キィ、ドウ・キィ」と言えと。わざわざ練習しました。
このあとみんな、何か投げかけられて「分かりましたか?」となるたびに、
全員で「オウキイドウキイ」という事になります。
ちょっとまじめに検証してみますと、
皆で声に出して「分かりました」という発信をしなければならない、という状況は、
その前に「人任せにせずしっかり理解しなければ」という意識が働くことになる気がします。
さりげなく考えられているようですね。
先週、夏が空けて文化祭前の週のどこかで、放課後どこからともなく
「オーキー、ドーキー!」と元気な男子の声が聞こえてきました。
「あー、サマースクール帰りの人文科1年生だろうな」と思いました。
この時間は、SDGs17項目の紹介と、各班で1つ選んで何ができるか考え、
最後は班ごとに発表していく時間です。
奥の教諭が若き学年主任I教諭です。
彼はこの時間、フル見学していました。
確かに、ティームティーチングや発話誘導の面などで、学ぶものは多かったです。
★2時間目 スピーチのテクニックを身につけよう
2時間目はスピーチの時間。始まって間もなく分かりましたが、
昨年度のこの時間と同じ材料を使ってのアクテビティでした。
「タコウォッチ」という腕時計を商品として売り込むための
広告プレゼンテーションを考えて、班員で係分担して発表します。
5班を更に4人または3人の班に分けて、班ごとに売り込み方を考えて、
最後はテレビのCMのようなプレゼンを競い合います。
この部屋は、どうぞと言われてもすこーし入りにくかったです。
右奥の壁際でマイクを持っている女性がここのまとめ役です。
分かりやすい説明が続きます。英語ですが、この時間のスケジュールをご覧ください。
このあたりから最後の発表の様子です。
各班、動きが2タイプ撮れれば並べてみたいと思います。
1コマ目ではまだ大人しかった人たちも、この時間のアクテビティでだいぶ発信力が増してきました。
さあ、お昼休みです!
7月25日(火)~7月28日(金)人文科2学年国内語学研修
7月25日(火)~7月28日(金)人文科2学年国内語学研修!
コロナ禍を経て、ようやく!
「海外研修」…にはできませんでしたが、国内語学研修という形で人文科の目玉行事の1つが再始動しました。1年次に参加者を募集、2年次に実施の自由参加の研修ですが、これがあるがゆえに本校人文科を志望した、という生徒もコロナ禍真っ最中にもいたのです。
次年度に向けては、いよいよ海外研修復活を目指して、取り扱い業者の選定に向けてこの夏に各旅行業者へ企画案作成の依頼をする次第です。
先に申し上げておきますと、今回、諸事情ありまして本校「生徒募集部主任」のM教諭がメインの引率をする運びとなり、M教諭が4日間、そこにもう1名と、私こと人文科主任とで2日間ずつ分け合って常時2名体制で引率してまいりました。
本ブログ用の画像は(通常の人文科探究授業の様子などは特に)人文科内の撮影担当のM教諭か私で撮影をしておりましたが、今回は引率してくださった生徒募集部主任のM教諭が、なんと撮影からブログへのアップまで担当してくださり、大変に助かりました。ただし、現在その様子が見られる場所はこの人文科ブログではなく、トップページにお戻りいただいて「新着情報」の中にあります。いずれアーカイブされて保存場所が変わる場合にはまたお知らせします。ということでして、この場では画像はナシで、お伝えしたい関連事項のみとさせていただきます。
さて今回の「人文科国内語学研修」ですが、結果としましては大成功、正直予想をはるかに上回る満足度でした!
●日数:3泊4日
●場所:ホテル日航成田(成田空港のすぐ近くの、海外から/への玄関口)
●語学研修部分担当業者:シェーン英会話スクール(外国人講師2名:イギリス・オーストラリア)
●研修ボリューム:中日は夜まで8コマ!
※初日は出発のバスから講師が同乗しアイスブレイキング活動あり
※3日目は「成田空港でのフィールドワーク:外国人へ突撃インタビュー」あり
…昨年度たくさん検討を重ね、最終的に「国内」とし、今回の業者及び内容を選定した時は、「海外に行けないのに空港に出向いたり海外から出入りする人々と同じ空間で時間を過ごしたりすることが、生徒たちの気持ちの面でマイナスに作用したりはしないか」ということも懸念しました。しかし、付きっきりで見た様子も生徒たちの毎晩入力する日々の感想を見ても、そんなことはありませんでした。
人前で外国語を話すという行為が苦手な者が多かろうこの日本の英会話スクールで働いている講師のお2方、流石でした! 常ににこやかに、常にソフトに、ちょうどいいユーモアを忘れず、生徒たちの自発的な発話や行動をじっくりと、かつ時間を浪費する形にならぬよう、一切怒らずに優しく待ったり促したりできる方たちでした。考えようによっては、朝から夜までしっかり考えられたメニューで8コマも授業を受けるわけですから、場合によると1週間のホームステイにも負けない言語活動ができたともいえるかもしれません。
またホテル日航成田にいる客はほとんどが外国人で、特に朝食バイキング会場では自ずと外国人に取り囲まれることになります。聞こえてくる言語は、英語もちらほら、それ以外もちらほら。見た感じ、アメリカやヨーロッパからの方は少なく、アジア系の方々が多数でした。
成田空港でのフィールドワーク「外国人に突撃インタビュー」は、素晴らしい活動でした! 事前に文字面だけみていた時には、内心ちょっとだけどうなるかと思いましたが、これはよかった!貴重な体験です!スタートは講師のお2人がアタリを付けてくださり、その後は各自で頑張って、「快く対応してくれそうな」外国人を見つけては1人最低5名のノルマ達成を頑張りました。当然、必ずしも快く「インタビューOK」となるわけではなく、断られることも貴重な体験です。頑張って英語で話しかけたら、日本語ペラペラだった、などというケースもいい経験です。
驚いたのは引率の生徒募集部主任M教諭のコミュ力の高さ!彼女の教科は英語ではないのですが、関係ありません!生徒が外国人に話しかけるところにタイミング外さずすっと入って「ティーチャー、ティーチャー!ステューデント!ピクチャーOK??」とほがらかに話します!これは相手からしても「制服姿の日本の高校生?に話しかけられるこの状況はいったい何?」という疑問を短時間で解消できる好要素で、見ていると多くの場合、撮影も快く承諾してもらえていました。(同僚として、彼女に改めて感服しました。ソフト面からハード面まで、最終日のバス到着・解散まで、完璧な引率っぷりでした。同僚としてもなんだかはずかしいいくらいばっちりで、もし他県への宿泊研修生徒引率という業務に求められる内容や心構えをクモの巣グラフで評価するなら、最大の真6角形?8角形?いや円?じゃないかというくらいで、本当に助かったのです!)
生徒たち何人かにインタビュー相手について尋ねたところ、面白かったのは狙ったわけではないのに3人連続スリランカ人でした、というケース。この日この時間、スリランカ便でも到着か出発かしたのでしょうか?
最後に、講師お2人の「面白かった様子」をご紹介します!
イギリス出身の方は中年くらいの男性でサイモン先生。オーストラリア出身の方は若い女性でジェス先生といいます。サイモン先生はほぼスキンヘッドにおひげ、ジェス先生は金髪長髪を後ろで縛っている…そんなお2人をご想像ください(よろしければ前述のトップページの新着情報部分にあるM教諭作成ブログシリーズでご覧ください)。
授業の合間の休み時間中のこと。次の授業に向けて会場の端の机で2人並んで座って打ち合わせをしているようでした。部屋の反対側に座っている私がそんなお2人をふと見るともなしにみていると、ジェス先生が表情も変えず話ながらやおら目の前にあったテニスボール大の吸盤ボール(恐らくゲーム用に持ち込まれたグッズの1つ)を掴むと、それをサイモン先生のスキンの頭にポンと押し付けるではありませんか! しかし吸盤ボールはくっつかず、サイモン先生も一切その行為への反応もなく(!)、何事もなかったかのようにそのまま会話が続いておりました。目撃してしまった私がこのネタを隣にいたM教諭におすそ分けしますと、大爆笑! 翌日まで思い出し笑いしていました!
6月27日(火)「ポスター発表」2年生発表/1年生聴衆
人文科探究の授業時間に扱う内容の中には、人文科としての特色を考えて、異文化やSDGs関連の時間もありますが、今回のこのポスター発表は、「人文科探究」ど真ん中の、本校人文科における探究活動最大のイベントになります。
今回はいつもと趣向を変えて、本校のポスター発表を取り巻く状況を紹介する文面の合間に、本番の様子を一部ずつ挿入してみます。文面と写真の示す内容が直接合わないこともあると思いますので、そのおつもりでご覧ください。
6月27日(火) 「ポスター発表」2年生発表/1年生聴衆
★各部屋の準備の様子
コロナ禍が、実情として…つまり「公の場の」「具体的な感染防止対策上の指示」の面で、だいぶ薄まってきました。ただ、コロナ禍の間に発展したリモート方式や会場の細分化等の中には、場面に応じて今後も活用できる方策もあります。
★発表の様子1
ブログ内では繰り返しになるかと思いますが、本来の「ポスター発表」という発表の形式では、広めの会場内に多数の発表用ブースを設けて、統一のタイムテーブルのもと、ブース数だけいる発表者たちが同時に発表をします。聴衆はと言うと、興味のある発表があるブースに少人数ずつ集まって、発表者の発表を聞き、質疑応答タイムで質問や意見を述べるのです。これを繰り返します。
★発表の様子2
昔は、本校でも学食を借り切って、そこに2年生と1年生が全員入って、本来のポスター発表形式で賑やかにやっておりました。その後、コロナ禍にて分散会場型になり、聴衆の1年生も出歩かず、割り振られた部屋の発表者たち数名の発表だけ聞く、という形になりました。同時に、発表自体もタブレットからプロジェクターを通じてスクリーンにポスター原稿を投映する形式に変わりました。
★発表の様子3
今年度はある意味旧来の状態に戻すチャンスでもありましたが、担任のT教諭の意向もあり、合理的に考えて良い部分は残すことにしました。結果、コロナ禍バージョンで、会場数はこの時間に使用できる据え置きプロジェクターのある教室の数の5会場。それぞれ共通のタイムテーブルで発表する形式となりました。工夫として、プレ発表でもやっていたように、各班に司会を決めて、各部屋での進行をコントロールしていました。
★発表の様子4
また例年、2年生1人につきお1人、1年間ついてくださる個別指導担当の先生方(職員集団のうち、3年生の担任と各部署の主任以外の担任・副担任ほぼ全員)にもお声がけをして、可能な限り発表本番をみていただいております。科目ですから評価もありますので、個別指導担当にも、ポスター発表を含めて年間の評価をいただくことになります。本番が都合付かない場合には事前または事後に、1対1で見ていただいております。
★発表の様子5
コロナ禍と関係ありませんが、昔は人文科探究の時間だけが学校で唯一「7時間目」だったのですが、昨年度より教育課程が変わり、このポスター発表を実施している時間帯に1年生と2年生の普通科全クラスが授業をしていますので、単純に考えても個別指導担当の16人くらいは授業中、つまり担当している生徒の発表本番を見に来られない、ということになります。来年度には、授業中となる教員数はさらに9人増えますので、今後はこの辺りをどうするかが課題の1つです。
★発表の様子6
さて、今年度の生徒たちの様子ですが、やはり2年生になると成長を見せてくれるもので、どの部屋でも立派に発表をしていました。1年生からも、内容について的確に隙を突く質問等が出ましたし、記入している感想はやがて発表者本人の手に渡ります。しっかりフィードバックして、夏休み中の課題「論文の下書き」につなげて欲しいと思います。
★質疑応答の様子
★おまけ!人文科ブログと言えばKさん!?健在です!
6月21日(水)2年生「紙のポスター作り」
昨年度は、事情によりポスター発表用の資料が電子版のみになってしまいましたが、やはりモノとして発表現場で負える役割と、手作業にも学ぶものが多いこととを考えまして、今年度は紙ポスター作製も実施しました。ただし、人文科や学校全体の日程的都合もあり、通常の火曜日7時間目「人文科探究」の時間では難しかったので、三者面談で午後が授業が無い期間中の放課後、特別にこの時間を設けました。
6月21日(水)2年生「紙のポスター作り」
各班原則2名で、長机を2脚寄せてテーブルを作り、私物を置いたら前へ集合。まず主任の私から、この時間の作業について一通り例示しながら説明しました。
手順は次の通りです。
① この時間の流れの説明
② ポスター自体の作り方の説明
1)自分のパワポポスター資料の裏面にナンバリング
2)実物大見本を参考に、模造紙の方眼の左端に鉛筆で薄くナンバリング
3)見本を参考に、A4版横のポスター10枚を順番に間違えず貼り付けるための位置ナンバリング
4)見本を参考に、模造紙全体を「最終保管形態」に折りたたむ
5)模造紙を開いて、正しい位置にA4ポスター資料を糊付け
6)SDGsへの貢献について資料を10枚に含めていない者は、該当SDGsの付箋を添える
説明が終わり、全員作業に入ります。
方眼を使って、薄くナンバリングしたら、見本品と同じように折って…
折れたら、原稿を配置してみて…
糊付けのイメージをしっかりもったら、1枚ずつ正確に張り付けていきます…
のってくれば、どんどん張り付けて…
張り付け終わった人から、「保管状態」にして提出し、片付けをして解散。
ポスター発表本番では、プロジェクターで資料を投映するすぐ脇に掲示しておく予定です。
ナンバリング、紙折り、糊付け…やはり、「工作」という行為は今の時代、どんどん減っているようで、ままならない生徒も見受けますが、だからこそ、これはこれで大切にしたい作業です。
さあ、来週本番!彼らの活躍を期待しています!
