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2022年7月の記事一覧

7月11日 文化祭に向けて + カブトムシ確認

1学期の期末考査が終わり、部活再開ですが、また先に本題の前におまけ記事からいきます。

 

飼育生物で最近亡くなったものたち

 これまでなんとなくブログで「飼育生物が亡くなった」話はしてきませんでしたが、大きな件がありましたのでカミングアウト的に。命に大小はありませんが(こと仏教圏におきましては多分)、ワタクシはキタナイ人間ですので、正直、ものによりショックに強弱があるのも否定できません…

●ロシアリクガメ死去

  …実は少し前です。顧問が初任あけ間もなくの頃に当時の与野市のペット屋で購入し、初任校では準備室にて、2校目以降は基本的に教室で飼育してきたロシアリクガメの♂です。当時2匹購入し、たまたまペアだったのですが、♀は10年近く前に自宅の温室内で死亡。ペアで生きていた頃は、2校目の生徒には♂♀ともども区別なく「アツシとタカヒロ」と名付けられ、前任校ではやはり♂♀区別なく「カメチキ」と呼ばれていました。

  春日部東に来て、担任をもって、初めて「教室に飼育動物なし」で3年間を過ごしました。色々とありまして…。ここでは生物部で、この亀を3年間と数か月飼育してきました。少なくとも27年間は生きた個体です。今年度、世話担当になった1年生M君は、爬虫類飼育にも明るく、自宅でもリクガメを飼っており、顧問の指示以外に間違ったこともしていないし、私も世話のフォローはしていましたし、様子から死因は寿命?としました。リクガメですので本来はもう少し長生きするはずですが、決して最良の環境で27年間すごしたわけでもなかったので、個体のポテンシャルが落ちていたと考えれば…さすがに遺体は持ち帰って自宅の庭に土葬しました。

●ミシシッピアカミミガメ♂

  こちらが亡くなったのは4月か5月でした。あのA君が生涯で初めて自力で捕まえた野生のカメ、という個体です。1年生の飼育担当Kさんが気が付いて、職員室に知らせに来てくれました。ミシシッピアカミミガメは、飼育環境に間違いがまったく見られない状態で、突然不審死することが時折あります。原因は一番不明です。A君由来の個体ということもあり、さみしい出来事でした。

●ケラ

  前年度イグアナを担当した2年生のH君が今年度「オプション虫」担当ということで任せた、「ミミズだ~って、オケラだ~って♪」のケラです。夜、灯火に誘われて職員玄関の階段に時々飛んできます。この個体は顧問が帰宅時に寄ったガソリンスタンドで拾った子でした。ケラはモグラと同様、大食漢で、長く生かすにはエサと水分がカギとなります。雑食なので、水分がてら昆虫ゼリーと、毎回の床材(腐葉土)補水と、煮干し、野菜くず、時折顧問でミミズを与えてきましたが、先日、期末考査前?に死亡。乾燥気味の容器内にミミズもおらず、遺体も判別がつかなかったので、ケラがミミズを食べつくして、その後死亡して、遺体も腐敗分解したあとの確認になってしまったのかも知れません。通常、潜りっぱなしで見えないので、生死を確認せずに世話をしていたかもしれません。もっとマメに確認させる(する)べきでした。

●ナガヒョウタンゴミムシ

  好きな人は好きで、大切に飼育するレア昆虫です。職員玄関階段に飛来した個体でした。こちらの死因は恐らく乾燥。H君、ひいては監督不行き届きで私が、反省せねばなりませんね。

●コガネムシ

  6月13日にコガネムシについて記載してから意識がありましたので、期末考査期間中、退勤時に職員玄関に飛来したコガネムシ科を捕り揃えてみようと思っていました。写真を撮らなかったのが心残りですが、ある2日間でかなり充実したラインナップになりました。あの、コガネムシ(しかも2匹!)、近年激減したように感じるドウガネブイブイ(名前が凄いセンス!)、アオドウガネ、サクラコガネ系(マニアでないと?判別困難)、クロコガネ、クロコガネ系(マニアでないと判別困難)、ちょっと日をおいてコフキコガネ。これらはプラケースに入れて昆虫ゼリーと桜の生枝で飼育を試みましたが、以前に赤化個体のコガネムシを自宅で1匹で飼育した時と違い、ものの数日でコガネムシ2匹を含む半数以上が死んでしましました。もともと成虫個体の寿命は長い種族ではないものの、生徒の観察が済んだら逃がすべきだったかもしれません。

●カブトエビ

  オタマジャクシ採集の時に1年生J君が捕った個体が3週間くらい生きていたので、油断ないし勘違いをしました。実は小学生以来、カブトエビやホウネンエビを田んぼで見かけても捕らなかったのは、「すぐ死んでしまう」からだったことを思い出しました。先日連れ帰った十数匹は、まだまだ成長していくサイズではありましたが、やはりものの数日で全て死亡。原因ははっきりはわかりません。水も生息地の水を多く使用しましたし。ちなみに田んぼの方も先日見たら一切いませんでした。

