2023年4月の記事一覧
4月25(火)1年生「ネタ帳を作ろう①」図書室ガイダンス(文献収集に向けて)、2年「ポスター発表に向けて①」
1年生図書室ガイダンス(文献収集に向けて)
普通に図書室ガイダンスと聞くと、多くの高校で例えば国語の授業、あるいはLHRなどをうまく使って、図書館の使い方について説明を受ける時間…というようなイメージを持たれるかと思います。
人文科の生徒にとりまして、しかしこれは特別重要な研修になります。今日もとてもまじめな 「人文科探究」の授業です。何しろ論文完成までフルに2年間…いえ、調べものや読書や学習スペースの利用が習慣化されれば、ここ図書室には入試後の卒業式まで!!お世話になるのですから。論文完成まで上手に時間を使っていけるかどうかは、まさに今日ここにかかっているとも言えます。
レジュメをそのまま掲載するのもなんですので、サブタイトルだけ記します。
1.はじめに
2.なぜ図書館を利用するの?
3.図書館資料の探し方
4.図書館資料の使い方
5.最後に
司書の先生が現S先生に替わって2年目、やっぱり思うのですが、司書の方ってスゴイ!プレゼン用も配布用も、資料がととてもシステマティックかつスタイリッシュ!今年も、プレゼン用のデータは全体向けの表示画面と同じものが生徒各自のiPadに配信されました。遠い人は手元で確認!
この科目のテキストブック「学びの技」も時折開きます。
まずは「論文とはなんぞや」から入り、各自がテーマを決めるのに向けて「ネタ探し」の指南、そして書籍からwebサイトまで現代にある各種情報源の特徴や長所短所について学びました。
次に、図書館の本がそもそもどういった法則で整理され並んでいるのか。これを学ぶためのワークシートが面白い!自分が高校生の時もやってほしかったです!
「日本十進分類法」!用語だけ言われて説明だけ受けても面白くありませんよね。
そこでこのワークシート!中央に自分の興味があるモノを記入し、そこからまずは直接関係がある分野を10個から選び、選んだ分野へ飛びます。次に、飛んだ先の分野がさらに細かく分かれているので、自分が気になる小項目を選んでチェックします。次に、他にも関連がありそうな大分野を残り9つからさらに選び、それぞれで同じ作業をしてみます。
「図書室の本って、こう並んでんだ~」
次に、実際に該当の本棚に赴き、書籍を選んで手に取ってみます。
一見、本屋さんで欲しい本を探すのと同じ作業ですが、ここでは「図書室における書籍、または図書室そのものの在りよう」をきちんと学んでの体験になります。実際、今後本屋さんで本を探すときに、レベルアップした探し方に結びつくといいですね。
この後、各自最低1冊、気になる本をもってきて席に座ります。今度はその書籍の見方について学びます。
人文科探究で多くなる書籍等の利用の仕方は、小説を楽しみながら読むようなものとは異なります。各自の論文について、自分で考えた「疑問(つまり課題)」に対する自分で考えた「仮説」が正しいと証明するための情報が載っているかどうか。そこからその本を利用するかどうかになりますので。
キーワードが司書のS先生からでました。「ぶらぶらブラウジング」。ブラウジングとはパラパラ読みのこと。ネタ探しの段階ではそれでいいのです。中身を深く見る必要はありません。「タイトル」「表紙・裏表紙・帯」「目次・索引・参考文献」「はじめに・おわりに」といった情報をぱーっと見て、何の本なのかだいたい把握する。関係ないと思えば返し、関係ありそうと思えば借りる(買う)。図書室をなにしろぶらついて、んっと思った本を手に取りブラウジング。探究はここから始まります。
とりあえず手元にもってきたら、スキミング(流し読み)やスキャニング(キーワード等の拾い読み)。昨年度、内心これらもキーワード化して欲しい とい思ったのですが(すきすきスキミング、すきゃすきゃスキャニング)、さすがにないですね。
さて、せっかく何かしら興味がある書籍なりを手にしたのですから、これは是非記録に残したいところ。実際、記録に残さなかったがために、「絶対必要な情報なのに、アレ何の本だっけ?webだったっけ?」という状況は、ままあることです。ここでまた特別なワークシートの登場です。
後々に、自分の論文に「参考文献」として引用したり情報を掲載したりしたい、と思った時のために、何をしておくべきか。今目の前にある書籍のどこにどういう情報があり、それをどう見て、どんな情報を記録すればいいか。ワークシートを埋めながら合理的に学びます。
今年も充実した内容でした。これで初めての図書室での「人文科探究」授業は終わりです。あっという間ですね。「書籍を調べる」ゴールデンウイーク課題について指示もありました。終わりの挨拶。みなさんお疲れ様でした。
さて、同時刻に2年生はといいますと、
「ポスター発表準備①」
です。初めて、パソコン室で人文科探究の授業を受けます。そして今年度はほぼここになります。最初ですし、主任の私が授業をさせていただきました。
●ポスターとは?ポスター発表とは?
