5月17日 1年生 ネタ帳を作ろう① +2年生の活動も少し紹介
【広告:人文科のコアな魅力につきましては4月のブログにかなり盛り込みました。よろしければご参照ください。】
※1年生の活動を連続して取り上げておりますが、先にこのところの2年生の様子をここで紹介させてください。
2年生は6月28日のポスター発表を控え、パソコン室でプレゼンテーション用アプリのパワーポイントで資料作りに励んでおります。
ポスター発表とは、発表内容を効果的に口頭で説明して聞き手を納得させられるように、キーワードや資料を分かりやすく掲示物に仕立て、それらを壁などに貼り、その前に立って、集まった聞き手に掲示物を利用しながら発表する発表形式のことです。聞き手が次々に移動していく以外は、恐らく多くの会社で新企画の検討の場などで似たようないわゆる「プレゼン」が行われていることでしょう。
昨年度は初めて、ポスター自体も紙ではなくプロジェクターでスクリーンに投影する形式で実施され、大学や会社のような感じでした。今年度も担任は同様に考えております。
ということでして、2年生は火曜7時間目やほかの曜日の放課後も使いながらパワーポイント資料を鋭意作成中です。今後も本番までしばし「作っては個別指導担当に見てもらう、直しては見てもらう」を何度か繰り返します。
ネタ帳を作ろう①
本校人文科における「ネタ帳」とは、論文作成に向けた各自の「興味がある記事や資料やとじ込み可能な実物が綴じ込まれたファイル」を指します。1年生の2学期頭までがネタ帳作成期間であり、論文テーマが未定のこの期間においては、とにかく少しでも面白い、興味がある、と思ったネタをメディアの違いに関わらずため込むようにします。
例えばお菓子のパッケージに疑問や興味がある場合、手に入ったパッケージをそのまま綴じ込んでもいいのです。あるいはA4版1枚程度の大きさに収まるなら、広告や説明書やパンフレットをそのまま綴じ込んでもいいのです。ただし、では興味があるからと言って雑誌や新聞や書籍をそのまま綴じ込んでは、ものの1冊2冊でファイルはパンパンになりますから、基本的な形は専用の「ネタ帳台紙」に該当メディアの基本情報や興味がある文面などを記入して、後でいつでも必要になった時にその資料に戻れるようにします。新聞などは台紙の必要事項を埋めた後、該当記事部分を切り抜いて裏面に張り付けるなどします。webなども、とにかく何度でもその情報にアクセスできるように発信元の情報などを細かく記録しておきます。
いずれ、ネタ帳の中で、特に興味があってそれを「問い」の形に言語化して、それに対して自分なりの「仮説」を立てられるようなものを、論文のテーマとして選ぶことになります。テーマが決まったら、その後はそのテーマに合う資料、つまり自分の仮説を正しいと論証するのに使える情報を含んだメディアをネタとして追加していきます。
今の時期はとにかく手あたり次第ネタ集めをすればいいのですが、それは普段やってもらうことですので、今回の授業と次回6月7日とで、テキスト「学びの技」(玉川大学出版部)を使って、少し高度な資料収集の技を2回に分けて体験します。
まずは精神論としまして、手軽に同種メディア、特にインターネットばかりからネタを集めるのではなく、頭を使い、手足を動かし、書籍を中心に様々な種類のメディアからネタを集めるよう言いました。書籍、雑誌、新聞、オンラインデータベース、ウェブサイト等、それぞれに特性と短所長所があるので、特に手軽なウェブサイトに偏ると論の信憑性も偏ることになります。
今日は書籍に重きをおいて、実際にネタ帳を作成するのではなく、そのために今後利用してほしい各種検索サービスの調べ体験をします。
図書室の利用に関しましては4月26日にしっかり体験しましたので、体はあまり動きませんが、教室の自席でiPadにて活動します。
① OPAC Online Public Access Catalog
今の時代、国内の多くの図書館では、蔵書をデータにしてインターネットで検索できるようにしています。狙った図書館について、書名が分かっていればその書籍があるかないかはすぐ分かりますし、キーワードから自分の興味や論文テ―マに関連がありそうな書籍を調べることもできます。インターネットで通常の検索をするのと違い、書名にその用語が無いとうまくヒットしないので、関連ワード検索にはコツが必要です。その図書館に会員登録すれば、蔵書のpdf(各ページの写真)にて内容を読むことすら可能です。
全国どこの図書館でもいいのですが、リアリティーを持たせるため、生徒各自の地元の図書館のホームページを立ち上げてもらいました。通常、トップページにOPACがあるので、そこから興味に応じたキーワードや書名で検索体験をしました。所蔵している蔵書であれば、かなりの情報が判明します。
② カーリル
狙った図書館にその書籍があるかないか、ではなく、先に欲しい書籍が決まっていて、学校の図書室に無い!地元の図書館にも本屋にも無い!と言った場合に、国内でその書籍を所蔵している図書館を検索すことができるサービスです。現実問題として借りに行ける距離の図書館、ということで県や市町村で限定することもできますし、その瞬間その書籍がそれぞれの図書館で借りられているかどうかまで分かります。
自分の論文で、仮説の論証に必要!これが決め手になる!というような場合は、是非とも借りたいわけですから、使えるサービスです!
③ Webcat Plus
似たようなサービスの、全国大学図書館版です。書名が決まっていれば「一致検索」から利用、キーワードから使えそうな書籍を検索するなら「連想検索」を利用します。
④ 新書マップ
①②③の図書館絡みの検索サービスではなく、どちらかというとデータベースになります。自分の論文のテーマや興味に関連のありそうな新書を検索できるサービスです。こちらは時間の関係で紹介だけにしました。
一通り検索体験した後、実際に検索した書籍を「ネタ帳台紙」に記録する作業をしました。本当の興味より、一度手順を体験することを優先しました。地元図書館を基本に、検索体験①②③で一番うまく検索出来たサービスを使って、できれば文面まで閲覧できるような書籍まであらためてたどり着いたら、その書籍の情報を台紙に記入し、ファイルに挟む。時間内に作業を終えられないケースが目立ち、授業のやり方を調整する必要性も感じました。