4月25(火)1年生「ネタ帳を作ろう①」図書室ガイダンス(文献収集に向けて)、2年「ポスター発表に向けて①」
1年生図書室ガイダンス(文献収集に向けて)
普通に図書室ガイダンスと聞くと、多くの高校で例えば国語の授業、あるいはLHRなどをうまく使って、図書館の使い方について説明を受ける時間…というようなイメージを持たれるかと思います。
人文科の生徒にとりまして、しかしこれは特別重要な研修になります。今日もとてもまじめな 「人文科探究」の授業です。何しろ論文完成までフルに2年間…いえ、調べものや読書や学習スペースの利用が習慣化されれば、ここ図書室には入試後の卒業式まで!!お世話になるのですから。論文完成まで上手に時間を使っていけるかどうかは、まさに今日ここにかかっているとも言えます。
レジュメをそのまま掲載するのもなんですので、サブタイトルだけ記します。
1.はじめに
2.なぜ図書館を利用するの?
3.図書館資料の探し方
4.図書館資料の使い方
5.最後に
司書の先生が現S先生に替わって2年目、やっぱり思うのですが、司書の方ってスゴイ!プレゼン用も配布用も、資料がととてもシステマティックかつスタイリッシュ!今年も、プレゼン用のデータは全体向けの表示画面と同じものが生徒各自のiPadに配信されました。遠い人は手元で確認!
この科目のテキストブック「学びの技」も時折開きます。
まずは「論文とはなんぞや」から入り、各自がテーマを決めるのに向けて「ネタ探し」の指南、そして書籍からwebサイトまで現代にある各種情報源の特徴や長所短所について学びました。
次に、図書館の本がそもそもどういった法則で整理され並んでいるのか。これを学ぶためのワークシートが面白い!自分が高校生の時もやってほしかったです!
「日本十進分類法」!用語だけ言われて説明だけ受けても面白くありませんよね。
そこでこのワークシート!中央に自分の興味があるモノを記入し、そこからまずは直接関係がある分野を10個から選び、選んだ分野へ飛びます。次に、飛んだ先の分野がさらに細かく分かれているので、自分が気になる小項目を選んでチェックします。次に、他にも関連がありそうな大分野を残り9つからさらに選び、それぞれで同じ作業をしてみます。
「図書室の本って、こう並んでんだ~」
次に、実際に該当の本棚に赴き、書籍を選んで手に取ってみます。
一見、本屋さんで欲しい本を探すのと同じ作業ですが、ここでは「図書室における書籍、または図書室そのものの在りよう」をきちんと学んでの体験になります。実際、今後本屋さんで本を探すときに、レベルアップした探し方に結びつくといいですね。
この後、各自最低1冊、気になる本をもってきて席に座ります。今度はその書籍の見方について学びます。
人文科探究で多くなる書籍等の利用の仕方は、小説を楽しみながら読むようなものとは異なります。各自の論文について、自分で考えた「疑問(つまり課題)」に対する自分で考えた「仮説」が正しいと証明するための情報が載っているかどうか。そこからその本を利用するかどうかになりますので。
キーワードが司書のS先生からでました。「ぶらぶらブラウジング」。ブラウジングとはパラパラ読みのこと。ネタ探しの段階ではそれでいいのです。中身を深く見る必要はありません。「タイトル」「表紙・裏表紙・帯」「目次・索引・参考文献」「はじめに・おわりに」といった情報をぱーっと見て、何の本なのかだいたい把握する。関係ないと思えば返し、関係ありそうと思えば借りる(買う)。図書室をなにしろぶらついて、んっと思った本を手に取りブラウジング。探究はここから始まります。
とりあえず手元にもってきたら、スキミング(流し読み)やスキャニング(キーワード等の拾い読み)。昨年度、内心これらもキーワード化して欲しい とい思ったのですが(すきすきスキミング、すきゃすきゃスキャニング)、さすがにないですね。
さて、せっかく何かしら興味がある書籍なりを手にしたのですから、これは是非記録に残したいところ。実際、記録に残さなかったがために、「絶対必要な情報なのに、アレ何の本だっけ?webだったっけ?」という状況は、ままあることです。ここでまた特別なワークシートの登場です。
後々に、自分の論文に「参考文献」として引用したり情報を掲載したりしたい、と思った時のために、何をしておくべきか。今目の前にある書籍のどこにどういう情報があり、それをどう見て、どんな情報を記録すればいいか。ワークシートを埋めながら合理的に学びます。
今年も充実した内容でした。これで初めての図書室での「人文科探究」授業は終わりです。あっという間ですね。「書籍を調べる」ゴールデンウイーク課題について指示もありました。終わりの挨拶。みなさんお疲れ様でした。
さて、同時刻に2年生はといいますと、
「ポスター発表準備①」
です。初めて、パソコン室で人文科探究の授業を受けます。そして今年度はほぼここになります。最初ですし、主任の私が授業をさせていただきました。
●ポスターとは?ポスター発表とは?