6月13日(火)人文科探究⑧ 1年生「論文の型」 2年生「ポスター発表プレ」
6月13日(火)人文科探究⑧ 1年生「論文の型」 2年生「ポスター発表プレ」
実は、主任の私はこの日この時間、「学校評価懇話会」に出席しておりまして、学習活動の様子は直接見ることができませんでした。担任のお話と撮影してもらった写真を見るに、今回も滞りなく実施できたようです。
ついでに、先週の3年生キャリアガイダンスの裏番組も同様で、私は3年生の現場に張り付いていましたが、1年生は「ネタ帳作り」でこの日は新聞を中心に各自数枚をとじ込み、2年生はプレ発表に向けポスター(パワーポイント資料)作りをそれぞれ進めたようでした。
●1年生「論文の型」
本校人文科の「人文科探究」の授業につきましては、原則は担任が授業をしますが、難しい回は主任が授業をする事もあります。我々高校教員の免許に「探究」があるわけではありません。私は「英語」です。1年生担任Y教諭は「国語」です。パターンとしまして、この学科の担任経験者が主任になります。その回の授業の、学習の目標・目的が、初めての人には難し目な場合には、主任が主導で授業を行い、担任や副担任は机間巡視等ティームティーチングをやりながら同時に研修、ということになります。
「論文の型」につきましては、当初の予定では私が授業をするつもりでしたが、前述の事情になりましたので、Y教諭に主旨と展開案をお話して、資料もばっちり用意しておきました。Y教諭の持ち味も合わせて、目的はしっかり達成できたと思います。
以下が授業の流れです。
① まず、入学して2か月以上経ったところで、あらためて「人文科探究」を学ぶとどんな良いことがあるのか、卒業生の声から何例か紹介する
・大学で、周囲の仲間が進め方が分からず困る中、「レポートの書き方が分かる」
・大学で「論文を見本で紹介される」「論文を褒められる」等々
② 先輩の完成論文を1本、見本として読み込む
・要改善点もある論文例を、注を入れた状態で印刷したもの
・同時にその論文の元となったポスター原稿も配布し、ポスターでいうどこが論文のどの部分になったのか意識してもらう
③ 今後、1年生が来年の論文完成まで、いつ頃どのようなワークシートを使いどのような順番で研究を進めて論文の形にしていくのか、を過去のある先輩の残した記入済み実物ワークシートを使ってなぞってみる
③+α その結果出来上がったその先輩の論文を読んでみる
以上の流れをなぞり、いったいどうやって「論文」などという大それた感じに聞こえるものを先輩たちが作れたのか、少し謎解きになったのでは、と思います。また自分でもなんとかなりそうだという感覚ももってもらえたら幸いです。ここで「今」に再度戻り、なにしろ「ネタ帳作り」を進めましょう1年生!
●2年生「ポスター発表プレ」
三者面談期間を挟んで、再来週はいよいよポスター発表本番です。ポスター発表は本校の位置づけではあくまでも論文完成への布石ではあるのですが、発信イベントとしましては最大のものです。この日は本番がうまくいくよう、かつ直しておきたい部分があるかどうかの確認も兼ねて、皆緊張気味で臨んだようですね。
担任のT教諭の指導で、5班が4部屋に分かれ(この日の状況を考慮して本番は5部屋にするようです)、各班の班長の司会で発表会を進める形です。よって画像で前にいる生徒が投影されている資料の作り主とは限りません。
それぞれ、1人4分で自分の研究を発表して、その後質疑応答を経た後、聴衆は各発表の振り返りをし、また最後にはこの時間の感想を書きました。
しみじみ、光陰矢の如し、を感じます。去年入学してきたばかりと思っていたら、もうポスター発表ですか…来週の本番、頑張りましょう2年生!しっかり聴衆をやりましょう1年生!授業が空いていて見学に来られる個別指導担当の先生方、よろしくお願いします!
6月6日(火)3年生キャリアガイダンス「卒業生の話を聞く」
準備は大変ですが、人文科の行事は、どれも楽しみです。この日もまた1つ、楽しみな行事が無事に開催されました。
6月6日(火)3年生キャリアガイダンス「卒業生の話を聞く」
人文科と言えど、学校設定科目「人文科探究」の授業は2年生までで終了です。現3年生までが旧教育課程で、学年全体で7時間目はありません。人文科の生徒も、3年生になると「人文科探究」はもう終了しており、普段は7時間目はないのですが、年に数回だけ「キャリアガイダンス」という枠組みで7時間目の時間を設けておりまして、その中の目玉がこの「卒業生の話を聞く」会です。
今回は4名の大学1年生が依頼を快諾してくださり、この日揃って参上してくれました!
今年は、人文科3年生のクラスの担任のアイディアで、「会場はL.L.教室1つ」「始めから先輩の人数の班を作り、先輩が各回10分で、各班を巡りながら同じ話を4回する」という形式で実施してみました。
直前。皆さま、しっかり来てくれました。主任の私から挨拶をし、担任のG教諭が現3年生クラスの状況と、どういったお話をいただきたいかを伝えます。もちろん、事前に全員に話していただきたいことについては資料付きで伝達済みですが。今回の先輩たちは、何やらよくある「実物提示」以外に「配布用メモ書き」まで用意してくれている人もいるようです。
さあ、いよいよ始まります。先輩方には先にL.L.教室の上座に移動してもらいました。
しっかり号令をした後、主任の私から「先輩達は本行事への参加の大前提として大学の授業を休んできてくれている。そのことを忘れてはいけない」という趣旨の話をしました。実は現1年生担任のY教諭がスプリングセミナーでお話していたことでもあり、ここで使わせていただきました。そして「楽しく話をする雰囲気は大切。でも、時間を割いて共有する内容は、是非有意義なものに。先輩だからこそ聞ける話、先輩にしか聞けない話を是非。」と。
そして、G教諭からは、この後の先輩から話すことや質疑応答のヒントとなるような、是非確認しておきましょう、という点が何点か出ました。
先輩たちと、各班の様子です。16通りの組み合わせですが、1通りずつ掲載します。
今年いらした校長先生(黒いジャケットの先生)も、人文科の取り組みを見にいらっしゃいました。
先輩たちからは、単なる体験談にとどまらず、心構えや大学受験に関わる諸分野の実情、不測の事態の対処と気の持ちよう等、我々教員が通り一辺倒の進路アドバイスをしようと思ってもなかなか口をついて出てこない、独自で貴重な話が次々に語られ、本行事の価値を再確認する次第です。
配布用の資料を自分で全員分用意して持参してくれた先輩が使った資料です。
サブタイトルだけ掲載しますと…
1.受験の流れについて
2.受験プラン
3.勉強計画について(アドバイス8点)
4.志望校について(アドバイス3点)
5.モチベーションの保ち方(アドバイス2点)
6.大学生活について(3点)
となっておりました。特に3番の勉強計画につきましては、大変具体的で核心を突いたアドバイスが記載されていて、生徒たちにとりましてこの紙はしばらく重要な資料となるでしょう。
また、先輩の1人が、実は昨年度に私が生徒対応した際に伝えた話を覚えていてくれて、この場でアドバイスとして紹介してくれたシーンもありまして、内心とても嬉しかったです。
このクラスは「とても元気が良い」クラスで、中には普段落ち着かない感じ?の者もいるのですが、この場は思いのほか全員が集中して熱心に聞き入っていました。いい雰囲気です!よく撮れた真剣表情ショットをどうぞ。
このクラスの担任のG教諭も、1つの班に定位置を決めて(講師の真横)、回ってくる先輩全員の話を熱心に聞き、また質問もしていました。また、講師の先輩方の旧担任のK教諭(奥でiPadを構えている人)もかけつけ、一人ずつ近くで話を聞いては嬉しそうに目を細めていました。分かります!私も1年前と先日のスプリングセミナーで、同じような表情になりましたから!この仕事の醍醐味の1つですね!
最後は、予定外でしたがG教諭から旧担任K教諭へ「講師の先輩方について何か紹介コメントをいただけますか」といったお願いが。これはナイスなお願いでした。「うちのクラスの選りすぐりです」とあり、1人ずつ、在学中の過ごし方や進路に関する悩みなどを紐解いて、一通り話を聞いた3年生たちも最後に更に合点がいったようでした。
間もなく終了です。クラスの代表からお礼の言葉です。立派に感謝を伝えました。
主任からの終わりの挨拶ということで、私からは「良い雰囲気で話を聞けていた」旨、改めて「依頼を快諾し来て下さる先輩がいるからこそ開催できる行事」である旨、4名お願いして4名来てくださったわけではなく、背後にはもっと諸事情がある旨、そして「今は自分の進路にまっしぐらでいい。でも1年後に、誰かはこうして、後輩のために来て欲しい」旨。何も受かった大学の偏差値順という事ではなく、進路に向けた取り組み具合を中心に様々な条件で白羽の矢を立てる旨、この場を借りてまずは伝えさせていただきました。
終了後、原則3年生たちは机と椅子を向きだけ直したら放課ですが、追加で個別に話を聞きたい者は例年同様残って個別相談OKです。やっぱり一定の人数は聞きたいようです。部活の先輩後輩の場合もありますね。
さあ、最後まで粘った3年生も去ったら、お楽しみタイム!
まずは旧担任のK教諭を囲んで集合写真撮影!そうこなくっちゃ!
そしてその後はやっぱり5人で積もる話に花が咲きます。他の卒業生の様子や噂を含め、和やかに交流を楽しんでいました。さらにその後はL.L.教室を後にし、職員室へ赴き、所縁の先生と話をするのも、卒業生にとりましても教員側にとりましてもこの行事の醍醐味の1つですから。
卒業生の皆様、この度は誠に有難うございました!
5月29日(月)1年生「SDGs関連学習②」2年生「ポスター作り4回目」
5月29日(月)
1年生「SDGs関連学習②」
人文科探究=1単位の授業(週1回の授業)で、扱いたいことは山盛りです。それぞれのテーマを十分に扱うことは、正直できません。貴重な授業機会を、できるだけ確実な「とっかかり」にするしかありません。
SDGsに特化した時間は、取れて年間数回。時代柄、すでにこのテーマは多くの教科の教材にもある程度入り込んできておりますが、私が気になるのは、ある意味「商標化してしまっていないか」ということです。
SDGsは人類にとっての持続可能な開発目標ですから、17項目にはもちろん環境問題以外の分野も含まれていますが、私はここ人文科では、分野を環境問題に絞った上で「そもそもなぜ環境を保護する必要があるのか」、言い換えれば「環境とは何か」を大事にしたいです。そしてそこからの「今、何が起こっているのか」だと考えています。
初回では、この地球の環境の成り立ちを、「地球カレンダー」を使って、ものすごく駆け足ですが、さらってみました。
今回は、なんと前回、このテーマで話をする上で初めて(個人的には就職以来、何度も話してきた内容なのです)力強く訴えることを忘れてしまった「ある事実」から、話を始めました。焼きが回った、というやつでしょうか…。
今回見せる動画が「温暖化」についてのものなので、かえっていいおさらいになりましたが。
「太陽のような、自ら光る『恒星』は、誕生から悠久の時を経て超新星として大爆発して、光すら出ていけない超重力の存在『ブラックホール』、または『白色矮星』になって寿命を終えるまで、僅かずつではありますが段々と大きくなり続け、温度も上昇を続けるものだとのこと。我々の『太陽』は寿命半ばを過ぎたくらいとのこと。
つまり、太陽から地球までの距離が変わらないなら、太陽の膨張と温度上昇に合わせて、地球の平均気温も太古の昔から現在までにかけて、上昇を続けているはず。
ところが、科学の力で分かっていることとして、もう何億年も地球の平均気温はほとんど変わらずにきている、ということがあります。これはなぜなのか。
ちなみに地球に大気が生まれた頃、大気成分はなんと98%が二酸化炭素。その頃はそれくらいの割合で大気中に温室効果ガスがあって、はじめて絶対零度の宇宙空間で今と同じくらいの平均気温を保てたわけです。さもなくば地球は星ごと凍り付いてしまいす。…さて、現在の大気の組成は?二酸化炭素の割合は何%?その変化は何のお陰?」
現在、大気成分のうち、最も存在感のある温室効果ガス「二酸化炭素」は1%以下です。そしてそれが現在はちょうどいい組成の割合なのです。昔98%もあったものを、誰がこのちょうどいい1%以下にまで減らしてくれたのか。それは植物です!
この話は、すぐ気が付くこととして、億年単位でみれば破綻がきます。植物の存在を考えれば、この温室効果ガスはナシにはできませんが、太陽の温度上昇を考えれば、二酸化炭素を含めた温室効果ガスは総量としてこれからもずっと減らし続けねばならない。生命の存在する星「宇宙船地球号」が、本来のペースで寒冷化と温暖化を繰り返し続けていくとしても、今後何億年も経てばいつかはバランスが破れて「生命が存在し得ない」状況になるわけです。
ただし、肝心なのはこれは億年単位の話であって、振り返れる歴史がせいぜい数千年である人類が真面目に気にするべき未来のスパンではありません。気にすべきは、話を小さく小さく見て、千年単位、いや百年単位で現在の地球の環境を考えた場合、どうやら人類はこの星に一線を越えた影響を与えているようだ、ということですね。せっかく1%以下になった二酸化炭素を「一瞬の間」にジャンジャン増やして、気候変動を招きつつあるわけですから。
本題ですが、今回見せた映画は「不都合な真実」an inconvinient truthです。
簡単に紹介しますと、かつてアメリカで副大統領までいき、大統領選で惜しくもブッシュ氏(息子)に敗れた政治家「アル・ゴア」氏が、環境活動家として調査・研究し世界各地で講演会を実施してきたその内容をドキュメンタリーにまとめたものです。
今さらですが、そして残念ながら、つくずく「珍しいタイプの政治家」だな、と思ってしまいます。教育公務員としては現場では政治や思想的に中立であらねばなりませんので、ここ日本の政治家の皆様の様子についてはコメントを控えます(そもそもあちらの業界の中を批評できるほどちゃんと見えているはずもなし)が、ただの印象として、アメリカの政治家で他国にまで名前が知られている人々の中で、彼ほど、自国にとどまらず世界全体の環境問題を主眼に置いた先行きを憂いて本気で活動した政治家がいたでしょうか?