年度も替わりましたので、あらためまして。
我々の言う「ポスター」とは、献血や緑化のポスターのことではありません。プレゼンテーションのために視覚的に提示したい資料のことで、ウィンドウズのアプリ「パワーポイント」を使って作成します。
また、「ポスター発表」とは、複数の発表者が会場内に散らばってポスターを使用しながら短時間でプレゼンテーションをし、聴衆は数人ずつに分かれて、発表を聞いては移動する、という発表会スタイルのことです。ここ数年つまりコロナ禍とデジタル化の波の中で、人文科のポスター発表会はスタイルが多少変化しておりまして、複数教室に2か所ないし4か所の発表場所を設けて、発表者はクロムブックとプロジェクターを利用してパワーポイントプレゼンテーションをするスタイルになってきました。
一方、生徒が作成するデータはほとんど変わりません。アナログのポスター作りも大切ですので、従来通りやります。基本はA4版の横置きで10枚になります。1枚の模造紙に貼れるポスター枚数ははみ出させても12枚が限度ですが、投映用でしたら時間内に発表さえできれば枚数がもう少し多くても構いません。
残りのポスター関連の情報(生徒に指導した項目)は、以下の様に分類して掲載します。
●ポスター発表の目的
恐らく本来は、例えば会社などで「新商品を開発する」といった時に、企画開発部の人や社内一般にアイディアを公募し、応募者がコンペの日に自分のアイディアを発表していく、といった場面で用いられてきた発表形式なのだと思います。つまりは「完成した発表内容」を「勝負レベル」で発表する、そういう場だと思います。一方、逆の目的で用いられることもあり、人文科の場合はそちらです。
「それまでの研究内容を発表してみて、聴衆の反応をフィードバックし、自分の研究内容の隙や弱点を見つけて改善するために、小規模に発表してみる」
2年生には、この目的を忘れずに頑張ってもらいたいです。
●ポスター作成上の注意点
アプリで作品を作っていると、ついつい、作品自体が目的に感じられてしまうものですが、口酸っぱく伝えました。パワポのポスターは、あくまで発表のための小道具である、と。失敗例をいくつか挙げますと…
・始めに各自に配信する白紙枠にあるサブタイトル(自分の表現に直してよいもの)をそのまま残してしまい、スペースを狭め、そのページ全体の見やすさを損ねている
・重要な文言が小さくて、もくじ文言が太く大きなフォントになっている
・まるで文章化した論文そのものであるかの如く小さな字でこまごまと多くの情報を載せる
・ポスター枚数が論文の本体でなく前置きなどに偏る
・背景色と文字色の組み合わせに、プリントアウト後を考えていない→PC画面は発光体なので、見え方が違う
※ポスターの画像はふんだんにありますが、例え名前を隠しても、見れば本人や友人には誰の作品かはわかってしまいますので、よくない例の実物を掲載するのはやめます。
…こういったことを意識せず作ってしまうと、せっかくの研究内容がちゃんと論展開ができていて、トークも上手なのに、発表時に聴衆はポスターを見なかったり、何処に集中してみればいいか分からなかったりします。あくまでも自分のトーク内容を聴衆に納得させるための要点を「視覚的効果」を意識しながら表示できるといいでしょう。
失敗例を、先輩たちの残してくれた大切な実物を活用して示しました。皆には前にきてもらいました。ステージに数枚ずつ並べて、見比べながら/入れ替えながら、これから作るもののゴールとして実物を示しながら、要改善点を示す形にしましたので、初回として効果的な時間をとれたかな、と思います。今後の皆の取り組みが楽しみです。
4月21日(金)1年生スプリングセミナー
去る4月21日(金)に、人文科独自行事で新入生対象の「スプリングセミナー」を、無事実施できました。
かつては、加須元気プラザにて1泊2日で行っていたものです。新型コロナの影響もあり、また規定により全員参加の宿泊行事は年に1回まで、ということもあり、宿泊の可能性を春に残すか夏(サマースクール)に残すか考えどころ…ということもありますが、とにかくコロナ初年度は中止、そして今年度は校内実施3回目となります。
目的を考えれば、「学年に1クラスしかない学科の新入生として、学習や生活をどのように進めていくべきか、ここで意識を高める」ことももちろんありますが、一番は、やはりこれから2年間学習していく「人文科探究」のオリエンテーション、ということになります。
それでは、実際にどのような6時間であったのか、簡単にですが追体験してみてください!
ようこそ人文科へ! 「令和5年度 人文科1学年 スプリングセミナー」
★1時間目「校長挨拶」「学年主任挨拶」「人文科探究0(ゼロ)」
1.校長挨拶
校長からは、この日の時間割を話題にしていただき、セミナー中の過ごし方や新聞作りについてアドバイスをいただきました。また、陸上競技選手「川内優輝氏」について、校長と彼はたまたま過去に2年間ほど同じ職場で働いたことがあったが、定時制高校の事務職員とマラソンランナーを両立していた彼は、午前中はマラソンの練習をして、昼から出勤すると、退勤まで仕事に没頭していた。大変な切り替え力だった。彼はここ春日部東高校人文科の出身であり、切り替えの力を始め、多くをここ人文科で学んで卒業したのだ、といったお話でした。有名人かと思われた川内選手も、知っているという生徒は少数でしたが、偉大な先輩がいるのだなと認識を改めていました。
2.学年主任挨拶
学年主任のI教諭からは、本校人文科で実施している教育内容が最先端なのだ、という話をいただきました。「探究」という言葉について、高校にある「総合的な探求の時間」も少し前は「総合的な学習の時間」だった、文科省もしきりに探究と言い出しているが、人文科は皆さんで30期生。もうずっと探究に取り組んでいる。折しも昨年度、わざわざ宮城県から本校の探究について研修しにきたくらい。そのくらい最先端の内容を学習する君たちは、ここから日本を変えてもいい!この春日部から、日本を変えてみよう! …といった熱いご挨拶でした!ハードルが上がった…??
