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2023年9月の記事一覧

【生物部】9月25日(月) フィールドワーク「虫捕り/自然観察」

【生物部】9月25日(月) フィールドワーク「虫捕り/自然観察」

 文化祭明けの初めてのフィールドワークです。放課後の日がどんどん短くなっていきますので、行けるときには行かねば!

 今回も部員に3択ほど提示して決めてもらいました。

①魚捕り

②主にバッタ系虫捕り&観察

③クズの変わり葉探し

 

②の虫捕りに決まりました。捕虫網を持参するしない、獲物キャリアを持参するしない、も各自に任せました。

2年生たち、フィールド入りすると早速どんどん何かを捕り始めます。

1年生Rさん、やる気が無いのではなく「手掴み派」。技巧派です。いいですね!

 2年生がシオカラトンボを捕りました。シオカラは水色がオスで、メスはムギワラトンボという愛称があり、色はくすんだ緑や茶色や黒のまだらです。

 フィールドは、本校第2グラウンド前、昔から「8の字」と呼んでいるランニングコース脇です。

道路の反対側のクズの藪に交じって用水の金網沿いに無理やり生えている桑かなにかの枝先に、キモチワルイ虫を私がみつけました。見立ては、「シャチホコガ」の一種ではないかと。

尺取虫と違って、体の中ほどから先を空中に立てて静止して、木の枝のふりをしています。シャチホコガの仲間は、名前が正真正銘「シャチホコガ」(検索してみてください!)であるものの幼虫が最も奇怪な形をしています。もはや蝶や蛾の幼虫のイモムシケムシとは思えない姿!これを筆頭に、仲間内にはかなり変な形のイモムシが多数います。

 現地では、先端に突き出しているのは脚(イモムシケムシは、体の後半に成虫になると無くなる偽物の脚(腹脚)が何対かありますが、本物の脚もちゃんと3対、頭のすぐ次にあります。シャチホコガはその本物の脚が異常に大きく長く立派になります)かと思いました。つつくと嫌がって空中に突き出した部分を縮めます。後で、画像を拡大してよく見てみましたら、どうも細く突き出した部分の先端が頭のようです。

 

虫かごではありませんが、ダイ〇ーで購入した折り畳み可のプラケースです。中に獲物がわらわらと。

クズの花穂です。ファンタグレープの匂いがします。と、知っているので部員に伝えてみましたが、自分では嗅ぎませんでした。部長は「ああ~、確かに」と言っていましたよ。

部員たちが「スズメバチの巣がありそう」と騒いでいた藪です。確かに、1匹、また1匹と出たり入ったりしています。

一見スズメバチにも見えなくもない、「ホウジャク」というスズメガの仲間もスズメバチに交じって、花から花へホバリングしながら蜜を吸っていました。

あっという間に暗くなってきました。時間こそまだそれ程遅くないのですが、部室に戻ってまとめをしましょう。

↓ 一番沢山いるのが、ウスイロササキリ。キリギリス科、ササキリ属の最普通種。大きい3匹はイナゴ、中央の1匹だけ小さいのがオンブバッタのオスです。

出かける前に、冗談で「バッタ関係を1人3種類捕まえてきなさい!」ととばしたのですが、全員で3種類捕ってこれましたね。

ササキリがしきりに触覚を丁寧になめ整える様や、イナゴをつかんで体の構造を色々と観察したあとは、部長が代表して田んぼ側の窓からリリース!

 

のどかな時間になりました。

 

 

 

 

 

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【生物部】9月8日9日(金土)文化祭の様子③

9月8日9日(金土)文化祭の様子③

 

 続きです。よろしければ①、②もご覧ください!

 文化祭シリーズ最終回、ここでは一般公開の様子を写真メインでご紹介します。

 どの写真も、よく見ると色々な情報が写り込んでいます。

 

亀の甲羅の抜け殻は、2日目は浅いトレーに。

受付の、カードを入れる箱は2種類から7種類になっています。

金魚すくいで金魚をお客様にお渡しする際は、水草を切ってサービスしました(水色のトレー)。

金魚すくいに(なぜか)人だかりができるのですが、ほかのコーナーもちゃんと見て頂けています。

特に苗ものをお買い上げの際は、中古のレジ袋↑の底中央にポットを置き、輪ゴムで下から袋ごとポットをとめ、上からも持ち手を両方入れて輪ゴムでとめます。そうすると袋の中でポットが転びません。…というサービスに使っていた輪ゴムの箱が見えます。↓

「昆虫1匹50円~」…クワガタのペア売りは80円でしたか…。

↓ 最も手前に背面で写っている女性は、私のクラス(人文科)の卒業生。今年の人文科ブログで紹介済み、スプリングセミナーに参加してくれた人です。

彼女のほかに、私のクラスから3名、43期生普通科から1名、人文科42期生から2名、44期生から1名、全部で7名の卒業生とこの場で会えました。ここはあくまで生物部のブログですので、アップの写真は乗せませんが、この場をお借りして、「生物部出展にきていただき、ありがとうございました!再会と併せて、嬉しかったです!」

↓ 部長のJさんだけがブレているのが、高速でお客様のお相手をしているようで、象徴的です!