「あ~あ~、ゴアさんがアメリカの大統領になっていたらなぁ。それも歴任で8年くらいやってくれていたらなぁ。大国アメリカを地球全体の環境問題の先鋒として動かせていたら、温暖化を始めとする環境問題の現状も、だいぶちがっていたんじゃないかなぁ~」…タラレバですね(涙)。
昔からよく言われますが、環境問題は長く「経済」とたもとを分かってきましたので、環境問題を本気で訴える政治家には票が入りません。環境のことなど考えてこなかったかつての大多数の企業にとりましては、邪魔な思想でしかありませんので。ところが、ほんの数十年の間に、科学者達やゴア氏のような人々が科学的根拠に基づき予測して憂いてきた環境破壊の度合いが、それをはるかに上回る数値で当たり前のようにニュースになり、また体感もできるようになってしまいました(この前の5月の高温は何??)。かつてゴア氏を「嘘つき」と揶揄し、温暖化の問題について真逆の考えで活動してきた者達は、いまや厚かましくも手のひらを返してこの問題に向き合ったふりをせねばならなくなりました。しかし、状況はそれでは手遅れなのです。
また一方で、「経済」の大切さも、コロナ禍によって民衆に共有された形です。実感せざるを得ないことは、結局は経済的にある程度以上の余裕がないと、例え先がない道であっても人間は歩み続けてしまう、ということです。
ゴア氏ご本人を巡る人間模様は人間模様であって環境問題そのもではありませんが、人類が1人1人「人間をやめることができない」以上、SDGsを本気でじっくり進めるしかないのでしょう(そもそも「開発目標」であって「開発をやめろ」ではありません)。そういう点でも、生徒たちには、上辺でなく土台をしっかりした上での科学的見地から状況を憂いて欲しい…またその一方で、問題の解決にあたっては必ずそこに自分以外の「人」が存在する、ということも学んでほしい次第です。
この映画は「とっておき」のネタの1つで、かつまた全てを見せるには付随する解説も入れて3コマは欲しい所ですが、実際には40分程度だけ見せて終わり、です。それでも、2005年の段階で判明していた恐ろしい「不都合な真実」についてのゴア氏の見事なプレゼンの様子は、ハイライトの1つを含めて見せられました。
7時間目ですし、もともとの生徒それぞれの興味関心もありますので、全員が最後まで集中できたかと言うと、まあ全員ではありませんでしたが(自然です)、全体の雰囲気としましては「ガツン」と気持ちを投入できたかな、と。
2年生「ポスター作り4回目」
さて、昨年度に上記のビデオを、働き方改革などの流れからなくなってしまった「朝勉」の時間も使ってフル視聴できた現2年生はと言いますと、本番まで数週間にせまった「ポスター発表」に向けたパワーポイント資料作りが佳境に入ってきました。あっという間ですね。ブログを書いている今はもう「夏」に入ってしまいましたし。
佳境と申し上げましたが、担任のT先生によると、6月13日のプレ発表会の段階でもまだ多くの者に内容の訂正や改善が出そうだ、とのこと。紙の「ポスター」作りは、それを経てからにしたい、とのことでした。
模造紙に資料を貼り付けて、ブツとしてのポスターを作るのは、当初の予定ですと6月6日(火)になるのかな、と考えていたのですが、実情からすると人文科探究の授業の外で、6月19日からの三者面談期間(午前中授業)の午後にでも、私が出向いて作業をみるべき状況の様です。
ポスター発表本番では、ここ数年のこととしまして、生徒はプロジェクターでパワーポイント資料を1枚ずつ投映しながらの発表になり、その際に昔ながらの紙の「ポスター」は必須かと言いますと、なくてもできないことはありません。しかし、質疑応答の際に、発表者が見せたい資料または聴衆が質問してきた対象の資料を探して、投映してある電子データを前に後ろにスクロールするのも時間がもったいなく、スクリーンの脇に「発表者も聴衆も一目で必要な情報に目が向けられる」紙のポスターが掲示してあることのメリットは大きいのです。
また、個人的に絶対大切にしたいこと、また人文科で主任として部の皆にお願いもしていることとしまして、「アナログ能力の維持」があります。タブレットやプロジェクター、スクリーンが無いと発表できない、というのも情けないことです。機材に振り回されている状態です。機材は、使いこなすものです。スマホが無いと調べものもできないのか。パソコンが無いと仕事ができないのか。「ポスター作り」作業そのものでは、大きなサイズの紙の扱いに始まり、レイアウト、糊付け等の工作も体験します。センスが必要です。こんな当たり前の誰でもできそうな工作の能力が、ところがどっこい、私が教育業界に身を置いてほんの約30年の間に、生徒たちからみるみる失われてきております。カッターを逆さに使う者。ドライバーでネジを回せない者。ミシン目で紙を上手に切り離せない者。珍しくありません。本当です。やっておきましょうアナログ作業!大学生そして社会人になる前に!
5月16日(火) 1年生「多面的思考トレーニング」 2年生「ポスター作り3回目」
5月16日(火)
1年生 多面的思考トレーニング
1年生の1学期は、「探究マインド育成」「研究対象模索」が大きな目標です。
スプリングセミナーで新入生に周知した、探究活動に欲しい指針「メディアリテラシー」と「多面的思考」。今日は多面的思考のトレーニングです。
世の中にある未解決の問題について、過去の人々と同じようにしか考えられないと、過去の人々がすでに考えて試してうまくいかなかったのと同じアイディアしか浮かびません。そして問題はやっぱり解決できないでしょう。
同じ問題を、これまでと違う角度から見てみる。「奇をてらう」とも違う。話題性やユーモア、周囲の反応が目的でその場限りの言葉遊びをするのとは違う。でも場合により、段階により、一見「奇をてらっている」としか周囲が思えないようなアイディアが解決の突破口になることもあるかもしれませんね。多面的思考ができない人は、できる人のいう事を前向きに理解すること自体、できないのかもしれません。
今回は昨年同様、小難しくならないように、楽しめるように、「頭の体操」的な問題を用意しました。生徒たちには5,6人の班を8班作ってもらい、班ごとに制限時間を切って解答を考えてもらいました。
以下が、問題と「多面的に見てほしいポイント」「解答」「生徒の様子」です。5番以外はそれぞれ1,2分、5番は5分で、班ごとに答えを考えてもらいました。
1.次の図で、川の対岸のA地点からB地点まで川に対して直角に橋を架ける場合、どのように架ければ最短で両地点を結べますか?
(※肝心の図の画像が無いので、言葉で説明します。真っすぐな川があり、川の対岸(上側)の左の方にA地点、こちら側(下側)の右の方にB地点を設けます。両地点の水平方向の距離は、川幅の6~7倍あります。)
●ポイント:橋の形状については、川に垂直であれ、という以外言われていない。街中で、道路の下をドブレベルの幅が狭い川が通る場合、どんな様子になるか。橋の幅の方が川幅より狭くなる、という先入観に気が付けるか。
●解答:A地点からB地点まで覆う、幅の広~い橋を架ければよい。
●様子:今年は正式に解答にこぎつけたられた班はありませんでした。ただ、どの班も活発に話し合って、何班か答えを発表してくれました。中には、カクカク直角に曲がった橋を思いついた班もありました。
2.柱2本とハンモック1つの「ハンモックセット」が5セットありますが、1セットが不良品で、柱が1本しか入っていません。5セットすべて問題なく使うには、どうしたらいいですか。
●ポイント:逆に5セット分の部品を全て使わねばならない、とは言われていない。部品をセット間で共有してはならない、とも言われていない。
●解答:不良品セットと完品セット1つを合わせ、柱を1本共有すれば、柱3本でハンモック2つをぶら下げられる。さらに言えば、5セットを円形に配置すれば、柱は全部で5本でもハンモック5つ全て使える。
●様子:これは複数の班が正当にたどり着きました。すばらしい!
3.つまようじ6本を折らずに使って同じ大きさの正三角形を4つ作りなさい。ようじは重ねてはいけない。
●ポイント:平面で解決しなさい、とは言われていない。2次元と3次元の間に横たわる先入観。
●解答:正三角錐を作る。
●様子:これは、昨年度に条件をいくつか付け忘れて持っていかれたので、今年はバッチリ。こちらの勝ちでした。なにしろ活発なので、複数の班がいくつか案を述べてくれました。最後は皆、多角的視点というものを実感してくれたように感じました。
4.マッチ棒4本を折らずに使って、田の字を作りなさい。
●ポイント:マッチ棒は平面に並べろ、とは言われていない。~の字を作れ、という表現はあいまいで、例えばミッキーマークのような幅があり得る。
●解答:マッチ棒には、断面が四角い木片が使われている。4本のマッチ棒を束ねて火薬部分ではない側を見ると、四角い断面が田の字に並ぶ。
●様子:これは、生徒の勝ちでした。もっともずるい、一休さんや彦一のような「とんち」の範疇の問題でしたが、2,3班が早々に「~だ!」と盛り上がって、指名した班長も解答を板書してくれました。お見事!。
※授業では言いませんでしたが、時間制限のないブログ用のネタ
昔、センター試験だか共通一次試験だかの理科の問題で、何かの条件で温度を計算させる問題だったと思いますが、これに対してある受験生が「温度計を使う」と答えて物議をかもした記憶があります。顛末は覚えておりませんが、問題の意図や目的は「多面的思考」ではなく「理科分野の知識や計算技術」を問うもののはずですから、問題文に温度計を使うな、となくても不正解でいいと思います。今でも職業柄、問題を作成する立場でもありますから、問題文には気を付けたり、テスト前後に意図や常識などもコメントしたりします。
さあ、ここからは、現実にあったことをネタに、真面目?にいきます。
4.ある県内の市で、市内のカブトムシのいなくなった森に、養殖したカブトムシを数百匹放しました。このことについて「問題点」を発見し、「解決策」を考えなさい。
●ポイント:なぜ「いなくなった」のか。森に放した目的は何か。放されたカブトムシはどうなるのか。
●解答:市は、カブトムシがいなくなった原因を考慮しているとは思えない。また、カブトムシが定着あるいは生存する見込みがない状態での放虫は目的が不明であり、目的がどうあれ、いなくなった原因をただしてから放虫すべきである。
●様子:これはいくつかの班で、こちらの意図した思考をと逆の発想をしてくれて、興味深かったです。カブトムシを、環境に圧を加える問題生物と捉えたりと、思考ステップを踏んでの思わぬ展開。全体的に活発に話し合いが行われ、嬉しい限りでした。
ブログ用解説(6割は授業で早口で話しました)
カブトムシがいなくなった原因は、温暖化が原因かもしれない「林内の乾燥」もありますが、一番は「木々が樹液を出さなくなった」ことにあります。「樹液」は木の「傷口」から出るもので、「傷口」は「治るもの」です。まず近年、木々に傷自体があまりつきません。理由は、木々の傷はカミキリムシ、タマムシ、コメツキムシなどの昆虫によるものであり、そういう昆虫がまず減少しています。さらに正常な状態の自然では、ボクトウガという蛾の肉食の幼虫が、樹液に集まる小さな虫などを捕食する都合で、猟場である「傷」が治るのを、傷口を定期的にいじって阻止することで樹液が長期間流れるのです。ちなみにこの蛾の幼虫は、自分では樹皮に初期の傷は設けられません。
何千万年か分かりませんが、こうした環境が悠久に継続したからこそ、「樹液をほぼ専食する」カブトムシ、クワガタムシ、カナブン等が進化してきたわけです。しかし現在、このボクトウガもほとんど見かけません。結果、やっとついた木の傷からせっかく樹液が出ても、傷はすぐふさがってしまうし、近年の夏の暑さでは林床までカサカサ、樹液も8月どころか7月下旬も待たずに乾いてしまいます。
あともっと直接的な人間の仕業として、市民の森のような一般人が遊歩道で入り込めるエリアにある樹木の樹液には、市町村の職員がスズメバチ対策で乾燥剤や毒液を散布しますや。恐らく自然を都合よくしかとらえられない一部の市民が苦情を訴えるのでしょう。住宅地の自宅の庭じゃないのに。森なのに。スズメバチを先に見つける技、避ける技、急に出会っても怒らせない技を身につけるか、嫌なら森には行かない事。これが筋だと思うのが私の持論でゴザイマス。
十数年前のことですが、埼玉県内のS市は、餌のない森にカブトムシを放虫して、何がしたかったのでしょう。カブトムシが取れる森にしたかったのでしょうか。それとも潮干狩り用に作った砂浜に養殖アサリを撒くように、ひと夏子どもたちに虫取りできる森を提供したかったのでしょうか。いずれにしましても、その触覚に樹液のにおいを一切感じられないカブトムシたちは、2日と待たずこの森から飛び去ったでしょうね。
これが鯉の放流などになると、もっとひどい話になります。「〇〇市では、市民と共同で養殖した鯉の稚魚を、魚のいなくなった××川に放流しました。」鯉自体が一部の地域や亜種を除き実は厳密には外来種であり、また人間が都合で仕切った「国」の中でも、もともといなかった地域へ国内から新しく生物を移動定着させると、これは「国内外来種」となり、環境破壊の一環となります。コイは頑丈で繁殖力旺盛で獰猛で、世界的に猛威を振るっています。鯉の増えた水域では他の動物への圧はすさまじいものですから。
最後の問題です。
5.信号機付きの横断歩道で、通行人がギリギリの駆け込み横断をするのを防止するためのアイディアを話し合って考えなさい(実際に実用化されているものです)。
●ポイント:罰や物理的なハードルでなく、人に駆け込みをさせる心境に着目できるか。「あとどのくらい待たされるか分からない不安」に気が付けるか。
●解答:歩行者用信号の待ち時間表示の中央に人型のアイコンがあり、この人型アイコンが待ち時間の間「ダンスする」。ヨーロッパのある国で実際に採用された工夫で、人型のダンスはなんと録画やアニメ動画の連続再生ではなく、近くのブース内で係が実際にやっているダンスに人型アイコンの動きが連動する仕組みで、ダンスの動きがしょっちゅう変わるので信号待ちの人々が飽きずに見られる、というもの。
●様子:これは、全班に解答をききました。頭がほぐれた感じの、面白い案がたくさん出ました。やはり考えが至らないのは、その案を実現するための費用や人材等ですね。最も本筋の解答は、「歩行者用信号機に、赤信号でも青信号でも「残り時間」「待ち時間」が分かるようなカウントダウン形式の表示を設ける。」でした。これはしかし、すでに広く実用化されていますので、ベストアンサーではありませんが、発想を褒めました。素晴らしいです!
ここで、発想の転換の実例を紹介しました。
オーストラリアかニュージーランドだったと思います。ある郊外の道路で、雨天時にスリップ事故が多発する場所があり、そこに苦慮の末、注意を促す標識を設置した、という話。この標識、「雨天スリップ注意」「事故多発地点」「この先急カーブ」等の文言はなく、幼い女の子の顔が大きく描かれており、晴天時はただそれだけのものなのですが、雨天時はなんとなんと!!女の子の両目から赤い液体が流れる仕組みが!私はこれをテレビ番組で見て、血の涙を流すマリア像やキリスト像の話を思い出しました。初めて見るドライバーはさぞ肝をつぶしたことでしょう。また状況的に「見慣れる」ことは考えにくいので同じドライバーにも長期にわたり有効でしょう。雨天時スリップ事故は激減したそうです。まさに「標識」の「常識」を覆す多面的思考が成功した好例だと思います。
最後に、偉人たちが残した「発想力が鍛えられる名言・格言21選」のプリントを配布し、いくつか選んでコメントしました。是非すべて読んで、なんでしたら座右の銘にしてほしいですね。
例えば、
ピカソ「子供は誰でも芸術家だ。問題は大人になっても、芸術家でいられるかどうかだ。」
ジャック・ロンドン「ひらめきがやってくるのを待ってはいられない。棍棒を持って追いかけるしかない。」
エジソン「ほとんどすべての人は、もうこれ以上アイデアを考えるのは不可能だというところまで行きつき、そこでやる気をなくしてしまう。いよいよこれからだというのに・・・」
本物?は、違いますね(決して上からではなく、自ら同じような心境にどのくらい到達できたことがあるか考え、やはりそこまでは思い至らない自分を見つめてのため息)。
2年生「ポスター作り3回目」
今回はまた私は授業者ということで、同じ時間の2年生の様子を覗きに行けませんでした。今回、1年生の担任のY教諭に撮影をお願いしてありましたので、短時間抜けだして2年生の様子も撮影してきてもらいました。
見た目はやはり地味なデスクワークですが、ちゃんと必要な時間を取って必要な活動をしていますので、手短に様子の紹介です。
おおっ!画像を確認していて、嬉しい発見!昨年度、授業の様子を撮影に行くと、いつも素敵な笑顔でブログ用に愛想を振りまいてくれたKさん、健在じゃないですか!Y教諭、ありがとうございます!当然、登場してもらいます。
さあ、ポスター発表まで2か月ありません、みんな頑張れ!
