人文科ブログ
10月1日(火) 人文科探究⑫ 1年生「個人研究テーマ面談・文献/資料収集」 2年生「原稿査読会/個人指導/論文入力」
10月1日(火) 人文科探究⑫
1年生「個人研究テーマ面談・文献/資料収集」
2年生「原稿査読会/個人指導/論文入力」
光陰矢の如しとはよく言ったものです。夏が終わったと思いましたら、2学期がぎゅんぎゅん深まっていきます。
今年度、1年生は、ここ数年と少し変えて1学期から個人研究テーマを形にし始めています。年間の授業計画にある今日の内容はタイトルの通りですが、常に現状に合わせてマイナーチェンジやメジャーチェンジをしております。覗きに行きましたら、担任のT教諭の監督のもと、なんだか全体的に集中して各自の夏課題などを手元に作業をしていました。
タイトルに「面談」とありますが、1学期から随時やっているようでしたし、必要に応じて。今回は、資料収集でもなく、各自の世界で「深めている」感じでした。
T教諭に「なんだかすごい真剣にやっていますね」とコメントすると、「やっているフウです」ですって!…まあ、中には見た目通りは進んでいない生徒もいることでしょう。でも、先が楽しみな雰囲気でした。
2年生は、これまた全体が二手にわかれているとのことで、とりあえず夏明けの論文下書きの入力が終わっている者と、まだPC入力をしたい者と。今日は、担任のM教諭がPC室監督で、内容入力や書式等の調整が終わっていない者達の作業を見守り、副担任のY教諭が教室にて「相互の査読会」を監督していました。
この後、各自の個別指導担当の先生たちにもひとまず原稿を読んでいただき、論の展開が理解可能か、追加しうる情報や意見等はあり得るか、誤字脱字は無いか、見ていただくことになります。
2024年度オーストラリア海外研修報告⑥【引率 弥次喜多もとい「ヤママツ」珍道中!❶】
2024年度オーストラリア海外研修報告⑥
【引率 弥次喜多もとい「ヤママツ」珍道中!❶】
ブログ掲載予定
① 8月3日(土)羽田出発~8月4日(日)ホストファミリー対面まで
② 8月5日(月)6日(火)現地校体験 前半
③ 8月7日(水)シドニー大学訪問 学生とSDGs水問題協議
④ 8月8日(木)9日(金)現地校体験 後半 日本の文化についてプレゼン
⑤ 8月11日(日)ホストファミリーとお別れ~8月12日(月)帰国まで
⑥ 引率弥次喜多ヤママツ珍道中 ← 今回はここ★…しかも長くなりそうですので、やっぱり分割します。
❶食事 ← ということでして、今回はここ★
❷モーテル・ホテル
❸通勤道中
1)バス事情
2)ゴミ関連
3)新聞配達
4)交通関係
❹スーツケースパッキング
❺現金
❻土曜日
⑦ 英語について
珍道中レポート!
ようやく!ようやくここまで来ました!怒涛のような通常業務に追われガス欠気味ですが、これ以上先延ばしにもできませぬ。
仕事とはいえ、我々引率も人間でゴザイマス。生きて、現場を過ごせば、1コマ1コマの時間を過ごせば、色々なことを思うのです!今回は、日程を追っての随筆のようなことをしてしまうと報告①~⑤をなぞってしまいそうですので、敢えてカテゴリー別に体験や感じたことなどを紹介させていただきます。
❶食事
食事!私としましては予想外に、これは苦しかった…!
一緒に引率したY教諭は、私よりだいぶ要領よく過ごしたようなのですが(ちなみに、現地では初日の夜以外はお互いに単独で過ごしました。若い方に、50代の動きの鈍いオジサンのお守りをさせてしまう事になりそうでしたので、私からなんとなくそうしましょうと。)、私は今回、要領が悪かった…!!
まずは、自力調達度と費用が高かったこと!
