2022年6月の記事一覧
6月20日 文化祭に向けてミーティング
「広報」ということで、ブログ更新を頑張りながら、「いったいどなたか、コレ見ている人はいるのだろうか」という思いも持っておりましたが、ひょんなことから「在校生の保護者の方で楽しみにしている方がいらっしゃる」ことが分かり、大変嬉しく思いました!有難いことです。何人いらっしゃるか分からず大変申し訳ありませんが、読者の皆様、今後とも、よろしくお願いします!
さて、私が生物部の顧問になって、3年が過ぎ、4年目が始まっています。
1年目:部員数2名・・・3年生1名(5月くらいに希望して引退)、1年生1名(A君!)
※文化祭:展示・ふれあい体験・餌やり体験・販売・我が家のペット写真コンテスト
2年目:部員数3名・・・2年生1名、2学期後半から1年生女子2名兼部で入部(BさんCさん)
※2月末からコロナ禍、6月まで休校
※文化祭:中止
3年目:上記部員+1年生6名入部(1名3月で退部)
※文化祭:(コロナ禍継続、クラスは全て事前に動画を作成、本番は教室にてこれの視聴、文化部のみ展示あり。出席番号奇数偶数分けによるAMPM分散登校での文化祭運営/参加…という条件でしたので、→)展示のみ ー 生物室内を巨大な進化の系統樹にみたて、飼育栽培動植物を系統樹の先端に配置
…今年、新生生物部としまして初めて、本来あるべき「生徒が自分で考えて作る文化祭」に挑戦します。
文化祭に向けて話し合い
いつも、部員たちは来るとかなり広めに机を使います。今回は活発な意見交換を狙って、一通り世話の作業が終わった後、教室前方中央に寄って2人組で着席してもらいました。文化祭といっても現部員は従来の形を一度も見たことがありません。気を付けて進めたいところです。
★運営面:委員会、部活、クラスと3つの所属団体の責任の兼ね合いについても未体験です。やりたいことと部員数、バランスよく設定しなければなりません。
★準備:やりたいことを考えたら、それを実現するための材料、道具、作り方や手間、購入先や購入方法等も具体的に考えねばなりません。
★展示:考えようですが本来中心にあるべき???個人研究は、結局本格的に始められていません。かといって普段展示されている動植物をそのまま見せても、文化祭の展示というには弱いです。過去2回の文化祭での様子をプロジェクターで投映して、生物室の使い方についてイメージを沸かせてもらいました。
一通り条件等を説明したら、時間を取り、2人組で話し合ってもらいました。かなり活発に案を出し合い始めて、いい雰囲気でした。
部長さんに話し合いにて部長らしい動きをしてもらうのも、実は現生物部にとりまして初めてです。前に出てもらい、皆の意見をまとめてもらいました。
今年度、県内で出ました「文化祭を一般公開に戻してほしい」議論ですが、恐らく各校でどうするか判断の最中ではないかと思います。本校も、元々今年度は校内公開で決まっており、まだ一般公開に踏み切るという判断には至っておりません。どちらになりましても一職員としましては前向きに受け止めていくべきですが、文化祭の出展の方向性を左右する条件ですので、どうなるかやきもきしています。部員たちから出た次のアイディアですが、どちらの公開形式になろうとも、彼らがやりがいと達成感を味わえるよう考えていければと思います。
★学校を中心とした大きな地図に用水路などを示し、各ポイントで採集できた魚などを地図上のポイント付近に展示し、そのまま販売もする
★魚すくい・・・採集した淡水魚で金魚すくい的なゲームをお客様に楽しんでいただく
★四つ葉探し・・・前回の活動からのアイディアですね。四葉の出る株を栽培し、お客様に株の中から四つ葉をみつけていただく
★競虫・・・何か一方向に短時間である程度走るタイプの虫を選び、コースを作って、お客様に自分の持ち虫を選んでいただいて競争させる(現段階では冗談半分????でゴキブリという案がby顧問)
これらイベントを開催しつつ、部屋いっぱいに生物を展示するイメージです。さあ、この部活も新しいフェーズに入れるでしょうか、お楽しみに!です。
