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2022年11月の記事一覧

11月28日 授業みたいな部活

11月28日 授業みたいな部活(何回目?)

※もうしわけありません、今回、活動写真がありません!

 2学期期末考査期間直前の部活日。部員たちは担当生物の世話が終わると、全体活動が始まるまでのスキマ時間を活用して、即自習を始めます。…って、当たり前のようにスルーしてしまいそうですが、とりあえず良い傾向でしょうか。特に2年生でそのような習慣が見られ始めて少し経ちます。たしか前回、全体に連絡ができた時に、そのような2年生の様子をプラスで1年生に紹介したくて、本校の先輩から毎年聞かれる「暗記物は3年生になるまで残すな」というアドバイスを説明しました。それに反応してかどうか、今日はもう部活やるのどうしようかと思うくらい、全員やること(学習対象)が決まっていて、私が顧問になってからここまでというのは初めて、という状態です。

 まあ、部活は部活で意味のある時間にします。 

 

 たまたま、顧問の私は三十数年前、この母校で2年生の頃に、とあるきっかけから環境問題に興味を持ちました。その後、大学は学部こそ英語ですがゼミは「英語で自然について考える」ゼミをとり、環境問題への関心を深めました(余談ですが部活は高校大学と美術部でした)。就職活動で教員を目指したのも「生徒たちに環境について伝えたい」と考えたからでした。そのあたりはカミングアウト的な話がまだあるのですが、ここでは割愛します。

 さて環境問題と一口に言ってしまうと分野が大きすぎて、まとめる際の立ち位置もしっかりせねばなりませんが、今回、部活用に、人文科の授業で使ったネタを流用することにしました(私は今年度人文科の主任でもあります)。環境問題のどれかに特化して話してもいいのですが、やはりここは生物部といえどまだまだ基礎部分を確認したいです。2年生相手には似たような時間を経た記憶もありますが、それでも、再度「問題」以前の「本来」を再認識してほしいと考えました。普段何気ない瞬間に本来の環境そのものの「偉大さ」「存在自体の奇跡さ加減」「脆弱さ」に思いを馳せるための下地作りは、まだまだ必要です。

  

 「地球は、太陽系の中で、どのように惑星になったのか」

 「地球の地殻は、大気は、海は、いつ頃どうできたのか」

 「最初の生命の誕生する条件はいつ頃どう整ったのか」

 「酸素は何者がどう生み出してくれたのか」

 「オゾン層はいつ頃どういう経緯でできたのか」

 「私達生物はどういう経緯で進化し今こうしているのか」

 

 …つまりは我々が今現在、生命としてこの惑星に存在できる根本的な条件は、何のお陰でどのように整ったのか。そして私たちはどこから来たのか。こういった、ある意味「環境の下地に関する一般常識」とも呼べる知識を再確認します。

 そこで、同じ目的で今年度初めてワークシート化したネタが「地球カレンダー」です。ご興味のある方は是非検索してみてください。これは、地球の誕生から現在までの歴史・・・46億年と言われていますが、この46億年の間に起こった出来事を、1年間365日のカレンダーに換算して当てはめると、何月何日にそれが起こったかが分かる。つまり、長すぎて見当もつかない46億年そのままで理解するのではなく、長さの検討がつく12か月365日に直して出来事の間隔やタイミングを把握できる、そういうカレンダーです。

 実は昨年度の文化祭展示用に、A3判の紙2枚に365日を入れ込んだプリントは作ってありました(ブログの昨年度文化祭参照、ちらっと写っていたかと…)。これを、10月に人文科のSDGs関連授業用に、A4判1枚に1か月、全部で12枚、プラス12月31日のみを24時間に直したら何時何分に何があったのかで1枚、計13ページ∔表紙(両面印刷で枚数は半分)のワークシート束に仕立てました。カレンダーの中の出来事をある程度選択して、全消しか空欄を設けました。元旦から順番に、時折手描きで図を板書したり関連エピソードを挿入しながら話しました。ここでカレンダーを全て紹介するのもやりすぎですので、1件だけ取り上げます。

