人文科ブログ

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4月23日(火)1年生スプリングセミナー! その1

4月23日(火)1年生スプリングセミナー! その1 1時間目~3時間目

…を利用して人文科教育活動を紹介!

 今年のセミナーは、金曜実施ではなく火曜実施にして、1コマ増やしました(火曜日は7時間)。

1時間目:はじめに/人文科探究導入①

2時間目:人文科探究導入②

3時間目:人文科探究導入③

4時間目:入学前課題「私の気になること」ネタの相互プレゼン

5時間目:SDGs壁新聞作り

6時間目:SDGs壁新聞発表

7時間目:人文科卒業生講話

 

 今年は例年より1コマ増やしたことで、人文科探究の導入部分により力を入れられました。

 また、普段、広報の場面で使っている「人文科紹介ブックレット」の内容を、「記入用のセミナーノート冊子と資料冊子」に仕立て直して、教材として使いました。またこのタイミングで、2年間の人文科探究のテキストとなる「学びの技」改訂版 玉川大学出版部…も配布して、導入として読み合わせもしました。

 

★★中学生や保護者の皆様へ

 毎年のこのスプリングセミナー実施内容は、ブログにて春日部東高校人文科の教育活動の土台部分をかなり広く紹介するのにうってつけなのです。今回は物凄い字数になりますが、ブログは逃げませんので汗・焦る、ご興味ご関心に応じ、「スキミング」や「スキャニング」しながら「ブラウジング」してみてください、サブタイトルは太字にしてあります情報処理・パソコン

本スキミング:ななめ読みでざっと

本スキャニング:キーワードを拾い読み

本ブラウジング:ざっと読むこと

  また、皆さまの興味関心の対象があれば、ピンポイントで探せるように、本ブログの「目次」も作ります。


 1.はじめに

 ❶校長講話

 ❷学年主任講話

 ❸この時間に得られたもの

2.人文科探究導入①

 1.人文科の「人文」とは何か?

 2.「人文科学」とは何か? 

 3.科学を3分野に分ける場合

 4.科学を2分野に分ける場合

 5.春日部東高校人文科はどんな学科?(4つの特徴)

   特長❶ カリキュラムが「文系」に特化

   特長❷ 独自の行事がある

   特長❸ 独自の教育環境がある

   特長❹.学校設定科「人文科探究」がある

     ❹-1.「探究学習」とはなにか 

     ❹-2.なぜ今「探究」を学習するのか

     ❹-3.探究に必要なこと(道しるべ)

      ❹-3-1.道しるべ①「メディアリテラシー」

      ❹-3-2.道しるべ② 「多角的視点」

     ❹-4.SDGsの視点について

 3.人文科導入② テキスト読み合わせ

 4.人文科導入③ プチ探究

 


 1.じめに

  セミナーが現在のスタイルになる前からずっと変わらず、まず始めに校長先生と学年主任の先生に、お話をいただいております。

 例年、お話をいただく前に、「話を聞く態度」つくりもしております。「偉い人から話を聞く時はちゃんとして」ということではなく、事実として話を聞く際の「体勢」などが話者にどういった印象を与えるかを、実演も入れて示しました。皆、意図を酌んでくれたのか、とてもいい雰囲気でお二方のお話を聞けました。

 

 このところ、教育の現場もIT化が急速に進んでおり、この流れはもう止めるべきでも、止められもしません。ただ、急すぎて、まだまだ発達段階にある生徒たちの、脳の発達にも影響が大きいと思われる各種アナログ能力の大切な鍛錬機会を減らしかねません。今回初の試みですが、「講話を聴き終わったら、短時間設けるので、聞いて覚えている内容を(アナログで)記述してもらいますよ」と含んでおきました。長時間の講演ではありませんので、途中でメモは取らせられません。脳を鍛えてもらいましょう!

 

  かくして講話が始まり、お二方から有意義かつ面白いお話をいただけました。共通の話題は、この人文科出身のマラソン選手川内優輝さんがかつてお二方とそれぞれ異なる場所で一緒に働いていた、というものでしたが、ちゃんと本題で大切なお話につながりました。

 

❶校長講話

内容…生徒メモより

・人文科でしか経験できないことを大切に/セミナーを通して多くの事を学んでほしい

・文武両道は大変だけどいずれ自分の助けになる

・体は大事、睡眠大切、健康でいれば意欲的に勉強や部活に取り組め、文武両道へつながる

・東校人文科出身、マラソンの川内優輝選手は、かつて同じ職場にいたが、練習と仕事の切り替えがすごかった、つまり文武両道が息づいていた、継続にもつながる

・先週の交流会はとてもいい雰囲気だった、楽しく過ごしてほしい

 

❷学年主任講話

内容…生徒メモより

・勉強も大切だが、経験を積むことも大きな力になる、人文科にはたくさんのイベントがあり(含海外経験等)、経験して得られるものがたくさんある

・自分の意見、考えを大切にする

・自分の好きなことを追ってもよい

・良いクラスにするのは私達次第、高校3年間同じクラス、お互い認め合い、仲間を大切にすれば、最高のクラスができる

・学校や家族は、安全で王道な道を勧めるもの、しかし縛られる必要はない、否定はしない、自分が明確にやりたい職業や挑戦したいことがあったら、全く別の道に行くのもいい、マラソンしかり演劇しかり、百人いれば百通りの人生、やりたいことをやってほしい

・人生、何があるか分からない、何かあったら担任等に相談を

  

❸この時間に得られたもの

内容…生徒メモより

・自分のしたいことをよく考え、最後まで突き進むことが大切

・やりたいことをすることの重要性、一般的な道だけに囚われず、他の世界も見て自分の将来を定めたい、何事にも全力で挑むこと、行きたいと思う進路につくために今できることを頑張りたい