今回はミーティングのレポートで写真がありませんので、ついでに、3項目つけ足します。
●オオハンゲ展示
前回のムサシアブミに続き第2弾、サトイモ科の面白い植物の展示です。
無事花が咲いたので、展示開始です。といってもサトイモ科あるあるで、花が咲いたと言っても花は見えず、「仏炎苞」と「付属体」しか見えませんが。
葉が破れているのは、あの雹の被害です。
花穂の拡大↓。棒のような「付属体」の下の方を「苞」が筒のように包んでいます。
この筒部分の中で、外から見えない範囲でですが、隠れた付属体の上半分に雄花、下半分に雌花が密集してついています。
●アマガエルオタマジャクシのカエル化 途中経過
全体で2~3匹亡くなりましたが、全体的には順調に管理できています。不思議なことに成体にかわる順番は大きさ順とは限らないようです。前回の「形がちがうオタマが混ざっている」件は、残念ながらどういうことか分かりません。
カップに担当生徒名が書いてありますので、自分の担任する生徒のカエルが成長するのを楽しみにここを通りかかる先生もでてきて、有難く思います。
まだ尾が半分残っている個体。口の形はだいぶ成体に近づいています。
尾が1/3残る個体と、形は完全に成体になった個体。
当初危ぶんだ「登れるところがなくて溺れる」という状況は、今のところ起こっていません。
幼体は体が小さいから水分による吸着力も高くてプラスチック壁に取り付きやすいのかもしれません。これがヌマガエルか何かだと、指に吸盤は無いし、体は大きくて丸いし、頭部の形状もよりとんがった感じで、水中から垂直ですべすべな壁にとりつくのは困難でしょう。大きなアマガエルの場合も、吸盤があったとしても、危ないと思います。
●カブトエビ!
本校近くの「牛島球場」の裏手、幸松公民館の先の田んぼに、カブトエビが発生しているのをみつけました。
前回、オタマジャクシの時に生徒が大きなカブトエビを捕まえた田んぼは、その後なんども見つけにでかけましたが、次の個体が見つかりませんでした。もしかしたら、あの雹の影響でもあったのでしょうか・・・
本日、たまたま用があって通りかかった田んぼで、かなりの数のカブトエビが活発に活動しているのを発見。案の定ですが、次の写真でいうと最も下段の田と、中段の田にしか発生していません。一番奥の田にはいませんでした。
カブトガニはクモに近い系統、このカブトエビはミジンコに近い系統の生き物です。
カブトエビは田んぼの水底をかき回し、水を濁らせるので、余計な水草の成長を抑え、農家の方にはありがたい生き物のようです。
水中で背面泳ぎで水面下の餌を食べるようです。キモチワルイかもしれませんが。
機動力もなく、田の縁にもふんだんにいるので、ものの数分で十数匹取れました。もういいか。
4匹をアマガエルの横に展示。残りは「エビ水槽」に入れました。
ここで驚きの誤算!前回の大きなカブトエビはここでかなり長い時間、元気に動き回って生きましたが、今回、小さいカブトエビがなんとスジエビの餌食に!えええ、スジエビの分際で?いえ、確かに肉食ですし、小さなはさみ脚で捕まえられる範囲の稚魚などは食べてしまうことは知っていますが、スジエビにとってカブトエビは固そうで食べそうに思えませんでしたので・・・一番大きなスジエビ2~3匹に、カブトエビ2~3匹が食べられてしまいました。
6月13日(月)フィールドワーク 「倉松公園散策」
春日部東高校のすぐ周辺は、生態系の多様さは残念ながら高いとは感じられません。確かに古利根川や大きめの公園はありますが、ここで私がこう言う根拠は、単純にどんな地理的環境があるかではなく、これまで私が生きてきて常に身の回りの自然を観察し続けてきた上での感想です。
初めて、私が「ここは自然が多様だ」と感じる条件を文面でまとめてみました。
①見つけられる動植物の顔ぶれ、特に「おおっ!コレがいたか!」という事があるか
②どれくらい生き物がしたたかに我々のインフラの隙間に入り込んでいるか
