3月14日(火)卒業式
3月14日(火)卒業式
様々な校種の卒業式、横に並べて比べるものではありませんが、単純に「高等学校の卒業式」、心にきます。
昨年度、自分が3年間担任した生徒たちを見送ってはや1年、人文科主任として初めて卒業生を見送ります。私は今、担任ではありませんので、自分の中で勝手に気を遣う部分はあります。自分にとりましては、担任した生徒の卒業式の日は大切な最後のひと時でしたので、人のそれを邪魔するようなことはあってはなりません。2、3歩引いたところからお祝いすることになります。
今回はコメントは1か所以外なるべく我慢しまして、写真は卒業式の様子や流れが中学生のみなさんにもコマ送り的に分かるように、ふんだんに載せます。
まずは前置きとして、前日のことから。私のHRから卒業した旧生徒会長のSさん、前日の卒業式予行と併せて行なわれた正式な会の1つ、「同窓会入会式」のお仕事で来校しました!偶然、職員室前で会えて嬉しかったです!大学生になってもやっぱり、いやますますキラキラしていました!
それでは当日、本番直前。教室前まで行くのは遠慮しまして、入場前の校舎内整列に向かう人文科卒業生を、まず階段で見送ります。
人文科は3年間3階ですので、先頭は1階まで来ますが、本体は階段に整列になります。
出発前。担任の先生にも写っていただきました。
人文科は「9組」ですので、なんでも殿(しんがり)です。
普通科卒業生の入場が進み、1階の所定位置にいた普通科がはけたら、いよいよ体育館へ。
さあ、入場です!担任を先頭に、2人ずつ、間を開けて、しっかりとした足取りで。
担任の先生の最後の引率はステージ前まで。そこからは自分たちで席へ行きます。
人文科まで入場・着席が終わると、開式の辞。
国歌斉唱をはさみ、卒業証書授与。普通科1組から。
普通科の呼名が進んでいきます。
学年主任は、校長に証書を渡す介添えをしながら、卒業生を見守ります。万感去来でしょう。
いよいよ、人文科9組の番です。
久しぶりに、聞こえる声での返事ができる状況に戻りました。
涼やかな返事が響きます。
全員、返事・起立・礼が終わるまで起立しています。
最後に、代表が呼名されます。代表は礼法にのっとり校長の元へ。
はるかな昔、私(現人文科主任)の担任をこの学校でしていただいた校長から、今、クラス全員分の証書を受け取ります。
ちなみに昨年度はまさに私のクラスが同じ校長先生から卒業認定をいただきました。不思議なものです。
受け取ったら、階段脇の証書置き机に証書を置き、席へ帰ります。
代表が自分の席に戻ったら、クラス全員で着席。まず大仕事がひと段落、卒業おめでとう!
担任の先生も、殿であるがゆえに普通科担任より少しだけ仕事が多いのですが、全て無事に終了。お疲れ様でした!
ここからはまた全体の流れの紹介に戻ります。
賞状授与。県から表彰される生徒たちです。
校長祝辞。
来賓祝辞。PTA会長さんと後援会長さんのお二方です。
来賓紹介と祝電披露。
在校生代表送辞。生徒会長の大仕事です。堂々とした話しっぷりでした。
卒業生代表答辞。もと生徒会長からです。ここで一言。私、元来「泣かないタイプ」なのですが、今回の式典中3回も涙が溢れそうになりました。まずこの旧生徒会長Oさんの答辞。形式的な内容ではなく、自分たちの思いをリアルに綴った爽やかで思いの溢れる内容でした。
内容に胸を打たれました。立派でした。
卒業生記念品贈呈。目録を読み上げ、提出します。
学校側(校長)からは、大切に使う旨、および、今回は3品目のうち1つが光庭に搬入された外用テーブルセット5セット分で、すでに設置されていますので、あらためて見てもらえるようその紹介がありました。
卒業生保護者代表謝辞。私、ここでも涙が滲みました。
齢51歳になったからか、同年代の子を持つ親でもあるからか、やはり思いのこもったお話に感動しました。
ここで!今回ここだけ少々述べさせてください!
写真は無いのですが、校歌斉唱です。ここでも泣きそうになりました!