ただでさえ高校生活が始まったばかりで不安があるでしょうし、さらに人文科ということで、これからの3年間に水面下で大きな不安を抱えている生徒は存外多いのではと推測します。そんな生徒たちにとって、大変に励みになるお話でした。
3.人文科探究0
いよいよ、人文科主任の授業です。まずはオリエンテーション的な時間を取ります。学校説明会に来たことがあるかどうか尋ねると、多数手が上がりましたので、復習、ということで。
①人文科学とは
せっかく珍しい名前の学科に入学したのですから、まず始めに学科名が冠する用語「人文」科学という用語について確認します。
★科学を3つに大分する場合… 「自然科学」「社会科学」「人文科学」となり、人文科学は「哲学、歴史学、文学、言語学など」を含みます。
★科学を2つに大分する場合…「自然科学」「人文科学」となり、「人文科学」には社会学、経済学、政治学、法学、教育学などから哲学、文学、芸術学、歴史学などの広い分野にわたる学問が含まれ、要するに普段「文系?理系?」と分ける場合に「文系」となる学問はほぼ含まれる、とのことでした。
…このことから本校人文科のカリキュラムを考えてみますと、確かに人文科学に属しそうな教科、英語・国語・地歴公民のいわゆる文系科目が大変に多いです。そこでしかし!それではただの文系じゃないですか、と。(うなずく生徒たち )そこで!満を持して学校設定科目「人文科探究」の登場なのです。
②人文科探究とは
次に、なぜ春日部東高校の先人たちは、ただの文系特化ではなく、人文科探究という科目を設定し、人文科という学科を設置したのでしょう。どんないいことがあるのでしょうか。
ここで、今度は「探究」という用語について確認しました。
★物事の真相・価値・在り方などを深く考えて、すじ道をたどって明らかにすること。
「真相」つまり「それって本当はどうなってるの?」、「価値」つまり「それは何にどう役立つの?」、「在り方」つまり「それって本当にその状態でいいものなの?」といったことを、軽くもやもやとではなく、言葉に直して「深く」考えて、適当ではなく「すじ道」をたどって、論理的に明らかにする…こと。
ふむふむ。
次に、ここ数年、教科書的に使っている書籍「学びの技」(玉川大学出版部)の登場です。
まず始めにこの本の12ページ「column 存在しない職業」を読んでもらいました。
簡単に内容を紹介しますと、アメリカで2011年に小学校に入学した子どもの65%は2027年に当時存在しなかった新しい職業に就くだろう、根拠として人類史上、文化の移り変わりとともに古い職業の消滅と新しい職業の誕生が繰り返されており、現代でそのカギとなるのは人工知能(AI)であると。AIが1000字の内容を50字に要約することができる段階まで進めば、影響を受けない(つまり職を失う心配のない)事務労働者はいない、とのことです。
個人的には、人が社会生活を送るために職業が存在しており、いくら限定場面的に便利な技術革新であっても、AIのような形で無数の人々から生きるすべを奪う技術なら本末転倒、ITも脳や体が発達しきる前に使いすぎると、それらが十分発達しないままになる、つまり人類のアナログ能力は今後どんどん退化する、と思っています。それでも実情は、デジタル化の波から降りることはできず、これからの生徒たちはその時存在する時間の中でこの世界に居場所を確保していかねばなりません。
さて、p12には、答えも紹介されています。 → このような事態にどう対応すればいいのか、その答えが「探究学習」にあります。問題発見能力、その問題の解決に必要な情報の収集・分析・活用、論理的思考や創造的思考をもって問題にあたる能力…こういった、当面の間、AIがとうてい及ばぬ力を、探究学習では育めるのです。
次に、4,5ページ「Did you know?」を読んでもらいました。「2007年に、アメリカのある教師たちが、生徒たちに現代社会の移り変わりの激しさを実感させ、生き方を考えさせるために作った動画」の一部を紹介する記事です。そこには「2006年にインドの大学を卒業した人の英語を話せる率は100%」「英単語の数は54万語を超え、これはシェイクスピア時代の5倍」といった事実がいくつか紹介されています。ブログ読者の皆様はご存じでしたか?私は知りませんでした。
物知りと思われる人々も、確かに常人よりはるかに知識量は多いかもしれませんが、この世界の全てを考えれば、「知っていることに関して知っているだけ」とも言えます。どれほど多くの知識を持っていても、持っているだけなら電子辞書でいいわけでして、上記の黄色マーカー部分のような力、つまり「探究力」は絶対的に欲しい。しかし、たくさん知っていることは悪いことか。それは違いますね。知っていることは多い方がいい、というのも否定されざる事実。インターネットやSNSによって、かつての世界とは比べ物にならないくらいの膨大な情報の海に、我々人類は泳ぎだしました。この海の旅は、常識情報、不要情報、ゴミ情報や危険情報の中から、「探究」に役立つ「自分の興味にかなう情報」「問題解決に役立つ情報」、お宝情報になりうる情報を探す旅のはずです。
「探究」するために「情報を探す旅」に出るには、道しるべも欲しいところですね。「探究0」の授業でかかげるヒントは「情報リテラシー」と「多角的視点」です。情報リテラシーは予定通り2時間目に紹介するとして、多角的視点というものを、少しだけ体験してもらいました。
「幽霊の存在を論理的に否定してみてください。その際、今まで聞いたことのない理由が大歓迎です。近くの人と話してみましょう」
これは、少し盛り上がりました。本来は「幽霊」という用語の定義も必要なのですが、割愛しました。それはおいおい学んでいただきましょう。
「幽霊は実在するのだろうか」という「問い」に対して、私の「仮説」は「いない」です。個人的にオカルトは決して嫌いではありません。いるならいてもいいと思います。私の母は私が小学2年生の時に亡くなりました。その母の若いころの写真を遺影として仏壇に飾っています。私の娘がようやく言葉を発するようになったころ、誰も教えていないのにこの遺影を見て「おばあちゃん」と言いました。赤ん坊の頃、仰向けに寝ていて、誰もいないところを凝視してケタケタ笑っていた、アレは亡くなった母が遊びにきていたのか…なんて…。しかし、私が自分で考えた大きく3つの根拠は、これまで誰からも聞いたことが無く、「多角的視点」ということにおいて自信があります。生徒たちにごく簡単に披露しましたところ、少しウケました!けっこうとっておきのネタですので、ブログでは秘密です!もちろん、幽霊を検証する書籍があれば出て来るでしょうけど…中学3年生のみなさん!春日部東高校人文科にてお待ちしております!!。まだ時間がとれましたので、もう1ネタ、「タイムマシンやテレポート(瞬間移動)を、同様に論理的に否定してみましょう。」これは本邦初公開!出前授業用のネタとしてまだ磨き中のものです。詳細はやっぱりここでは秘密です!