 ★マツバラン

 ご想像通り、11月から急に出来事が増えますが、6月まででも極めて重大な出来事はいくつもあります。ただ、変化の少ない時代で、出来事の間隔が実際の時間で言うと数億年単位なのです。

 1枚だけ画像を。 人文科授業に借りた「マツバラン」という植物です。

●11月27日!海の中ではすでに魚類までが進化し繁栄していましたが、この日より2億年ほど前…もとい、2週間ちかく前の11月144日からオゾン層が形成されはじめ、UV対策など色々と準備が整い、27日にようやく植物が上陸に向けて動き出します。まずは浅い海や河口に藻類が、そして次に湿地帯にコケ植物がじわじわと上陸!といっても、まだ湿った環境までです。もちろん動物はまだです!

●11月28日!植物が(はっきり)初上陸!

 この、今より4億年ちょっと前…もとい、「大晦日の現在から1か月と3日前」に初めて上陸した頃と、ほとんど姿を変えずに現在まで生き残っている「生きた化石」が「マツバラン」の仲間です。江戸時代には園芸品種もたくさんつくられましたので、入手もできます。一応、広義にシダ植物と分類されていますが、これはかなり大雑把な分け方です。動物でいいますと、「魚から私達哺乳までまとめた脊椎動物」と「エビ等の節足動物」だの「貝等の軟体動物」だのまで、ほとんどの動物をいっしょくたにしてしまうくらい適当な分け方です。記事内容がすでに活動報告を超えて「ブログネタレベル」になっていますが、あと少しだけ!古い植物の分類の入り口だけ!ちゃんとすると「古マツバラン門」「ヒカゲノカズラ門」「トクサ門(ツクシの本体のスギナがいるグループ)」「ハナヤスリ門」「シダ植物門」etc…となっております。このリストはだいたい歴史上も上陸した順、ないし進化してきたグループ順、ですので、一番に記載のマツバランは「コケより進化しているけど、コケを超える植物群全体の中では一番原始的な植物」であり体の構造もかなり変。土中部分を掘り出しても、まともなシダのようにはっきり根と呼べそうなものはなく、ウネウネと茎らしき構造が這いまわっているだけなのです。葉っぱもないし。11月28日の陸にはこんなヘンテコな草ばかりが繁茂し、12月3日に大森林が陸に発達するころの植物もまだほとんど「シダ植物門」まで。現在の森や草原とは、ぱっと見の印象もまったく異なる事でしょう。ツクシの化け物の大木が林立していたりとか、想像するとロマン以外のなにものでもありませんね!

 

 生物部のブログで、私のとりとめもない文章しかないのも寂しいと、唯一の実例を取り上げましたが、最後に今回の内容のしめくくり部分を記載して閉じます。

 12月31日午後11時37分・・・現生人類ホモ・サピエンス登場

 12月31日午後11時58分52秒・・・農耕牧畜開始(1万年前)

 12月31日午後11時59分46秒・・・キリスト降誕

 12月31日午後11時59分56秒・・・ルネッサンス

 12月31日午後11時59分58秒・・・産業革命

 12月31日午後11時59分59秒・・・20世紀が始まり終わる

 

…私達人類は今、地球の歴史上何度もあった寒冷化と温暖化の繰り返しとも違う、生物の歴史だけで考えてもかつて何度となくあった大絶滅のどれとも違う形で、「秒」で地球を暖め、最速で種の絶滅を進めて、破壊しているというわけです(白亜紀後期恐竜大絶滅すら、1種の減少開始から絶滅までの所要時間は、平均で1000年かかった、という説もあります)。46億年かけて整ったものを、です!生物として言えば39億年かけて、複数回の巨大隕石激突すら乗り越えて、白亜紀終焉とその後の氷河期から今に至る安定期だけで言っても1億年近くかけて整った生態系を、です!!SDGs!待ったなしです!本当は世界のすべての国と地域で一丸となって取り組むべきです。争っている場合ではないはず!