現地入り初日、動物園の観光中、昼食時に「手違いの判明」から始まりました。「朝食も自力調達です」…何ー!??出国前に、我々引率につきましては朝食だけモーテルで出て昼食と夕食は自力調達だと伺っていたのですが、その場で何度も書類を確認し、電話もした現地ガイドのMさん曰く「やっぱり素泊まりで契約されていますよ」と!
こうした手違いはアルアルなようにも聞いていましたので、驚きはしませんでしたが、ジワジワきました!なんんんだそうかぁぁ………しかしまだこの段階では「買い出しに行けばなんとかなるか」と考えていました。
夕方、この日の業務を終えて、期間中のほとんどをお世話になるサザランドモーテルに入り、部屋に荷物を置いて、早速2人で外食&買い出しにでかけました。モーテルは電車の2駅のちょうど中間地点で、どちらの駅に歩いてものんびり行けば20分近くかかりますが、モーテル所在地が住宅地で周囲に一切店舗がありませんでしたので、オーナーさんにも勧められたショッピングモールがある「キラウィー駅」周辺を目指して出かけました。
目指す現地スーパー大手「コールズ」に下調べで入り、なんとなく食材などの目星をつけてから、疲れましたしお腹もすきましたし、とりあえず食事を済ませよう、となりました。モール内にはレストランが多数あるはあるのですが、店舗前のメニューと費用と注文の煩雑そうな様子を見ると、「よしここで」とはなりません。とにかく高い!アメリカほどではないにしても、ごく普通の1人分の食事が日本円で2000円~3000円くらいします。その価値観で料理を見てしまうとなかなか手が出ません。結局、なんとお昼に動物園でいただいたハンバーガーセットとほとんど同じようなものをバーガーショップでいただく羽目に。お店の名誉のために、味とボリュームは満足!値段はまあまあOK、ちゃんと美味しかったです。このお店には、画像確保も兼ねて、後日1人で再度入りました。
ちなみにこれは動物園のバーガー(再掲)。
食事後にコールズに戻り、それぞれ思うところで食材を仕入れました。
私の場合、画像に残し損ねましたが「チーズ風味のパスタ(ペンネ)」の大パック(賞味期限近くの安売り)と、
ソフトクッキー得用パック(写真は日程後期、大分食べ進めた頃に撮影)
と、チョコパンのいっぱい入った袋と、翌日の昼食のサンドイッチパックを買いました。
ペンネは、これならハズレはあるまいと思って買ったのですが、いざいただいてみると、うーむ。好きなチーズ味なのに…いや、贅沢は言うまい!サイズのイメージは、バニラアイスクリームの家庭用大パックくらいです。朝夕に少しず…いえ、器にけっこう盛りつけて、つレンジで温めていただいて、月曜朝から確か水曜夕方くらいまでかかっていただきました。
クッキーはと言うと、妻にも驚かれたのですが、なんと食べ切れず日本に持ち帰りました。これはとても美味しくて喜んで食べ続けたのですが、1つが大きく厚いので、だんだんと重くなっていきまして…。そもそも「パン」のコーナーにありましたので、イギリス式にショートブレッドと呼ばれるものだったかもしれません。
私、実はかなり大食いで、しかも好き嫌いがなく、料理の様子が普段と変わってもまるで平気、楽しんで美味しくいただく感じで人生ここまできましたので、自分でもこの旅の食事の苦しさには驚きました。引率に向け、実は海外研修引率経験者の同僚の方から、2人ともインスタントの食材をいくつかいただいておりました。10日間のうち特にモーテル暮らしの7日間でうまく振り分けていただきましたが、美味しかった…有難かったです!
2人で歩いてモーテルに帰ると、オーナーさんに呼び止められ、「日本から指示があったので、朝食は出すよ」とのこと。2人とも、特にY教諭はかなりの量を購入した模様なのですが、まあ、ありがたいはありがたい。…ただ、モーテルには食堂はありません。また、はじめ、朝6:30頃には出発するような考えでいましたので、朝食をいただくならいただくで、どうなるのかなと。そのあたりをオーナーさんにお尋ねすると、「前日の夕方に、部屋に置いておくよ」とのこと。「明日の分は、もう置いてあるから。」部屋に戻り、置いてあったのがこちらです。
うーむ。
うーむ?