●ヒヨドリ(ひな)

  これは飼育生物ではありません。ワタクシ図らずとも職場の生き物レスキューみたいになっていますが、期末考査期間の前のこと。校舎内の階段でとある女子生徒に呼び止められ、

「松本先生!部室棟の階段でヒナが落ちて死んでいるので助けてください。」

「エッ死んでるの?(死体をかたしてほしいのかな?)」

「ピーピー鳴いています。」

「あっ鳴いてるの?じゃあ生きているんだね?」

「分かりません!」

  ちょっと要領を得ないやり取りですが、見に行くと伝えてその場は別れました。本当に見に行ってみると、確かにいました。見た目、ぐったりと死んでいるようにしか見えませんが、雰囲気で「親がきたような刺激」を感じたのか、突然黄色い口を開けてピーピーと餌を求めてきます。上を見ると、巣らしき枯草が鉄骨の隙間からはみ出ています。本来、巣に戻すのが最良ですので、近くにあった箒で巣の近くを刺激してみましたが、うんともすんとも言いません。他のヒナがいるように思えませんでしたし、そもそも大きな脚立を借りてこないと届かない場所でしたので、いったん保護することにしました。インターネットで調べてみますと恐らくヒヨドリのヒナではないかなと。保護の仕方も検索しました。

  他の先生方は様々な件で忙しそうでしたので、私はこの件を誰にも言わず、こっそり更衣室に箱を置いて、とりあえず給水し、放課後に近隣のお店からすり餌と給餌器具を買ってきまして、退勤までの間、2時間は開けないように、数回給餌をしました。

  翌朝出勤した時には、すでに死んでいました。思いつく死因は2つです。1つは低温。本来、親鳥の保温があるわけですし、40度以上に保つべきだったようです。この日、夜も更衣室は30度以上あったと思いますし、朝も暖かかったのですが、40度以上からすれば10度以上低いので、意識になくはなかったのですが、この温度でダメなのか~と…もう一つは、最後の給餌が喉の奥まで器具を挿入できていなかったことです。つい喉の奥は「つかえてむせるのでは」と思ってしまいますが、ヒナは自ら喉の奥の方まで器具をくわえてきていましたし、唾液がしっかり出るわけでもないのかもしれません。だとすると最後の餌が喉の奥から内臓まで落ちていかず、口から喉にかけてとどまってしまったら、もしかしたらよくない状態になるのかも…とも考えました。

  仕方はありませんので、庭に埋葬してきました。当該生徒がその後を訊ねてきたので、状況を簡単に伝えました。ある日の出来事…でした。

 後日、とある体育の先生が教えてくれましたが、実は何人かで先にこの女子生徒の訴えを受けていたがどうしようもなく、そうこうしているうちに生徒の表情が可愛そうな感じになっていくので、「もう、これをなんとかできるのは、松本先生だ」と伝えたそうです。せっかくなのにとほほ。なんとかできませんでした………

 

ここからやっと本題です。

文化祭に向けて② + カブトムシ確認

 部員たちが通常の飼育栽培生物の世話を終えたら、まずミーティングを行いました。例年と違い、前回文化祭に向けて皆で考えたことを実現するために、夏の部活動の予定を考えました。おりしもこの日、文化祭に参加する全部活の部長の集まりがあり、特別予算の使い道や企画書等での要修正点をいくつか持ち帰りましたので、ここでしっかり話し合いました。内容は割愛します。その後、カブトムシの容器の確認作業をしました。思いのほかミーティングがまた長くなってしまったので、いったん全体は解散としました。残れる人だけ残って手伝って、という形にしましたところ、演劇部と兼部している2年生のI君だけがそちらへ行き、他はなんと全員残りました。

 カブトムシの確認ですが、手前に一連の流れがあります。

 過去に何度かブログに挙げました、昨年度のカブトムシが残した卵の顛末です。

 昨年度2学期前半、カブトムシのいなくなった水槽から小さな幼虫を取り出して、水槽に腐葉土を積め、幼虫を戻した時は、36匹いました。その後、冬に餌でもある床材の腐葉土を更新した時は、28匹確認できました。幼虫の総ボリュームに対して容器が小さすぎるので、ここからタライで飼育。その後、新入生のJ君が新担当として主に乾燥具合を確認し続けました。6月に入ってからは、いつ羽化してくるかと顧問もじりじりしていましたが、今年度はこの期末考査期間までほぼ何も起こりませんでした。それどころか、6月下旬から7月上旬に授業の関係で一時廊下に出されていた期間がありましたが、その間に「まだ幼虫のまま」土の表面に出ていた幼虫が2匹ほどいたことがありました。

 調べ直してはいませんが、記憶では、かれらは5月には土中の蛹室にて羽化を済ませて、地上デビューの日を1か月ほど待ち続けるもの、と覚えています。また例年、早い個体は6月下旬に見かけますし。それが、今年は7月上旬までで、変化と言えば上記の件のみ。一体、土中では何が起こっているのか?全部まだ幼虫などということが?それともほとんど死滅したのか?