・私達次第でクラスの雰囲気や未来がかわる、3年間同じクラスだからこそ絆を深める、常に相手の立場になって考える

・睡眠は大切、人を頼ること、周りと協力していくことも大切

・校訓である文武両道は社会に出ても役立つ、今できると将来とてもいい人材になれるかも

・勉強も大切だが経験も大切、人文科でしかできない経験を大切にし、経験値を積みたい

 

 

2.人文科探究導入① 

 人文科生として、用意されている学習環境等をしっかり理解して過ごし始めてほしい、という思いから、学校説明会等の募集段階で使用しております人文科の紹介資料をワークシート形式にして、生徒達には「解答」をメモしてもらいながら理解を促しました。これ以降しばらく「桃色字」が、シートでは空欄で生徒が記入した箇所です。

1.人文科の「人文」とは何か? → 「人文科学」という用語から

 

2.「人文科学」とは何か? → 「人間の文化に関する学問」の総称

 

3.科学を3分野に分ける場合、次の3つに分けられます。

 ①「自然科学」:自然現象を対象とする

 ②「社会科学」:人間社会の現象を解明する

 ③「人文科学」:人間の文化に関する学問、例)「哲学、歴史、文学、言語」など

 

4.科学を2分野に分ける場合は、

  自然科学≒「理系

  人文科学≒「文系

 

5.春日部東高校人文科はどんな学科?

 特長❶「人文」だけに「文系」科目が多い

 特長❷ 独自の「行事」がある

 特長❸ 独自の「学習環境」がある

 特長❹ 学校設定科「人文科探究」がある

      

 

5番の春日部東高校人文科の特徴より、とりあえず手にした学習環境を理解してもらいましょう…

 

特長❶ カリキュラムが「文系」に特化 

※卒業後の進路は「私立大学文系学部」がほとんど

文系科目(国語・英語・地歴公民)に重点を置いた教育課程

● 私大文系(文・法・経済・商・教育・外国語・心理などの学部)進路実現をサポート

● 教育課程の範囲内で国公立大学受験にも対応

● どこの学校でも毎年6月に「三者面談」がある理由:特殊な書籍「教科書」の出版事情と、「翌年どの学校に何の教科の教員が何人必要か」の計算を県などが間に合わせる必要から

● 1年生が入学して2か月で次年度の進路を文系にするか理系にするか決めるのは大変なこと

● 人文科は単独クラスの「学科」であり、入学時点で進む先が「文系」でほぼ決定 → 6月の悩みは普通科の半分

● 理系進学は正直困難

● 国公立は既存の学習環境をフル活用して人文科からも例年数人が進学している

● 進路を分野だけでも「文系」とさだめられるならば、非常に恵まれたカリキュラム

 

…しかし、漫然と座して、受け身でいても、なにも達成できない!

 

達成のために、

※ 凡事徹底=ここでは「授業を大切に」「教材持ち帰り」「段取り」「出席する」「真摯に

※ 進路指導部が調整する「進学補習」を効果的に利用すること

※ 選択科目のよりよい選択のために、早くから受験を意識すること

※「この科目をみてもらうならこの先生」という先生を見つけておくこと

※ 地歴公民のどの科目を受験で使うか、早めに意識し始めること

※ 古文・漢文をなめないこと

※ 情報をしっかり受けること

※ 理系科目をなめないこと(不要な科目などない!それに英語の長文は今、話題の分野が極めて広いし!)

 

特長❷ 独自の行事がある(画像は是非、過去/未来のブログでご確認を!↓)

 授業では、このコーナーは、以下の情報は興味次第で見てもらうことにし、最低限だけ触れて先へ進めました。

 

凡例:は火曜7限人文科探究授業内で実施

   は通常授業をもらって実施

   は校外実施

   は放課後に実施

 

★☆人文科交流会 【1・2・3年生】【4月】【L.L.教室(次年度は学食?)】

  …人文科内で先輩後輩の交流会

  …3年生は火曜7限の通常授業をもらってこちらに参加

☆スプリングセミナー 【1年生】【4月】【L.L.教室】 

  …火曜日丸1日7コマ、校内での「探究」ガイダンス等

  …卒業生(大学2年生)との懇談会(7時間目)

☆キャリアガイダンス 【3年生】【6月】【L.L.教室】※火曜7限

  …人文科卒業生(大学1年生)との懇談会など

ポスター発表 【2・1年生】【6月】【3階?食堂?】

  …2年生の研究結果の発表を1年生も一緒に聞く

  …年度により、6限ももらって2コマでやる場合もあった

✪サマースクール 【1年生】【8月】【東京青海 東京グローバルゲートウェイ】

  …語学体験施設で、各班に1名外国人講師がつき、終日語学研修

✪オーストラリア海外研修 

 【希望者】【申込1年10月、渡航2年7月下旬or8月上旬】

 【コロナ禍以降、行き先や訪問校等は毎回検討 → 毎年必ず同じというわけではない】

 (R2/2020、R3/2021、R4/2022年度中止、R5/2023は国内成田)

  …2024年度開催分については、10日間、シドニー、シャイヤークリスチャンスクール、シドニー大学

  …ホームステイだが、オーストラリアはホームステイが飽和状態で、R6年度の1家庭1名は難しそう、R6年度実施分の入札勝者はJTB、予定30万円+α

✪人文科講演会 

 【1・2・3年生】【9月文化祭片付け日456限】

 【春日部中央公民館…は改修工事が入るとのことで、未定】

  …各界の著名人をお招きしての講演会(このところ国境なき医師団)

  …特別編成授業をお願いするので、何かの授業をもらうわけではない

●人文科フェア 【ボランティアor指名された人】【秋、第3回学校説明会日】【3階】

  …3階を広く使って、お客様に人文科の行事や探究を紹介、ポスター発表実演、

  …中学生との交流会あり、その間保護者は主任から詳細説明あり

☆エンパワーメントプログラム 【1、2年生】【2月上旬】【L.L.】

  …外国人の外部講師が大勢来校し、班ごとに終日英語で活動します。

  …2月上旬の金曜日が理想、昨年度/今年度は1月下旬実施済/予定)

  …特別編成授業をお願いする予定ですので、そうなれば何かの授業をもらうわけではない形になります。

 

特長❸ 独自の教育環境がある

 生徒は、手にした環境を「分かって」毎日を過ごした方が、教育効果が上がると思います。授業では、それぞれの捉え方等をコメントしました。

●3階は「人文科フロアー」

 ・同じ階に常に先輩後輩がいる!