↓ ここにも卒業生が1名写っています!それにしましても、いやあ、盛況盛況!

販売も売れ行きがよく、中古レジ袋が大きすぎるものしか残っていません。

昆虫はノコギリクワガタのメス2匹が売れ残りました(昆虫フダの前の2ケース)。

長くてあと数か月の寿命、オスをあてがってあげないと、可愛そうですね…。

 

いかがでしたでしょうか。この盛況ぶりは完全に予想外で、嬉しい悲鳴でした。

初めての1年生にはこれが本校生物部の文化祭の様子、ということで記憶されます。

来年は、どんな出展会場になるのでしょうか、今から楽しみです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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【生物部】9月8日9日(金土)文化祭の様子②

9月8日9日(金土)文化祭の様子②

 

続きです!よろしければ「①」からご覧ください。

 

【金魚すくい】

 Mさんの作った見事なポップ!2年生はなぜかみんなやたらと絵も工作もうまいのです!

 まさかの無料!そして、やるけど金魚を持ち帰らない人も多数。部員たちで、昨年度の「捕獲してきた淡水魚をお客さんに網ですってもらう体験」ではなく、「金魚すくい」をやりたいとの希望にこたえ、Pポイの封印?を解きました。私が顧問に就任する前は金魚すくをやっていたようで、Pポイ(和紙がはってある丸いすくい具)約2箱はじめ、必要な道具は一式、戸棚に仕舞い込んでありました。

 夏休み中にとあるニュース番組で金魚すくいが得意な女子の特集をしていましたが、その時初めてPポイに裏表があり、裏ですくうとポイが長持ちしないことを知りました。もともと金魚すくいに個人的に興味がなく、考えない分野でしたので新鮮でした。部員たちと共有し、お客様にも教えてさしあげようか、と。

 これも私の予想外に、2日間常に最も集客したコーナーとなりました。初日出たポイゴミが「90」、2日目は「171」、合計で「261」本が使われました!持ち帰られた金魚たちが無事に飼育されていくことを願います…

 

 

【競虫】

 昨年度と同じ、餌用ゴキブリ「デュビア=アルゼンチンモリゴキブリ」を使用したレースです。今年はこのゴキブリを、その特徴が良く出るように浅いケースにて展示もしました。

 

 このゴキブリ、ゴキブリという先入観を捨てれば、私たちが普段目の敵にしている黒ゴキブリとは全くの別物です。ワラジムシが大きく更に平たくなったような…壁を登らない、飛ばない、走らない、匂わない、ペットに逆襲で嚙みつかない、ストック/飼育が簡単…と、いいことずくめの餌昆虫です。そもそも世界にはおよそゴキブリとは思えぬゴキブリが多数生息しています。小さく薄黄緑色のバナナローチから、前羽に金属光沢があるカラフルなものまで、色々です。このコーナーではそういった多様性にも目を向けていただきたいです。

 ゲーム自体は、デュビアたちの「暗いところが好き/明るいところは嫌」という性質を利用した簡単なレースです。コースやパドックは昨年度の作品をそのまま使用しました。Lさんは昨年度もここの主?!Lさんを中心に2年生が競虫~金魚すくい~全体マネをしっかりやってくれました。

 

【四葉さがし】

 これも顧問が三肌目を脱いで実現(ヒキガエルとヤモリより大きい)。いいんです、やらせてあげたいのです、ちょっと助ければやれるのですから。遊び方は、部員がタイマー等で制限時間を設ける中、チャレンジャーはそれぞれ2箱分の苗床から見つけられるだけの四葉と五つ葉を見つけ、それぞれ点数換算して自己申告する、というものです。しかし今年のピンチは、そもそも昨年来の四葉頻出株が衰退して無くなりかけている、ということです。

 昨年度の四葉等が多く出るクローバーマット4箱分は、複数の係で1年間世話をしてきましたが、不思議とランナーにカビが生えて大変衰退してしまいました。夏前に、またこのコーナーをやりたいなら新たな「四葉頻出株」を皆で見つけるようにと伝えました。本当はそれを目的にしたフィールドワークをやれればよかったのですが…結局良い株の情報は無いまま夏休み中盤を過ぎたので、顧問の出番。昨年度と同じポイントに出かけたものの、なぜか昨年度ほどは見つかりません。なんとか2株持ち帰って植え付け。

 

 古い苗箱のものも、非常に特徴的な四葉(プラス1枚が逆向きにつく)の株を始め、僅かながら生き延びていたので、これを機に全て植えなおしました。次の写真をご覧ください。四葉が向き合っていますが、どちらも4枚目が本来と逆についています。昨年度発見した2大珍しい形質株の片割れです。

