人文科1学年 スプリングセミナー報告!
人文科では、基礎学力の向上と学習習慣の確立、そして人文科生同士の和の形成をはかることを目的として、入学直後に1泊2日のスプリングセミナー(勉強合宿)を実施しています。4月20日(木)・21日(金)に加須げんきプラザで行いました。今年で8回目になります。
入所式は校長の挨拶で始まりました。校長からは、「1/3と0.3333...はどちらが大きいか」という問いを例に、「知識を活用する力」についてお話がありました。これまでは、知識を覚えることが重要とされてきましたが、今後は獲得した知識をいかに使うかが問われる時代になる。「その時代を担うのはみなさんです」との激励がありました。
スプリングセミナーの授業は、「人文科探究」からスタートしました。人文科探究は、1年半にわたるプログラムです。初めは、与えられた課題を仲間と協力して解決することで探究活動の基礎を学び、その後は自らが設定したテーマについて研究し、最終的には論文としてまとめます。
今回はオリエンテーションとして、「人文科探究第0回」を実施しました。
人間社会や自然界には、「答えのない問い」がたくさんあります。"自分で問題を設定し、自分で答えを導き出し、それを多くの人に知ってもらう"のが、人文科探究の活動です。
人文科探究を通して身につけてほしい力として
「情報を収集する力」
「正しい情報を見極める力」
「根拠に基づいて論理的に考える力」
「自分の考えを人にわかりやすく伝える力」
「他者の考えを柔軟に受け止める力」
があります。今回は「情報を取捨選択する」時間として、新聞を活用したグループワーク「まわし読み新聞」を実施しました。
まずは、一人に一紙ずつ新聞を配布し、見出しを読んで気になった記事、自分が興味を持った記事を選び、切り取っていきます。(何枚でも) みんなじっくりと、様々な記事に目を走らせていました。
次に、切り抜いた記事の中から、「他の人にも知ってもらいたい」「これは重要だ」という記事をさらに選んでいきます。(2枚)
お互いの記事を持ち寄り、一人3分以内で記事の内容をプレゼンテーションします。自分の新聞には無かった記事も紹介されるため、班員は説明に聴き入っていました。頭の中ではわかっていても、実際に説明するとなるとなかなか言葉が出てこなかったり、自分でもよくわかっていなかった事がわかったのではないかと思います。みんな一生懸命取り組んでいました。
プレゼンテーション後、班で「今日の一面記事」を選びます。みんなが持ち寄った記事の中から、さらに選抜された記事を画用紙上に再構成し、紙面を作っていきます。記事のレイアウトやイラストなど、紙面をどう作るかは各班の自由です。
新聞完成後、いよいよ発表に入ります!1人1回5分間、必ず自分の班の新聞をプレゼンテーションします。その他の人は自由に教室内を移動し、プレゼンテーションに耳を傾けます。他の人の発表を見ることで自分の発表の仕方を工夫することができるので、喋り方や説明の順序等、多くのことを吸収できたのではないかと思います。多くの聴衆を前にして緊張したと思いますが、「何とかして伝えたい!」という姿が印象的でした。
他者と議論し、様々な意見に耳を傾けながら一つのものを作り上げていく中で、「どう言えば相手に伝わりやすいのか」「議論をまとめていくにはどうすれば良いのか」等、きっと多くの事を学べたと思います。人文科探究は始まったばかり。今回の経験を次に活かしていきましょう!
英語・国語・数学の授業は、2日間で3時間ずつ行なわれました。普段の教室とは違った環境の中で、集中力も高まったのではないでしょうか。
スプリング・セミナー終了後、「高校の授業は内容が濃く、進むスピードが速いということを、改めて実感しました。分からないことはすぐ先生に聞く。復習を大切にする。この2つをこの先継続していって、授業に遅れないようにしたいです」という感想がありました。高校の授業は、予習・授業・復習のサイクルが基本となります。授業を大切にし、時間をうまく使いながら頑張りましょう!
スプリングセミナーでは、様々なお話を聞く機会があります。例年同様、進路指導主事が人文科1年生のために講話を行いました。「20年後の世界はどうなっているでしょうか?また自分はどんな人間になっているでしょうか?」という話からスタート。1997年からこの20年間、我々には到底想像できないような技術革新などが行われてきました。今から20年後がどうなるのか、予想するのは難しいですよね。その難しい時代を、皆さんは生き抜いていかないといけないわけです。その中で、様々な教育改革が行われようとしています。東京大学の入試問題を例に挙げて、今までの「正解が一つ」という問題から、ここ数年で随分と変わってきていることが紹介されました。進路指導主事の伊野瀬先生、人文科のために素晴らしい講話、ありがとうございました!できれば本校生全員に聞いてもらいたいお話でした!
スプリングセミナーの最後は毎年恒例の卒業生による講演会。今年は20期生(現大学2年生)の明治大学法学部、明治学院大学心理学部に通う2名に来ていただきました。明治大学に通う卒業生からは、「目標は高く!ライバルを見つけてお互い高め合える関係が大切」というお話がありました。
明治学院大学に通う卒業生からは、「テストごとに目標を決め、徹底的にやることが大切」「一見関係ないようにみえること(部活動での役割や家庭でのお手伝いの仕事等)も、きちんとやる。それが、大きな力になります」というお話がありました。
2人から共通して話があったことは、人文科探究は大学に入ってから大変役に立っているということと、人文科は3年間クラス替えがないため、団結力が生まれ、3年次には良きライバルとなってお互い高め合い、刺激しあう間柄になるということです。卒業生のお二人、貴重なお話をありがとうございました!
1年9組の皆さん、2日間お疲れ様でした!人文科生としての誇りを持って、お互い高め合えるような学校生活を送っていきましょう!
【参加した生徒の声】
■スプリングセミナーで、これからの3年間をどう過ごしたいかなど、様々 なことを考えるきっかけになりました。先生方や先輩方の話から、人文科について詳しく知ることができ、とても勉強になりました。1泊2日をクラスメイトと共に過ごして、いろいろな人と関わることができたと思います。これからの日々の生活や行事などで、さらにたくさんの人と関わりたいと思いました。
■人文科探究では、難しそうなことをやったので、最初は少し面倒だなと思っていました。しかし、班のみんなに自分が選んだ新聞について知ってほしいと感じ、頑張って説明しました。うまく説明できなかったけれど、みんなが興味をもってくれて嬉しかったです。
■スプリングセミナーを終えて今思っていることは、スプリングセミナーを始める前の私と今の私では、「何かが変わっているような気がする」ということです。詰め詰めのスケジュールの中、「疲れた」「休んでしまいたい」と思ってしまったこともあったのですが、新しくできた友達と協力や励まし合いをしたり、自分に負荷をかけていくことで、最後までしっかりとセミナーに取り組むことができました。また、先輩方のお話を聞き、より一層勉強に励んでいこうと思いました。スプリングセミナーを通して教わったことを頭に入れ、勉強面では予習や復習など、有言実行できるようにしたいです。