●入学から卒業までクラス替えなし

 ・各学年に1クラスしかなく、やりようがないので、メリットを利用して過ごすべし

 ・合う相手も合わない相手も、互いの性格や付き合い方が分かれば、人間関係トラブル減らせるか

 ・普通科がクラス替え後の様々な調整をしている時間に、人文科では別の事や先のことをやれる

 ・「受験は団体戦」、落ちついた集団作りを心がけよう

●少人数授業

 ・人文科だけが英語・数学・国語で少人数制の授業を実施

 ・選択科目は、同じ時間にクラスが2科目~3科目に分かれ、自動的にかなりの少人数に

●3年生選択科目の充実

 ・何を受講しようか迷う余地の少ない、受験対策向けラインナップ

● 独自の授業…学校設定科目「人文科探究」

 ・これがあるゆえの学科「人文科」、人文科教育目標を達成するための主たる柱

※  本校人文科はかつて「特進クラス」

 ・経緯があり、現在は「特進」ではない(すでに6年ほど経つ)

 ・特進であったころの学習環境がほぼそのまま残存、大変に恵まれている状況

 ・結果として例年普通科に負けない進学実績

 

…しかし、漫然と座して受け身でいても、なにも達成できない!

 

※    同じフロアですれ違う先輩にも挨拶を!

※    もう高校生、人の気持ちを考えた言動で、よい集団を作りましょう!

※    せっかくの少人数制、質問をたくさんすべし(そのためにも予習・復習)

※ 人文科「あさべん」R4までで廃止…すきま時間の活用を各自考えて!

 

特長❹.学校設定科「人文科探究」がある

 いよいよ、本日の本題に突入です!

 

まず初めに、「探究」とはなにか。

物事の真相・価値・在り方などを深く考えて、筋道をたどって明らかにすること

 …では、

 

❹-1.「探究学習」とはなにか 

…次の3つの力を育成する学習のことである

①    「問題を発見」する能力

 ・ただなんとなく不振/不思議に思うのでななく、疑問を言葉に直す

②    その問題の解決に必要な「情報」を、「収集・分析・活用」する能力

 ・様々な形の情報の集め方、要不要等を判断する力、持論の展開に情報を活かす力

③    「論理的」思考や「創造的」思考をもって問題にあたる能力

 ・でたらめに考えてもうまくない、かつ先人と同じ思考では残存問題は解決できない

 

❹-2.なぜ今「探究」を学習するのか

★「職業」は誕生したり消滅したりするもの

・本来、人類一人一人が狩りから採集から子育てから、単独で何でもかんでもやるのは大変。アメリカの西部開拓時代では、入植者の家庭では農業も狩りも、自宅建設・修理も、自宅がらみのインフラ整備も、そのための道具の維持管理や作成も、自衛のための武装も戦いも、子どもの教育も、まさに「それは自分のやることではない」という項目が各自にとってほとんどない、というような状況もあったようですが、まさかそのまま時代は進みませんよね。太古の始めは恐らく男女間、そしてだんだんと同じ地域社会の中で分業化が進み、「周辺の人々に求められ役に立つ自分独自の活動」が様々な「仕事」になったはずです。

・「仕事」とは、社会に生きる人々の役に立つもののはずで、かつ自分にとっても社会の中に自分の居場所を確保してくれるもののはず

・それが、ある段階から、「仕事で生み出したもの」が仲間の仕事を奪うケースが出てくる…

→ すでに、「機械」や「ロボット」により仕事はたくさん消滅済

→ 今後、「人工知能AI)」がさらに多くの仕事を滅ぼす(なんてあべこべな!)

→「知識」を「持っているだけ」の人材は不要

・辞書があれば言葉の物知りは不要、 → スマホがあればもはやほとんどいらない

→ 今後を生きていくには、AIではとうてい及ばない「力」が欲しい

AIではとうてい及ばぬ力 =「探究」力が欲しい!

 

❹-3.探究に必要なこと(道しるべ)

 ほんの数十年前と全く異なり、今はそれこそスマホ1台から、無限ともいえる情報を(制限をかけていなければ)無制限に得ることができます。しかし、その中には「得たことが害になる」ような情報も溢れています。

無限にあふれる

常識情報」「不要情報」「ゴミ情報」「危険情報」から、

「探究学習」に役立つ情報、つまり 

 =「自分の興味にかなう情報」

 =「自分の主張を支えてくれる情報」

…を探して活用するには、道しるべがほしい!

 

❹-3-1.道しるべ①「メディアリテラシー

 英語にも力を入れている学科ですし、私も英語教員ですし、ここでちょっと用語の勉強・英語の勉強…

 

 メディアmedia(仲介)マスメディア、マスコミ(マスmass塊、大量の~)

 リテラシーliteracy読み書き能力

★派生語 literal文字通りの literally文字通り

     literary文学の literarily文学的には literature文学

 

…で、メディアリテラシーとは、

 ・メディアの「特性を理解」して使いこなす複合的な能力

 ・情報がもたらす「影響」を「予測」する能力

 ・双方向コミュニケーショントラブルを処理・「回避」する能力

 

 これは大切な話ですので、探究学習の初期に念頭に置いてもらうべく、いくつかの身近な場面で例を挙げました。

 

★例えばこんな場面で、今のみんなはどう受け止める…?