うーむ!
え?
左端の紙袋はカトラリー。手前中央の紙袋はラップされた生の食パン2枚。自分でパン焼き機で焼く用。右端の器にあるアンクルトビーズの紙袋は、初体験「オートミール」。考えたことがなかったのですが、オートってautoじゃなくてオーツ麦のオートだったんですね。砂糖が2パックとハチミツ1パックが添えられていました。後列は、左上がピーナツバター、普通のバター、ジャム。毎回少しずつ内訳を変えて4個~5個添えられていました。中央が牛乳パック。金属の蓋のビンはリンゴジュース。そしてバナナ。ちなみに冷やしておくべき牛乳やジュース等は、お盆ではなく冷蔵庫に入っていましたので、撮影用に置きました。
贅沢はモラルに反します。反しますが、毎日だいたいこんな感じ…?あくまで個人的な感じですが、少ない…あと、オートミールは牛乳でいただくわけですが、これならコーンフレークが…………
最終日まで並べてみます。
●2日目からホウレンソウとゆで卵2個と塩コショウのサラダが加わりました。
塩コショウはゆで卵をつんつんする用にしましたので、ほうれん草は1枚ずつ合間に口へ。味付け無しでも美味しかったです。
●この日だけコーンフレーク!よかった!リンゴは硬くて食べられませんでした(このオレが…くっ情けない!)
●この2枚は同じおぼん。オートミールに混ぜるレーズンがありましたgood。
●おっサラダにハムが!ハムがぁ!トマトも!ここまで来て今更、オートミールの紙袋に「一晩牛乳に漬けて冷やしておくと膨らんで美味しくなる、とありましたので試しました。うーん、少ーし粘り気が出た????
●最後。リンゴは…実はそのまま冷蔵庫に残してしまいました。
毎日妻に食事を出していただく有難さ。調理こそありませんが食べられるようにするところまで自力で全てやるわけですから、出発の1時間以上前に起床し、電気ポットでお湯を沸かしてコーヒーか紅茶をいれ、パンを焼き、ペンネがあるうちはペンネを温め、シリアル系の食材に牛乳をかけて、結局は1時間ちかくかけて毎朝朝食をいただきました。
サザランドモーテルにはありがたいことに!?自販機がありまして、そこにカップラーメンがありました。期間中、2個あったのですが私が1つ購入、もう1つはいつのまにか消えていました。
昼食については記録を残し損ねましたが、正直、ほとんどうまく対応できませんでした。サンドイッチならハズレはなかろうと2回?購入しましたが、どうしても日本のコンビニのサンドイッチが勝ってしまいます。予備的に買ったチョコパンのみで済ませたり、ほかに微妙なパンともお菓子ともつかないまあまあ美味しい「何か」のみで済ませたり。思い出すと辛くなります。
確か、木曜か金曜辺りにはもう思い切って外食に。「シャイヤークリスチャンスクールに出勤するためにバスに乗りに行くサザランド駅」周辺にもある程度食事をとれる環境はあったのですが、結局冒険せずキラウィー駅近くのモールにばかり行きました。
コールズのあるモールで、日本料理屋さんに入って、まさに牛丼的なメニューを見つけ、いただきました。美味しかった。ちょっと高かった。ついスキヤの牛丼と比べてしまう…
このお店ではなんと引率生徒がこちらを見つけて、挨拶に来てくれました。突然目の前に現れてちょっと驚きました。ホストファミリーと食事をした模様。
最終日(土曜日)だったか、同じモールの一角にあるタイ料理店にえーいと入っちゃいました。今日も?今日は?贅沢してやるぅ!