★2時間目「ワークショップ①」
時間枠はワークショップということにしてありますが、前半は「探究0」の続きです。
①SDGsガイダンス
本校人文科におきましては、一昨年から探究活動にSDGsの視点を導入しています。
こだわりすぎると、せっかく柔軟に探究活動を進めていきたいところ、生徒たちが研究テーマとして日常の疑問をリストアップするのに圧をかけてしまいかねません。ですので、自らかかげた疑問が、SDGs17項目で言うとどれに該当しそうか、はっきり該当したらいいね!モヤッとしか該当しなくても、それはそれでいいのですよ、というレベルにしてあります。とは言え、現代社会、いや世界が抱える問題は視野には入れてほしいですし、逆に現代に生きる者として関心を持たなくていい、ということはありません。初日に是非触れたい話題です。
M(ミレニアム)DGsの段階で問題だった世界の共有度を改善し、「誰も置いていかない」スタンスで「持続可能な開発目標」を国連が2015年にかかげて、8年経ちました。達成目標年は2030年、残り7年です。世界が抱える闇を垣間見てみましょう。
私こと人文科主任が、探究0にてまず提示した問題は、「核」です。理由は、人類(いえ、地球の生態系)滅亡の原因にもっとも近い話題でありながら、実情は特定の場面でしか人々が話題にしないからです。保有国のもつ核兵器はもちろん…威力が広島級の6600倍という水爆すら、かつて大気圏内で爆発実験が行われており、日本ならば4、5発で滅ぼしきれる…核戦争になったら地球はいったいどうなってしまうのか…といったことも心配ですが、何の変哲もなく思える日常生活に深く関わっているのが原発問題です。我が家は映画が大好きで、多種多様な映画を見てきましたが、まずどんな「地球規模の災害パニック映画」や「感染型ゾンビパニック映画」にも、いま現在世界に無数にある原子力発電所がその災害でどうなるのかが描かれていません。現実は、「地下に作ってしまった発電施設に津波が入っただけ」で、福島第一原発のあの惨状です。あの原発の被災炉自体と炉に関わる汚染を完全にナシにするには、はれ物に触るようにして数千年かかる、という表現も見たことがあります。数千年後に日本という国は存在するのでしょうか…
この件は核実験の動画を背後に流しつつ口頭で投げかけるだけにして、つぎにiPadの出番です。次の用語を検索して、少し見てもらいました。ブログ読者の皆様も、よろしければ是非検索してみてください。
◆「温暖化が北極圏を壊していく」
◆「中国河川汚染」(画像検索)・・・おっと!閲覧注意なので生徒のiPadでは見られない!?
(◆時間の関係で割愛したのでブログ用ネタ「プラゴミでできた島を国に?」「ファストファッション/南米、衣類廃棄」)
どれにも、凄まじい情報が見て取れます。それでも、SDGsで掲げる17項目で言えば、環境問題系のいくつかであるだけです(情報が事実かどうかの問題は「情報(メディア)リテラシー」のコーナーで)。また、17項目はそれぞれ単独に存在するわけではなく、ほとんどが相互に関わっていることもポイントですね。
単純に、どうやら私たちの生きる世界は、かつてないほどのとんでもない闇を抱えている、ということが見えてきました。それでも、私たちはこの世界で、存在する今の時間を、そしてこれからを、生きていきます!しかもできれば楽しく!そのために、そして子々孫々が存続していけるように、やっと、やっと世界が手を取り合って現実に目を向け始め、間に合うのかおそばせながらでも一歩踏み出した、その表れがSDGsと言えます。
でも、まだ話題にしなければならない大問題があります!
1つは、そう、新型コロナです。自然が好きで、自然保護に少々偏った感覚を持っていた私などからすれば非常にショッキングなことなのですが、まさか、経済というものが人間にとってこれほどに重要なものだとは…それもこれも、我々が「人間」であるから。価値観の違う相手を否定したくても、その先には戦争しかなく、平和のうちに解決するには、どうにかして全ての人が納得できるようにしなければならない…暮らしが立ち行かないようでは、環境保護どころではない、それではsustainableなdevelopmentはできない…この3年間、それをマザマザと見せつけられました。SDGsの前進にとっては大打撃ですよね。
と思っていたら、2つ目は、ロシアのウクライナ侵攻です。昨年度もこの場で話しましたが、なんとなんとの1年以上続いてしまっている悲劇…教育公務員ですので政治的な意見は申し上げませんが、単純な事実として、やはりこれも大打撃です。歴史の教科書に載るはずの、大型隕石衝突級の事件のダブルパンチ。おおおぉ…、なんということ…
以上、私たちが「今」生きている世界のことです。私は、生徒たちは、皆さまは、どうしましょう/どうしますか?
今、やれること、やるべきことをやる。本校人文科の生徒は、高校生として、春日部東高校人文科生徒として、健全に「探究」活動を進める。そして、その中で進めた研究が、もしも何かの形でSDGsに貢献できたら、それは素晴らしいことですね。はっきりSDGsに分類しにくい、例えば前半に出した「幽霊」のような研究でも、例えばもしも高校で生徒の間で「幽霊騒ぎ」が起こって、それが健全な学校生活に支障をきたすような状況になった時に、思い込みや固定観念の外側から多角的視点で論じた根拠によって、生徒あるいは教育環境に安心材料を提供することになれば、人の役に立ったことになります。最小単位でいけば、研究した内容を誰かが「ふーん、へええ、そうかぁ」と思ってくれたならそれで充分です。探究活動は論文を1本完成させて終わるものではなく、探究マインドを育んで、それをもって、これから各自が歩む人生の中で世界と渡り合っていくためにやるのですから!