5月9日(火)1年生「ネタ帳を作ろう②(資料・文献収集)」 2年生「ポスター発表用資料作り②」
5月9日(火)1年生「ネタ帳を作ろう②(資料・文献収集)」
今回も、1年生は図書室で授業です。
「ネタ帳を作ろう」と言っても、なかなか難しいものがあります。なにしろ興味がある、面白いとおもったものは、書籍でも新聞記事でもSNS上の情報でも、パッと記録に残してファイリングする…そのファイルがネタ帳なのですが、物理的に作り始まらないと、動き出しにくいものです。
今回は、担任のY教諭主導で、まずはネタ帳を物理的に作り始めてみよう、と。
始めに、前回図書室で司書さんにお願いした授業の時の資料を見返します(iPad便利)。通っている高校の図書室だけでなく、身近な図書館…県立や市立の…の利用の仕方などを復習しました。
本棚にある図書(開架図書)ばかりでなく、書庫に保管されている書籍(閉架図書)も、利用できるようになるといいね、とのお話。興味の対象について、利用する図書館の蔵書を積極的に調べて、それが閉架図書であっても窓口で手続きして借りる…そんな体験を是非皆にしてほしいものです。
春休みの宿題も返却されました。これをネタ帳の最初に閉じ込んで、今日あらためて最低2ネタ綴じ込めば、ネタ帳は今日ここで3ネタになる(厳密には、春課題は「最低3ネタ」としてありましたので、最低5ネタ)…という目的の時間です。
春休みの宿題は、入学前ですが、「興味のあること」を記入してあるはずです。今日はそこから、記入したネタに関係がある書籍を書架(本棚)から最低2冊見つけてきて、必要な情報を専用の記録用紙に記入して、ネタ帳に挟む、ということになります。
さあ、みんなめいめいに本の森に入っていきます。
見つけてきた本について、必要な情報を記録します。
みんな、ネタ帳が「最低5ネタ」になりましたでしょうか???ガンバレ~!
2年生「ポスター作り③」
2年生はやっぱりこんな感じで、画像は代わり映えしません。今後とも…です。
絵としては日を変えて繰り返しても面白味がありませんが、ちゃんと作業は進んでいます。人文科の2年生は、例年PCの扱いに明るい生徒が多く、多くの者がそれでも初めていじる「パワーポイント」というアプリに物おじせず、どんどん資料を作っていきます。
時折、先週の「個別指導担当へ初顔合わせ」の時に該当教員の都合がつかず会えなかった者で、この時間にアポイントメントを取れた生徒…が出入りしたり、研究内容に加えたい、あるいは改めて調べてみたいことが生じた者が、PC室の出入り口と廊下を挟んで反対側にある図書室裏口からチョット入って書籍を探したり、と、全員黙ってPCの前に座っているだけではない…のですが。
素敵なプレゼンテーションができるといいですね。楽しみです。
5月2日(月) 1年生「SDGs関連」 2年生「個別指導担当へ挨拶」
5月2日(月) 1年生「SDGs関連」 2年生「個別指導担当へ挨拶」
1年生「SDGs関係(地球カレンダー)」
SDGsにつきましては、数年前に「視点を取り入れる」という表現で学習機会を設け始めました。生徒にとりまし8て、探究論文作成に向けたテーマの設定時にあまりSDGsにこだわりすぎますと、自由な発想が制限される恐れがあります。人文科としまして、まずは単純に「疑問→仮説→論証→結論」の流れを自ら設定すること、それについて手順を踏んで研究し論文にすること、この流れをスムーズに体験することを優先しまして、実情は「後付けで」自分の研究はSDGs17項目のどれに貢献できるか考える…くらいの強さでやっております。
一方、SDGsそのものは、悲しいかな「エコ~」と同様、商標化してしまっているような場面も見受けますが、現在の地球に生きる人類として、あらゆる場面で考えてゆくべきことのはずです。この世界の傷み具合は、学校の全科目で前面に押し出して扱ってもおかしくないレベルと言えます。できれば探究授業年間計画に定期的に入れたいくらいの内容ですが、実際の計画では(当然でもありますが)論文作成に向けた流れを最優先としています。今日は、年間数回の貴重なチャンスの1回です。
SDGsは国連の考える「持続可能な開発目標」ということで、その17項目は人間の開発分野全般にわたりますが、そのうちの半数近くが「環境問題」にかかわる分野です。
たまたま、主任の私は三十数年前(ここ春日部東に「人文科」ができるずっと前)、この母校で2年生の頃に、とあるきっかけから環境問題に興味を持ちました。その後、大学は学部こそ英語ですがゼミは「英語で自然について考える」ゼミをとり、環境問題への関心を深めました。就職活動で教員を目指したのも「生徒たちに環境について伝えたい」と考えたからでした。そのあたりはカミングアウト的な話がまだあるのですが、ここでは割愛します。
さて環境問題と一口に言ってしまうと分野が大きすぎて、まとめる際の立ち位置もしっかりせねばなりませんが、今回は、はっきり環境問題に特化して話す初回、と考えますと、私としましては「問題」以前の「本来」をまず知ってほしい、普段何気ない瞬間に本来の環境そのものの「偉大さ」「存在自体の奇跡さ加減」「脆弱さ」に思いを馳せてほしいと考えます。
「地球は、太陽系の中で、どのように惑星になったのか」
「地球の地殻は、大気は、海は、いつ頃どうできたのか」
「最初の生命の誕生する条件はいつ頃どう整ったのか」
「酸素は何者がどう生み出してくれたのか」
「オゾン層はいつ頃どういう経緯でできたのか」
「私達生物はどういう経緯で進化し今こうしているのか」
・・・つまりは我々が今現在、生命としてこの惑星に存在できる根本的な条件は、何のお陰でどのように整ったのか。そして私たちはどこから来たのか。こういった、ある意味「環境の下地に関する一般常識」とも呼べる知識を、まずしっかり確認したいと思いました。
そこで、このために昨年「地球カレンダー」をワークシート化しました。ご興味のある方は是非検索してみてください。「地球カレンダー」とは、地球の誕生から現在までの歴史・・・46億年と言われていますが、この46億年の間に起こった出来事を、1年間365日のカレンダーに換算して当てはめると、何月何日にそれが起こったか分かる。つまり長すぎて見当もつかない46億年そのままで理解するのではなく、長さの見当がつく12か月365日に直して、出来事の間隔やタイミングを把握できる、そういうカレンダーです。
むかし、A3判の紙2枚に365日を入れ込んだプリントは作ったことがありました。昨年、これをA4判1枚に1か月、全部で12枚、プラス12月31日のみを24時間に直したら何時何分に何があったのかで1枚、計13ページ(両面印刷で枚数は半分)のワークシート束に仕立てました。カレンダー内のおもな出来事は、全消しか空欄を設けました。元旦から順番に、途方もない出来事については想像しやすいようにプロジェクターで例の画像を示しながら説明していく、という授業です。昨年わりとうまくいきましたので、今回は少しだけ画像を選びなおしました。
ご想像通り、11月から急に出来事が増えますが、6月まででも重要な出来事はあるにはあります。設けた空欄を全て埋めてもらいながら時間内に全て話せるか、予め「今日は無謀なことをするぞ!」等と言って、時計を見ながら必死で、でもなるべく分かりやすく面白くトークしました!結果としましては今回はギリギリ時間内?なんとか伝わりましたでしょうか。
1月12日(44.5億年くらい前)。地球に小天体が激突して「月が分離」したあたり。
大まじめです、太陽系が生まれるあたりから話し始めましたので。
1月16日(44億年くらい前)。「地殻」の形成の話…の前に、地球の構造と地殻ってなんだ?の話。プレートやら日本列島の地震やら。
私は授業をやっていますので、カメラマンは1年9組副担任のM教諭にお願いしてあります。2年生の様子も撮影をお願いしてありますので、画像は飛び飛びです。
5月31日(27億年くらい前)。シアノバクテリア(藍藻)が、この惑星に初めて「酸素」を放出し始めました。ストロマトライトといって、この藻類が集まって固まったものが化石になって見つかっております。たまに石屋さんで磨いた石玉が打っています。画像は、なんとその頃の様子を現代に伝えていると名高いオーストラリアのハメリンプールという浜の写真です。黒い岩は岩ではなくストロマトライトそのもので、表面の生きた藍藻が陽光を浴びると光合成にて酸素を泡にして放出する様が見られます(現地で生で見たことはありませんが、以前、科学番組で動画で見ました)。
似たような現象で良ければ、よく観察すれば身の回りでも見かけられます。
8月3日(19億年くらい前)。超大陸ヌーナ形成の話ですね。超大陸と言えば「パンゲア」や「ゴンドワナ」が有名でしょうか?ヌーナは地球で最初の超大陸です。地球全体のプレートの動きによって、地球では過去に何度も超大陸が形成されては分裂し、ということを繰り返してきました。
科学の力も大したもので、現在の各大陸がこの時だいたいここにあった、ということすら分かるようですね。
私が授業をやっている写真はここまでです。
ここで、今回の授業に使用した「実例」を写真で紹介します。画像以外にいくつか鉢植えなど本物を見せました。私が生物部の顧問もやっておりますので、ストックからぱっと見つくろって、予め廊下に置いておきました。
まずは「藻類」の見本から。ストロマトライトの化石の磨いた石玉を自宅からもってきても、多分ピンとこないので、仲間は違いますが、多分「緑藻類」の実物です。生物室のとある水槽ではびこっていたので、ペットボトルに汲んできました。写真は時間が経ってから撮影しましたので、大分薄まってしまっていますが、授業で見せた時は濃く新鮮な緑茶にしか見えませんでした。大雑把ですが、地球の海を酸素で満たし、大気にまでふんだんに含ませてくれた種族です。リスペクト!
ここからは、少しストーリー付きで。
11月27日!海の中ではすでに魚類までが進化し繁栄していましたが、この日より2億年ほど前…もとい、2週間ちかく前の11月14日からオゾン層が形成されはじめ、UV対策など色々と準備が整い、27日にようやく植物が上陸に向けて動き出します。まずは浅い海や河口に藻類が、そして次に湿地帯にコケ植物がじわじわと上陸!といっても「湿った環境」までです。ちなみに、動物は一切まだです!
11月28日!植物が(はっきり)初上陸!
この、今より4億年ちょっと前…もとい、「大晦日の現在から1か月と3日前」に初めて上陸した頃と、ほとんど姿を変えずに現在まで生き残っている「生きた化石」が「マツバラン」の仲間です。
一応、広義にシダ植物と分類されていますが、これはかなり大雑把な分け方で、動物でいいますと魚から私達哺乳までまとめた「脊椎動物」と、「エビ」だの「貝」だのまで、ほとんどの動物をいっしょくたにしてしまうくらい適当な分け方です。
もうすでに授業では全然そこまで話していない「ブログネタレベル」になっていますが、ここだけ!古い植物の分類の入り口だけ!ちゃんとすると、
「古マツバラン門」
「ヒカゲノカズラ門」
「トクサ門」
…ツクシンボウは、あれはあの植物の本体でないことはご存じでしょうか。ツクシの本体は「スギナ」という植物で、一度生えると根絶が困難なスーパー雑草です。ツクシは「胞子を散布するための、被子植物でいうところの「花」にあたる器官です。ガーデニングなどやっていると本当にどうしようもない雑草ですが、言い換えれば、数億年もの間姿を変えずかつ大繁栄しているので、地球に活きる生物としては「大当たり」の生体デザインを誇る種族ですね。そのツクシ…もといスギナがいるグループがトクサ門です。写真はトクサの新芽です。
「ハナヤスリ門」
「シダ植物門」
etc…となっております。
このリストはだいたい歴史上も上陸ないし進化してきたグループ順です。トップバッターの「コケより進化しているけど、コケを超える中では一番原始的な植物」であるマツバランは、体の構造もかなり変。土中部分を掘り出しても、まともなシダのようにはっきり根と呼べそうなものはなく、ウネウネと茎らしき構造が這いまわっているだけなのです。
葉っぱもないし。11月28日の陸にはこんなヘンテコな草ばかりが繁茂し、12月3日に大森林が陸に発達するころの植物もまだほとんど「シダ植物門」まで。
現在の森や草原とは、ぱっと見の印象もまったく異なる事でしょう。
ツクシやトクサの化け物の大木が林立していたりとか、
想像するとロマン以外のなにものでもありませんね!
白亜紀あたりになると、裸子植物(種の胚がむき出しの、マツ、スギ、ソテツ、次の画像のイチョウ、etc)
がメインの大森林から、だんだん被子植物も増えてきて、草食の巨大恐竜が食べなれたサラダと違う風味のサラダが増えていきます。その後の氷河期をもって、現代にかけて生態系は被子植物と哺乳類が台頭していきます。
写真ありきのコーナーですので、これはここまで。
最後に、この授業のしめくくり部分の情報を記載します。
12月31日午後11時37分・・・現生人類ホモ・サピエンス登場
12月31日午後11時58分52秒・・・農耕牧畜開始(1万年前)
12月31日午後11時59分46秒・・・キリスト降誕
12月31日午後11時59分56秒・・・ルネッサンス
12月31日午後11時59分58秒・・・産業革命
12月31日午後11時59分59秒・・・20世紀が始まり終わる
…私達人類は今、地球の歴史上何度もあった寒冷化と温暖化の繰り返し…生物の歴史だけで考えてもかつて何度となくあった大絶滅…そのどれとも違う形で、「秒」で地球を暖め、最速で種の絶滅を進めて、自分たちも頼って生きている世界を破壊している、というわけです(白亜紀後期の恐竜大絶滅すら、1種類毎の減少開始から絶滅までの所要時間は、平均で1000年かかった、という説もあります)。
46億年かけて整ったものを、です!
生物として言えば39億年かけて、複数回の巨大隕石激突すら乗り越えて、白亜紀終焉とその後の氷河期から今に至る安定期だけで言っても1億年近くかけて整った生態系を、です!!
SDGs!待ったなしです!
本当は世界のすべての国と地域で一丸となって取り組むべきです。争っている場合ではないはず!