③同じ種でもどのくらい元気に繁栄しているか(在来種基準)
④人が手を付けた環境の中でどのくらい本来の野生と思われる様子が見られるか
・・・特に①において、勤務地だけで比較して面白いと思える事例※を挙げますと・・・
※ここで面白いに含めないのはどこでも共通して見られた魚類や昆虫類などです。それらが面白くないわけではないですよ。前回のオオミズアオは全てで見られましたので、含めません。
●私の初任校であるK市のとある工業高校の周辺は、完全な市街地、繁華街、あるいは工業地帯で、自然という概念で捉えられる環境は皆無に等しい所であるにもかかわらず、左右は全て道路等に囲われた3面張りの幅1mのとある用水で「ボラ稚魚、ウグイ、テナガエビ、スッポン」等が取れました。またグラウンドの端を手のひらサイズのモクズガニが歩いていた、という同僚の目撃談がありました。また近隣のとある元女子高前の護岸された川にはクロベンケイガニがたくさんいました。
●私の2校目の勤務校であるS市の田園と丘陵の境目にある普通高校では、近隣の田んぼ地帯にほんの30mくらいでしたがカワニナがいる用水路がありました。また近隣の公園では、時期さえ押さえればカブトムシの幼虫が「無限に」掘り出せました。駐車場でアカスジキンカメムシ(日本で3番目に美しい?カメムシ)も見られました。
●3校目の勤務校である、隣町のある普通高校では、周辺が田園地帯で、敷地内外で「この虫、生まれて初めて見た(希少種とは限りませんが)」というケースが目立ちました。ウバタマムシ、マイコアカネ、ハッカハムシ、キマダラミヤマカミキリ、トラハナムグリ、ウマノオバチ、セイボウ・・・また見たことがある回数が極端に少ないチョウトンボ、コカブトムシ、ベッコウガガンボ、習性上見かけにくいタマムシ、今どき多くはないクロカナブン、また鳥ですがカワセミ、オナガ、メジロが比較的よくみられ、ハイタカが不時着して町に保護を依頼したことも。植え込みにはマツバランが生えていて驚きました。グラウンド角あたりの用水にはイシガイ(淡水2枚貝)もいるようでした(殻はふんだんに見つかる)。あえて付け加えますが、このあたりの用水数本には、「物凄く大きなマッカチン(アメリカザリガニ)」も、よくいました。それこそ、通りかかるとどうしても捕まえたくなるくらいの、個人的過去最大級の個体たちです。
●そしてこの春日部東高校周辺では、4年間でライギョ、カワセミ、モクズガニ、「コガネムシ※」。う~む、まだ少ない!
※コガネムシ:是非検索してみてください。「〇×コガネ」といったコガネムシ科の有象無象は平素より無数にいます。アオドウガネ、クロコガネ、セマダラコガネ、サクラコガネあたりを中心に。しかし、日本語の学名「コガネムシ」は実は近年はわりと希少種になります。ツヤツヤ度(金属光沢度)がすごい!春日部東では、3回ほど灯火に飛来しましたが、うち1匹はなんと赤化個体でした!そういえば、有象無象に入るべきヒメコガネとマメコガネ(海外で外来種Japanese Beetleとして猛威を振るっている)は、いつのまにか激減しましたね。大丈夫でしょうか。
江戸川は生徒を連れて自転車で行くには少々遠すぎて、実現するなら夏休みになります。江戸川での経験を含めてよければ、この4年間で見ためぼしい動物はシロスジカミキリ、ニホントカゲ、ノウサギ、そしてなんとキツネ!しかし江戸川は職場から離れすぎていて、勤務地で比較するには条件外になりますね・・・ということで、この春日部東周辺はあまり多様とは思えないのです。
それはしかし、生徒にとってもそうかというと、まだまだそんなことはありませんね。「生徒にとっての新しい発見」に結びつくように顧問が場を設けられれば、それは嬉しいことですし。なにより、これまでの職場と違って、春日部東では「生物部」があり、「そこの顧問を私がやらせていただいている」ということが大きなこと!今日も、彼らにとっての「まだ見ぬ発見」を求めて、あわよくば自分にとっての新しい発見にも期待して、自然を見にでかけましょうか!