 

 ⦿この冊子の「後輩へメッセージ」ページに記載されていること

 例年セミナーの資料冊子に含めております、前年度末に1、2、3年生に後続にあてて書いてもらった「やっておけばよかった」「やっておいてよかった」カードの集計結果です。分野は、

 1.学習面「隙間時間活用」「暗記物」「模試や定期考査の振り返り」「各教科の具体的な取り組み方」

 2.人文科探究について「テーマ設定」「ポスター発表」

 3.部活について

…です。こうした資料の受け止め方ですが、「学校で配られる資料に載っているからといって、生徒全員にとって等しく正しい」とは限らない、という事実についてコメントしました。

 先輩全員が何の問題もないわけではない。非常によくやっている者も、取り組みが足りないものもいる。コメントは等しく載っているが、参考にすべき意見や、自分には合わない意見、そのまま受け止めるべきではないかもしれない意見もあるかもしれない…旨。

 

 ⦿進路だより

 春日部東では、各学年進路指導部が多大なる労力をかけて、ハイペースで「進路だより」を発行しております。毎回毎回のたよりの内容を全て読み込んで理解して進路選択活動をするならば、極めて合理的に、余計な回り道やトラブルなく、各自の目指す進路を実現するのに大きな補助となるアイテムです。しかしこれも、「活用」しなければ、何にもなりません。えてして一見小難しく思えるこういったメディアは、放置してもなかなかこちらが思うように活用されません。発行する側にも工夫が求められます。

 活用すべき情報を活用する旨、これもメディアリテラシーです。

 

 ⦿模試の結果表

 模試の業者から学校/生徒個人のもとへ届く、模試の出来具合と各種分析結果、そして判定。模試を受ける際には、生徒は各種判定をしてほしい大学名を一定数記入できます。いつかそれらの大学を受験するとして、今回の模試で今回の点数を取った者はどのくらい挙げた各大学に受かりやすいか、アルファベットで判定が出ますが、この判定をあまり気にする必要が無い旨。A判定なら必ず受かるのか、E判定なら絶望的なのか、否!裏事情は…長くなりますので、この場では割愛しますが、授業では解説しました。とにかく、実際に不必要に踊らされることのない情報も、こうした極めてきちんとしたメディアにも記載されうる旨。

 

 ⦿進路情報誌の「専門学校」の情報

 模試と似たようなカテゴリーです。学校にある、あるいは各教室に置かれているかもしれない、各種進路情報誌。それらには当然、専門学校の情報も記載されています。ここで問題なのは、「専門学校」という進路には、いろいろと難しい判断が付きまとうという事。正直、推薦すべき学校もあれば、そうでもない学校というのも存在します。では、それらがなぜ進路情報誌に載っているのか。生徒はどのように自分に必要かつ希望通りのものを得られる学校を選べばいいのか。各種情報誌に記載されている情報の正しさや価値は、一律ではない旨。

 

 …という具合に、メディアリテラシーを必要とする場面は、スマホなどを開けずとも、日常的に身の回りにありふれているわけです。ここまでの話でそれに気が付いてもらったら、次に、探究の場面にも関連付けて、春休み中にみつけた「新聞記事」からのメディアリテラシーネタです。

 

 ⦿新聞記事やニュース

 とりあえず、現代の日本の大手新聞ならば、「嘘」は書かないでしょう。しかし、ごく一般的に考えて、「真実」を「真実のまま」書くのは難しいでしょう。ただでさえ物事の100%を表に出すことは不可能なはずですし、その上、大手新聞各社が同じ事件を紹介する記事はそれぞれ社の色が出て、事件のどの部分をどんなふうにどのくらいの文量で書くかに違いがあります。5時間目の「壁新聞作り」の時に、実際に感じて欲しいですね。

 言葉通りの「疑え」というほどきつく言うつもりはありませんが、メディアには、中立に事実だけ記載されていると勝手に思い込んでも、その事実の調査方法によって印象はガラッと変わるかもしれない旨、また多少の意図が添加されている可能性を常に意識するべき旨。

 

 ⦿SNSの学校裏サイト

 実物をあけて示したわけではありませんが、これは始めから「悪意」が見え隠れするタイプのメディアの例として挙げました。誰かが何かを痛烈に批判するような場面を第三者的に見ることを、喜ぶ人々がいます。ましてやそこに批判を正当化する理由などがまことしやかに添えられていようものなら、メディアリテラシーをもってして反応する人よりも、鵜呑みにして騒ぎ立てる人の方が多いのかもしれません。炎上という状況ですね。

 1つ1つの事象について、関係者全方位に潜在的に同等と言える状態で状況を調査/理解できる人は、まずいないでしょう。それでも私たちはある程度の材料をもってして同じ人間とコミュニケーションをとっていかねばなりません。その際に、何かに対して、根拠も薄い状態で、ポジティブならまだしもネガティブな印象付けをするような行為は、悪意と表現してもよいと思います。

 明らかに何かに批判的な情報源は、誰が、どんな目的で、それに触れた者をどのように導きたいのか、またそれらに触れてしまったことで自分や、自分から新たに他者へ、どのような影響があるのか、考えるべき旨。

 