それでも、お店の前のメニューを見て、2000円台に収めようと考えてから入店。ところがいざ注文時に、狙った肉料理と飲み物以外に、ご飯も勧められ、ココナッツライスをつけたら、結局4000円近くに。美味しかった!美味しかったし、普通に満たされました。でもやっぱり高い~
ここからはもう残りの食事を時系列で。
8月11日(日)は現地の実質最終日、生徒はシドニー市内班別研修の日。朝、シャイヤークリスチャンスクール前でホストファミリーとお別れしてから、借上げバスに乗り、1時間足らずでメトロホテルマーロウシドニーに到着。チェックイン前にスーツケースだけ置かせていただいて、諸注意の後、生徒は出かけ、私たちも半分自由行動ということで外出。
Y教諭といただいた昼食のパイ。私は野菜パイ。美味しい!少ない!
ホテルに戻る前にちょっと寄った喫茶店といただいた飲み物。
ホテルの夕食。前半、パンと野菜スープ(薄味。素材の味)
山盛り肉ペンネ。見た目に反して薄味。あわや撮影前に食べきるところ。
残す生徒もいました。昼食を街で楽しんでこれた者も多かったようで…
夕食後にホテル側から配布された、翌日早朝の朝食または機内持ち込み用の、朝食ボックス。
朝4:30くらいに、うっかりマフィンを食べかけて、撮影したかったのを思い出しました。
マフィンとゆで卵とリンゴとジュース。リンゴは頑張ってかじりましたが、小さいのに硬くて、味も…なんと食べきれませんでした。(そんなこと、これまで本当に無かったのに…!!!!)
機内食(昼)。美味しい!美味しいって!!泣きそう~
機内食(夕方の軽食)。美味しい!美味しいって!!やっぱり美味しいいいい~
★まとめ★
…食事に関しては、本当に不本意ながら、大変に不満が残る旅にしてしまいました。引率の立場とは言え、異文化を体験しに行く覚悟が甘かったです。自分の「好き嫌いなく、何でもおいしく食べる」という性質も過信しました。疲れや自力調達や費用と言った別要素も絡むと、あっけなく本来と異なる自分が出て来るのか…また、生活上の要領というものも大切、もっとしっかりやれれば、もっと好印象にできただろうに…。
生徒たちは、全てのホストファミリーに同じレベルでホスピタリティーがあったはずはありませんが、話や感想をみるに、意外と多くの家庭でサービスよく美味しい食事をいただいてきた様子でした。その点は良かったです。
9月24日(火)人文科探究⑪ 1年生「SDGs関係」 2年生「探究論文入力作業2」
9月24日(火)人文科探究⑪
1年生「SDGs関係」
はっきりこう銘打った授業は、人文科探究授業が年間で全23回ある中、2回しかとれません。今回で終わりです。貴重な時間ですので、しっかりやりたい…と思ったところで、ちょっと機材トラブルでした。例年みせているビデオをPCとプロジェクターとで見せる際に、接続がうまくいかなくて、副担任のI教諭に助けていただきました。
SDGs関係の授業は、担任の先生に特に希望がなければ、主任の私がやらせてもらっています。1学期初回は「地球カレンダー」授業にて、この地球に生物が長期に安定して住める環境がどのようにして整ったのか、駆け足でさらいました。今回は、知る人ぞ知るアメリカのアル・ゴア元副大統領の映画「不都合な真実」を見せました。
実は、温暖化の研究、いえそれ以前の「大気中のCO2濃度と気温の関係」を調べるための観測や研究は、歴史が浅いのですが、ゴア氏は大学時代にそれを始めた教授に師事したことからこの問題に興味を持ちました。その後、政治家になってからも、8年間に及ぶアメリカ副大統領期間においても、大統領選にてブッシュ氏に極めて僅差で敗れ、政界の表舞台から退いた後も、自らも調査研究に携わり、地球温暖化の危機について国内外に精力的に、切実に訴え続けてきました。
一方、当時の人々の多くは、ブッシュ氏ご本人や陣営も、多くのメディアも、「地球温暖化など、ない!」「ゴアのプロパガンダだ!」「映画には根拠のない誇張が含まれる」という調子。イギリスでは教育関係者までもが「教育の場での『不都合な真実』の上映を禁止せよ!」と裁判を起こしたりしました。