②情報(メディア)リテラシー
1時間目に提示した、情報の海をうまく渡っていくためのもう一つの指標です。まずは英語のお話をしました。
◆media (仲介)マスメディア、マスコミ
※mass 塊、大量の~
◆literacy 読み書き能力
◆派生語:literal文字通りの literally文字通りに
literary文学の literarily文学的には
literature文学 etc
…出所はコトバンクのブリタニカ国際大百科事典 小項目事典より、「メディアリテラシー」の解説です。
◆メディアリテラシー media literacy : メディアの特性を理解して使いこなす複合的な能力。(中略)情報がもたらす影響を予測する能力,双方向コミュニケーションにおけるいろいろなトラブルを処理・回避する能力などである。(後略)(是非、検索してみてください)
…世の中に溢れる情報は、全て元は誰かが発信したものであり、「誰か」が人間である以上、発信された情報には「間違い」や「悪意」は必ず存在し得ます。今回のウクライナの件で、「プロパガンダ」という用語も頻繁に耳にするようになりました。また当然、情報を受け止める側にも「間違い」や「悪意」は存在し得ます。「炎上」というワードもすっかり新しい用語という感じはしなくなりました。
ちょうど、SDGsの時間に検索してもらった「温暖化が北極圏を壊していく」ですが、これで共有したあるサイトは海外のビジネスマン向けのもので、非常に「ちゃんとした」サイトに思えます。ところが、そこにある1つの情報に、
◆グリーンランドと北極の氷床を合わせると、地球上の真水の99%以上を占める。
という一節があるのですが、私の認識では、北極の氷は海水を多く含む氷で、南極の氷は大陸に乗った真水の氷、のはずです。これはどういうことでしょうか。このサイトを日本語に翻訳する係が、ArcticとAntarcticaを間違えて翻訳したのか、それともこの一節自体が「間違い」なのか、「私が間違っている」のか。
こういったことはしょっちゅうあります。私は自分の興味関心から生物系の情報を頻繁に検索・閲覧しますが、そこら辺の方々がほいほい自由にアップした個人的なサイトは、はっきり言って間違いだらけです!その上、由緒正しそうでも、例えば各新聞社には各新聞社の、各放送局には各放送局の「カラー」や主義・方向性があります。政府には政府の、そして私にも「春日部東高校人文科に前向きな興味を持った中学3年生が大勢受験しに来て倍率を争ってほしい」という意図がありますあしからず。受け止める側は、誰がどこで発信した情報で、それをどこまで信用するのか、特に探究活動においては気を付けたいところです。
そこで、入学当初に生徒たちに注意ですが、メディアリテラシーの一環で、情報はできるだけちゃんとした書籍から得るようにしてほしいと思います。情報発信元があやふやな雑誌類や、不特定多数が上書き可能な「まとめサイト」等は、探究活動においては信頼度が低いのです。
③「じんぶんしんぶん」作成に向けて
ここからワークショップの導入部分です。
「じんぶんしんぶん」とは、ここ数年、人文科で壁新聞を作成する際に使っている仮名称です。授業では過去に先輩たちが作成した実例をいくつか示しました。班ごとに新聞名はパンチやユーモアを利かせます。
始めに、人文科探究初回で壁新聞を作る意味を紹介します。大きく2つ述べました。
1つ目は、自分たちで記事集めから編集会議を経て新聞を作成することで、作り手側の意図が分かるようになり、そうなれば読み手として能動的・客観的に新聞を読めるようになる、です。
もう1つは、テキスト「学びの技」の8ページから。そこには「探究学習のステップ」が円状の図になっているのですが、ここでは箇条書きにて紹介します。
New
→ 周辺知識を得る (好奇心を持つ。興味深いアイディアを発見する。)
→ 議論(問い)を決める (多角的に見る。)
→ 情報を収集する (重要な情報をさらに集める。)
→ 情報を取捨選択する (不要な情報は捨てる。)
→ 論理的にまとめる (集めた情報を意味付ける。)
→ 発表する (学びを共有する。)
→ 評価する (最終成果と探究過程を振り返る。)
→ Next (次の研究へ)
…壁新聞作りは、2年間かけて大きく一巡する予定のこの流れを、ダイジェスト版で体験できるのです。
「なので、3時間目から5時間目にかけてやるワークショップ「じんぶんしんぶん」作りは、そのつもりでやってください。」
ここで、新聞の豆知識を紹介しました。
・読売新聞の「読み」「売り」という呼称の由来は?(江戸時代のかわら版の売り方から・・・)
・新聞社は1日にどのくらいの紙を使っている?(地球を1週するにちかいくらい・・・)
・なぜ新聞の切断辺はギザギザなのか(極めて短時間に厚みのある紙束を一発できれいに切断したい・・・)
この辺りで、さすがに班を作った方が説明しやすくなりますので、4人1組で10班、班を作りました。5時間目までは班活動になります。
各班に同じ日付の新聞4社分を配布し(春日部東では全教室に毎日4社分の新聞が配られますので、予約の上、主に1、2年生の教室から前日分をいただくのです )、その中から私のほうで1社選び、各班でそれを中央に置き、全員で共有しました。そして、1面から注意深く、全体の構成や記事以外の記載情報、記事が下段に飛ぶ際の書式などを、改めて観察してみました。せっかくですから、「号数を365で割ると、だいたい何年くらい続いている新聞かわかる」ことや、「なぜ3面が社会面であるのか」「全く同じ日付・時間の新聞でも、工場で膨大な部数を刷っている間に新しい情報が追加されるので、版数を見ると何回情報が刷新されたかわかる。初回が12版となっているので、14版であれば同じ新聞でもすでに2回情報が新しくなっていることがわかる」などの豆知識も紹介しました。