❹-3-2.道しるべ② 「多角的視点

・現存する問題は、先人と同じ視点では解決できない

・「高いと思った壁が、横から見たら薄かった」

 本音は毎日のように鍛えたい力ですが、与えられた貴重な場面を使って意識付けを試みます…あとは探究活動の中で鍛えられることを願います。

問い1:川のこちら側のA地点から、対岸のB地点まで、最短距離で橋をかけよ(ノート冊子では図アリ)。

    ただし、橋は1本で、川に対して直角でなければならず、途中で折れ曲がってはならない。

問い2:マッチ棒6本で、正三角形を4面作りなさい。ただしマッチ棒は折っても重ねてもいけない。

問い3.マッチ棒7本を、互いに1回以上触れ合うようにするには、どう組めばいいか。

    マッチ棒4本で「田の字」を作れ。ただしマッチ棒は折ってはいけない。

 

 1番は、川に対する橋のイメージに囚われていると解けません。2番は、条件付けの中で唯一触れていない大きな分野に気が付けるか。(マッチ棒を縦に割くのは、そういう発想も好きですが、ここでは「折るな」の応用として不可です。)授業中では、問い3は敢えて扱いませんでした。気にして、楽しんでもらえたら…。

 

❹-4.SDGsの視点について

 「道しるべ」ではありませんが、気にして欲しいこととして、同じ黄色のマーカーにしました。春日部東高校人文科では、令和元年度から人文科探究に「SDGsの視点」を入れようとしてきました。

 皆様ご存じの通り、人間が我が物顔で好き勝手してきたこの世界は、産業革命以降、「人としての文化」の破綻に留まらず、地球の環境自体を人間どころか生物全体の存続を脅かすレベルで破壊し変化させてしまいました。もはや「人類の文明の存続」が危ぶまれるところにまできています。

 SDGsは、珍しく、世界が巨大な問題を前に「前向きに結束した」、地球規模の問題解決に向けた希望の星でした。ところが、コロナ禍にて世界は皮肉なことに「経済」の重要さを嫌というほど見せつけられることになります。結局、人は自分の生活に余裕がない状態では、それが破滅に向かう状態でも、現状を変えることはできないようです。

 令和6年度、暑い方向での観測史上最高記録は更新を続け、いよいよ温暖化もあからさまにまずい局面に入ってきたように思います。授業中には、北極やグリーンランドの惨状と、中国の河川や大気汚染の様子をインターネットから見つくろって共有しました。他に、プラスチックや「核」の話題も用意してありましたが、時間の関係で保留しました。

 探究のテーマは、何でもよいのです。各自がたまたま考えた対象が、SDGsと関連がないように思えても、ここは本人がまっすぐ探究活動をやれることを優先したいです。ただ、もしも40人の中から、環境問題に限りませんが、SDGsに直接関係のあるテーマを立てる人が出てきたら、それは嬉しいことです。

 

3.人文科導入② テキスト読み合わせ

 私たちのこのテキストの使い道は、毎回の授業時に1ページずつめくるというイメージではなく、活動の段階ごとに参考にして欲しいものなのです。もちろん実際に開いてもらうシーンもたくさんありますが、できれば各自で降りに触れめくってみては「ほう」「へえ」となって欲しい。そのためには、「ブラウジング」して慣れておく、かつ記憶に軽くとどめておくのがいいでしょう。

  今回は、次週に図書室の司書の先生から学べる「資料の探し方」以外の導入部分を「ブラウジング」しました。「これから、こういう場面があるはずだけど、その時はほら、このテキストのここに、こういう参考情報が載っているよ」という感じで、全体の1/4ないしは1/3ほど、めくっていきました。

 

4.人文科導入③ プチ探究

 さあ、探究活動の下地は一通り紹介しました。このタイミングで、せっかくですので、本校人文科で採用している論展開の推奨パターンを体験してもらいたいと思います。

 ちょっと雰囲気を難しくしてしまいかねませんし、アップという感じで先に「画像」から探究めいた思考を体験してもらいました。

 画像は、とある昆虫の写真ですが、悩んだ結果選んだものです。案の定、知っている人はいなそうです(いたら黙っていてください、と全体にお願いしました)。この画像を見て、疑問を進めてみます。たどって欲しい思考ステップは、

 「これは何だ?」

  →「生き物か?」

   →「虫か?」

    →「昆虫か?」

     →「何の虫か?もしかしてクワガタか?」

 …ここまでくれば、だいぶ調べようがあります。実際に調べるならば、たとえば図書室で、昆虫図鑑を見つけて、めくってみます。でも、日本の昆虫の図鑑には載っていません。

 「もしかして外国の虫?」

 外国の昆虫が載っている図鑑を見つけられれば、だいぶ答えに近づきます。実際に同じものが載っていたとしましょう。「パプアキンイロクワガタ」か!

 しかし、これでは「探究」ではありません。単なる調べ学習ですし、途中の思考を全て文面にしても、大した文量にはなりません。ここに、疑問点のグレードを上げる必要が出てきます。

 「自分がなんとなく知っているクワガタ、日本のクワガタと、姿が大分違う」

  →「なぜ日本のは黒または赤茶色ばっかり?なぜコレは緑金色?」

  →「日本のクワガタのオスは、頭がでかいけど、なぜコレは小さい?この頭で牙(おおあご)を閉じても、力が入らないのでは?なぜコレの牙は上方に反り返っているのか?」

…例えばこのような疑問を抱いて、自分なりの答えを考えてみて、それが正しいかを調べる…そこまですれば、だいぶ探究めいてきます。

 

 実際にはこの昆虫に関しては、先人たちが「探究」した結果、色々なことが分かってきました。反り返った牙の使い道ですが、パプアキンイロクワガタは、木の幹にとまって樹液をなめる日本のクワガタと違って、飛んできて草の茎先に上向きにとまって、茎を牙で挟んでプチっと切り捨てて、切り口から滲む汁を吸って生きているのです。そうするとこの牙の形も、力学的に理にかなった形に思えます。

 

