平成三十年度入学式 校長式辞
やわらかな風がそよぎ、草木の緑萌えいづるこの春のよき日、平成三十年度埼玉県立春日部東高等学校の入学式を挙行するにあたり、PTA会長 中村謙一様、後援会長 佐久間勝様、同窓会長 柳原智博様をはじめ、多数の御来賓、保護者の皆様に御臨席を賜り、新入生の皆さんをお祝いできますことは、私ども教職員、在校生にとりましても、この上ない慶びでございます。皆様に心より御礼申し上げます。
ただ今、入学を許可いたしました三百五十八名の新入生の皆さん、入学おめでとうございます。いよいよ春日部東高校での高校生活が始まります。そんな皆さんに一言、高校生としての心構えをお話しいたします。
現在、世の中では、AIに大きな注目が集まっています。やがてAIが人間の能力を超える、という意味であるシンギュラリティについてもまことしやかに語られています。このことについて、国立情報学研究所の新井紀子教授は、シンギュラリティはあり得ないと断言しています。AIは、確率・統計や情報検索は得意だが、言語の深い意味を理解したり、創造的な思考を行ったりすることはできない、というのがその根拠です。ただし、AI技術で置き換えることのできる職業も多数あることは事実です。
これからの時代を生き抜いていくために、皆さんは創造的な思考力を身につけなければなりません。そしてそのために、常に考える、ということを、高校生活で実践してください。
自分の目標は何なのか、目標を実現するためには何をすればいいのか、課題はどこにあるのか、解決のために何をすればいいのか、そういうことを常に考えるのです。そしてその積み重ねが、皆さんの思考力を高め、創造的に考えることができる人間へと皆さんを育ててくれるのです。
主体的に考え、判断し、行動する。そのことは皆さんの高校生活を必ず充実したものにしてくれます。また、将来への展望を開き、夢に向かって邁進する力となります。常に考える。このことを肝に銘じ、すばらしい高校生活を送ってください。
結びに、保護者の皆様、お子様の御入学、誠におめでとうございます。皆様が大切に育ててこられたお子様を本日よりお預かりし、私ども教職員一同、様々な教育活動を通じて、逞しく成長するよう、指導に専念して参ります。本校の教育活動への御理解、御協力を心よりお願い申し上げます。
新入生の皆さんの本校での高校生活が充実したものとなりますことを祈念し、式辞といたします。
平成三十年四月九日