年度も替わりましたので、あらためまして。
我々の言う「ポスター」とは、献血や緑化のポスターのことではありません。プレゼンテーションのために視覚的に提示したい資料のことで、ウィンドウズのアプリ「パワーポイント」を使って作成します。
また、「ポスター発表」とは、複数の発表者が会場内に散らばってポスターを使用しながら短時間でプレゼンテーションをし、聴衆は数人ずつに分かれて、発表を聞いては移動する、という発表会スタイルのことです。ここ数年つまりコロナ禍とデジタル化の波の中で、人文科のポスター発表会はスタイルが多少変化しておりまして、複数教室に2か所ないし4か所の発表場所を設けて、発表者はクロムブックとプロジェクターを利用してパワーポイントプレゼンテーションをするスタイルになってきました。
一方、生徒が作成するデータはほとんど変わりません。アナログのポスター作りも大切ですので、従来通りやります。基本はA4版の横置きで10枚になります。1枚の模造紙に貼れるポスター枚数ははみ出させても12枚が限度ですが、投映用でしたら時間内に発表さえできれば枚数がもう少し多くても構いません。
残りのポスター関連の情報(生徒に指導した項目)は、以下の様に分類して掲載します。
●ポスター発表の目的
恐らく本来は、例えば会社などで「新商品を開発する」といった時に、企画開発部の人や社内一般にアイディアを公募し、応募者がコンペの日に自分のアイディアを発表していく、といった場面で用いられてきた発表形式なのだと思います。つまりは「完成した発表内容」を「勝負レベル」で発表する、そういう場だと思います。一方、逆の目的で用いられることもあり、人文科の場合はそちらです。
「それまでの研究内容を発表してみて、聴衆の反応をフィードバックし、自分の研究内容の隙や弱点を見つけて改善するために、小規模に発表してみる」
2年生には、この目的を忘れずに頑張ってもらいたいです。
●ポスター作成上の注意点
アプリで作品を作っていると、ついつい、作品自体が目的に感じられてしまうものですが、口酸っぱく伝えました。パワポのポスターは、あくまで発表のための小道具である、と。失敗例をいくつか挙げますと…
・始めに各自に配信する白紙枠にあるサブタイトル(自分の表現に直してよいもの)をそのまま残してしまい、スペースを狭め、そのページ全体の見やすさを損ねている
・重要な文言が小さくて、もくじ文言が太く大きなフォントになっている
・まるで文章化した論文そのものであるかの如く小さな字でこまごまと多くの情報を載せる
・ポスター枚数が論文の本体でなく前置きなどに偏る
・背景色と文字色の組み合わせに、プリントアウト後を考えていない→PC画面は発光体なので、見え方が違う
※ポスターの画像はふんだんにありますが、例え名前を隠しても、見れば本人や友人には誰の作品かはわかってしまいますので、よくない例の実物を掲載するのはやめます。
…こういったことを意識せず作ってしまうと、せっかくの研究内容がちゃんと論展開ができていて、トークも上手なのに、発表時に聴衆はポスターを見なかったり、何処に集中してみればいいか分からなかったりします。あくまでも自分のトーク内容を聴衆に納得させるための要点を「視覚的効果」を意識しながら表示できるといいでしょう。
失敗例を、先輩たちの残してくれた大切な実物を活用して示しました。皆には前にきてもらいました。ステージに数枚ずつ並べて、見比べながら/入れ替えながら、これから作るもののゴールとして実物を示しながら、要改善点を示す形にしましたので、初回として効果的な時間をとれたかな、と思います。今後の皆の取り組みが楽しみです。