 次に、やっと本校人文科で採用している論展開の型の体験タイムです。

「人文科探究論文の展開」

 ★自分で感じた疑問「課題」

 ★自分で考えた答え「仮説」

 ★仮説が正しいと証明する行為「論証」

 ★論証は、「引用」参考文献から情報を借りてきて、自分の持論を支える

 ★論証は最低2つ、できれば3つ(簡単に折られぬよう)

 ★3つの論証は、独自の3つの切り口「視点」から

 

 ここで、私が中学校出前授業や、人文科探究授業の中でよく例として使う「幽霊」で展開をなぞってみます。

 

 ★幽霊は実在するのだろうか

 ★幽霊は実在しない

 ★幽霊の定義

 ★実在の定義(3視点として、ここから「実在」を崩す)

  ・生物/物体であること

  ・物理/化学現象であること

  ・記録/観測ができること

 

 ★論証1…幽霊の見た目の特徴や出現条件が、人のネガティブな感情に訴えるものばかり、逆に生物や物体としての条件を満たさない → 生物/物体とはいえない

 

 ★論証2…幽霊の様々な動きが、人のネガティブな感情に訴えるものばかり、逆に物理/化学現象としての条件を満たさない → 物理/化学現象でもない

 

 ★論証3…幽霊は、記録も目撃も人により、また機器により、一定でない → (論証1,2を同時に支えつつ)幽霊は生物でも物体でも物理/化学現象でもない

 

…授業では、ステップごとに生徒に思うところを聞きましたが、肝心の私が少々ヨタってしまって、この時間の自己評価は低めでした。この部分は数回後の授業でまたチャンスがありますので、リベンジしたいと思います。

 

 

 

 

 この日、3時間目までは、このような感じで過ごしました。まさに探究活動前半1年間の流れを凝縮したような時間になりました。

 次回のブログから、内容もひとまとめごとで、通常の形式に戻します。

★スプリングセミナー!その2 入学前課題の相互プレゼン

★スプリングセミナー!その3 SDGs壁新聞作り

★スプリングセミナー!その4 OGOBのお話

よろしければ、ご覧ください。

 

 

 

 

 

 

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4月24日(水)海外研修事前学習⑤

4月24日(水)海外研修事前学習⑤

 前回の学習が終わった後、急遽決まった「訪問先のシドニー大学とリモートでセッション」。

 前回ご紹介しました通り、実は状況は大ピンチ。担当する私(人文科主任)はこの日の前日の、人文科1年生対象の「スプリングセミナー」の準備と実施をはじめ(すみません、ブログは次に挙げます)、諸々ありすぎまして、このところまったく首が回らない状態。加えて、通信アプリはZOOMというものを使うとの事ですが、お恥ずかしながら私は使ったことがありませんでした。18日以降も、いえこのところもうずっと、放課後も帰宅後も土日もみっちり、何かしらの準備に追われPCを打っているか、力尽きて休憩か…そのような中でギリギリ、リモート冒頭でこちらサイドを先方へ紹介するための「紙芝居」だけ作り上げておきました。また生徒には各自SDGsの「水」」関連で先方に尋ねたい質問を3つ程度用意しておくように、先週のうちに指示をしておきましたが、確かめたり指導したりする機会はありません。…あとはALTのIvy先生に、会話が始まったら助けて、とすがっておきました。

 アクセス先の情報が前日に判明。研修の取り扱い業者JTBさんも心配して、当日のお昼になんとかご都合をつけて「ZOOMの操作方法のご教授」のためだけに!ご来校くださいました。教わった操作方法に一部不安を残すも、午後はワタシ2コマとも授業ですし、もうあとはぶっつけ本番で、なるようになるさ!?お昼の段階では、生徒は各自のiPadで各々先方と繋がって、話す番と待つ番の切り替えはマメにマイクをon/offしてハウリングを防ぎながら進めるのがよかろう、それならば各自が席にいるままやれるし世話がなかろう…と話しておりましたが、いざ直前に「よし、みんなZOOMを立ち上げて、この番号を打って!」と言うも、なんのことはない、生徒のiPadにはZOOMが入っていない!結局、私の業務タブレットのみが頼みの綱、これをプロジェクターについないで、先方の様子を全員で見られるようにして、繋がるのを5分くらい待ちました。

 

 先方がホスト?で、こちらを承認してくだされば、繋がる形だそう。…突然、繋がりました!まずは、お互いの声が相互に届くか確認。OK!いよいよ開始ですちょっとなし崩し的に!勝手な予定通り、私の方で紙芝居形式でこちらサイドの紹介を済ませ、本番開始。Ivy先生に仲介補助をお願いし、脇へ付いていただきました。

 この日、たまたま事情により欠席者が複数いたので、班は解体し、2、3人ずつマイク(私のタブレット)まで来ては先方に質問し、やり取りをする、と言う形式。

こういうところも指導する点ですが、写真で待ちの生徒たちが、前方スクリーンでなく手元のiPadを見ています。自分たちのする質問文が大丈夫か気にしているよう。「英語の正確さはいいから、仲間のやりとりを聞いていないともったいないゾ」

 

 良い質問もたくさん出ました。先方もある程度下調べをしてくださっていて、会話が途切れることも無く、あっという間にお時間が。初めてでわたしも要領を得ませんが、ご挨拶をして、生徒全員が手を振る様子をカメラに移して、ZOOM退室。

 想像より地味な感じでしたが、アナログの私がコメントしてもなんですね。今回、Ivy先生の仲介がとても上手で、加えてある程度ZOOMも分っていらして、本当に助かりました。個人的には、無事に済んでホッとしました!