最後に10分ほどとれましたので、各班で1人1部新聞をとり、じっくり見てもらいました。特定の記事に入り込んでいくのも構いませんが、まずは「全体のレイアウト」「サブタイトルの様子」「欄外の細かい情報」「広告の入り方」など、それこそ「多角的視点」で見て欲しい所です。
…主任の出番はここまでです。3時間目からは、いよいよ担任のY教諭の登場です。
★3時間目~5時間目「ワークショップ②③④ じんぶんしんぶん作り」
本校勤務2年目のY教諭、今年度私が声掛けが遅れて、かなり短時間でセミナーの授業の準備をするはめになってしまったのですが、巧みにモチベーション作りから考えてきてくれました。
後で問い合わせたところ、厚労省で出している情報から、とのことでした。
「企業が求める力」
生徒に聞いたところ、「発想力」や、中には「企業の犬をやる力?」のような面白い回答まで出ましたが、
1位:コミュニケーション力
2位:基礎学力
3位:責任感
4位:積極性・外向性
5位:資格
6位:行動力、実行力
とのことでした。これから、せっかくグループで学習活動をするのだから、これらの中の特に1位のコミュニケーション力や4位の積極性・外向性などを、是非発揮して頑張ろう、とのことでした。
また、AIは「質問に答えてくれる」が、「問いを考えることはできない」…なるほど!ということことから、探究を頑張ろう、と。
ここで、ここから3時間かけてやる壁新聞作りの流れをざっと紹介します。
①まず各自で自分の興味のある記事を探して切り取る。
②SDGsに関連があればSDGs付箋、関連が良く分からなければ普通の付箋を貼り、コメントを記入する。
③次に、班内で自分の選んだ記事についてミニプレゼンをし合う。
④編集会議を開き、班ごとの壁新聞の名称を決める。
⑤自分たちの新聞の方向性も含めて、各自が選んだ記事のどれを採用するか話し合う。
⑥掲載する記事が決定したら、各自が納得できるように全体のレイアウトを決める。
⑦実際に糊付けする。
⑧仕上げに、模様や写真、ロゴ、コメント、追加記事などを加えて充実させる。
⑨班内で壁新聞のプレゼン練習をし、他班へ発表する際の主旨を共有する。
⑩担任のタイムキープと全体4回のローテーションで全員が1回ポスター発表する。
⑪プレゼンを聞いたり、やったりした反省点や気づいた点を振り返りシートに記録する。
…ところどころに入るアドバイスも含め、ツボをおさえた明確な説明のお陰で、生徒たちは初めての活動をスムーズに行えました。発表に際してはテキスト「学びの技」にて「ポスター発表(ここで採用している発表会の形式名)」の上手なやり方・受け方をさらい、また生徒たちの積極性や元気の良さも相まって、今回のプレゼンも非常にうまくいったように感じました。発表が聞き取りにくい場合に、口頭で言わなくても聴衆がちらっと提示して発表者が気が付いて改善できるようにと準備した「聞こえません棒」というツールも、一応今年も全員に持たせたのですが、それを使う場面は見受けませんでした。
まずは、各自、興味のある記事を探します。せっかくなので、SDGsの視点で探してみよう、とのこと。
次に、班内で自分の選んだ記事をプレゼンし合います。
・・・もう、この段階でとっくに活発です!いい!
編集会議の様子です。活動の最も本体ともいえる部分、コマ送り的に全体が進んでいくさまが分かるよう、写真を沢山用意しました。次の区切りまで流してみてください。
お昼休みを挟んで5時間目、いよいよプレゼンタイム。
まずは「学びの技」にて、プレゼンの流儀や目的についてさらいます。
「本番」では、孤独に班員から離れ、1人で他班の人に向けて自分たちが作った新聞について発表します。その前に、まずは班内で、自分たちの壁新聞のプレゼン練習をします。
班ごとに新聞の主旨や限られた時間で紹介する内容の共有をしました。
そして、いよいよ他班の人の前で、自分の班で作った壁新聞をプレゼンします。各班、4人いますので、発表ローテーションは4回。発表の番が来たら、自分の班の新聞が掲示してある場所へ戻ります。一方、聞く側は、同じ班の発表の番の者をのぞく3人でまとまって、ローテーションごとに左隣の班の発表を聞くために移動していきます。発表を聞きながら、振り返りシートを持参して、「気になった記事、発表者の意見、自分の感想」を記入していきます。
ここでちょっと裏方の様子。この後の6時間目OBOG講演会に向け、30分程度前には講師の卒業生たちがこうして控室に集合しています。私のクラスから卒業したメンバー達!私はセミナー会場とここを行ったり来たりしましたが、彼らは始めは懐かしく近況報告など楽しんでいました。出番が近づくにつれ、なんだか緊張してきた??
佳境の新聞プレゼンに戻りましょう。
昨年度、人文科フェアにて「うちの子に発表なんてできるのだろうか」と大変ご心配なさっていた保護者の方がいらっしゃいましたが、まさに心配ご無用です!大丈夫です!始めからみんな立派な事!
…こうして、3時間分の「じんぶんしんぶん作り」は大成功でした。さあ、2年間、探究活動をおおいに楽しもう!