はっきり申し上げて、この映画で予測されていた状況をはるかに超える状況を、今では普通にニュースで見かけます。ゲリラ豪雨や海水温の上昇による台風の凶暴化なども、とっくの昔に警告があったのです。ゴア氏は科学者の警告を真摯に受け止め、実に全うに世の中に訴えた稀有な政治家でした。当時の反対者たちは、今、世界各地で吹き荒れる異常気象を見て、どんなことを思うのでしょうか。「あの時はあの時で、行動は正しかった、仕方がなかった」などと臆面もなく述べるのでしょうか。SDGsが動き始めた時にも、過去を振り返ったでしょうか。その後、コロナ禍とロシア・ウクライナの戦争とで、SDGsが停滞を余儀なくされ、ホッとでもしているのでしょうか。
ここ数日、急に朝夕が涼しくなり、長期的に考えない人にとっては「通常に戻った」ように思えるかもしれませんが、一市民が肌に感じる天候とニュースで得る情報だけで考えても、ここ2年くらいで温暖化は急激に加速しているように思います。
この先が人生本番となる高校生には、その身のためにも、是非ともしっかり考えてほしいと願います。映画の中ではグリーンランドの惨状(当時でも十分に惨状)が出てきましたが、今はそこから20年くらい経ってしまっています。生徒には、グリーンランドが現在どんな感じになっているか各自で調べた上で、感想文を書いてもらうことにしました。
内容をどのくらい受け止めてもらえたか、どのくらい危機感や使命感を感じられたか、感想文を読むのが楽しみでもあります。
2年生「探究論文入力作業2」
画像がありませんが、後で様子はうかがいました。2学期は論文入力の日々になりますので、前回今回と皆苦労しつつワッと作業が始まった感じです。仕上げの季節。頑張ろう!
9月17日(火)人文科探究⑩ 1年生「夏課題の相互プレゼン」2年生「探究論文のPC入力始め」
9月17日(火)人文科探究⑩
1年生「夏課題の相互プレゼン」
2年生「探究論文のPC入力始め」
相変わらず動きが重く、申し訳ありません。海外研修の詳細報告(速報を修正した形ですので日付は8月上~中旬)も大事な部分はようやく終わりましたが、お楽しみ?の付録回や自然特集(部活から)はまだです。隙を見て上げていきたいと思います。
さて、夏休みが終わり、文化祭も人文科講演会も終わり、ようやく通常の授業の日々が始まりました。人文科探究の年間継続メニューの再開です。主任である私は、今回はまず1年生の教室に始めからお邪魔し、次に2年生の教室にお邪魔して、だいたい同じような内容の話をさせていただきました。
今年の1年生は試験的に例年より早く「個人の研究対象」を見定め始めてもらっています。よって、夏課題は「自分の研究対象に関連したネタの蓄積」でした。2年生はと言うと、例年通り順調に、これまで研究してきた内容を正式に論文の形にし始めます。実のところ、夏課題はiPadにて1学期にポスター発表した研究内容を論文の構成で文書化する内容でしたので、作業としましてはすでにいったん入力してあるデータをGoogleからウィンドウズのワードへ変換して、学校のPC室で編集できるようにして、まずはフォントや書式等を整える、というところから始まります。
それぞれ、時期としては本校人文科にて推奨している論文の型について、再度触れておくのによい時期です。次のような話をしました。
① 毎年、人文科の卒業生が「探究をやっていてよかった」と言うが、理由は大学での同級生に先んじて論文やレポート作成の指示を理解し動き始められるから
② 日本では残念ながら各種作文において「型」をあまりやり込まないので、作文の添削は点数化しにくいが、アメリカなどは型をしっかりやりこむので、採点も点数化しやすい。せっかくなので、学会に発表する際の学術論文のような型を体験してほしい