 生徒たちは「思ったより話せない」「もっとまともな質問がしたかった」といった気持ちを持てた様子でした。これは育てるべきことですね。次回があったら嬉しい悲鳴ですが、次は現地でのプレゼンという目標設定で、「水問題」についてしっかり調べてプレゼンできるようにしていきたいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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4月17日(水)海外研修事前学習④

4月17日(水)海外研修事前学習④

 いよいよ、オーストラリアへ行く学年、行く年度になりました。新学期初回、通しで4回目となる「毎週水曜日放課後」の事前学習。

 実は3学期に3回お世話になったALTのJ先生ですが、何とご都合により契約満了。本校は4月から新しい方をお願いすることになりました。今日はその方の初レッスンになります。

 フィリピンからいらして、J先生と同じくJETプログラムではなく一般の会社からの派遣のI先生。

 一応、事前に打ち合わせをして、彼女の自己紹介を素材に質問など準備して答えさせる形でアクティビティを考えていただきました。その際、あまり強く50分もたせるようにとは言いませんでしたが…

始まってすぐ、私がブログ用撮影にカメラを持ってくるのを忘れて、ダッシュで職員室に行き、戻って数枚撮影すると、あら、なんと終わってしまいました。I先生も笑っていましたが、生徒たちが思いのほかよく反応して、どのQuestionにも、誰かしら…いえ、ほとんどみんなですぐに正答を声に出してしまうものですから、引き伸ばせなかったのですね。それにしましても、今どきの方は短時間でサクサクッとPCでいい感じのプレゼンポスターを作ってしまうのですね。時代を感じます・・・

 

 こんな時は臨機応変に代案…と申しましても私も要領がいいほうではなく、思いついたのが「この時間を利用して、一人ずつI先生に自己紹介しなさい」でした。

 

 最初はただ1人ずつ自己紹介しに来させ始めましたが、いつまでもしゃべっているので、間もなく1人1分とタイマーで切ることに。また待っている者が暇そうになってきたので、1回切ってお話。

「ちゃんと人の自己紹介を観察してみよう。人によって「その場が来たからやっているだけ」の人もいれば、「本気で自分をしってもらおう」と心を込めて紹介している人もいるよ」「本番で、みんなが現地でステイ先のホストに初めて会いました、自己紹介しました、それで終わらないからね!ある意味エンドレスで、その後も会話が続くんだよ、そこまで想定して過ごしましょう。あんな話題もありか。自分はあと何を話そうか、とかね。」

 

 最後は、前回決まった発表班に分かれて、日本語を解禁し、SDGsの「水」関連で話題作りの時間を短時間設けました。実は急すぎるのですが、次回24日にシドニー大学の国際交流サークルWASABIの皆さんとリモートでセッションすることになりました。

 

 本研修を実施するにあたり、コロナ禍以前と同様、県の募集する国際交流事業推進校に応募する必要があります。審査の結果、無事推進校に指定されましたが、コロナ禍明けの新しい条件としまして、訪問前に現地と最低1回リモートで交流する必要があります。

 取扱業者さんが仲介してくださって見つけたお相手が前述のサークルの皆さんというわけです。大学生のサークルなので、あまり先の日程の調整は難しいらしく、こちらが大分前に提示していた候補日の「初日」をギリギリで指定してきた形です、いやぁ~、準備の時間がぁ~・・・

 業者さんの取り計らいで、なんとか50分間の内訳と、やりとりのイニシアチブを先方にお願いし、双方予め話題だけは共通して多少用意しておくという形で、来週ほぼぶっつけ本番です~。

 

 

 

 

 

 

 

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4月16日(火)人文科交流会

4月16日(火)人文科交流会

 今年度も主任を仰せつかりました、英語科の松本と申します。今年度もよろしくお願いします。

 さて、人文科恒例の年度当初「人文科対面式」ですが、私が転入して以来6年間、「対面式」という感じではなく今回のタイトルのような雰囲気でやってまいりましたので、このほどネーミングを変えてみました。

 

 先輩達には休み時間中に急いで入場して所定の班の席で待機していてもらい、私の合図で1年生が入場、拍手で迎えました。1年生も予め決まっている席に向かいます。

 運営は生徒主体です。左の女子から、3年生司会、3年生代表、2年生代表です。

運営は生徒主体、3年司会・3年代表・2年代表

 まずは私から手短に挨拶。(早く本題にまいりましょう。)

 次に本命?3年生代表挨拶。えっ英語!?前日の昼に打ち合わせで集まってもらった時は、「よろしくね」しかいっておりません。ほか何の指示もしていませんでしたが、直すところのほぼない英文で、しっかりした内容で挨拶!後半で日本語版もやってくれました。カッコイイ!彼は昨年度夏の「国内語学研修」でもいい感じで、その直後の第1回学校説明会でも自ら英語の挨拶を考えてきてくれましたね。あの時よりもグンとグレードアップしていました!

 2年生代表から時間の過ごし方の説明があり、本番へ。形式はこの6年間とほぼ同じです。各班6名、各学年ができるだけ均等に混ざるようにしまして、班内で交流してもらいます。この交流の時間、「トークリンク」という従来やっていたカードゲーム形式の交流をやめて、今年は始めからおしゃべりで交流する形にしてみました。

 もちろんただ「おしゃべりをどうぞ」ではありません。班内で3年生から順に全員自己紹介を済ませた後、まずは新2,3年生から後輩へ、アドバイスをしてもらいました。その際、必ず先輩が正しいことを言うとは限りませんので、賛成や反対を先輩同士でも言い合ってもらいました。2,3年生は年度末に「人文科生として後輩に伝えたいこと、~しておけばよかった/~しておいてよかった」というカードを書いてもらっています。それらは3学期内で集計して一度生徒たちへ還元しておりますが、今回、交流会に先立ちましてそれらカードを返却し、この交流会の場でその中から1つ2つ選んで、発表してもらいました。

 先輩から一通り言いたいことを言ってもらった後は、1年生から先輩へ質問です。

 それも済んだら、おしゃべりタイムです。

 最後は1年生の代表から挨拶です。まぁ~始めからしっかりして!立派でした!!