「倉松公園」
学校から自転車で3分(by Google)の、ごく普通のいわゆる「公園」です。近いのですが、実は生物部としては初めて訪れます。「今回、下調べはしていないので、3チームくらいに分かれて、何かしら見つけてみましょう。発見したものがめぼしければ、皆で共有しましょう。」捕獲具は無理にもっていかないことにしました。
3年生で部長のCさんと副部長のBさんが引退し、新部長さんになったD君。D君だけ部活の部長として文化祭関係の集まりがあって、部活への出席が遅くなりそうでしたので、部員たちには先に指示だけ出して公園に向かってもらい、顧問が部長を待ちました。
↓待っている間に生物室から望遠で撮った部員たち。ちゃんと並走しないで公園に到着しましたね。
まずは公園脇にある川?池?ここの水は汚いのですが、晴れの日は外来種のアカミミガメが多数、いつもうろこ状に連なって日光浴をしています。今日は夕方まで暑いと思ったら、この時間、曇って風も出てきました。部員が水中にカメを複数発見。写真は今年生まれた稚亀ですね。
池を離れて、木々に挟まれた遊歩道へ。動機付けでクワガタ解禁の話をしました。
「そういえば今日の朝、職員玄関で今年一番のコクワガタがカラスに食われていたよ。もう活動を始めている時期だね。」
「うおおお、じゃあつかまえよう」
「クヌギ等の木がないと。樹液が出ていないと。」
・・・からの、樹形や葉の感じから樹種を判別する話へ。
下の↓、「今年一番クワガタ」の証拠画像は、ブログのここに載せようと思いついて、フィールドワークから戻ってから撮影したものです。死骸は朝と同じ場所にまだありました。撮影のために脚は拾い集めました。
春日部東では職員玄関の灯火に飛来する大きめの虫はことごとくカラス?に食われてしまい、生きた状態でなかなか残りません。朝やる「灯火採集」も楽しい虫取り方法の1つなので、残念です。
私は、ちらばった食べ残しから、それが脚や翅の一部であってもだいたい 何の虫か分かりますので、いい虫の犠牲が分かってしまうとちょぴり悲しいです。
画像はありませんが、ツツジの植え込みにハバチ(幼虫が蛾の芋虫みたいに葉を食べる原始的なハチの仲間)の幼虫や、植え込みの上に棚状の不規則網を広げるタナアミグモの仲間などを見つけて観察しました。
公園の中央に水の枯れた人工池?がありました。見ると2か所だけ浅く水が残っています。
よ~く見ると、色々います。ホウネンエビ!他、アメンボ等の水面/水棲昆虫。
動き始めから合流できた新部長D君が、ガムシの仲間?も捕まえました。
1年生女子Kさんが、ショウリョウバッタの幼虫を捕まえました。よくみるとたくさんいます。
新部長D君がクビキリギス♀を捕獲。1匹生物室で飼っていますが、餌やりを失念しがち。この個体は卵ももっていそうですので「逃がそうか。」
シロツメクサ(クローバー)の四葉について紹介しました。
「実は、四葉等の変わり葉の出やすさは、株によります。出ない株は出ない。出る株は高確率で複数出ます。」
例になる株をみつけました。この株から四つ葉が4~5本取れましたが、写真に写っているのはギリギリ2枚?
中央ちょい右の黄緑色のと、下辺ギリギリ、左角から1/4あたりのものと。
2年E君が見つけるのがうまく、5つ葉もみつけました。
こうなると、宝探し状態で、本来興味もそれほどあったわけではない者もみんなはいつくばって探し始めます。人間観察も面白い?!
シロツメクサはマメ科の植物ですから「奇数羽状複葉」が基本です。本来、四葉はイレギュラー、5つ葉、7つ葉が「筋」です。何かで読んだことがありますが、世界記録は三十何枚?こうなると恐らくもう葉柄から複数合着した奇形でしょう。
公園などで、株ごとに四葉があるかないかを調べ、「〇ふだ」「×ふだ」を立てていき、そのエリアで「〇ふだ」がいくつどのように存在するかを調べる調査、というメニューはずっと温めているのですが、ひょんなことからプレができました。
昔、それこそ顧問が高校生のころ、家の隣の公園で3.5葉、四つ葉、4.5葉、五つ葉、六つ葉を大量に集めて窓辺で水に差しておいたところ、根がでたのを思い出しE君にいうと、やってみるというので、生物室に持ち帰らせました。
四つ葉から生えたクローン株が全部四つ葉、とはならないはずです。株全体の細胞が全て同じ遺伝子のはずで、どの部位の遺伝子でみても四つ葉発現率はx%、と思いますので、もし今回の四つ葉から発根して大きな株になるまで栽培できたとして、もとの株と同じくらいの率での四つ葉発現になるかと思います。私、「遺伝」は苦手分野でして、当てずっぽうですが。その辺を確かめる栽培・観察も楽しいかもしれません。
さらに寒くなってきました。撤収することにしました。
画像はブレてしまったので載せませんが、戻り際に、途中の木の幹の地面から50cmくらいのところに交尾中の小さなカミキリムシをみつけました。レンズを近づけたら即落下。1匹つかんで幹にたけ直しましたが、やっぱりブレました。地面にうずくまった個体も撮影したらブレていました。幹にいても地面にいても、見事な保護色の例となるはずで、残念!