 

 それでも、こんな状況でも、人間は人間でしかありません。強制では、すぐにひずみが蔓延することでしょう。データ的な知識や理論だけで運動を起こそうとしても同じだと思います。長良川の河口堰のエピソード等は本当にまざまざと色々なことを教えてくれますね。現物を知りもしない人は平気で自然を破壊しますが、また逆にそういう人が自然を守ろうとしても、説得力に欠けることでしょう。正しいはずの方向性でも、うまく進めない。だからこそ、身の回りの動植物やそれらが生きる自然、環境に興味を持ち、興味が愛着へと変わったならば、自分のこととして動けるはず…これが実は生物部の活動目的の根本です。

 

 

 

 

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11月21日(月) 雑多な時間

11月21日(月) 雑多な時間

 今回は、本来はミーティングになるはずでした。少々サプライズ的要素があるものですから、ここでは議題は明かしませんが、これが物凄く短時間で話し合いが終わってしまいましたので、

「単語テストでミスったとかなんとか言っていると、寒い時期は部活の時間に英語の授業をやるぞ!」

「やったぁ」

「いやいや、やったぁじゃなくて」

などと冗談を交わしながら、雑用的なメニューとなりました。全員でなく分散して、

①(部長)生徒会への提出ものの処理

②(自由研究で水草「コウホネ」をやることに決まっている部員)4階ベランダに1年程置いていたセメント船の撤去…栽培していたコウホネがあろうことか枯れてしまい、さらにこのベランダは今年度から学校説明会の校舎内案内ツアーでお客様間が通ることになり、どのみち次回説明会の前にまた移動することになるので、現在置き続けるメリットがなくなりましたので…。

③(残りの部員)数週間前に作り始めた「飼育動物のラベル:世話担当名入り」が、なんだかんだ未完成なのでその完成と設置

④(主に女子)このあと紹介します新規飼育対象生物と既存の大き目な生物の、名前をしめすポップ作り

ということでして、ばらばらっと取り掛かり。

 

 まずは飼育動物ラベルを完成させると、部長は部長の仕事へ。

 コウホネの入れ物(セメント船と表現しましたが、本来は土木工事用品で、プラスチック製で長方形の武骨なタライです。セメントの粉と砂と水を合わせてこねてモルタルをつくったり、砂利を混ぜてこねてコンクリートを作るためのものです)は、撤去するにまず水を除去する必要があり、(申し訳ない、担当部員たち!今思えば、水槽掃除用のサイフォンで排水溝に水だけ流すという手があった!!)3人でバケツをもって行きました。残りの2年生男子は結局それを手伝いに行きました。大変だったようです。水もわざわざバケツで生物室まで運んで、魚捕り網で濾して捨てていました(エラい!)。

 1年生は、絵心があるので結局みんなポップ作りへ。そこに作業を終えた2年生も加わって、なんだか当初のイメージと違ったのですが、「今日の部活はポップ作り」みたいなことになってしまいました。

 

 今日たまたま事情があって2年生女子のFさんが先に帰ったので、1人になったハイセンスの1年生Kさんのところに2年生男子数人が合流。イグアナのポップを担当するKさんの考えを邪魔しないか見ていたら、なんだかちゃんと交流しているので、安心しました。

 

 1年生プラス2年生1人チーム。文化祭で入り口の白板装飾を手掛けた絵がうまい2人が、これはポップと言うより絵画!を描き始めました。先ほどのイグアナのポップはA4版サイズでも困りませんが、「アズマヒキガエル」は水槽に貼りたい感じですから、「大きくてもA5版くらいがいいんだけど…」もうかなり描き込んでいるので仕方なし、貼るのは壁?窓?グッピーはポップ要る?小さいよ?まさか全ての飼育動物のポップを作る気になっていたりして。

美術部出身の顧問です。ポップと絵画の違いをちょこっとアドバイスしました。

アズマヒキガエルはデッサン調から和風のポップに変身することでしょう。

 

6時で解散しますので、未完成ですが、一部披露します。

グリーンイグアナの「アスパラちゃん」は、おお!?黒板をモチーフにしたのか!流石!