★6時間目「OGOB講演会」
最後は恒例の「人文科卒業生のお話を聞く」時間です。
今年は、Aさん、Bさん、C君、D君の4名が参加してくださいました。
4人とも、ちょうど1年前、私のクラスを卒業した大学2年生です。皆様、初回授業の時期で条件の厳しい中、ご参加くださいました。皆、もう高校生が私服を着ているのとはまるで異なる大人ぶりでした。私事ですが、こうした生徒さんたちの卒業後の成長ぶりに触れられるのが、この職業の醍醐味の1つでございます。
4人の先輩方にはまず、現在の大学生活の様子を紹介していただきました。それから、高校時代にやっておけばよかったこと、また「人文科あるある」などアドバイスをいただきました。
「暗記物は1年生からやっておくべき」
「何を勉強するか迷ったら英単語」
「隙間時間の活用」
「部活は最後まで頑張ろう」
「探究のネタは常にストックしよう」
「考え付いた事をメモする習慣を」
「考えることをやめないで」
「お手元の『学びの技』は、大学に行っても使えます、人文科探究が終わっても捨てない方がいい」
今年の4名も、話してくれた内容は極めて貴重で、もと担任としては本当にいいクラスに恵まれたなとあらためて実感した次第です。一般の講演会講師と主催者も同じでしょうが、こういった行事ですから、事前にあまり「あれは是非言ってくれ」「あれは言うな、これも言うな」というふうに仕込むべきではないですし、いざ会が始まってしまえば、話し中の方を遮るのも、聴衆からしたら恣意的に感じられてしまいますし。それでも招待した講演者を信頼して現場に臨むわけですが、何と言いますか、言葉に直してしまうとどうしても多少の語弊はあると思いますが、「期待以上」の内容でした(それも言ってくれるのか!それもその形で話題にしてくれるのか!願ったりかなったり)!彼ら卒業生の後輩を面倒見ていく現場にとりまして、誠に有難い、力のある内容でした。『『そうだよ!そうだよね!その通り!そうなんだよ1年生!』』感謝です。皆さん、どんどん成長して立派になっていきますね!とても感慨深かったです。
毎年のことですが、卒業生の言葉には、同じような当たり前のコメントでも、我々教職員とはまた違う重みと実感があり、当然ながら現役生は食いつきます。大変有意義な1コマとなりました。号令とお礼の挨拶ののち、私が先輩たちを控室に誘導し、生徒たちは時間まで1日の感想・反省を入力し、今年度のスプリングセミナーは幕を閉じました。主任も担任もホっとしました。
ダソクですが、生徒が1年9組に移動した後、卒業生にはここL.L.教室の片づけを手伝っていただきました。前日に仕込んでおいた新聞掲示用のマグネットやら、セミナーのロゴやら、工作道具、プレゼン道具などを集めて、一緒に人文科資料室に運んでいただきました。(こういう状況がもうウレシイ。)
卒業生が「先生も入れて集合写真を撮りましょう」とまた嬉しい提案をしてくれたので、お手すきの職員が近くを通りかかるまで、しばしおしゃべりタイム。数日前の人文科対面式で使用したトークリンクカードについて話題にして懐かしんでいましたので、さっそく1セット出してあげると、なんとその場で4人でやり始めました。間もなくシャッターを押していただける先生をつかまえてお願いし、幸せなひと時も無事終了しました。
4月18日(火)人文科対面式
4月18日(火)人文科対面式!
時間帯としましては、「人文科探究」の授業がある7時間目。昨年度から東高のカリキュラムが少し変わり、今年は普通科も1、2年生については、火曜日の7時間目は授業があります。普通科が通常授業をしているところですが、人文科は楽しいレクリエーション的な時間になりました。
対面式と言いましても、昔は本当にいわゆる対面式の形だったそうですが、私が転勤してきた頃からは、アイスブレイキングアクティビティーを実施しております。その名も
「じんぶんとーくりんく」!
ただ、例年、各種挨拶の後、突然ゲームを始めて、終わった班から自己紹介+雑談、となっていましたが、今回は改善しまして、先に班内で自己紹介をしっかり済ませてもらいました。その際、先輩は一言だけ後輩にメッセージを伝え、1年生は1問だけ質問をするようにしてもらいました。それが済めば、いよいよトークリンクです。
1年生、2年生、3年生それぞれ2名程度からなる班を18班作り、班活動でゲームを行います。各班のテーブル中央に、裏に質問の書かれたカードを積み、順番を決めて1枚ずつめくり、めくった者は左隣の人に裏に書かれた質問をして、聞かれた人は答えを班内に発表していきます。ルールはそれだけなのですが、質問内容は…
●今、思いつく四字熟語を言ってください!
●最近、ちょっとうれしかったことはなんですか?
●春日部東高校のマスコットキャラクターの名前はなんですか?
●左となりの人を3つほめてください!
●3つ前の質問と答えは何でしたか?
…といった、回答者が即答しにくく、かつ答えられた内容や答えにくい状況自体を楽しめるゲームなのです。
人文科は普通科よりも先輩後輩が交流する場面が多いので、その第1弾となります。
会場につきまして。コロナ前は、食堂を借り切って120人を1部屋にいれて行っていましたが、コロナ禍のここ数年では密をさけるため、人文科フロアである本校3階にて4部屋に分かれての実施となっておりました。今回、アフターコロナの試みで、久方ぶりに1会場で実施してみました。ただし、食堂は実は柱の位置の関係で「全員が必ず見えるスポット」というのがほぼ無く、かつ未だ椅子が「対面で食事できぬよう」テーブルの片側にしかありません。食堂はサイズ以外の使い勝手は良くはない、その一方で、コロナ禍の間に校内の環境も様々変化/進化しました。例えばL.L.教室(リスニング・ラボラトリー、つまり英語のリスニングに特化した、アナログ機材が床に据え付けられた部屋)は、L.L.機材が撤去され、代わりに折り畳み式のキャスター付き長机が大量に入り、また教室後ろの壁が上下左右めいっぱいホワイトボードに変わりました。この新しいL.L.教室であれば、3クラス分の人数がなんとか入ります。換気の徹底と、予め「心配な生徒はマスクを持参」と周知して、今回はここL.L.教室にて実施しました。
①まずは主任こと私からご挨拶させていただきました。
『人文科はせっかく「部活でなくても先輩後輩と交流がある」環境であり、普通科と違って「常に先輩後輩が同じ階にいてすれ違う」ので、1年生は是非、先輩に挨拶をしましょう。挨拶は自分の問題なので、相手が返してくれなくてもいいのです、すべき自分はした、でいいじゃないですか。そして先輩は、せっかく後輩が「ハヨザイマス」「チハス」と挨拶してきたなら、返してあげましょう。優しく。』
②次に、3年生から代表のご挨拶です。
今年も代表者は2名での登場。司会と挨拶用の代表者という設定だったのですが、ペアで出てきてもいいじゃないですか。この程度の行事ですと練習も何もありません、こういった係になる3年生には、直前の昼休みに呼び出して、出番の説明と「よろしくね」としか伝えていませんでしたが、ぶっつけ本番でも、まあきっちりキメてくれること!流石3年生です。なんだか短時間でシナリオを考えてくれたようで、なんとも会場がいい雰囲気になりました。ありがとう&お疲れ様でした!