 それがこの日、ミーティングの前に、担当のJ君が「先生!何匹か成虫になっています。」と。ようやくきたか、と思いました。急ですが、成虫は成虫として飼育しないといけません。とりあえず出ている成虫にはゼリーをあてがうよう指示をしておきました。また、この段階で容器を観察して気が付いたのが、土のかさが大分減っていたことと、タライの内壁がまんべんなく汚れていたことです。先週の金曜日までにはなかった状況だと思います。原因を考えてみますと、

 ●内壁の汚れ → たくさん羽化した成虫が、逃げようとして壁に立ち上がって暴れたのか?また中で飛び回って高い位置まで汚したのか?

 ●土が減った → 多くの幼虫が蛹室を作って、蛹でいる間に空間をかせぎ、それが羽化して出たり潜ったりを繰り返して、蛹室は潰れ、土も攪拌されてかさが減ったのか?

 

ここでやっと、元の流れに戻ります。

 さて、まずは、何匹出てくるか分かりませんが、♂と♀は別の入れ物で飼育していこうと思いますので、J君には水槽を2つ準備してもらいました。急ですので、腐葉土と餌しかありませんが。その後、どけた土を一時入れておくバケツと、生体を乗せるトレーを用意しました。しばらく例によってお祭り状態ですね。男子はほぼ全員が、我も我もと掘りたがります。女子は、内心は分かりませんが、割って入らず、かつ至近距離でずっと成り行きを見ていました。

 

 始めに表面に出ていた成虫は全て♂で3匹。角だけ土中から突き出していたものが♂1匹。みな小さいです。餌に使用していた腐葉土が、東南アジア産の園芸用の安い品で、滅菌してるので菌類を中心とした栄養素は落ちていますし、狭いところで多頭飼いでしたから…。

 

 その後、土中にいるであろう個体を傷つけぬよう気を付けながら、土をどんどんどけていきます。♂が土中から3匹でてきましたが、なぜか最初は♂ばかりで、♀が出て来ません。なぜでしょう?別の動物の習性を当てはめてみたりと、色々と勘繰り始めましたが、後半にようやくメスも出てきました。

 

 ここで「口器」の話。カブトムシの口を見ると、オレンジ色の短いブラシが見た目1対?あるのが見えます。特に空腹の場合は伸ばしています。実は昆虫は原則すべてが口先にアゴに該当する口器を6個備えており、種によってこの6個の形状がそれぞれ異なるのです。原則、上唇、大あご1対、小あご1対、下唇からなり、あごには触覚のような(触覚とは別です)感覚器が付属している場合が多いです。カブトムシはあご2対ともブラシメインで、噛むことはできませんが、同じ樹液食でもクワガタムシの大あごは角か刃物のように大きく突出して物を挟めます。似たように大あごが目立つ昆虫は、カミキリムシ、アリ、ハチ。バッタは上唇をめくると想像を超える痛そうな大あごが…。ちなみに、蝶や蛾の渦巻き状に丸まったストローも、セミやカメムシのストローも、蚊の複雑なストローやハエの妖怪のような唇も、トンボの縦虎挟み状の口も、みんな6本の口器が形を変えて発達したものです。カブトムシに近い仲間のコガネムシは、樹液食ではなく植物食ですから、小さいながらブラシではなく刃物状の「噛める」アゴがあるのです。

 

 ♀は全部で3匹。なぜか、土の深さで半分より深いところでばかりみつかりました。

 

 誰かが「あっ卵だ。」…ええ!? 今回、私にとって初めて体験で、大きな誤算が、なんと卵が見つかり始めたことです。最初の♀が見つかったくらいの深さからでしょうか。羽化して、成虫として初めての食事もせず、交尾して卵を産む、などという事がこのカブトムシという種族で「ある」ことなのでしょうか。まあ、もし彼らが例年通り羽化していたならば、7月上旬までどうしようもなかったわけですし、卵は今回の新成虫が産んだとしか思えない状況なのですが、ではそんな親から生まれた卵は正常に発生して成長できるのでしょうか。私たちにとって新しい疑問です。