まずはiPadでデザインし、紙へ。1年生男子L君による…コレは??この後、初紹介します!

 

新規飼育生物紹介!

① メキシコサンショウウオ

 そうです、いわゆる「ウーパールーパー」です!文化祭明けからさんざん話し合って、やっとコレに決まりました!ブログをご覧いただいている皆様、大変おまたせしました!その割には普通!とはおっしゃらないでください。

 まず、実はこれ、本校校長の厚意にて導入となりました。昨年の夏前後、あの校舎改修工事の折、中庭に一時的に設置していたイグアナが当時栄養の偏りでクル病になっていて、それを知った校長が「もしもの時は、(代わりの生体を)買うぞ!」と。しかしその後、アスパラちゃんはもち直しました。その後も校長から「何か残せたら」と複数回厚意の声掛けをいただいておりましたので、有難く部員たちとキチンと検討を重ねて、このほど導入となりました。

 飼育を初めてしばらくは、新しい環境でちゃんと生きていきそうか様子を見ておりましたが、始めから元気いっぱいで餌食いも大変良く、いまや完全に安定してすでに成長も始まっていますので、こうしてお披露目する次第です!

 肝心のポップに載る「名前」は校長の名前がつく予定でしたが、生徒はひねりたいようで、まだ未定?

【豆知識】この手の生物に詳しい方には旧知の事実ですが、ごく簡単に紹介します。

・「ウーパールーパー」は商品名のようなもので、生物名ではない

・生物種としての名称は、和名「メキシコサンショウウオ」

・最大の特徴は見た目の原因「幼形成熟=ネオテニー」

 ※カエルで言うとオタマジャクシの形のまま成熟して繁殖を始めるような事態のこと

・「アホロートル」という呼称もあるが、これは実はメキシコサンショウウオだけでなく南北アメリカ大陸に生息する同属のサンショウウオたちのネオテニー個体を指す呼称

・「アホロートル」はアステカ語でwaterdogの意味だが、別属でネオテニーではないが成体でも外エラが残るサンショウウオの〇×Waterdogや「泥犬」〇×mudpuppyが数種類いたり、ネオテニーではなくただ単に変態していないだけの同属の幼生をwaterdogと言ったり、ぱっと見が似ていたらなんでもいいのか、もうこれら生物の一般での呼称はカオス状態?

・メキシコサンショウウオも、ホルモンをいじったり、何かの拍子にスイッチが入ると変態して通常のサンショウウオの姿になり、半陸生になる

・もともと両生類は再生能力が強く、イモリも腕くらいならちぎれても再生するが、ネオテニーであるメキシコサンショウウオはこの力が強く、なんと心臓を損傷しても再生できるそう(絶対指一本実験しませんよ!)

・今回導入した個体は、ボディがアルビノ(色素欠乏による白化)で、眼球だけ色素が残って赤くならず黒目の、一番かわいい?色のもの(本来、自然の状態はくすんだ灰色+褐色の地味なカラーリング)

 

②ジムナルカス(ジムナーカス)

 メキシコサンショウウオに決定するまでの話し合いの中で、大変に人気の高かった「ピラニア」と「ウナギ」。種類にもよりますが、ピラニアは大きなもので50cmにもなります。あの体形で50cmというと、ふろおけのような水槽に泳がせてあげたいですし、生餌を与えた場合の食べ方が、「かじり散らかす」感じになりますので、地獄絵図具合がかなりえぐいことに…。ウナギは、極めて丈夫で飼育自体は簡単なのですが、やはり1mくらいになるのと、以前のブログで書きもらした悪癖として「脱走癖」があります。水槽の上部をガチンガチンに閉じられるようにしないと、なのです。

 そこで!なんだかほとんどの部員がどうしても肉食魚を飼育したいようなので、代案としてこの「ジムナルカス」。実は最終的にはサイズも凶暴性も怪物クラス(一説には飼育可能淡水魚で最強)ですが、ピラニアやウナギよりは水槽飼育しやすい(経験済み)ことと、あとはこの姿・顔が!