やっぱりフィールドワークは楽しいですね。戻って、振り返りと、文化祭の話を少しして、解散しました。
生物部顧問=生物系「ちょっと困った場合」の御用達!?
部活動そのものではありませんが、生物系の面白い?出来事が私こと生物部顧問には時折起こります。
画像を入手しましたので、ブログに挙げてしまいます!
6月3日(金)体育祭の日 ヘビ対応
体育科の見事な采配で、天候が危ぶまれた2日3日、両日に渡り手順変更等で予定されていたレースを1つも潰さず実施して、3日の午後は表彰のみ。これもリモートで無事に終了し、あの雹が降る前に学校は解散となりました。あの日のことです。
午前中に全種目終了し、閉会式も終わり、昼食前。せめて微力ながらお役に立てればと、グラウンドに残り、一部の部活の生徒たちやボランティアで残った先生たちと、グラウンドの片付けを手伝っておりましたところ…
「松本先生、今、忙しいですか??」と家庭科のF先生。ちなみにF先生、前任校からほとんど一緒で、最も長い間同じ職場でお世話になっている方です。
「なんか、困ってますよ。」と、彼女が正門方面を指さして歩き始めます。
「え、なんですかなんですか」とついていくと、体育館の脇あたりに、さらに数名の先生たちが立ってこちらを見ています。お1人が虫網を持っています。
「あーきたきた」「松本さん、ヘビ!」「そこの植え込みの中に」「捕れる?」「網網!」と皆さん。
「捕れる?捕って!俺、だめなんだこういうの!」と、人対人で喧嘩したらぜったい誰にも負けないムキムキのとある先生。カワイイ・・・ムヒヒ・・・それにしても、なあんだあ、自分か生物部員か、誰かなんかやらかしたかと思いました。
「あはは、ヘビね。いーじゃないですか、いても(笑)」と私。・・・まあ、見たら生徒も騒ぐでしょうし、心無い者は危害を加えるかもしれませんし、このままでは皆さんお困りでしょうから、なんとかしましょう。
ヘビは「アオダイショウ」です。もう10年以上前に、確か埼玉県では絶滅危惧でレッドデータブックに載せていたと思います。貴重な在来種です。みると全長1m未満くらいの、立派な成体です。青大将と言っても、この個体は少しブラウンとグリーンが混ざる渋いカラーリング!キレイ・・・無毒ですし、もし威嚇で噛みついてきても、正直クワガタに挟まれる方が痛いです。ホッケの骨を小さ~くしたような貧弱な歯がならんでいるだけですし、咬合力もたいしたことありません。歯は皮膚には刺さっていきませんので、かみついたところから引きはがすときに皮膚に白いひっかき傷が残るか残らないか、くらいです。相手は体が長いし、前から迫ってもよけるだけですので、網はいりません。
ドウダンツツジの植え込みの間から覗くと、体育館の外通路(上履エリア)の端っこをゆっくり移動しています。腕を伸ばし、あえて胴体の中央をつかんで引っ張り出しました。さっきより数歩離れる皆さん。なんかさみしい。
※おっさん体形が嫌で画像は小さめに(笑)
「なんで頭あたりを掴まないんですか?」
「そうすると、余計に暴れてもがくんですよ。腕に巻き付いて来たり。そうすると余計なストレスも与えちゃうし。」
「飼えば!生物部で。」
「いや~・・・」餌が大変です。原則、「生餌」ですが、与えねばならない餌レベルの生き物たちを大切に飼育しているくらいですし、例え生物学上の資料と言い張っても「画像でいいじゃないか」「絶対無理!やめて!」という職員も多くいるでしょう。
一件落着、皆さんはそれぞれ校舎に戻り、私はこのこを掴んだまま正門へ。少なくとも敷地内に戻ってこないように逃がしてこよう。と、正門近くで女子生徒2名が突然通りかかりアッと小さく悲鳴をあげました。
「ああ、コレね。体育館脇にいたんで逃がしてくるところー。」・・・車も通りかかりますし、見られたら変!?結局、遠くまでいくのは面倒で、正門を出て右へ少し移動して、道路をはさんで反対側の畑に逃がしました。無事で生き延びなよ~。
6月8日(水)オオミズアオ
今度は、トラブルというほどではありませんでしたが、対象が珍しいヤツでして。
私はスクーターで通勤しているのですが、この朝、いつものように正門から敷地内に進入すると、奥に見える職員玄関へ上がる外階段に先生たちが数人かたまっています。珍しい。何事だろう。なにやらみなさん、こちらを見て「あー来た来た」っぽくなっています。
駐輪して、荷物を持って階段に向かうと、また呼ばれます。今度は何だ、またヘビか!?