 通常、野生で交尾まで漕ぎつける成虫は、足の先の符節が取れてしまったり、前羽に傷や汚れがあったり、それなりの見た目であることも多いです。また、交尾が済んだ成虫はあっけなく寿命がくるものですが、その頃はかなりヨレヨレになっていることも多いです。ところが今回見つかった成虫は、全てピカピカの完品ばかり。メスにしても、産卵を終えた状態には思えませんでした。

にゅるにゅるネバネバ系は平気なのになぜか虫は甲虫も触れない2年生のE君が、自主的に卵を数えてくれました。なんと72個。私の経験では今あるべきでないものなので、少々驚きです。それにしましても、

 ●冬に幼虫28匹確認 

 ●どうみても新成虫が♂7匹と♀3匹(♀は後述のように+2匹で5匹になりました)

 ●タライ内には、蛹化できず死んだと思われる幼虫の死骸がバラバラのも併せて2~3匹分

 ●タライ内には成虫の死骸またはその一部と思われるものは一切なし

 ●2月~4月くらいに、蛹化の前に死んで、腐敗分解して死骸も残っていないものが何匹かいたかも

 ●餌の無い環境で、新成虫が産んだと思われる卵が72個

…感覚では、どうしてもつじつまが合いません!卵を産んでから逃げた♀も併せて、10匹くらいは逃げ出したのでは??部員たちで生物室内を捜索しました。案の定、まず私が元気に生きている♀を1匹みつけました。また部員がすぐに死んでいる♀を1匹見つけました。この死骸は特に軽かったので、産卵して逃げ出して飢え死にか??

 ちなみに、廊下に出されていた1週間ほどの間に、校内に逃げ出したとは考えにくいです。土の表面の様子や蓋代わりのビニールの様子も、成虫が盛んに活動した様子はなかったですし、校内にカブトムシがいるとなれば、話が届くとも思いますので。

 

 ♂と♀は、文化祭に出展したいので、寿命が来ないようそれまで交尾をさせないように(手遅れか??)それぞれ別の水槽に入れ、卵は孵化するかどうか観察しやすいように小さな容器に入れました。

  成虫にはあとで木の枝でも入れることにします。これが重要でして、このままでは壁際で立ち上がって仰向けにひっくり返ってしまった成虫が、体力を消耗し最悪死ぬまで起き上がれない可能性があるのです。自然界では、まず成虫がひっくり返る可能性が少ない。樹上から落下でもしなければ…そして、ひっくり返った成虫が、6本の足先それぞれの符節のかぎ爪を1か所でいいから何かに引っ掛けて体重を起こすことができる草なり枝なりが一切ない、という可能性はもっと少ないのです。そういったリスクが、飼育下ではありふれた状態に跳ね上がります。よくペット屋でパック売りされているカブトムシやクワガタムシが中でひっくりかえって起きられず、熊の曲芸の毬のように、体重より小さな小枝や床材を全ての足で抱えて揉み続けているのをみかけます。

 

ここで「自然界にない環境を与えるリスク」について。

 ●ガラスやプラスチック=透明なのに突き抜けて先に進めない、爪が立てられない

 ・認識できない動物は鼻面を中心に激突を続け、ひどいと頭部に大怪我、最悪死因にもなります。

 ・(アマガエルの回でも言及済)登れないので、水から上がる必要がある生物は、容器内に水のみだと溺れる可能性があります。意外なのはザリガニ。少ない水量で水自体が酸欠である場合、彼らは野外であればどうにかして水際に出て、エラに直接空気を取り込みますが、水槽等では水かさが体高の倍もあると空気に直接触れることができずに溺れます。

 ●網=反対側が見える/水や空気、光が通るのに、向こう側に移動できない状態が同じパターンで広範囲に続く環境

 ・ガラスと同じように怪我の原因になり得る。また、5面がガラスの入れ物で蓋だけ網なり格子なり、だと、飛んでふた裏にとりついた生体がいつまでもとっかかりがなくて壁を降りられず、餌なり休息場所がある下の世界に戻れないままになることも。

 ●鏡=かなり知能が高くない限り、水面以外で自分を映すものは自然界に無いので理解ができず、映った像をライバル個体だと思い込み、鏡相手に縄張り争い等を継続し、体力を消耗し、最悪怪我や衰弱を招く

 

 最後に、おまけのおまけで、「オオハンゲ」の1つ目の花穂について。

 こうなる前に確認してから、かなり短時間のあいだに種を落として枯れていました。毎日のように通りかかっている場所においてあるので、少しうっかり観があります。写真の、左右にビラっと開いているところの中央にオレンジ色の筋が見えますが、そこが鞭状に長く伸びる「付属体」の基部で、苞と合着してます。オレンジ色のラインの辺りに見た目ドリアンの実のように固まって雌花が付き、種が育ち、やがて苞が開いて種が落下します。雄花は雌花範囲の上(写真では下)、苞がめくれていないところに固まって咲いていたはずです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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