次回のSDGs関連授業では、かつてのアメリカ副大統領アル・ゴア氏による「不都合な真実」を使いたい(=DVD視聴)と考えています!ただ、長いので昨年はいろいろ工夫して3回くらいに分けて見せました。(どうしよう)
2年生 人文科探究個別指導担当者にご挨拶
毎年、人文科の2年生全員を、担任あるいは人文科の教員(主任含め7人)がパワーポイントデータや論文の誤字脱字にいたるまで事細かに指導するのは物理的に無理があります。我々7人にも、通常の授業や部活や学年の仕事などがありますので。そこで、春日部東では、人文科生徒が2年生になると、「各部署の主任級」や「進路指導で通年てんてこまいになる3年生の正担任」等を除く全教員に、お1人につき1名、面倒をみていただいております。
これにつきましても、人文科としてあまり負担を職員間に増すわけにもいきませんので、いただくご指導につきましては原則「生徒の言っていること、作ってきたデータ、書いてきた論文」が、「分かるか、追加で調べたらいいことがあるか、誤字脱字はあるか」くらいとしてあります。我々が言うところの「探究論文」の形になるかは、砦として人文科の担任と主任が指導をするわけですが、例年、先生方には温かいご指導をいただいているところです。
先生方(同じ職場の同僚ですが、今回は敬称な感じで!)には、あらかじめ2年生各自が1年生の末まででなんとか立てた「研究のタイトル名」のみを示して、どの研究をしている生徒を面倒見たいか、希望調査をとります。今年も担任のT教諭が、一任も含め、できるだけ先生方のご希望にそえるよう割り振りを行いました。
この7時間目の時間帯は、普通科でも1年生全クラス、2年生全クラスで通常の授業を行っております。その授業担当が個別指導担当に当たっていれば、この時間には会えませんので、そういう先生が担当になっている生徒は、PC教室に残ってポスターを進めます。
彼らは別でアポをとって合いに行きます。そういったこともトレーニングです。
春日部東には、廊下に面談や1対1での学習指導用に長机が豊富にありますが、各階の長机はご覧の通り。
…さあ、次回にうかがう時は、研究内容のポスター発表会に向けて、ウィンドウズアプリ「パワーポイント」での資料作りが進んだ頃。個別指導では単に作ったものを見ていただくだけではなく、生徒は「アポイントの取り方」「礼儀作法」等も学ぶことになります。大切なことです。2年生諸君、今年も頑張りたまへ。
4月25(火)1年生「ネタ帳を作ろう①」図書室ガイダンス(文献収集に向けて)、2年「ポスター発表に向けて①」
1年生図書室ガイダンス(文献収集に向けて)
普通に図書室ガイダンスと聞くと、多くの高校で例えば国語の授業、あるいはLHRなどをうまく使って、図書館の使い方について説明を受ける時間…というようなイメージを持たれるかと思います。
人文科の生徒にとりまして、しかしこれは特別重要な研修になります。今日もとてもまじめな 「人文科探究」の授業です。何しろ論文完成までフルに2年間…いえ、調べものや読書や学習スペースの利用が習慣化されれば、ここ図書室には入試後の卒業式まで!!お世話になるのですから。論文完成まで上手に時間を使っていけるかどうかは、まさに今日ここにかかっているとも言えます。
レジュメをそのまま掲載するのもなんですので、サブタイトルだけ記します。
1.はじめに
2.なぜ図書館を利用するの?
3.図書館資料の探し方
4.図書館資料の使い方
5.最後に
司書の先生が現S先生に替わって2年目、やっぱり思うのですが、司書の方ってスゴイ!プレゼン用も配布用も、資料がととてもシステマティックかつスタイリッシュ!今年も、プレゼン用のデータは全体向けの表示画面と同じものが生徒各自のiPadに配信されました。遠い人は手元で確認!
この科目のテキストブック「学びの技」も時折開きます。
まずは「論文とはなんぞや」から入り、各自がテーマを決めるのに向けて「ネタ探し」の指南、そして書籍からwebサイトまで現代にある各種情報源の特徴や長所短所について学びました。
次に、図書館の本がそもそもどういった法則で整理され並んでいるのか。これを学ぶためのワークシートが面白い!自分が高校生の時もやってほしかったです!
「日本十進分類法」!用語だけ言われて説明だけ受けても面白くありませんよね。
そこでこのワークシート!中央に自分の興味があるモノを記入し、そこからまずは直接関係がある分野を10個から選び、選んだ分野へ飛びます。次に、飛んだ先の分野がさらに細かく分かれているので、自分が気になる小項目を選んでチェックします。次に、他にも関連がありそうな大分野を残り9つからさらに選び、それぞれで同じ作業をしてみます。
「図書室の本って、こう並んでんだ~」
次に、実際に該当の本棚に赴き、書籍を選んで手に取ってみます。
一見、本屋さんで欲しい本を探すのと同じ作業ですが、ここでは「図書室における書籍、または図書室そのものの在りよう」をきちんと学んでの体験になります。実際、今後本屋さんで本を探すときに、レベルアップした探し方に結びつくといいですね。
この後、各自最低1冊、気になる本をもってきて席に座ります。今度はその書籍の見方について学びます。
人文科探究で多くなる書籍等の利用の仕方は、小説を楽しみながら読むようなものとは異なります。各自の論文について、自分で考えた「疑問(つまり課題)」に対する自分で考えた「仮説」が正しいと証明するための情報が載っているかどうか。そこからその本を利用するかどうかになりますので。
キーワードが司書のS先生からでました。「ぶらぶらブラウジング」。ブラウジングとはパラパラ読みのこと。ネタ探しの段階ではそれでいいのです。中身を深く見る必要はありません。「タイトル」「表紙・裏表紙・帯」「目次・索引・参考文献」「はじめに・おわりに」といった情報をぱーっと見て、何の本なのかだいたい把握する。関係ないと思えば返し、関係ありそうと思えば借りる(買う)。図書室をなにしろぶらついて、んっと思った本を手に取りブラウジング。探究はここから始まります。
とりあえず手元にもってきたら、スキミング(流し読み)やスキャニング(キーワード等の拾い読み)。昨年度、内心これらもキーワード化して欲しい とい思ったのですが(すきすきスキミング、すきゃすきゃスキャニング)、さすがにないですね。
さて、せっかく何かしら興味がある書籍なりを手にしたのですから、これは是非記録に残したいところ。実際、記録に残さなかったがために、「絶対必要な情報なのに、アレ何の本だっけ?webだったっけ?」という状況は、ままあることです。ここでまた特別なワークシートの登場です。
後々に、自分の論文に「参考文献」として引用したり情報を掲載したりしたい、と思った時のために、何をしておくべきか。今目の前にある書籍のどこにどういう情報があり、それをどう見て、どんな情報を記録すればいいか。ワークシートを埋めながら合理的に学びます。
今年も充実した内容でした。これで初めての図書室での「人文科探究」授業は終わりです。あっという間ですね。「書籍を調べる」ゴールデンウイーク課題について指示もありました。終わりの挨拶。みなさんお疲れ様でした。
さて、同時刻に2年生はといいますと、
「ポスター発表準備①」
です。初めて、パソコン室で人文科探究の授業を受けます。そして今年度はほぼここになります。最初ですし、主任の私が授業をさせていただきました。
●ポスターとは?ポスター発表とは?
年度も替わりましたので、あらためまして。
我々の言う「ポスター」とは、献血や緑化のポスターのことではありません。プレゼンテーションのために視覚的に提示したい資料のことで、ウィンドウズのアプリ「パワーポイント」を使って作成します。
また、「ポスター発表」とは、複数の発表者が会場内に散らばってポスターを使用しながら短時間でプレゼンテーションをし、聴衆は数人ずつに分かれて、発表を聞いては移動する、という発表会スタイルのことです。ここ数年つまりコロナ禍とデジタル化の波の中で、人文科のポスター発表会はスタイルが多少変化しておりまして、複数教室に2か所ないし4か所の発表場所を設けて、発表者はクロムブックとプロジェクターを利用してパワーポイントプレゼンテーションをするスタイルになってきました。
一方、生徒が作成するデータはほとんど変わりません。アナログのポスター作りも大切ですので、従来通りやります。基本はA4版の横置きで10枚になります。1枚の模造紙に貼れるポスター枚数ははみ出させても12枚が限度ですが、投映用でしたら時間内に発表さえできれば枚数がもう少し多くても構いません。
残りのポスター関連の情報(生徒に指導した項目)は、以下の様に分類して掲載します。
●ポスター発表の目的
恐らく本来は、例えば会社などで「新商品を開発する」といった時に、企画開発部の人や社内一般にアイディアを公募し、応募者がコンペの日に自分のアイディアを発表していく、といった場面で用いられてきた発表形式なのだと思います。つまりは「完成した発表内容」を「勝負レベル」で発表する、そういう場だと思います。一方、逆の目的で用いられることもあり、人文科の場合はそちらです。
「それまでの研究内容を発表してみて、聴衆の反応をフィードバックし、自分の研究内容の隙や弱点を見つけて改善するために、小規模に発表してみる」
2年生には、この目的を忘れずに頑張ってもらいたいです。
●ポスター作成上の注意点
アプリで作品を作っていると、ついつい、作品自体が目的に感じられてしまうものですが、口酸っぱく伝えました。パワポのポスターは、あくまで発表のための小道具である、と。失敗例をいくつか挙げますと…
・始めに各自に配信する白紙枠にあるサブタイトル(自分の表現に直してよいもの)をそのまま残してしまい、スペースを狭め、そのページ全体の見やすさを損ねている
・重要な文言が小さくて、もくじ文言が太く大きなフォントになっている
・まるで文章化した論文そのものであるかの如く小さな字でこまごまと多くの情報を載せる
・ポスター枚数が論文の本体でなく前置きなどに偏る
・背景色と文字色の組み合わせに、プリントアウト後を考えていない→PC画面は発光体なので、見え方が違う
※ポスターの画像はふんだんにありますが、例え名前を隠しても、見れば本人や友人には誰の作品かはわかってしまいますので、よくない例の実物を掲載するのはやめます。
…こういったことを意識せず作ってしまうと、せっかくの研究内容がちゃんと論展開ができていて、トークも上手なのに、発表時に聴衆はポスターを見なかったり、何処に集中してみればいいか分からなかったりします。あくまでも自分のトーク内容を聴衆に納得させるための要点を「視覚的効果」を意識しながら表示できるといいでしょう。
失敗例を、先輩たちの残してくれた大切な実物を活用して示しました。皆には前にきてもらいました。ステージに数枚ずつ並べて、見比べながら/入れ替えながら、これから作るもののゴールとして実物を示しながら、要改善点を示す形にしましたので、初回として効果的な時間をとれたかな、と思います。今後の皆の取り組みが楽しみです。
4月21日(金)1年生スプリングセミナー
去る4月21日(金)に、人文科独自行事で新入生対象の「スプリングセミナー」を、無事実施できました。
かつては、加須元気プラザにて1泊2日で行っていたものです。新型コロナの影響もあり、また規定により全員参加の宿泊行事は年に1回まで、ということもあり、宿泊の可能性を春に残すか夏(サマースクール)に残すか考えどころ…ということもありますが、とにかくコロナ初年度は中止、そして今年度は校内実施3回目となります。
目的を考えれば、「学年に1クラスしかない学科の新入生として、学習や生活をどのように進めていくべきか、ここで意識を高める」ことももちろんありますが、一番は、やはりこれから2年間学習していく「人文科探究」のオリエンテーション、ということになります。
それでは、実際にどのような6時間であったのか、簡単にですが追体験してみてください!
ようこそ人文科へ! 「令和5年度 人文科1学年 スプリングセミナー」
★1時間目「校長挨拶」「学年主任挨拶」「人文科探究0(ゼロ)」
1.校長挨拶
校長からは、この日の時間割を話題にしていただき、セミナー中の過ごし方や新聞作りについてアドバイスをいただきました。また、陸上競技選手「川内優輝氏」について、校長と彼はたまたま過去に2年間ほど同じ職場で働いたことがあったが、定時制高校の事務職員とマラソンランナーを両立していた彼は、午前中はマラソンの練習をして、昼から出勤すると、退勤まで仕事に没頭していた。大変な切り替え力だった。彼はここ春日部東高校人文科の出身であり、切り替えの力を始め、多くをここ人文科で学んで卒業したのだ、といったお話でした。有名人かと思われた川内選手も、知っているという生徒は少数でしたが、偉大な先輩がいるのだなと認識を改めていました。
2.学年主任挨拶
学年主任のI教諭からは、本校人文科で実施している教育内容が最先端なのだ、という話をいただきました。「探究」という言葉について、高校にある「総合的な探求の時間」も少し前は「総合的な学習の時間」だった、文科省もしきりに探究と言い出しているが、人文科は皆さんで30期生。もうずっと探究に取り組んでいる。折しも昨年度、わざわざ宮城県から本校の探究について研修しにきたくらい。そのくらい最先端の内容を学習する君たちは、ここから日本を変えてもいい!この春日部から、日本を変えてみよう! …といった熱いご挨拶でした!ハードルが上がった…??
