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【生物部】9月8日9日(金土)文化祭の様子①

9月8日9日(金土)文化祭の様子①

 

  私が顧問になって、「文化祭出展内容をほぼ任せた初代」の現3年生が引退しているのは痛手ですが、それは毎年あること。よき伝統を1から作っていくのみ、です。現2年生4人、1年生4人。それぞれ、学年に1人は生徒会と掛け持ち等々の事情があり、常にフルタイムで部活動にいられることを望めるのは3人3人で、合計6人。引退した3年生と同人数です。しかし、8人とも夏休みから頑張ってやれることをやってきました。今日はその成果を発信する日!コーナー別にご披露します!それでは入り口から。

 

【受付】

 ここは、例年「生物室を訪れた客数」に興味がありながらもカウントする余裕がなくスルーしてきたポイント。今年度はちょっと発想を変えて、お客様に自ら訪問を記録して頂く方式を考えてみました。2年生Mさんが買って出て、家で作って来てくれた「訪問カード」をお1人1枚ちぎって、該当の箱にいれていただく、という形です。2日間とも1年生のSさんが長時間対応してくれました。

 

今年度の集客数は、恐るべきものでした!なんと!

8日(金)校内公開

 ●本校生徒:160人

 ●本校職員:15人

 ●8日合計:175人

9日(土)一般公開

 ●中学生:151人

 ●中学生保護者:54人

 ●本校生:137人

 ●本校生保護者:253人

 ●一般:124人

 ●本校OGOB:36人

 ●本校職員:16人

 ●9日合計:771人

8日・9日合計:946人!!!!

 なお、文化祭実行委員会発表の9日来場者数データから計算しますと、約530名が中学生とその保護者の方々ですので、そのうち205人…割合で3人に1人以上が生物室にいらっしゃいました。驚きです!正直、まさかここまでお客様が入るとは!皆様、ありがとうございました!

 

【ふれあいコーナー】

 企画段階で、なんの動物をふれあいに使うのか聞いてみると、アズマヒキガエルとミシシッピアカミミガメにしたい、と。ところが、すでにブログで紹介済みの通り、部活で4年ほど飼育してきたメスのアズマヒキガエルは死んでしまっています。ここは一発、顧問が一肌脱いで、急遽自宅の庭から放し飼いのオスを1匹連れてきました。

●アズマヒキガエル:注意点は、耳腺から毒液を出させないよう気を付けるところです。万一出てしまえば、それなりの強さなのですが、よほど酷い脅かし方をしなければ、まず出しません。私こと顧問はこれまでさんざん彼らを取り扱ってきましたが、そのシーンを一度も見たことがありません。逃げる野生個体を無理やり摑まえる際も含めて、です。とは言え、万が一があってはいけませんので、部員達には事前にしっかり伝えておきました。お客様たちは、大概背中をつつきますので、そこには背骨があります。カエル、いえほとんどの両生類には肋骨がありませんので、私がこのコーナーについている時にはぷにぷにの脇腹もお勧めしました。人間にも似ています?が、つつかれるとそちら側の体を浮かせて嫌がります。かわいくて気に入ってしまうお客様も続出?

●ミシシッピアカミミガメ:こちらも注意点は「咬まれないように」です。部員はもちろん、お客様にけががあっては一大事!上から甲羅をつつく分には何も起こりませんが、せっかくの触れ合いコーナーです、水棲カメというものをじっくりみていただければと。係がそのまま上から甲羅の両脇を抱えて空中に持ち上げると、暴れて四肢を振り回し、凄い勢いで水滴を飛ばし、また掴んでいる手に爪をひっかけてきます。そこで、お客様にお見せする際は、持ち上げると同時に裏返してしまいます。すると、四肢を甲羅の中にひっこめ、動きだけは大人しくなります。こうなれば安全に触れますので尻まわりもつついてもらいます。また、頭近くに手をかざすと咬もうとして口を開けて首も伸ばしてきますので、口の中も観察できます(当然、かざすのは私の手で、お客様にはさせません)。特筆すべきは目の美しさ!宝石のようです。

 

【似ている生き物判別クイズ】

 これは今年初めての新しいコーナーです。素晴らしいアイディア!対象は何にするか、部員たちは夏休み中に計画を立てていましたが、実現したのは次の組み合わせたち。また、お客様がご自分で遊んでいただけるようなゲームにするのにはどうすればいいか、直前まで決まり切らず、危うく単純展示におまけがついているコーナーになりかけましたが、1年生のPさんがレイアウト基本形を完成させ、2年生のKさんが実にぴったりの工夫を追加してくれました!

