2019年5月の記事一覧
人文科・ポスター発表会開催!
5月29日(水)、今年も人文科2年生によるポスター発表会が開催されました。

ポスター発表会は、「探究」活動の一環として、各自の研究をポスターにまとめ、ギャラリーに対して説明する活動です。大学や大学院などではよく見られるプレゼンですが、本校の人文科では毎年行っています。

発表者は、プレゼン能力が求められるだけでなく、するどい突込みに対して臨機応変に対応する柔軟性も求められます。

さあ、次は論文作成です。すばらしい論文集を、期待してます。
ポスター発表会は、「探究」活動の一環として、各自の研究をポスターにまとめ、ギャラリーに対して説明する活動です。大学や大学院などではよく見られるプレゼンですが、本校の人文科では毎年行っています。
発表者は、プレゼン能力が求められるだけでなく、するどい突込みに対して臨機応変に対応する柔軟性も求められます。
さあ、次は論文作成です。すばらしい論文集を、期待してます。
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チャレンジ授業・美術
春日部東高校では、先端の授業開発に力を入れており、毎年、各教科一人の教員が新しい授業を開発して、発表しています。題して、「チャレンジ授業」。今回は美術です。

今回の授業は、色の三原色、白、黒を配合して、多様な色彩が生まれる仕組みについて学びました。

生徒たちは、自分の手で、色の変化を作り上げていきました。

この知識を活用すれば、油絵で微妙な色彩を作り出すことが可能になります。感性だけでなく、知識も活用する、美術の授業でした。
今回の授業は、色の三原色、白、黒を配合して、多様な色彩が生まれる仕組みについて学びました。
生徒たちは、自分の手で、色の変化を作り上げていきました。
この知識を活用すれば、油絵で微妙な色彩を作り出すことが可能になります。感性だけでなく、知識も活用する、美術の授業でした。
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全校集会校長講話
もうすぐ六月ですが、このころに詠まれた和歌に、次のようなものがあります。
五月まつ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする
『古今和歌集』所収の、詠み人知らずの歌です。歌意は、「五月を待って咲く橘の花の香りをかぐと、昔の恋人の袖の香りがすることだ」となりましょうか。おそらく女性の詠んだ歌でしょう。
「五月(さつき)」は旧暦の五月、今の暦だと六月ごろになります。花橘は、みかんの花と考えていいでしょう。ところで、みかんの花はどんな香りがすると思いますか?
実は、私の自宅の小さな庭にはみかんの木が植わっています。冬になると30~40個の実を付けてくれるので、それが目当てです。ほかには、アゲハチョウの幼虫が一定程度発生するので、それを退治する、この木を認識するのは、それぐらいでした。ところが、つい先日のことです。
仕事を終えて、自宅に帰って、門扉をくぐると、ふぁっと、とてもいい香りがする。水仙のような、フリージアのような、それよりももっと淡く、甘く優しい香りがする。いったい何が薫っているのだろうと、ふと足を止めましたが、実は宿題を持ち帰っていたので、その時はそのまま玄関をくぐりました。
そして翌日。前日のことなどすっかり忘れて、玄関を出てみると、ふぁっと、あの香り。あたりを見回してみれば、みかんの木に、本当に小さな、白い花が咲いている。ああ、この香だったんだと、胸いっぱい深呼吸をしてみました。少し、幸せな気分でした。
『古今和歌集』が成立したのは今から千年以上も前、そのころの人はおしゃれでしたね。恋人に会うのに、橘の花を袖に潜ませているとは。とても豊かで、ゆったりとした生き方を感じます。一方で、毎年毎年、私の家のみかんの木は、素敵な香りを漂わせてくれていたはずなのに、そのことに今になって気づいた、というのは、どうしたものでしょう。日々に追われて、余裕がなかったのかもしれません。
もうすぐ梅雨が来ます。雨の日が続きます。通学するのにも大変だと思います。ただ、そんなとき、ちょっと足を止めて、あたりを見回してみてください。色とりどりの紫陽花が咲いているかもしれません。雨に濡れた桜の青葉が輝いているかもしれません。池の水面には無数の波紋が一瞬ごとの多様な意匠を見せてくれるでしょう。まさにこの季節でしか味わうことのできない、一期一会の体験だと思います。そんなことに気づき、少し幸せな気分を味わう、それが生きることの豊かさだと思うのです。ぜひ、心がけてみてください。
五月まつ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする
『古今和歌集』所収の、詠み人知らずの歌です。歌意は、「五月を待って咲く橘の花の香りをかぐと、昔の恋人の袖の香りがすることだ」となりましょうか。おそらく女性の詠んだ歌でしょう。
「五月(さつき)」は旧暦の五月、今の暦だと六月ごろになります。花橘は、みかんの花と考えていいでしょう。ところで、みかんの花はどんな香りがすると思いますか?
実は、私の自宅の小さな庭にはみかんの木が植わっています。冬になると30~40個の実を付けてくれるので、それが目当てです。ほかには、アゲハチョウの幼虫が一定程度発生するので、それを退治する、この木を認識するのは、それぐらいでした。ところが、つい先日のことです。
仕事を終えて、自宅に帰って、門扉をくぐると、ふぁっと、とてもいい香りがする。水仙のような、フリージアのような、それよりももっと淡く、甘く優しい香りがする。いったい何が薫っているのだろうと、ふと足を止めましたが、実は宿題を持ち帰っていたので、その時はそのまま玄関をくぐりました。
そして翌日。前日のことなどすっかり忘れて、玄関を出てみると、ふぁっと、あの香り。あたりを見回してみれば、みかんの木に、本当に小さな、白い花が咲いている。ああ、この香だったんだと、胸いっぱい深呼吸をしてみました。少し、幸せな気分でした。
『古今和歌集』が成立したのは今から千年以上も前、そのころの人はおしゃれでしたね。恋人に会うのに、橘の花を袖に潜ませているとは。とても豊かで、ゆったりとした生き方を感じます。一方で、毎年毎年、私の家のみかんの木は、素敵な香りを漂わせてくれていたはずなのに、そのことに今になって気づいた、というのは、どうしたものでしょう。日々に追われて、余裕がなかったのかもしれません。
もうすぐ梅雨が来ます。雨の日が続きます。通学するのにも大変だと思います。ただ、そんなとき、ちょっと足を止めて、あたりを見回してみてください。色とりどりの紫陽花が咲いているかもしれません。雨に濡れた桜の青葉が輝いているかもしれません。池の水面には無数の波紋が一瞬ごとの多様な意匠を見せてくれるでしょう。まさにこの季節でしか味わうことのできない、一期一会の体験だと思います。そんなことに気づき、少し幸せな気分を味わう、それが生きることの豊かさだと思うのです。ぜひ、心がけてみてください。
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