そして2年生代表の方から閉会のことば。先輩もとてもよい閉会のことばでした!

司会の3年生も、スムーズな全体進行、お疲れ様!助かりましたよ!

 

 おかげさまで、今年度も、人文科がとりあえず好調にスタートできました。

 1年生は来週は7時間連続で「スプリングセミナー」です。お楽しみに!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2月6日(火)人文科探究㉔  2月13日(火)人文科探究㉕

 業界ネタですが、高校受検、卒業、学年末考査、年間の成績処理、あらゆる分野の仕事の年度末処理、そしてじわじわ増える新年度に向けた準備と、「3学期中下旬」は公立高校にとりましては超繁忙期!ブログの更新も、最優先・・・というわけにはいきませぬ。

 日程的には多少の前後がありますがこの間にさせていただいた「エンパワーメントプログラム」「海外研修事前学習」の報告は、内容も動きもネタが豊富でしたが、この時期の人文科探究の授業は見た目の派手さも新しいネタも少ないですし、今回は人文科1年生2年生2クラスの「人文科探究授業」最後の2回分をいっきにご紹介します。

 

2月6日(火)人文科探究㉔  

 1年生 もくじ点検

 2年生 探究論文最最終稿提出及び評価依頼 予備日

 

 

 まず2月6日の2年生の様子。

 前の週の火曜日7時間目が「探究論文最最終稿提出/個別指導担当へ評価の依頼」の基準日で、この日はその予備日・・・であるのにやはり!まだ半分以上の2年生が、直したい部分を抱えています。

 なにしろ予備日です。こうしてPC室に全員で入るのも今日が最後です!できればこの時間中に、あるいは7時間目が終わってすぐ、あるいはどんなに遅くても明日・明後日には、個別指導担当のもとにうかがいなさい、としっかり伝えました。

(本ブログ来訪歴がまだ少ない方へ:個別指導担当とは、人文科2年生1人につき1人割り振られている、3年生の担任と各部署の主任を除く一般の職員のことで、ほぼ1年間、原稿の確認や研究の相談などを受けていただく先生たちのことです。年度末に、6項目に渡り、ABC評価をいただくことになっております。)

 

 同じ日の1年生の様子。

 年末から今シーズンの様子、また上級生の様子も考えて、今シーズンは担任副担任が個別に全員の研究テーマの様子を見て、事の運び方が適切かどうかを把握しアドバイスすることに重きをおくことにしました。その続きが行われています。

ここで楽しく研究を始められると、このあとの1年間が楽しくスムーズに流れます。今が肝心、生徒諸君はもちろんですが、1年生の先生方、あと一回の個別面談、お世話になります!よろしくお願いします!

 

 

2月13日(火)人文科探究㉕

 1年生 もくじ点検

 2年生 2年間の人文科探究授業の最終日 進路の話by主任

  この日、いよいよ年度内最後の人文科探究授業です。

 

 まず1年生。もう、画像もこの1枚しかありません。これはいつもの撮影係の1年生副担任M教諭にも、ブログ用に授業の様子を撮影する余裕も無かったということ。アンケート作成等に時間は回せませんでしたが、逆にしっかりと全員との個別面談を終え、いま出せるアドバイスを出しきっていただきました。担任のY先生によると、かなり良い感じで進めている生徒も見られるとの事。次に現1年生達がやりたいことを全体的に形で見るのは6月になります。楽しみです。

 

 

 

 次に2年生。画像はありません。教室にて、私が前から全体へ話した形になりますので。

 2年間で内容が完結する授業が完結した、これは大きなことです。生徒たちの様子は私たち教員団の指導結果を映す鏡である部分もあります。私も、もっとあそこでここで、あの時この時、こうした工夫ができなかったものか、と反省する部分もあります。通常と異なる授業に、生徒たちは頑張って向き合い、最後までやりきってくれました。本当にお疲れ様でした!

  2年生にはこの日、思いを込めて、進路全般に関するとっておきのアドバイスをしました。と申しましても個人の経験で少しずつ設けた小さな引き出しを開けてのこと、特段ひとより優れた話をできるつもりもありませんので、話した分野だけご紹介します。

 ① 就職とは

   ・大学が無理なら働けばいいや、は大いなる勘違い

   ・就職希望者が多い学校と少ない学校との指導の違い

   ・公務員試験

 ② 専門学校とは

   ・進路として選択する場合のメリットとデメリット

   ・専門学校に行く意味

   ・問題のある専門学校

 ③ 大学進学とは

   ・短期計画と長期計画

   ・まず第一志望を定めてみる意味、逆残

   ・様々な方式(総合型、学校推薦、一般各種)

   ・模試

   ・学習メソッドの使い分け

   ・それぞれのレベルから始めるべき学習

・・・という感じで、分かりやすさにこだわりつつ、いっきに話しきりました。

 聞いている生徒たちが、自分が今考えるべきこととして感じられないと意味がありません。

 夢中で話しているように見えつつ、話しながらいつも自分を客観視し、生徒の様子も観察し、よしと思えるタイミングでよしと思える例え話や現実味を増す例などを咄嗟に盛り込む小技。もうすぐ採用されて30年が終わるところで、やれて当たり前なのですが、少しは使えているのかな・・・M-1グ〇ンプリやキ〇グオブコ〇トのような番組で、芸をやっているご本人たちや審査員の様子など見ていますと、どことなく共通するものも感じて興味深いです。

  効果のほどは分かりませんが、人文科主任として、また下半期の2年生人文科クラスの探究授業担当者として、彼らの役に立つ話ができたなら幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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