春日部東の校歌は、個人的にこれまで勤務してきた高校も合わせて、その中で最もバランスよく歌唱向きの「いい歌」だと思います。良し悪しの話はふさわしくないですね。どこの校歌も大切に歌い継がれているかけがえのない歌なことは間違いありませんから。それぞれに特徴があります。私の初任校は古い伝統校でしたので、古めかしいゆっくりとした歌でした。2校目はマーチタイプで、生徒たちが元気よく歌いやすいものでした。3校目のものは、メロディアスかつしっとりとした素敵な歌。そして我が母校の校歌は、リズム・メロディ・ハーモニー・歌詞とどれをとっても誠に気持ちよく歌唱できる歌です。
また、高等学校における歌唱指導についてもお話します。私の印象ではありますが、高校で生徒集団に十分な声量で校歌を歌ってもらうのは、意外に大変なものです。何故か集団になると声が出ない。私は歌の専門家でもなんでもありませんが、こと校歌の歌唱指導に関しましては、思うところがあるのです。歌というパフォーマンスは、学年集会のような場では、雰囲気悪く強制しても、まずいい結果はでません。何とか気持ちよく校歌を歌ってもらおうと、気分が乗りそうな話をしたり、コンテスト形式を試したり、自分がパフォーマンスしたり、集会等で効果歌唱があれば生徒の列に入っていき、リード気味で声をだしたり一緒に歌おうぜ的な感じを出したり・・・あの手この手で指導してきました。
実は、その根底にあったのは、三十数年前にまさにここ母校を(現校長の担任するクラスを)卒業する際の出来事です。予行の際の歌唱練習ではそこまでではなかったものの、卒業式本番では、私たちは体育館の窓も震えんばかりの校歌大合唱をしました。それもドラ声で喚いていたわけではなく、です。「門出」に際し、「卒業仲間」「後輩」「先生方」と「母校の校歌」を「大合唱」する・・・なんと気持ちよく感動的なことか・・・酔いしれたものでした。たまたま親の仕事の都合で中学時代まるまるを過ごしたアメリカの中学校ではそのような習慣はありませんでしたので、私にとっては新鮮で初めての体験で、今でも私の人格の中にひとつ位置を占めるものです。
自分が教員になってからは、生徒たちになんとか同じような思いをして欲しいと願ってきました。大変しょっぱい思いもしましたし、また時として上出来だろう!と思えた場面もありましたが、基本的に「校歌指導=大変なこと」という公式は存在し続けました。それが、5年前にここ春日部東に転勤してきて、自分が所属した新入生の学年集会(入学オリエンテーション)に立ち会った際のことです。ものの入学2日目くらいの生徒集団が初めての歌唱指導を受けて、もうそれまでの24年間で聞いたことのないくらいの声量で校歌が歌えたのです。もちろん、音楽の先生による歌唱指導も上手なのですが、過去に同じ場面で「この人の指導は下手だ」と思ったこともありませんでした。そういうことじゃない部分はあるようです。「なぜ入学したてでここまで歌える?????これまでの校歌指導はいったい何だったのか?????」・・・大きく感動するとともに、正直、非常に打ちのめされました。この出来事は、私の教員人生の中でも、忘れることのない大事件の1つです。そして翌年、自分が担任する学年の入学の際にも、やはり声が出ます。一連のことを考えると、校歌に限っても、単純ですが「良い学校にきたんだな」と思いました。
それが・・・コロナ禍です!今回卒業した学年は、あろうことか3年間ずっと校歌を声に出して歌唱したことがない学年です。数日前の予餞会(3年生を送る会)でも当該学年の担任が挨拶の中で述べていましたが、この学年は予餞会前の学年式典指導と式典本番の2回しか全員で校歌を歌う場がないのです。なんと言うことでしょう・・・
話を卒業式に戻します。3年間、歌唱入り音源で流してきたスピーカーからの音量を超える声量で、卒業生たちが校歌を聞かせてくれました!2番3番と進むにつれ、歌詞にも馴染みがなくなるはずのところ、逆に声量が上がっていく感じで、久しぶりに春日部東の校歌を堪能しました。一連の思いから、この場は実に感動的で、撮影のために式典中ずっと最後部で立っていた私は、誰にも気づかれずに感極まっていました。
閉式の辞。お別れです。
卒業生退場の前に、出口で生徒たちを送るために、学年団は先に出口に移動します。
この辺りはどうするかは学校・学年ごとにいくつかパターンがありますが、今回は体育館を出たところで花道を作りました。
卒業生退場。入場と同じく、吹奏楽部の生演奏で送り出されます。普通科1組から、巣立っていきます!
司会よりクラス番号が呼ばれると、揃って起立、礼をして、退場します。
そして人文科の番。
(当たり前ですが)振り返りもせず、巣立っていってしまいました・・・おめでとう!
おまけ①
来賓退場です。校長に先導され、PTA会長さん、後援会長さん、そして同窓会長さん。
写真でお花の下あたりにいる同窓会長さん、実は私と同い年です。ということは。私の同級生です。とうことは。現校長が昔ここで私の担任をなさっていた学年の生徒会長さんです。不思議な気分です。
おまけ②
式が終わると、式場では大人の時間。学年団と管理職や各部署の主任が保護者の皆様より花束をいただきました。その後、学年団からは一言ずつ挨拶。卒業生は、担任が最後のHRをやりにくるまで、しばし休憩です。
ひとしきり、保護者の皆様とも最後のお別れを交わしたあと、担任は教室へ。一人一人へ証書を渡すのは教室になります。予行の日にもかなりの量の配布物を済ませていますが、この日も証書以外に意外と色々あるもので、そういった事務の後、担任から最後のお話が。そして解散。解散後も、教室で、廊下で、そこここで、様々な組み合わせで最後のお別れをし合います。大切な時間です。
私は担任ではないおっさんですので、通常はまあ寂しいものになるかなと思っておりましたが、有難いことに人文科9組や授業に出ていた2組から、数人がお別れに来てくれました。ありがとう・・・お元気で・・・