ただでさえ高校生活が始まったばかりで不安があるでしょうし、さらに人文科ということで、これからの3年間に水面下で大きな不安を抱えている生徒は存外多いのではと推測します。そんな生徒たちにとって、大変に励みになるお話でした。
3.人文科探究0
いよいよ、人文科主任の授業です。まずはオリエンテーション的な時間を取ります。学校説明会に来たことがあるかどうか尋ねると、多数手が上がりましたので、復習、ということで。
①人文科学とは
せっかく珍しい名前の学科に入学したのですから、まず始めに学科名が冠する用語「人文」科学という用語について確認します。
★科学を3つに大分する場合… 「自然科学」「社会科学」「人文科学」となり、人文科学は「哲学、歴史学、文学、言語学など」を含みます。
★科学を2つに大分する場合…「自然科学」「人文科学」となり、「人文科学」には社会学、経済学、政治学、法学、教育学などから哲学、文学、芸術学、歴史学などの広い分野にわたる学問が含まれ、要するに普段「文系?理系?」と分ける場合に「文系」となる学問はほぼ含まれる、とのことでした。
…このことから本校人文科のカリキュラムを考えてみますと、確かに人文科学に属しそうな教科、英語・国語・地歴公民のいわゆる文系科目が大変に多いです。そこでしかし!それではただの文系じゃないですか、と。(うなずく生徒たち )そこで!満を持して学校設定科目「人文科探究」の登場なのです。
②人文科探究とは
次に、なぜ春日部東高校の先人たちは、ただの文系特化ではなく、人文科探究という科目を設定し、人文科という学科を設置したのでしょう。どんないいことがあるのでしょうか。
ここで、今度は「探究」という用語について確認しました。
★物事の真相・価値・在り方などを深く考えて、すじ道をたどって明らかにすること。
「真相」つまり「それって本当はどうなってるの?」、「価値」つまり「それは何にどう役立つの?」、「在り方」つまり「それって本当にその状態でいいものなの?」といったことを、軽くもやもやとではなく、言葉に直して「深く」考えて、適当ではなく「すじ道」をたどって、論理的に明らかにする…こと。
ふむふむ。
次に、ここ数年、教科書的に使っている書籍「学びの技」(玉川大学出版部)の登場です。
まず始めにこの本の12ページ「column 存在しない職業」を読んでもらいました。
簡単に内容を紹介しますと、アメリカで2011年に小学校に入学した子どもの65%は2027年に当時存在しなかった新しい職業に就くだろう、根拠として人類史上、文化の移り変わりとともに古い職業の消滅と新しい職業の誕生が繰り返されており、現代でそのカギとなるのは人工知能(AI)であると。AIが1000字の内容を50字に要約することができる段階まで進めば、影響を受けない(つまり職を失う心配のない)事務労働者はいない、とのことです。
個人的には、人が社会生活を送るために職業が存在しており、いくら限定場面的に便利な技術革新であっても、AIのような形で無数の人々から生きるすべを奪う技術なら本末転倒、ITも脳や体が発達しきる前に使いすぎると、それらが十分発達しないままになる、つまり人類のアナログ能力は今後どんどん退化する、と思っています。それでも実情は、デジタル化の波から降りることはできず、これからの生徒たちはその時存在する時間の中でこの世界に居場所を確保していかねばなりません。
さて、p12には、答えも紹介されています。 → このような事態にどう対応すればいいのか、その答えが「探究学習」にあります。問題発見能力、その問題の解決に必要な情報の収集・分析・活用、論理的思考や創造的思考をもって問題にあたる能力…こういった、当面の間、AIがとうてい及ばぬ力を、探究学習では育めるのです。
次に、4,5ページ「Did you know?」を読んでもらいました。「2007年に、アメリカのある教師たちが、生徒たちに現代社会の移り変わりの激しさを実感させ、生き方を考えさせるために作った動画」の一部を紹介する記事です。そこには「2006年にインドの大学を卒業した人の英語を話せる率は100%」「英単語の数は54万語を超え、これはシェイクスピア時代の5倍」といった事実がいくつか紹介されています。ブログ読者の皆様はご存じでしたか?私は知りませんでした。
物知りと思われる人々も、確かに常人よりはるかに知識量は多いかもしれませんが、この世界の全てを考えれば、「知っていることに関して知っているだけ」とも言えます。どれほど多くの知識を持っていても、持っているだけなら電子辞書でいいわけでして、上記の黄色マーカー部分のような力、つまり「探究力」は絶対的に欲しい。しかし、たくさん知っていることは悪いことか。それは違いますね。知っていることは多い方がいい、というのも否定されざる事実。インターネットやSNSによって、かつての世界とは比べ物にならないくらいの膨大な情報の海に、我々人類は泳ぎだしました。この海の旅は、常識情報、不要情報、ゴミ情報や危険情報の中から、「探究」に役立つ「自分の興味にかなう情報」「問題解決に役立つ情報」、お宝情報になりうる情報を探す旅のはずです。
「探究」するために「情報を探す旅」に出るには、道しるべも欲しいところですね。「探究0」の授業でかかげるヒントは「情報リテラシー」と「多角的視点」です。情報リテラシーは予定通り2時間目に紹介するとして、多角的視点というものを、少しだけ体験してもらいました。
「幽霊の存在を論理的に否定してみてください。その際、今まで聞いたことのない理由が大歓迎です。近くの人と話してみましょう」
これは、少し盛り上がりました。本来は「幽霊」という用語の定義も必要なのですが、割愛しました。それはおいおい学んでいただきましょう。
「幽霊は実在するのだろうか」という「問い」に対して、私の「仮説」は「いない」です。個人的にオカルトは決して嫌いではありません。いるならいてもいいと思います。私の母は私が小学2年生の時に亡くなりました。その母の若いころの写真を遺影として仏壇に飾っています。私の娘がようやく言葉を発するようになったころ、誰も教えていないのにこの遺影を見て「おばあちゃん」と言いました。赤ん坊の頃、仰向けに寝ていて、誰もいないところを凝視してケタケタ笑っていた、アレは亡くなった母が遊びにきていたのか…なんて…。しかし、私が自分で考えた大きく3つの根拠は、これまで誰からも聞いたことが無く、「多角的視点」ということにおいて自信があります。生徒たちにごく簡単に披露しましたところ、少しウケました!けっこうとっておきのネタですので、ブログでは秘密です!もちろん、幽霊を検証する書籍があれば出て来るでしょうけど…中学3年生のみなさん!春日部東高校人文科にてお待ちしております!!。まだ時間がとれましたので、もう1ネタ、「タイムマシンやテレポート(瞬間移動)を、同様に論理的に否定してみましょう。」これは本邦初公開!出前授業用のネタとしてまだ磨き中のものです。詳細はやっぱりここでは秘密です!
★2時間目「ワークショップ①」
時間枠はワークショップということにしてありますが、前半は「探究0」の続きです。
①SDGsガイダンス
本校人文科におきましては、一昨年から探究活動にSDGsの視点を導入しています。
こだわりすぎると、せっかく柔軟に探究活動を進めていきたいところ、生徒たちが研究テーマとして日常の疑問をリストアップするのに圧をかけてしまいかねません。ですので、自らかかげた疑問が、SDGs17項目で言うとどれに該当しそうか、はっきり該当したらいいね!モヤッとしか該当しなくても、それはそれでいいのですよ、というレベルにしてあります。とは言え、現代社会、いや世界が抱える問題は視野には入れてほしいですし、逆に現代に生きる者として関心を持たなくていい、ということはありません。初日に是非触れたい話題です。
M(ミレニアム)DGsの段階で問題だった世界の共有度を改善し、「誰も置いていかない」スタンスで「持続可能な開発目標」を国連が2015年にかかげて、8年経ちました。達成目標年は2030年、残り7年です。世界が抱える闇を垣間見てみましょう。
私こと人文科主任が、探究0にてまず提示した問題は、「核」です。理由は、人類(いえ、地球の生態系)滅亡の原因にもっとも近い話題でありながら、実情は特定の場面でしか人々が話題にしないからです。保有国のもつ核兵器はもちろん…威力が広島級の6600倍という水爆すら、かつて大気圏内で爆発実験が行われており、日本ならば4、5発で滅ぼしきれる…核戦争になったら地球はいったいどうなってしまうのか…といったことも心配ですが、何の変哲もなく思える日常生活に深く関わっているのが原発問題です。我が家は映画が大好きで、多種多様な映画を見てきましたが、まずどんな「地球規模の災害パニック映画」や「感染型ゾンビパニック映画」にも、いま現在世界に無数にある原子力発電所がその災害でどうなるのかが描かれていません。現実は、「地下に作ってしまった発電施設に津波が入っただけ」で、福島第一原発のあの惨状です。あの原発の被災炉自体と炉に関わる汚染を完全にナシにするには、はれ物に触るようにして数千年かかる、という表現も見たことがあります。数千年後に日本という国は存在するのでしょうか…
この件は核実験の動画を背後に流しつつ口頭で投げかけるだけにして、つぎにiPadの出番です。次の用語を検索して、少し見てもらいました。ブログ読者の皆様も、よろしければ是非検索してみてください。
◆「温暖化が北極圏を壊していく」
◆「中国河川汚染」(画像検索)・・・おっと!閲覧注意なので生徒のiPadでは見られない!?
(◆時間の関係で割愛したのでブログ用ネタ「プラゴミでできた島を国に?」「ファストファッション/南米、衣類廃棄」)
どれにも、凄まじい情報が見て取れます。それでも、SDGsで掲げる17項目で言えば、環境問題系のいくつかであるだけです(情報が事実かどうかの問題は「情報(メディア)リテラシー」のコーナーで)。また、17項目はそれぞれ単独に存在するわけではなく、ほとんどが相互に関わっていることもポイントですね。
単純に、どうやら私たちの生きる世界は、かつてないほどのとんでもない闇を抱えている、ということが見えてきました。それでも、私たちはこの世界で、存在する今の時間を、そしてこれからを、生きていきます!しかもできれば楽しく!そのために、そして子々孫々が存続していけるように、やっと、やっと世界が手を取り合って現実に目を向け始め、間に合うのかおそばせながらでも一歩踏み出した、その表れがSDGsと言えます。
でも、まだ話題にしなければならない大問題があります!
1つは、そう、新型コロナです。自然が好きで、自然保護に少々偏った感覚を持っていた私などからすれば非常にショッキングなことなのですが、まさか、経済というものが人間にとってこれほどに重要なものだとは…それもこれも、我々が「人間」であるから。価値観の違う相手を否定したくても、その先には戦争しかなく、平和のうちに解決するには、どうにかして全ての人が納得できるようにしなければならない…暮らしが立ち行かないようでは、環境保護どころではない、それではsustainableなdevelopmentはできない…この3年間、それをマザマザと見せつけられました。SDGsの前進にとっては大打撃ですよね。
と思っていたら、2つ目は、ロシアのウクライナ侵攻です。昨年度もこの場で話しましたが、なんとなんとの1年以上続いてしまっている悲劇…教育公務員ですので政治的な意見は申し上げませんが、単純な事実として、やはりこれも大打撃です。歴史の教科書に載るはずの、大型隕石衝突級の事件のダブルパンチ。おおおぉ…、なんということ…
以上、私たちが「今」生きている世界のことです。私は、生徒たちは、皆さまは、どうしましょう/どうしますか?
今、やれること、やるべきことをやる。本校人文科の生徒は、高校生として、春日部東高校人文科生徒として、健全に「探究」活動を進める。そして、その中で進めた研究が、もしも何かの形でSDGsに貢献できたら、それは素晴らしいことですね。はっきりSDGsに分類しにくい、例えば前半に出した「幽霊」のような研究でも、例えばもしも高校で生徒の間で「幽霊騒ぎ」が起こって、それが健全な学校生活に支障をきたすような状況になった時に、思い込みや固定観念の外側から多角的視点で論じた根拠によって、生徒あるいは教育環境に安心材料を提供することになれば、人の役に立ったことになります。最小単位でいけば、研究した内容を誰かが「ふーん、へええ、そうかぁ」と思ってくれたならそれで充分です。探究活動は論文を1本完成させて終わるものではなく、探究マインドを育んで、それをもって、これから各自が歩む人生の中で世界と渡り合っていくためにやるのですから!
②情報(メディア)リテラシー
1時間目に提示した、情報の海をうまく渡っていくためのもう一つの指標です。まずは英語のお話をしました。
◆media (仲介)マスメディア、マスコミ
※mass 塊、大量の~
◆literacy 読み書き能力
◆派生語:literal文字通りの literally文字通りに
literary文学の literarily文学的には
literature文学 etc
…出所はコトバンクのブリタニカ国際大百科事典 小項目事典より、「メディアリテラシー」の解説です。
◆メディアリテラシー media literacy : メディアの特性を理解して使いこなす複合的な能力。(中略)情報がもたらす影響を予測する能力,双方向コミュニケーションにおけるいろいろなトラブルを処理・回避する能力などである。(後略)(是非、検索してみてください)
…世の中に溢れる情報は、全て元は誰かが発信したものであり、「誰か」が人間である以上、発信された情報には「間違い」や「悪意」は必ず存在し得ます。今回のウクライナの件で、「プロパガンダ」という用語も頻繁に耳にするようになりました。また当然、情報を受け止める側にも「間違い」や「悪意」は存在し得ます。「炎上」というワードもすっかり新しい用語という感じはしなくなりました。
ちょうど、SDGsの時間に検索してもらった「温暖化が北極圏を壊していく」ですが、これで共有したあるサイトは海外のビジネスマン向けのもので、非常に「ちゃんとした」サイトに思えます。ところが、そこにある1つの情報に、
◆グリーンランドと北極の氷床を合わせると、地球上の真水の99%以上を占める。
という一節があるのですが、私の認識では、北極の氷は海水を多く含む氷で、南極の氷は大陸に乗った真水の氷、のはずです。これはどういうことでしょうか。このサイトを日本語に翻訳する係が、ArcticとAntarcticaを間違えて翻訳したのか、それともこの一節自体が「間違い」なのか、「私が間違っている」のか。
こういったことはしょっちゅうあります。私は自分の興味関心から生物系の情報を頻繁に検索・閲覧しますが、そこら辺の方々がほいほい自由にアップした個人的なサイトは、はっきり言って間違いだらけです!その上、由緒正しそうでも、例えば各新聞社には各新聞社の、各放送局には各放送局の「カラー」や主義・方向性があります。政府には政府の、そして私にも「春日部東高校人文科に前向きな興味を持った中学3年生が大勢受験しに来て倍率を争ってほしい」という意図がありますあしからず。受け止める側は、誰がどこで発信した情報で、それをどこまで信用するのか、特に探究活動においては気を付けたいところです。
そこで、入学当初に生徒たちに注意ですが、メディアリテラシーの一環で、情報はできるだけちゃんとした書籍から得るようにしてほしいと思います。情報発信元があやふやな雑誌類や、不特定多数が上書き可能な「まとめサイト」等は、探究活動においては信頼度が低いのです。
③「じんぶんしんぶん」作成に向けて
ここからワークショップの導入部分です。
「じんぶんしんぶん」とは、ここ数年、人文科で壁新聞を作成する際に使っている仮名称です。授業では過去に先輩たちが作成した実例をいくつか示しました。班ごとに新聞名はパンチやユーモアを利かせます。
始めに、人文科探究初回で壁新聞を作る意味を紹介します。大きく2つ述べました。
1つ目は、自分たちで記事集めから編集会議を経て新聞を作成することで、作り手側の意図が分かるようになり、そうなれば読み手として能動的・客観的に新聞を読めるようになる、です。
もう1つは、テキスト「学びの技」の8ページから。そこには「探究学習のステップ」が円状の図になっているのですが、ここでは箇条書きにて紹介します。
New
→ 周辺知識を得る (好奇心を持つ。興味深いアイディアを発見する。)
→ 議論(問い)を決める (多角的に見る。)
→ 情報を収集する (重要な情報をさらに集める。)
→ 情報を取捨選択する (不要な情報は捨てる。)
→ 論理的にまとめる (集めた情報を意味付ける。)
→ 発表する (学びを共有する。)
→ 評価する (最終成果と探究過程を振り返る。)
→ Next (次の研究へ)
…壁新聞作りは、2年間かけて大きく一巡する予定のこの流れを、ダイジェスト版で体験できるのです。
「なので、3時間目から5時間目にかけてやるワークショップ「じんぶんしんぶん」作りは、そのつもりでやってください。」
ここで、新聞の豆知識を紹介しました。
・読売新聞の「読み」「売り」という呼称の由来は?(江戸時代のかわら版の売り方から・・・)
・新聞社は1日にどのくらいの紙を使っている?(地球を1週するにちかいくらい・・・)
・なぜ新聞の切断辺はギザギザなのか(極めて短時間に厚みのある紙束を一発できれいに切断したい・・・)
この辺りで、さすがに班を作った方が説明しやすくなりますので、4人1組で10班、班を作りました。5時間目までは班活動になります。
各班に同じ日付の新聞4社分を配布し(春日部東では全教室に毎日4社分の新聞が配られますので、予約の上、主に1、2年生の教室から前日分をいただくのです )、その中から私のほうで1社選び、各班でそれを中央に置き、全員で共有しました。そして、1面から注意深く、全体の構成や記事以外の記載情報、記事が下段に飛ぶ際の書式などを、改めて観察してみました。せっかくですから、「号数を365で割ると、だいたい何年くらい続いている新聞かわかる」ことや、「なぜ3面が社会面であるのか」「全く同じ日付・時間の新聞でも、工場で膨大な部数を刷っている間に新しい情報が追加されるので、版数を見ると何回情報が刷新されたかわかる。初回が12版となっているので、14版であれば同じ新聞でもすでに2回情報が新しくなっていることがわかる」などの豆知識も紹介しました。
最後に10分ほどとれましたので、各班で1人1部新聞をとり、じっくり見てもらいました。特定の記事に入り込んでいくのも構いませんが、まずは「全体のレイアウト」「サブタイトルの様子」「欄外の細かい情報」「広告の入り方」など、それこそ「多角的視点」で見て欲しい所です。
…主任の出番はここまでです。3時間目からは、いよいよ担任のY教諭の登場です。
★3時間目~5時間目「ワークショップ②③④ じんぶんしんぶん作り」
本校勤務2年目のY教諭、今年度私が声掛けが遅れて、かなり短時間でセミナーの授業の準備をするはめになってしまったのですが、巧みにモチベーション作りから考えてきてくれました。
後で問い合わせたところ、厚労省で出している情報から、とのことでした。
「企業が求める力」
生徒に聞いたところ、「発想力」や、中には「企業の犬をやる力?」のような面白い回答まで出ましたが、
1位:コミュニケーション力
2位:基礎学力
3位:責任感
4位:積極性・外向性
5位:資格
6位:行動力、実行力
とのことでした。これから、せっかくグループで学習活動をするのだから、これらの中の特に1位のコミュニケーション力や4位の積極性・外向性などを、是非発揮して頑張ろう、とのことでした。
また、AIは「質問に答えてくれる」が、「問いを考えることはできない」…なるほど!ということことから、探究を頑張ろう、と。
ここで、ここから3時間かけてやる壁新聞作りの流れをざっと紹介します。
①まず各自で自分の興味のある記事を探して切り取る。
②SDGsに関連があればSDGs付箋、関連が良く分からなければ普通の付箋を貼り、コメントを記入する。
③次に、班内で自分の選んだ記事についてミニプレゼンをし合う。
④編集会議を開き、班ごとの壁新聞の名称を決める。
⑤自分たちの新聞の方向性も含めて、各自が選んだ記事のどれを採用するか話し合う。
⑥掲載する記事が決定したら、各自が納得できるように全体のレイアウトを決める。
⑦実際に糊付けする。
⑧仕上げに、模様や写真、ロゴ、コメント、追加記事などを加えて充実させる。
⑨班内で壁新聞のプレゼン練習をし、他班へ発表する際の主旨を共有する。
⑩担任のタイムキープと全体4回のローテーションで全員が1回ポスター発表する。
⑪プレゼンを聞いたり、やったりした反省点や気づいた点を振り返りシートに記録する。
…ところどころに入るアドバイスも含め、ツボをおさえた明確な説明のお陰で、生徒たちは初めての活動をスムーズに行えました。発表に際してはテキスト「学びの技」にて「ポスター発表(ここで採用している発表会の形式名)」の上手なやり方・受け方をさらい、また生徒たちの積極性や元気の良さも相まって、今回のプレゼンも非常にうまくいったように感じました。発表が聞き取りにくい場合に、口頭で言わなくても聴衆がちらっと提示して発表者が気が付いて改善できるようにと準備した「聞こえません棒」というツールも、一応今年も全員に持たせたのですが、それを使う場面は見受けませんでした。
まずは、各自、興味のある記事を探します。せっかくなので、SDGsの視点で探してみよう、とのこと。
次に、班内で自分の選んだ記事をプレゼンし合います。
・・・もう、この段階でとっくに活発です!いい!