初日、追加点を考えている?Kさんの様子。

 お客様から見て下段(手前)に回答欄、中段左右にめくり式解答カード、中央に選択肢カード、上段左右に生体を配置しました。また、めくり式ヒントカードと、正答できたか外したかをお客様がご自分で記録に残せる丸シール貼り付け欄も追加してくれました!Pさんの、自分でよく考えて形にする力はとても見どころがありますし、Kさんは1年生の時にも四葉コーナーでよくできた工夫をいくつも考えて今年に繋げましたが、今年のこのコーナーで形にした工夫は実に文化祭/展示会にぴったりで、感心しました!

●ミシシッピアカミミガメとクサガメ:これは、見た目は全然違いますので、比較の上、識別点を知るコーナー。クサガメは計画では写真でしたが、急遽生体が加わった亀です。顧問の私が夏休み中に本校近くの路上で車に轢かれて肩口の甲羅が割れて流血して鉄板のような熱い路上に裏返っているところに遭遇、持ち帰って様子を見ると生きそうだったのでそのまま部活で飼育を始めた個体です。近年になってだんだん知れてきましたが、中国原産の外来種ではあります(在来種はイシガメとスッポンのみ)。しかし、クサガメすらミシシッピアカミミガメに圧されてその個体数を減らしています。

●コイとフナ:日本の河川や沼で釣りをするのが好きな人たちにはヒトとサルくらいのものでしょうが、知らない人にはなかなか難しい識別となります。特に個体が小さくて動いていればなおさら。今回は10cm程度の若魚と、3cmくらいの稚魚をセットで展示。分かりますでしょうか?コイにヒゲがあるのは有名ですが、よく見るとけっこう違うものです。まず体形。鯉の方が腹側が直線的で、フナの方がいわゆる魚らしいライン。またうろこのキメもコイの方がネットっぽく、各ひれはうっすら赤く色がついています。

イモリとヤモリ:これは、「名前の紛らわしさ」を比較してほしいコーナー。そういったポップも付けられれば良かったですが…漢字に直せば一発です。「井守」と「家守」。お客様の中にもご存じの方も多かったですね。逆に知らない方はイモリの方の名札「アカハライモリ」から、成体のお腹を見て解答する方も。

 ヤモリは部員たちで夏中に捕獲する計画でしたが、現実は甘くない?本校校舎にもけっこういて、以前部活で飼育していた個体は私が職員玄関階段で捕獲した個体。こういう生き物って欲しい時にいないものですね。本番前1週間から、また私が二肌目を脱ぎました。週末にたまたま家の庭でしゃがんで作業をしている時に奇跡的に目の前の草むらを通りかかった(ヤモリを日中に、しかも草むらで見かけることはまずない)幼体を捕獲。一安心しましたが、イモリと並べるには小さい!継続して、夜家に帰る途中の公園のトイレで追加で1匹捕獲、成体でサイズは理想的。さらに文化祭直前の夜の職員玄関階段脇で成体をもう1匹get!幼体は通常展示に回し、成体2匹を比較コーナーに。

 イモリの方は私の顧問就任以降この部活でずっと飼っている3匹のうち1匹。そういえばあまり話題にしたことがありませんでしたが、実はイモリは極めて長命で、普通の飼育環境を継続できれば単純な餌で20年くらい生きます。野生では激減、本校が勤務4校目の顧問はもうすぐ52歳になりますが、いまだ野生個体は見たことがありません。2校目の時、さいたま市在住の女子生徒が小学生の頃に家の近所の水がある環境で見たが、今はもういない、と言っていました。ペットトレードでは恐らく養殖個体が安価に出回っています。

●オオカマキリとハラビロカマキリ:これは私が追加を提案したセット。退勤時、夜の職員玄関に飛来した個体です。ある晩は、昔は雑魚あつかいだったのに今ではめっきり見かけなくなった「コカマキリ」も併せて3種類のカマキリをみかけましたが…部員たちもじっくり種類の異なるカマキリを見比べるのは初めてらしく、いい機会となりました。

 ちょっと気になったのは両方とも「オス」なんですね。本当はポップにして添付して欲しかったのですが、部員たちの手が回りませんでした。本来、人目に付くカマキリといえばメスです。昔から「オス」は「おお、オスじゃん。」という感じだったのですが、今年はこの地球全体の異常気象が関係あるのか、メスを見かける機会が少ないです。職員玄関でもハラビロとオオカマキリのオスばかり、しょっちゅう見かけます。そもそもカマキリの成虫は秋!遅いと12月上旬まで生きた成虫を見かけますが、今年私が異常を感じたのは、7月上~中旬に自宅の庭でメスの成虫を見かけた時でした、ええ今?と。暑くて早く成長しすぎたのでしょうか。オス側もメス側も自分の成虫としての寿命のうちに交尾相手に会えないと大変なことに…。