③ 人文科で推奨している型は、
❶自分で疑問に思ったことを言葉にする→「課題」
❷「課題」の答えを1つ、自分で考えてみる→「仮説」
❸「仮説」が正しいと主張できるよう、根拠をできれば3つ考える→「論証①②③」
❹「論証①②③」は、同じようなことを3つ※論ずるのではなく、視点を変える
(例:「人」について論ずるなら、「年齢から」「性別から」「居住地から」のように)
※論証が1つだと反論1つで折れる。2つなら少し強い。3つあるとかなり強い。
❺「論証①②③」が「自分で言っているだけ」にならぬよう、高校生としてできる主な事として「引用」する。つまり、すでに世の中に出ている書籍等のメディアから、自分の主張を支えられる材料を借りて根拠にする。借りた情報については、「剽窃」という犯罪にならぬよう、書式に従い明記すること。
❻最後に「ということで自分の「仮説:~~~」は正しい、と結ぶ→「結論」
…ということで、今日活動する際にちょっと念頭に置いておきましょう、と話しました。
2年生の様子
先に1年生にお邪魔したので、2年生はちょうどデータ変換が終わるところで、書式の指示が始まったくらいでした。
担副のお2人で全体を指導します。
1年生の様子
今回、担任のT教諭が出張のため、副担任のI教諭が手動で授業をされました。サマースクールに引き続き、このブログの1年生部分もI教諭にお願いしてみます。
任されました!
今回の人文科探求は夏休み課題のプレゼンを行いました。
少し嫌そうな表情をしている生徒も…(頑張ろう!)
3-5人班でチームを組み時間を計りながら行いました。3分で行いましたが話し始めると…“調べたまんま発表しても相手にはわからないだろうし”,“どう伝えたらわかりやすいかな”と色んなことを考えながらわかりやすく伝えようとするといくら時間があっても足りませんね!短い時間で簡潔にわかりやすく伝えるのって難しい!
そんな中で多くの生徒がプレゼンを聞いて質問をしていました。中には鋭い質問も。
こうやって話してみると充分だと思っていた内容ももっと掘り下げられることがわかり、論証の根拠もまだまだ穴があることに気づけましたね!
誰かに伝えてみると気づくことって意外とたくさん!(教員になってよりそれを感じるようになりましたね〜)
発表まで時間はまだまだあるので計画的に情報収集を行おう!
9月10日(火) 人文科講演会
9月10日(火) 人文科講演会
人文科の大きな行事がまた一つ無事に終わりました。毎年、文化祭片付けの日の午後に開催しております「人文科講演会」、国際的に活躍されている様々な業界の方を講師としてお招きして、貴重なお話を伺っております。
原則、近隣の大ホールがある施設にお邪魔して、現地解散というスタイルにて実施しております。コロナ禍中は校内実施、しかもリモート講演でした。今年は、昨年度久しぶりに外へ出てお借りした春日部中央公民館さんが改修工事中ですので、コロナ禍前に利用させていただいていたイオンモール春日部の3階、イオンホールにて実施しました。
講師の先生は、今年度も昨年度に引き続き「国境なき医師団」から、心理士のM.H.先生がいらっしゃいました。
埼玉県は上尾市のご出身との事で、高校時代のお話と相俟って生徒にも親近感がわいた事でしょう。自己紹介から医師団そのものの紹介、主な赴任地での体験談、心理士という仕事についてお話が進むうちに、内容がどんどん凄まじくなっていきます。「国境なき医師団」の方とのことで予想はしておりましたが、やはり。
ただ単に目にした惨状を言葉にされているわけではありません。医師団の使命の1つとの事ですが、世界で何が起こっているのか「伝えること」に重きがあります。紛争、災害、感染症、医療過疎。実際にどこでどのような現場があるのか。そこにいる人々はどのような思いをしているのか。人々が苦しんでいる問題の背景/原因は。医師団として、心理士として、どのような援助ができるのか、できたのか、できなかったか。