編集会議の様子です。活動の最も本体ともいえる部分、コマ送り的に全体が進んでいくさまが分かるよう、写真を沢山用意しました。次の区切りまで流してみてください。
お昼休みを挟んで5時間目、いよいよプレゼンタイム。
まずは「学びの技」にて、プレゼンの流儀や目的についてさらいます。
「本番」では、孤独に班員から離れ、1人で他班の人に向けて自分たちが作った新聞について発表します。その前に、まずは班内で、自分たちの壁新聞のプレゼン練習をします。
班ごとに新聞の主旨や限られた時間で紹介する内容の共有をしました。
そして、いよいよ他班の人の前で、自分の班で作った壁新聞をプレゼンします。各班、4人いますので、発表ローテーションは4回。発表の番が来たら、自分の班の新聞が掲示してある場所へ戻ります。一方、聞く側は、同じ班の発表の番の者をのぞく3人でまとまって、ローテーションごとに左隣の班の発表を聞くために移動していきます。発表を聞きながら、振り返りシートを持参して、「気になった記事、発表者の意見、自分の感想」を記入していきます。
ここでちょっと裏方の様子。この後の6時間目OBOG講演会に向け、30分程度前には講師の卒業生たちがこうして控室に集合しています。私のクラスから卒業したメンバー達!私はセミナー会場とここを行ったり来たりしましたが、彼らは始めは懐かしく近況報告など楽しんでいました。出番が近づくにつれ、なんだか緊張してきた??
佳境の新聞プレゼンに戻りましょう。
昨年度、人文科フェアにて「うちの子に発表なんてできるのだろうか」と大変ご心配なさっていた保護者の方がいらっしゃいましたが、まさに心配ご無用です!大丈夫です!始めからみんな立派な事!
…こうして、3時間分の「じんぶんしんぶん作り」は大成功でした。さあ、2年間、探究活動をおおいに楽しもう!
★6時間目「OGOB講演会」
最後は恒例の「人文科卒業生のお話を聞く」時間です。
今年は、Aさん、Bさん、C君、D君の4名が参加してくださいました。
4人とも、ちょうど1年前、私のクラスを卒業した大学2年生です。皆様、初回授業の時期で条件の厳しい中、ご参加くださいました。皆、もう高校生が私服を着ているのとはまるで異なる大人ぶりでした。私事ですが、こうした生徒さんたちの卒業後の成長ぶりに触れられるのが、この職業の醍醐味の1つでございます。
4人の先輩方にはまず、現在の大学生活の様子を紹介していただきました。それから、高校時代にやっておけばよかったこと、また「人文科あるある」などアドバイスをいただきました。
「暗記物は1年生からやっておくべき」
「何を勉強するか迷ったら英単語」
「隙間時間の活用」
「部活は最後まで頑張ろう」
「探究のネタは常にストックしよう」
「考え付いた事をメモする習慣を」
「考えることをやめないで」
「お手元の『学びの技』は、大学に行っても使えます、人文科探究が終わっても捨てない方がいい」
今年の4名も、話してくれた内容は極めて貴重で、もと担任としては本当にいいクラスに恵まれたなとあらためて実感した次第です。一般の講演会講師と主催者も同じでしょうが、こういった行事ですから、事前にあまり「あれは是非言ってくれ」「あれは言うな、これも言うな」というふうに仕込むべきではないですし、いざ会が始まってしまえば、話し中の方を遮るのも、聴衆からしたら恣意的に感じられてしまいますし。それでも招待した講演者を信頼して現場に臨むわけですが、何と言いますか、言葉に直してしまうとどうしても多少の語弊はあると思いますが、「期待以上」の内容でした(それも言ってくれるのか!それもその形で話題にしてくれるのか!願ったりかなったり)!彼ら卒業生の後輩を面倒見ていく現場にとりまして、誠に有難い、力のある内容でした。『『そうだよ!そうだよね!その通り!そうなんだよ1年生!』』感謝です。皆さん、どんどん成長して立派になっていきますね!とても感慨深かったです。
毎年のことですが、卒業生の言葉には、同じような当たり前のコメントでも、我々教職員とはまた違う重みと実感があり、当然ながら現役生は食いつきます。大変有意義な1コマとなりました。号令とお礼の挨拶ののち、私が先輩たちを控室に誘導し、生徒たちは時間まで1日の感想・反省を入力し、今年度のスプリングセミナーは幕を閉じました。主任も担任もホっとしました。
ダソクですが、生徒が1年9組に移動した後、卒業生にはここL.L.教室の片づけを手伝っていただきました。前日に仕込んでおいた新聞掲示用のマグネットやら、セミナーのロゴやら、工作道具、プレゼン道具などを集めて、一緒に人文科資料室に運んでいただきました。(こういう状況がもうウレシイ。)
卒業生が「先生も入れて集合写真を撮りましょう」とまた嬉しい提案をしてくれたので、お手すきの職員が近くを通りかかるまで、しばしおしゃべりタイム。数日前の人文科対面式で使用したトークリンクカードについて話題にして懐かしんでいましたので、さっそく1セット出してあげると、なんとその場で4人でやり始めました。間もなくシャッターを押していただける先生をつかまえてお願いし、幸せなひと時も無事終了しました。
4月18日(火)人文科対面式
4月18日(火)人文科対面式!
時間帯としましては、「人文科探究」の授業がある7時間目。昨年度から東高のカリキュラムが少し変わり、今年は普通科も1、2年生については、火曜日の7時間目は授業があります。普通科が通常授業をしているところですが、人文科は楽しいレクリエーション的な時間になりました。
対面式と言いましても、昔は本当にいわゆる対面式の形だったそうですが、私が転勤してきた頃からは、アイスブレイキングアクティビティーを実施しております。その名も
「じんぶんとーくりんく」!
ただ、例年、各種挨拶の後、突然ゲームを始めて、終わった班から自己紹介+雑談、となっていましたが、今回は改善しまして、先に班内で自己紹介をしっかり済ませてもらいました。その際、先輩は一言だけ後輩にメッセージを伝え、1年生は1問だけ質問をするようにしてもらいました。それが済めば、いよいよトークリンクです。
1年生、2年生、3年生それぞれ2名程度からなる班を18班作り、班活動でゲームを行います。各班のテーブル中央に、裏に質問の書かれたカードを積み、順番を決めて1枚ずつめくり、めくった者は左隣の人に裏に書かれた質問をして、聞かれた人は答えを班内に発表していきます。ルールはそれだけなのですが、質問内容は…
●今、思いつく四字熟語を言ってください!
●最近、ちょっとうれしかったことはなんですか?
●春日部東高校のマスコットキャラクターの名前はなんですか?
●左となりの人を3つほめてください!
●3つ前の質問と答えは何でしたか?
…といった、回答者が即答しにくく、かつ答えられた内容や答えにくい状況自体を楽しめるゲームなのです。
人文科は普通科よりも先輩後輩が交流する場面が多いので、その第1弾となります。
会場につきまして。コロナ前は、食堂を借り切って120人を1部屋にいれて行っていましたが、コロナ禍のここ数年では密をさけるため、人文科フロアである本校3階にて4部屋に分かれての実施となっておりました。今回、アフターコロナの試みで、久方ぶりに1会場で実施してみました。ただし、食堂は実は柱の位置の関係で「全員が必ず見えるスポット」というのがほぼ無く、かつ未だ椅子が「対面で食事できぬよう」テーブルの片側にしかありません。食堂はサイズ以外の使い勝手は良くはない、その一方で、コロナ禍の間に校内の環境も様々変化/進化しました。例えばL.L.教室(リスニング・ラボラトリー、つまり英語のリスニングに特化した、アナログ機材が床に据え付けられた部屋)は、L.L.機材が撤去され、代わりに折り畳み式のキャスター付き長机が大量に入り、また教室後ろの壁が上下左右めいっぱいホワイトボードに変わりました。この新しいL.L.教室であれば、3クラス分の人数がなんとか入ります。換気の徹底と、予め「心配な生徒はマスクを持参」と周知して、今回はここL.L.教室にて実施しました。
①まずは主任こと私からご挨拶させていただきました。
『人文科はせっかく「部活でなくても先輩後輩と交流がある」環境であり、普通科と違って「常に先輩後輩が同じ階にいてすれ違う」ので、1年生は是非、先輩に挨拶をしましょう。挨拶は自分の問題なので、相手が返してくれなくてもいいのです、すべき自分はした、でいいじゃないですか。そして先輩は、せっかく後輩が「ハヨザイマス」「チハス」と挨拶してきたなら、返してあげましょう。優しく。』
②次に、3年生から代表のご挨拶です。
今年も代表者は2名での登場。司会と挨拶用の代表者という設定だったのですが、ペアで出てきてもいいじゃないですか。この程度の行事ですと練習も何もありません、こういった係になる3年生には、直前の昼休みに呼び出して、出番の説明と「よろしくね」としか伝えていませんでしたが、ぶっつけ本番でも、まあきっちりキメてくれること!流石3年生です。なんだか短時間でシナリオを考えてくれたようで、なんとも会場がいい雰囲気になりました。ありがとう&お疲れ様でした!
③ここでいよいよ「とーくりんく」の開始です。2年生の代表に出てきてもらい、初めての1年生に分かるようにゲームの説明をしてもらいました。(去年は司会の生徒の写真を取り損ねましたが、今年はゲームの説明の2年生の画像がない!なんと!ごめんなさいT君!)さあ、開始です。
全体はこんな感じでした。
各班の様子です。
各班、積まれたカードが無くなるまで、ゲームを続けます。それぞれの回答に追加で質問したりコメントしたりと、うまく場を盛り上げて、だいたい各班20分かからないくらいでカードの山は無くなりましたでしょうか。その先は、時間まで自己紹介の続きを詳しくやり直したり、先輩が人文科のことを楽しく紹介したりと、上手に時間を使い切ります。シーンとなる班は1つもありません!ちょっと面白そうという意味で気になったのが、ある班で先輩の女子たちが、明らかに我々職員を順々に見ながら、何やらにやにや楽しそうに後輩に話しているではないですか。我慢できずに、私もにたにたと班まで出向いて、「ナニナニ?何話しているの???楽しそうなんだけど」と。はぐらかされましたが、いいですねこういうの!
冒頭の自己紹介がさっくり済み、そこからトークリンクが30分ほどあり、始めはちょっと間延びするかなー…と思ったのですが、生徒たちは全班とも最後まで楽しそうで、なんだかんだとあっという間に終わりの時間。
④1年生の代表にご挨拶をもらいます。
早速、クラスでの出来事などふわっと挨拶に組み込んで、会場の笑い?を誘いました。1年生のこれからの活躍も楽しみですね!
今年度も多々あるであろう、様々な山も谷もしっかり乗り越えて、生徒の皆さんには、ここ人文科で、あってよかったと思える時間を過ごしてもらいたいです。
入学式!
4月10日(月)入学式!