③ここでいよいよ「とーくりんく」の開始です。2年生の代表に出てきてもらい、初めての1年生に分かるようにゲームの説明をしてもらいました。(去年は司会の生徒の写真を取り損ねましたが、今年はゲームの説明の2年生の画像がない!なんと!ごめんなさいT君!)さあ、開始です。
全体はこんな感じでした。
各班の様子です。
各班、積まれたカードが無くなるまで、ゲームを続けます。それぞれの回答に追加で質問したりコメントしたりと、うまく場を盛り上げて、だいたい各班20分かからないくらいでカードの山は無くなりましたでしょうか。その先は、時間まで自己紹介の続きを詳しくやり直したり、先輩が人文科のことを楽しく紹介したりと、上手に時間を使い切ります。シーンとなる班は1つもありません!ちょっと面白そうという意味で気になったのが、ある班で先輩の女子たちが、明らかに我々職員を順々に見ながら、何やらにやにや楽しそうに後輩に話しているではないですか。我慢できずに、私もにたにたと班まで出向いて、「ナニナニ?何話しているの???楽しそうなんだけど」と。はぐらかされましたが、いいですねこういうの!
冒頭の自己紹介がさっくり済み、そこからトークリンクが30分ほどあり、始めはちょっと間延びするかなー…と思ったのですが、生徒たちは全班とも最後まで楽しそうで、なんだかんだとあっという間に終わりの時間。
④1年生の代表にご挨拶をもらいます。
早速、クラスでの出来事などふわっと挨拶に組み込んで、会場の笑い?を誘いました。1年生のこれからの活躍も楽しみですね!
今年度も多々あるであろう、様々な山も谷もしっかり乗り越えて、生徒の皆さんには、ここ人文科で、あってよかったと思える時間を過ごしてもらいたいです。
入学式!
4月10日(月)入学式!
ブログをご覧の皆様、今年度もよろしくお願いします、人文科主任2年目の松本です。
年度の始めは入学式!コロナもなんだか収まってきたようですし、人文科新入生も40名で始まります。従来の活動、いえ、慌てずも従来以上に盛り上がって、学習活動を展開していいければと思います。
午前中、新3年生、新2年生と職員とで始業式を済ませました。新たに転入してきた職員や学年団の紹介等がありました。そして全員多忙の極み?のまま、午後の入学式へ。
続々と集合する新入生と保護者の皆様。正門付近で大切な記念撮影をされる方も大勢いらっしゃいました。受け付けは生徒玄関。保護者の方々お2人来ていただけるようになりましたので、場所が体育館内から移動となりました。
もうすぐ開式です。ほんの少し前に、3年生が感動的に巣立っていったその同じ場所で、新たに一期一会が始まりますね。入学式では、人文科主任はなぜか?職員席の前列に席があります。管理職と学年主任の隣。撮影はひとまず式開始の少し前までで、いったん休止になります。
人文科は9組ですので会場の左端の4列。新しいメンバー見参。マスクは、どちらでもいいのですが、まだほぼ全員しています。
反対側から望遠で。着席しているのが教頭と事務長で、他が担任団です。右端が若きエースの新1年学年主任。ワタシはこの後、彼の隣へ座ります。
開始前、ラスト1枚、ステージの様子です。
・・・・・
滞りなく入学式が終わりました。入学式は、卒業式に比べて事務的要素も加わりますので、式典終了後には1年生の学年団が紹介されました。正担任が1組から9組まで。次の写真で中央で1歩前に歩み出ているのが、我らが人文科9組担任のY教諭です。国語科のイケメン。
副担任も1組から9組まで。一番手前でピッと礼をしているのが9組副担任M教諭。普通科の3年生を卒業させたばかりの、国語科のイケメン。
さて、入学式の日は、夕方までまだまだ忙しい日程が続きます。生徒はHRへ。
出るときは9組が最初。退場は巣立ちの退場ではなく、始まりの退場ですね。
生徒のHRでは、担任副担任の簡単な自己紹介もありました。私もお呼ばれしまして、人文科主任として一言歓迎と励ましを述べました。書類回収など、煩雑な事務作業もありました。
また、生徒が解散した後で、保護者の皆様と担任との懇談の時間が短時間あったのですが、前年度同様、ここは実は是非にと、予め相談の上、出番をいただいてお時間を頂戴しました。保護者の皆様がPTA入会関係を終えてHRに集合されたところで、人文科主任から保護者の皆様にお願いしたいことなど、時間のないところで最低限になってはしまいますが、お話させていただきました。
新入生の皆さん、保護者の皆様、皆さまがここ春日部東高校人文科で過ごされる3年間が有意義であることを、切に願っております!ご入学、おめでとうございます!