2017年12月の記事一覧
校長室だより【H29.12.22】
本日、全校生徒に校長室だよりを配布しました。
こちらから御覧ください → 校長室だより:20171222.pdf
2学期終業式あいさつ
先ほど2学期終業式を終えました。今学期も大きな事故等もなく、生徒達が元気に過ごすことができ、何よりだったと思います。終業式では、以下の話をしました。
今年の流行語大賞が発表され、「忖度」と「インスタ映え」が受賞しました。また、今年の世相を表す漢字一文字は、「北」に決まりました。さて、皆さんは、今年どのような言葉が印象に残ったでしょうか。
私は、川内優輝選手が講演会で話していた「答えは自分で考えなければ意味がない」です。昔から言い尽くされてきた言葉ですが、私自身思い当たることも多くあり、反省の意味もこめて改めて考えさせられた言葉でした。
例えば、常識であるかのように考えられていたことが、実は間違いであった。場合によっては疑問に感じていたけど、問題提起しなかったなど、よく見受けられることです。代表的な例として、1980年代の前半くらいまでは、運動中の水分補給は禁じられていて、私も「水を飲むな」と先生や先輩から指導されていました。
しかし、マラソンでは給水が必ず行われており、1960年ローマオリンピック、1964年東京オリンピックのマラソンで連続金メダルに輝いたエチオピアのアベベ選手は、当時ハイビスカスティのスペシャルドリンクを利用していたそうです。ハイビスカスはクエン酸を多く含み栄養補給に適していることから、運動中に摂取する素材として合理的で効果的なものです。少なくとも50年以上前から、運動時の体調を維持しパフォーマンスを高めるには、水分だけでなく栄養補給の必要性も十分認知されていたということです。
私が高校3年生のときの担任していただいた先生は、学生時代に4年連続で箱根駅伝を走られており、今でも私は尊敬している先生の一人です。しかしながら、体育の授業をはじめ御指導いただいた中で、運動中に水分摂取することは大事であると教わった記憶がありません。長距離選手として活躍されていた先生が、このようなことを知らなかったとは考えられません。
当然、私自身もTV中継を通じてマラソンには給水があることを知っていましたが、当時はまったく疑問に感じませんでした。まさに、私は教えられたことだけを考え、自ら考えて答えを導き出す姿勢に欠けていたと思います。
社会が急速に変化し予測できない時代を生きていく皆さんは、既存の概念にとらわれない柔軟な発想力を持つことが求められます。そのためには、示された答えに納得するのではなく、主体的に、そして多角的な視野から、答えを導き出していく力が求められます。
「答えは自分で考えなければ意味がない」は、川内先輩から後輩である皆さんへの強烈なメッセージであると考えています。皆さんには、しっかり受け止め、実践してほしいと願っています。
最後に、今学期はボランティアや地域貢献、文化的活動などに多くの生徒や部活動に協力してもらいました。また、事務室前の廊下の壁の修繕や賞状の掛け直しにも協力してもらいました。忙しい中、協力してくれた皆さんには心から感謝しています。ありがとうございました。それでは、良い年を迎えてください。