ブログをご覧の皆様、今年度もよろしくお願いします、人文科主任2年目の松本です。
年度の始めは入学式!コロナもなんだか収まってきたようですし、人文科新入生も40名で始まります。従来の活動、いえ、慌てずも従来以上に盛り上がって、学習活動を展開していいければと思います。
午前中、新3年生、新2年生と職員とで始業式を済ませました。新たに転入してきた職員や学年団の紹介等がありました。そして全員多忙の極み?のまま、午後の入学式へ。
続々と集合する新入生と保護者の皆様。正門付近で大切な記念撮影をされる方も大勢いらっしゃいました。受け付けは生徒玄関。保護者の方々お2人来ていただけるようになりましたので、場所が体育館内から移動となりました。
もうすぐ開式です。ほんの少し前に、3年生が感動的に巣立っていったその同じ場所で、新たに一期一会が始まりますね。入学式では、人文科主任はなぜか?職員席の前列に席があります。管理職と学年主任の隣。撮影はひとまず式開始の少し前までで、いったん休止になります。
人文科は9組ですので会場の左端の4列。新しいメンバー見参。マスクは、どちらでもいいのですが、まだほぼ全員しています。
反対側から望遠で。着席しているのが教頭と事務長で、他が担任団です。右端が若きエースの新1年学年主任。ワタシはこの後、彼の隣へ座ります。
開始前、ラスト1枚、ステージの様子です。
・・・・・
滞りなく入学式が終わりました。入学式は、卒業式に比べて事務的要素も加わりますので、式典終了後には1年生の学年団が紹介されました。正担任が1組から9組まで。次の写真で中央で1歩前に歩み出ているのが、我らが人文科9組担任のY教諭です。国語科のイケメン。
副担任も1組から9組まで。一番手前でピッと礼をしているのが9組副担任M教諭。普通科の3年生を卒業させたばかりの、国語科のイケメン。
さて、入学式の日は、夕方までまだまだ忙しい日程が続きます。生徒はHRへ。
出るときは9組が最初。退場は巣立ちの退場ではなく、始まりの退場ですね。
生徒のHRでは、担任副担任の簡単な自己紹介もありました。私もお呼ばれしまして、人文科主任として一言歓迎と励ましを述べました。書類回収など、煩雑な事務作業もありました。
また、生徒が解散した後で、保護者の皆様と担任との懇談の時間が短時間あったのですが、前年度同様、ここは実は是非にと、予め相談の上、出番をいただいてお時間を頂戴しました。保護者の皆様がPTA入会関係を終えてHRに集合されたところで、人文科主任から保護者の皆様にお願いしたいことなど、時間のないところで最低限になってはしまいますが、お話させていただきました。
新入生の皆さん、保護者の皆様、皆さまがここ春日部東高校人文科で過ごされる3年間が有意義であることを、切に願っております!ご入学、おめでとうございます!
3月14日(火)卒業式
3月14日(火)卒業式
様々な校種の卒業式、横に並べて比べるものではありませんが、単純に「高等学校の卒業式」、心にきます。
昨年度、自分が3年間担任した生徒たちを見送ってはや1年、人文科主任として初めて卒業生を見送ります。私は今、担任ではありませんので、自分の中で勝手に気を遣う部分はあります。自分にとりましては、担任した生徒の卒業式の日は大切な最後のひと時でしたので、人のそれを邪魔するようなことはあってはなりません。2、3歩引いたところからお祝いすることになります。
今回はコメントは1か所以外なるべく我慢しまして、写真は卒業式の様子や流れが中学生のみなさんにもコマ送り的に分かるように、ふんだんに載せます。
まずは前置きとして、前日のことから。私のHRから卒業した旧生徒会長のSさん、前日の卒業式予行と併せて行なわれた正式な会の1つ、「同窓会入会式」のお仕事で来校しました!偶然、職員室前で会えて嬉しかったです!大学生になってもやっぱり、いやますますキラキラしていました!
それでは当日、本番直前。教室前まで行くのは遠慮しまして、入場前の校舎内整列に向かう人文科卒業生を、まず階段で見送ります。
人文科は3年間3階ですので、先頭は1階まで来ますが、本体は階段に整列になります。
出発前。担任の先生にも写っていただきました。
人文科は「9組」ですので、なんでも殿(しんがり)です。
普通科卒業生の入場が進み、1階の所定位置にいた普通科がはけたら、いよいよ体育館へ。
さあ、入場です!担任を先頭に、2人ずつ、間を開けて、しっかりとした足取りで。
担任の先生の最後の引率はステージ前まで。そこからは自分たちで席へ行きます。
人文科まで入場・着席が終わると、開式の辞。
国歌斉唱をはさみ、卒業証書授与。普通科1組から。
普通科の呼名が進んでいきます。
学年主任は、校長に証書を渡す介添えをしながら、卒業生を見守ります。万感去来でしょう。
いよいよ、人文科9組の番です。
久しぶりに、聞こえる声での返事ができる状況に戻りました。
涼やかな返事が響きます。
全員、返事・起立・礼が終わるまで起立しています。
最後に、代表が呼名されます。代表は礼法にのっとり校長の元へ。
はるかな昔、私(現人文科主任)の担任をこの学校でしていただいた校長から、今、クラス全員分の証書を受け取ります。
ちなみに昨年度はまさに私のクラスが同じ校長先生から卒業認定をいただきました。不思議なものです。
受け取ったら、階段脇の証書置き机に証書を置き、席へ帰ります。
代表が自分の席に戻ったら、クラス全員で着席。まず大仕事がひと段落、卒業おめでとう!
担任の先生も、殿であるがゆえに普通科担任より少しだけ仕事が多いのですが、全て無事に終了。お疲れ様でした!
ここからはまた全体の流れの紹介に戻ります。
賞状授与。県から表彰される生徒たちです。
校長祝辞。
来賓祝辞。PTA会長さんと後援会長さんのお二方です。
来賓紹介と祝電披露。
在校生代表送辞。生徒会長の大仕事です。堂々とした話しっぷりでした。
卒業生代表答辞。もと生徒会長からです。ここで一言。私、元来「泣かないタイプ」なのですが、今回の式典中3回も涙が溢れそうになりました。まずこの旧生徒会長Oさんの答辞。形式的な内容ではなく、自分たちの思いをリアルに綴った爽やかで思いの溢れる内容でした。
内容に胸を打たれました。立派でした。
卒業生記念品贈呈。目録を読み上げ、提出します。
学校側(校長)からは、大切に使う旨、および、今回は3品目のうち1つが光庭に搬入された外用テーブルセット5セット分で、すでに設置されていますので、あらためて見てもらえるようその紹介がありました。
卒業生保護者代表謝辞。私、ここでも涙が滲みました。
齢51歳になったからか、同年代の子を持つ親でもあるからか、やはり思いのこもったお話に感動しました。
ここで!今回ここだけ少々述べさせてください!
写真は無いのですが、校歌斉唱です。ここでも泣きそうになりました!
春日部東の校歌は、個人的にこれまで勤務してきた高校も合わせて、その中で最もバランスよく歌唱向きの「いい歌」だと思います。良し悪しの話はふさわしくないですね。どこの校歌も大切に歌い継がれているかけがえのない歌なことは間違いありませんから。それぞれに特徴があります。私の初任校は古い伝統校でしたので、古めかしいゆっくりとした歌でした。2校目はマーチタイプで、生徒たちが元気よく歌いやすいものでした。3校目のものは、メロディアスかつしっとりとした素敵な歌。そして我が母校の校歌は、リズム・メロディ・ハーモニー・歌詞とどれをとっても誠に気持ちよく歌唱できる歌です。
また、高等学校における歌唱指導についてもお話します。私の印象ではありますが、高校で生徒集団に十分な声量で校歌を歌ってもらうのは、意外に大変なものです。何故か集団になると声が出ない。私は歌の専門家でもなんでもありませんが、こと校歌の歌唱指導に関しましては、思うところがあるのです。歌というパフォーマンスは、学年集会のような場では、雰囲気悪く強制しても、まずいい結果はでません。何とか気持ちよく校歌を歌ってもらおうと、気分が乗りそうな話をしたり、コンテスト形式を試したり、自分がパフォーマンスしたり、集会等で効果歌唱があれば生徒の列に入っていき、リード気味で声をだしたり一緒に歌おうぜ的な感じを出したり・・・あの手この手で指導してきました。
実は、その根底にあったのは、三十数年前にまさにここ母校を(現校長の担任するクラスを)卒業する際の出来事です。予行の際の歌唱練習ではそこまでではなかったものの、卒業式本番では、私たちは体育館の窓も震えんばかりの校歌大合唱をしました。それもドラ声で喚いていたわけではなく、です。「門出」に際し、「卒業仲間」「後輩」「先生方」と「母校の校歌」を「大合唱」する・・・なんと気持ちよく感動的なことか・・・酔いしれたものでした。たまたま親の仕事の都合で中学時代まるまるを過ごしたアメリカの中学校ではそのような習慣はありませんでしたので、私にとっては新鮮で初めての体験で、今でも私の人格の中にひとつ位置を占めるものです。
自分が教員になってからは、生徒たちになんとか同じような思いをして欲しいと願ってきました。大変しょっぱい思いもしましたし、また時として上出来だろう!と思えた場面もありましたが、基本的に「校歌指導=大変なこと」という公式は存在し続けました。それが、5年前にここ春日部東に転勤してきて、自分が所属した新入生の学年集会(入学オリエンテーション)に立ち会った際のことです。ものの入学2日目くらいの生徒集団が初めての歌唱指導を受けて、もうそれまでの24年間で聞いたことのないくらいの声量で校歌が歌えたのです。もちろん、音楽の先生による歌唱指導も上手なのですが、過去に同じ場面で「この人の指導は下手だ」と思ったこともありませんでした。そういうことじゃない部分はあるようです。「なぜ入学したてでここまで歌える?????これまでの校歌指導はいったい何だったのか?????」・・・大きく感動するとともに、正直、非常に打ちのめされました。この出来事は、私の教員人生の中でも、忘れることのない大事件の1つです。そして翌年、自分が担任する学年の入学の際にも、やはり声が出ます。一連のことを考えると、校歌に限っても、単純ですが「良い学校にきたんだな」と思いました。
それが・・・コロナ禍です!今回卒業した学年は、あろうことか3年間ずっと校歌を声に出して歌唱したことがない学年です。数日前の予餞会(3年生を送る会)でも当該学年の担任が挨拶の中で述べていましたが、この学年は予餞会前の学年式典指導と式典本番の2回しか全員で校歌を歌う場がないのです。なんと言うことでしょう・・・
話を卒業式に戻します。3年間、歌唱入り音源で流してきたスピーカーからの音量を超える声量で、卒業生たちが校歌を聞かせてくれました!2番3番と進むにつれ、歌詞にも馴染みがなくなるはずのところ、逆に声量が上がっていく感じで、久しぶりに春日部東の校歌を堪能しました。一連の思いから、この場は実に感動的で、撮影のために式典中ずっと最後部で立っていた私は、誰にも気づかれずに感極まっていました。
閉式の辞。お別れです。
卒業生退場の前に、出口で生徒たちを送るために、学年団は先に出口に移動します。
この辺りはどうするかは学校・学年ごとにいくつかパターンがありますが、今回は体育館を出たところで花道を作りました。
卒業生退場。入場と同じく、吹奏楽部の生演奏で送り出されます。普通科1組から、巣立っていきます!
司会よりクラス番号が呼ばれると、揃って起立、礼をして、退場します。
そして人文科の番。
(当たり前ですが)振り返りもせず、巣立っていってしまいました・・・おめでとう!
おまけ①
来賓退場です。校長に先導され、PTA会長さん、後援会長さん、そして同窓会長さん。
写真でお花の下あたりにいる同窓会長さん、実は私と同い年です。ということは。私の同級生です。とうことは。現校長が昔ここで私の担任をなさっていた学年の生徒会長さんです。不思議な気分です。
おまけ②
式が終わると、式場では大人の時間。学年団と管理職や各部署の主任が保護者の皆様より花束をいただきました。その後、学年団からは一言ずつ挨拶。卒業生は、担任が最後のHRをやりにくるまで、しばし休憩です。
ひとしきり、保護者の皆様とも最後のお別れを交わしたあと、担任は教室へ。一人一人へ証書を渡すのは教室になります。予行の日にもかなりの量の配布物を済ませていますが、この日も証書以外に意外と色々あるもので、そういった事務の後、担任から最後のお話が。そして解散。解散後も、教室で、廊下で、そこここで、様々な組み合わせで最後のお別れをし合います。大切な時間です。
私は担任ではないおっさんですので、通常はまあ寂しいものになるかなと思っておりましたが、有難いことに人文科9組や授業に出ていた2組から、数人がお別れに来てくれました。ありがとう・・・お元気で・・・
2月16日(木)1学年クラスレク 人文科は「ドッジボールとバスケットボール」
前回、今年度のブログ更新の終わりをにおわせておいての、もう更新です!もちろん、「人文科探究の授業」の様子ではありません。
春日部東高校は、球技大会とは別で、年に2回ほど学年単位で「クラスレク」があります。あらかじめ室内とグラウンドで場所取りがあり、その後取れた場所で何をするかクラスごとに決めて、当日は球技なり何なりと楽しみます。
2月16日(木)1学年クラスレク 人文科は「ドッジボールとバスケットボール」
コロナ禍以降、様々なイベントが中止や縮小、形態変更を余儀なくされてきましたが、世間の状況に合わせて、今年度はだいぶ従来に近い形でやれるようになってはきました。それでも、なんとなく、どことなく、「やれるはずのことがやれない」という感覚はそこはかとなくあります。今日は、人文科の1年生も普通科の1年生も、楽しい時間を過ごしてほしいですね。
まず前半はドッジボール。始め、借りた敷地めいっぱいでやりそうな雰囲気で、担任の先生も「だいぶでかいコートでやるんだな」とにやにやしていましたが、間もなく半分の面積に再配置?クラスレクは、担任はほぼノータッチです。まあ、ほかの委員会関係も大概、生徒主導ですが。何気ないところにも学びの機会はあるのです。係がうまく仕切って、動き出しましたね。
始めのボール取りはトスアップでした。
みんな、体が温まるまで?は少々大人し目でしたが、女子がきゃあきゃあ逃げまどうころには動きも活発に。
遠巻きで見ている分には、勝ち負けがあまり分からない感じで、前半終了。でも、楽しそうで良かったです。
次に、バスケットボール。こちらは男女別で行われました。先に動き始めたのは人数が少ない女子。いきなりハイテンションで、ずーっと「きゃあー」「ぎゃー」と叫び続けながら、相当活発に動き続けていました。
「青春の1ページ!」的なショットが撮れました!
男子も始まりました。人数の問題でちょっと賑やかな感じですが、動きをリードできる数人がゲームメイクをしていました。
終始、楽しそうで、今回だけで急に友情が深まるのでは、と思うくらいいい雰囲気でやっていました。
ちなみに、これは5時間目で、6時間目は教室で球技大会の準備とビデオ視聴をするそうです(担任談)。