 かなりの臆病者でもありますので、今回まだ全身の写真は撮れていません。

 ここに居ついてくれれば、と一緒に購入した焼き物の土管にまんまと入って休憩中、尾だけ出ているところを撮影。

 この魚、いずれ全身や顔も紹介したいと思いますが、言葉で説明しますと、

・ヒレが背ビレと小さめの胸ビレしかない/尾もヒレでなく本当に尾状

・主に背ビレをなみなみ動かして泳ぐ/この泳法で、振り返らずスイッと長距離バックできる!

・顔はもう、ムーミンと言いますか、ジュゴンと言いますか、完全にキャラ顔です

・歯も見えず、かわいい顔して、自分より小さな生き物をバクバクと…

 

 尾を下げ気味のところをほぼ真後ろから撮影。なみなみした背ビレと、ムーミン顔の斜め後ろからの丸みが見えます。

 今後のこの魚の話題をお楽しみに!

名前は当然「ジミー」…?

 

 

 

 

 

 

 

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10月31日 ミニ盆栽作り

あっと言う間でございます。

年齢も50を過ぎると、毎日短い針が動くのが見える思いでございます。

本ブログをご覧の皆様はいかがお過ごしでしょうか。

 

10月8日(土)「新規飼育対象生物」購入(週末に生物室に導入)

       ※導入して1か月経ちますが、ぼやぼやしているうちに水槽が汚れてしまいましたので、いい画像がまだ撮れていません。変な話ですが正体は画像とともに明かします!お楽しみに!

10月10日(月):スポーツの日(翌火曜日も中間考査1週間前で部活動停止だが生物世話のみ各自実施)

10月17日(月):中間考査当日で部活動全面停止(生物世話は顧問で)

10月24日(月):2年生修学旅行中につき、1年生だけで活動(昼食後、PM)

        ※天候がよくはなく、室内活動に

         ①2年生分の生物世話を手分けして実施

         ②中庭にある苗のうち冬に室内管理が必要なものの生物室への搬入

         ③「新規飼育対象生物」の世話の体験

         ④飼育生物カードの新作(1年生分の記名まで終了)

10月31日(月):ミニ盆栽作り

11月4日(金):学校説明会に向け部活公開準備(顧問は人文科主任につき人文科フェアの準備で顔を出せず)

11月5日(土):学校説明会にて部活公開(生徒は終日平常授業、5,6限授業公開、その後部活)

       (顧問は放課後人文科フェアがあり顔を出せず!お客様はゼロだったらしい)

11月7日(月):代休

 

という、このところの状況です。それでは貴重な??10月ネタです。

 

10月31日(月)ミニ盆栽作り

 実は「コケに興味がある、コケ関係をやりたい」という2年生が以前からいました(E君)。週末の学校説明会に出品するネタにもちょうどいい、とミニ盆栽作りをやることにしました。まずは通常通りの世話を終え、ひと段落したあと。

 

・鉢代わりに餌用コオロギのプラパック

・赤玉土を底から深さ2cm程度敷く

・植え付け用土は前回の苗作成時の余り用土+新規黒土と赤玉のmix

・これまで管理してきた山野草苗から好きなものを選んでよし

・植え付けた後の用土表面装飾に、

 ①爬虫類飼育用で昔購入したバークの余り

 ②レイアウト用プラスチックアイス

 ③オカヤドカリ水槽のレイアウト用(目的の詳細は割愛)に昔購入した川砂利

 ④「自分でみつけてきた苔」

という指示を出しました。

 