●モツゴとモロコ:東校近辺で魚捕りをすると、どちらも捕まります。いつ頃でしたか、これも先入観で、この辺(自分の行動範囲)で捕れる、フナでもタナゴでもない黒いラインのある細いコイ科の淡水魚はみんなクチボソ(モツゴの関東名)だと長年思い込んでいたのですが、水槽に入れてみると「あれ??」と。よく見れば体形が違いますが、ぱっと見の紛らわしさはコイ・フナ以上かと。すぐ納得がいく違いは、頭の丸さでしょうか。モツゴの方が矢印的だと思います。

●カダヤシとミナミメダカ:小さい魚たちですので、それだけで紛らわしいのですが、今やミナミメダカのニッチを脅かす特定外来生物として悪名高いカダヤシと在来のメダカの違いを知っていただくことは大事です。と言いましても、特定外来生物はほとんどが人間によって生息地を新しく与えられていながら、新天地で在来種とたたかって力強くその居場所を確保したら、今度は「もともとの自然のバランスを壊す」と駆除の対象になったものたち。結局は自然を破壊するのも保護するのも人間のエゴ、翻弄されるのはいつも人間以外ですが…。

 カダヤシ科とメダカ科は、昔は図鑑でも同じページにいたり、カダヤシが胎生メダカと呼ばれたり、外国のカダヤシ科の魚にメダカ科と記してあったりで、魚の分類にこだわりがない人たちにはなんとなく一緒くたに思われていました(実は私も)。いまでは、メダカは「ダツ目」のメダカ科となり、ほぼ関係のない分類となりました。

 カダヤシは「蚊絶やし」。ボウフラ駆除のために各地に導入され、そのまま力強く定着しました。水域で表層を泳ぐ様子、そしてその見た目も、メダカにとても似ています。同じような餌を食べ、同じように自然界で暮らしているならば、「部屋の重複」はあるのでしょう。ただ、最近聞くハナシでは、メダカとカダヤシが共生している場合も多く、これまでしばらく考えられてきたほどメダカに圧をかけていないかもしれない、ということですが…。どのみち、数々の生物の減少の陰には自然環境の破壊もありそうだ、ということも忘れたくありません。

 人間側のことですが、カダヤシは「特定外来生物」に指定されていますので、飼育してはなりません、大変なことになります。具体的な方法は述べませんが、本部活では採集して持ち帰ってしまた場合、「処分」しています。

 泳いでいる姿を上から見ると、メダカは背中に黒いラインが入りますが、カダヤシは全身がうすら白いです。2種類一緒にいれば、ああ違う、と思うでしょう。でも片方しかいない場合は、どちらなのかちょっと迷います。今シーズン、生徒たちの網にメダカは入りませんでしたので、展示したメダカは過去に捕獲し飼育していたものです。

★おまけ…実現しなかったまぼろしの比較案

・カダヤシとグッピー:これは部員が考えていたものですが、部員数に対して文化祭準備全体が大変で手が回らなかったようです。非常にいい対象です、いつかやってもらいたい!

・トウキョウダルマガエルとヌマガエルとツチガエル:ダルマとヌマは、寸前まで案にあったのですが、やはりやりきれなかった…常設展示コーナーにカエリウムを設けましたので、そこで見比べていただければ…ダルマは私が小学生のころまでは「トノサマガエル」と呼ばれていました。その後、だいたい関東以北のグループは別種だという事が判明しました。足の長さが違うのですが、マニアでないと…モロコとモツゴの方が簡単です。ヌマガエルは別科のカエルですが、体形や模様は似ています。近年、国内外来種的に分布を北に広げてきた、昔は見かけなかった、そして今では大勢を占める、水辺のカエルです。そしてツチガエルですが、今回顧問として実はヌマガエルとツチガエルの比較は是非とも部員にも見せたかったのですが、ツチガエルが見つかりませんでした。昔はカエル捕りのターゲットとしてはアマガエル以下のキャラだったのですが、今回あまりにも見つからなくて、調べてみたら絶滅危惧種の仲間入りをしつつあることを初めて知りました。

・コガネムシとアオドウガネ:どちらも美しい緑色のコガネムシですが、「コガネムシ」の金属光沢は見事です!まさにコガネムシ中のコガネムシ!出展内容のコーナー数が今回の半分なら、実現したかったものです。今回はコガネムシの死骸だけそっと展示に含めておきました。

・アマガエルとモリアオガエル:これも成体展示による実現が可能だった案です。両方生物室にいます。ただ、モリアオガエルは一般的ではないので、優先順位は低いですね。

・ドジョウとカラドジョウ:カラドジョウに確証はないのですが、数年前に私の体制での部員1号生「A」さんとフィールドワークで捕まえて以来飼育しているもので、私には通常のドジョウとは別物に見えます。水槽2本に泳いでいて、部員の案には上がりませんでしたが、「ああ、これも面白かったのに」と思った案でした。

 

部員たちが色々と自分たちのアイディアを出して趣向を凝らした出展内容がウケて、嬉しくてつい長文になってしましました。一旦ここで切りまして、続きは「②」に綴ります。