H先生がこれまでに活動された主な地域は、パレスチナ、スーダン、シエラレオネ。
鉄くず集めを生業にしていて、ある夕方、夢中になりすぎてうっかり進入を(もちろん敵対勢力から一方的に)禁じられたエリアに入ってしまい、それだけで射殺されてしまった小さな少年の母親が生きる希望を失って引きこもりになってしまい、その方を長期間ケアされた時のお話。
難民になり、生きる希望を失って、逆上して燃料を浴びてライターでまさに火をつけて死のうとしている方を「なだめてくれ」と頼まれて何時間もかけてケアされた時のお話。
結核の治療は人によっては完治に年単位でかかるが、最寄りの病院まで歩いて2時間、往復4時間もかかるようなエリアでは、患者は薬だけもらいに通院を続けられず、勝手に治癒したと判断して通院をやめ、結局再発し家族全体や村全体を感染させてしまう現実のお話。
「赤十字は声をあげにくい。国境なき医師団は、声をあげる。」
「国境より大切なことがあると考える。医療は、届ける。」
「独立性、中立性、公平性」
大声で話されているわけではありませんが、力のある言葉がどんどんでます。皆、メモを取りながら聞き入ります。
「カウンセリングで空腹が満たされることはない。カウンセリングが不足した医療品の代わりになることはない。でも、言葉の助けを求めている人は、助けることができる。」
「世界は、平和ではないんだ。」
「世界に目を向けて。」
「できることをやりましょう、募金することでもいいし、知ることでも、話すことでもいい。」
今回も、聞きごたえのある、かつ分かりやすいお話でした。 H先生のご希望で、講演自体は早めに1時間程度で終わりにし、質疑応答に十分時間を取ります。
今回とてもよかったのは、質疑応答に実にお多くの生徒が挙手をしてくれたことです。せっかく時間を設けても全員黙ったままでは空しいですから、ほぼ途切れず生徒側からH先生へ質問が出て、高校生ですから中にはフシギな質問やコメントもありましたが、活発でよい時間になりました。
司会の職員からも質問が。私も質問させていただきました。2回目の質問をする生徒も。
1問1問に丁寧に答えていただきました。
実は今回とても面白い偶然がありました。
2年生の英語コミュニケーションⅡという科目で、2学期中間考査までの範囲で、ちょうど今まさに授業でやり始める(た)Lesson7が国境なき医師団で働かれている看護師の方についてなのです。この教科書を前年度に選定したのも、このLessonを2学年の英語科がちょうどこの時期の範囲にあてたのも、人文科講演会とは何の関係もありませんでした。H先生のお話のネタになればとテキストを持参して該当箇所を見ていただきましたところ、なんと「ああ、知ってます知ってます、飲み友達です」ですって!!!!国境なき医師団も万単位の人々が従事なさっている集団、まさかそんなに都合よくお知り合いということはないと思いますが、とか言いながらお見せしたのですが、「いやあ、狭い世界なので」とのこと。
このお話も最後に出ましたので、特に2年生は盛り上がっていました。レッスンをやるモチベーションに追加してもらいたいですね。
最後は、全体の代表で3年生クラスのホームルーム委員(昨年度からブログでよく見かける…あるいは学校説明会で何度か見かけた生徒!)にお礼を述べてもらいました。
この後(講師退場)、校長先生と私でH先生をドアの外までお送りしお礼を述べてお別れしました。
生徒たちは、配布された感想用紙及びそこにあるQRコードからアクセスしiPadにてアンケート回答。今日の学校はこの場で解散です。
3年生…あっ懐かしい「ブログ姫」。
2年生の様子
1年生の様子
おまけ
会場撤去ですが、設営からして昔は全てこちらでやっていたのですが今回はご都合により始めから椅子をならべていただいてありましたし、片付けはあろうと思っていたのですが、解散直前で「次の団体が明日同じような形で使うのでこのままで」ですって!幸運!