 盆栽と言いましても、顧問に盆栽の専門知識があるわけではなく、数だけは無数に植物を鉢にも庭にも植え付けてきた経験値だけで、鉢植えが成立する最低限を応用しての実施です。芸術的な部分はキリがありませんので、生物部としましては、小さく小さく見た場合の地下世界、そこに広がるであろう根、給水で沁みる水、通気性、微生物などに気をやってほしいものです。

 そして苔です。すでに一作業以上終えた時間。

「これから各自で苔をとってきましょう。タイムリミットは暗くなる前。すぐそこの保健室前の庭、あるいは美術室前の庭。校外に出る場合は道路の両脇でギンゴケを狙いましょう。気を付けていってらっしゃい。」

 皆、植え付け用のパックをもって自分だけのコケを探しに行きました。その間、私は言いますと、良く思い出せません…確か3年生に受験の英語を聞かれて、部員が帰ってくるのを待ちながら補習していた気がします…。

 

 戻ってきて植え付け作業が始まると、我が可愛い生物部員たちですが今どきの高校生、あっちでこっちで珍道中な感じで容易ではありませんな。

「あーほら、なんで直接机の上に土を落とすの!新聞かなんか敷きなさい!」

「またこんなに下にまで土を落として!踏んで広げるからいったん中断して掃き掃除しなさい!」

「始めっからこんなに土を目いっぱい入れたら、苗にくっついてくる分の土が入らないよ!」

「赤玉を湿らせずに底に敷いてしまって。植木鉢じゃないからね!上から給水するのに、底に水がたまらないように赤玉が全てぴったり湿るだけの水やりをせねばならないよ?」

  なんのかんのと盛り上がって作業しています。ミニ盆栽は箱庭的な要素もあり、想像力を掻き立てられるものですね。

 

1年生三羽烏。

左からビワ、ビワ、シマトネリコ。コケやバーク、砂利にアイスと、レイアウトにそれぞれこだわりをもって作ってきました。

 2年生のまず2人。

 

レイアウトはかなり意図的に、色々考えて配置しています。いいですねぇ。 

左から、シマトネリコと、おっと!ムサシアブミで来ました!H君、一応確認の質問。

「先生コレ、このあとどうなりますか。」

「冬は地上部が枯れるけど、球根が生きていればまた来春芽を出すよ。」

「おっ。そうですか。」

「(週末の)学校説明会で(お客さまに)あげないの?」

「あげません!」…それもよし、是非球根植物の長きにわたる休眠中の管理と春の芽出しの喜びを体験してもらいましょう。顧問まで楽しみです。

2年生、次の3人。やっぱりそれぞれのこだわりが。

背景として学ランの人と代わってもらいました。

左からクヌギ、ナンテン、シマトネリコ。写真は小さく見にくいですが、これらも相当こだわって考えてレイアウトしています。甲乙つけがたいですが、個人的には右端のFさん作がいがいと好きです。

 ラスト1名、I君。個性が光ります。

選んだ苗はヤブソテツ。かなり大きくなるシダです。あと、本人に自覚なしでしたが、株のわきっちょにホトトギスも一緒に生えていました。

 欲を言えば、どうしても使いたいバークが横長過ぎて、レイアウトの実質半分を占めているので、コケが大人しくなりました。

このあと、いつものようにBBQテーブルに一定期間展示します。

 

 この数週間、忙殺されておりまして、ブログアップが滞っておりました。

 すでに学校説明会も終わっています。説明会の日の夕方の報告によれば

「生物部に見学に来た中学生/保護者の方はいなかった」

「となりの地学部には1組きた(おっ今までと逆!)」

「生徒会が6限後に学校中をまわったが、(申込時に4択であった全体会後の行き先…①人文科フェア②個別相談③部活見学④帰宅…で、結局は校舎内で活動している部活の見学を選んだ人がいなかったのか)校舎内には中学生や保護者は全然いなかったらしい」

とのことでした。

 確かに、高校選びを突き詰めていくなかで、部活を大きな要素にする時期は過ぎているのかもしれませんね。部員たちにはせっかくの準備が甲斐が小さくなって気の毒でしたが…

 

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