「コレー!」と皆さんが指す先を見ると、階段に大きな蛾が。見事、無傷の「オオミズアオ」です。
これはもう、百聞は一見に如かず、まずは写真をご覧ください(今度は大きめ)
※植え込みの上にいるのは、踏まれてはかわいそうなので、私が階段からここへ移動したからです。
さらに職員室に戻ってカメラを持ってきてこの画像を撮影しました。
「オオミズアオ」
古典では「月虫」、英語名Luna Moth。沖縄は与那国島の県指定天然記念物、世界最大の蛾の1種である「ヨナグニサン」と同じヤママユガの仲間です。
ヤママユガの仲間で昔はこの辺りでもよく見かけられたのが「クスサン」と「ヤママユガ」ですが、私は両方とも平地では全く見かけなくなりました。オオミズアオは昔からあまりみかけない蛾でしたが、珍しさがそのまま横ばいで、逆に安定してほぼ毎年1~2回見かけています。
写真では再現できませんが、朝日に輝く緑がかった翅やもふもふの体、鳥の羽のような触覚など、まさにビューティフル!
昔、2校目の勤務校では教室の壁にこの蛾が出て、女子が職員室に私を呼びに来ました。
「センセセンセ、キャベツみたいな虫がいる!来て!」「はぁ????」
それを思い出してお話したら、N先生「確かに!キャベツだ、レタスじゃない!」ですって(笑)
その場にいた業務主事さん、「車に翅の形がカッコいい大きな蛾がとまっていてさあ・・・」
「スズメガですね!」
「そうそう!写真と動画撮っちゃったよ」・・・いいですねぇ、朝からこんな会話!職場の皆さんに感謝です。
最後にその場の皆さんにマメ知識をご提供。実は、大きな蛾は、一度翅を休めて一定時間以上経つと、「アイドリング」しないと羽ばたけないのです。街灯近くの壁や植物などにたかっている大きな蛾をつつくと、そのまま落ちるか、ぱったんぱったんとゆっくり羽ばたいて落ちるか、あるいは落ちた地面で翅をブルブル震わせながらウロウロし始めるか、なのはそういうことなのです。このオオミズアオも、私が階段から前脚をとっかかりに指にたけた時も、1回も羽ばたかず大人しく指先にとまっていました。踏まれてはかわいそうと近くの植え込みにたけ直し、数分後に撮影しに戻ると、ボディを小刻みにブルブル始めていました。さらに数時間後に見たら、いなくなっていました。元気で!
こういったことが時折ありまして、内心悪い気はしません!私みたいな者にはありがたいことなのです。
スズメバチが教室に入ってきたので助けて!もあります。大概、生徒は半パニック、先生たちも網や殺虫剤を持ってオロオロする場合が多いです。一応生徒には伏せて動かないように言い、教室を暗くして、窓を一か所だけ開けて、閉まっている窓は全てカーテンで覆えば、たいてい唯一開いている窓から出ていきます。ハチが窓ガラスまできてトラップ状態になっている場合、光に囚われていて襲っても来ませんので近くを開けてちょこっと開口部に向けてたたいてやれば出ていきます。(ここまで、真似されて事故があっても責任はとれませんので、お含みおきください。決して推奨はしてはおりません。)
過去もっともおかしかったのは、前任校でわざわざ校舎内から呼びだされて校門に行ったら先人たちがみんなして「松本さん、ホラ!困ってるよ!」と校門下の用水の中を指さしていて、覗いたら白いニワトリがいた件ですね。