↓3.5枚、です。実は「.5」ってけっこうあるのです。点数配分は何にしたんだろう、今頃疑問が…

↓5つ葉です。

四葉2枚です。あと、四葉と五つ葉です。

マメ科の仲間は植え替えを嫌いますが、掘ってきたままですと、芝を中心に雑多な雑草類を合計した方が体積は大きいくらいでしたので、クローバーだけを残すように…というよりクローバーのランナーを雑多な根の塊から掘り出したという方が正しいです。4箱中、3箱は古い株と新しい株をクローバーのみで植え付け、残り1箱は新しい株を掘ってきたまま植えて、上から関係ない植物をむしれるだけむしりました。

 本番はQさんRさんが結構みてくれました。Qさんはいる間はほぼ貼り付き、Rさんは金魚すくいと半々でしたでしょうか。

↓顧問の方で昨年同様、展示に付け加えたアカツメクサやクズの四葉五つ葉関連の資料を見ていただいているところです。

4箱を2箱ずつに分けて、2名が同時にプレイできるようにしてあるのですが、多くのお客様が2人組であることから、この配置も狙って設置したのかもしれません。よく考えてますね。

 

 

【特設展示】

 これも昨年度の印象が強かったのでしょうか、「やりたい」と。しかも、やはり地図上に生体を置きたい、とのこと。ただ、今年度は昨年度ほどフィールドワークにでかけた場所が多くなかったので、逆に地図を小さく簡略化して、同じ場所で捕れる生物の数を増やす方向でアドバイスしました。展示の際は、やはり地図の上に生体を並べるのは色々と都合が悪いので、ポイントから展示生体までひもを引っ張りました。

 

 

【常設展示+α】

 今年度は水槽等の場所を変えず、普段置いてある場所に置いたまま見ていただく形にしまして、その合間と空いた机上とに、ちょこっと増設しました。入口からぐるっとリストアップします。

 ・コダカラベンケイソウエリア…展示に耐える状態ではありませんが、そのまま。

 ・淡水貝類(ゲンゴロウがいた水槽)

 ・ニジイロクワガタ…部員の友人がブリードした個体群

 ・ヒョウタンゴミムシ…本校職員玄関にて捕獲

 ・アメリカザリガニ…幼体を捕獲して持ち帰ってしまった「条件付き特定外来生物」

 ・アカハライモリ…部内飼育生物中2番目の大御所

 ・スジエビ…学校周辺で捕獲した個体群の子孫たち

 ・ホンゲンゴロウ…過去ブログご参照のこと、顧問私物のメスを夏に加えて現在ペア

 ・カエリウム①アマガエル+ヒキガエル…アマ:数年飼育したものの生き残り+新顔、ヒキ:新規に若いカエルを2匹、顧問自宅から導入

 ・カエリウム②ヌマガエル…庄和公園~学校周辺にて捕獲

 ・カエリウム③トウキョウダルマガエル…学校周辺にて捕獲

 ・カエリウム④モリアオガエル+カジカガエル…購入品を顧問が寄贈

 ・ラムズホーン貝…売っている場合もありますが、勝手に増えすぎていく貝

 ・ミシシッピアカミミガメ…小さめの3匹がいる水槽(普段は前述のクサガメもここに)

 ・ヨスジオビトカゲ…詳細は過去ブログご参照のこと

 ・グリーンイグアナ…本部活やブログではいわずもがなキャラ

 ・雑多淡水魚…もと熱帯魚水槽、メダカ以外は売りに出し、文化祭中は見るモノのナイ状態でした…

 ・ニホンヤモリ…前述の大きい子2匹が手に入って「比較コーナー」で出番がなくなったおチビちゃん

 ・メキシコサンショウウオ…通称ウーパールーパー、過去ブログご参照のこと

 ・グッピー…子々孫々、繁殖を繰り返している世界

 ・ランチュウ等…現生物部管理動物中最大御所、ほかドジョウ等

 ・日本産雑多淡水魚…この5年間で部活で捕獲しては残して飼育してきた個体群

★プラスα

 ・ニジイロクワガタ死骸…腹側の色合いも見ていただけるよう

 ・亀の甲羅の脱皮殻…水替えの度に水道にたまったものを保管、公開

 ・クズの四葉、五つ葉の押し花…四葉のクローバーの参考資料として

 ・モノアラガイ?貝殻…エビ水槽に発生した、あまりよくは見ない淡水貝の貝殻

 ・コガネムシ死骸…珍しい、レッドタイプです。

 ・クビアカツヤカミキリ…死骸で保管してある特定外来生物

 ・ユズの枝とアゲハ幼虫…顧問宅でたまたま出た処分対象を学習ネタに持参、展示

 ・シダ植物と裸子植物…一昨年の大系統樹レイアウトの名残です。普段、部員が水やり等やっています。

 

【販売】

 〇動物

 ・スジエビ…主に学校脇用水で捕獲

 ・ドジョウ、フナ、モツゴ…学校周辺フィールドワークで捕獲

 ・コイ…元熱帯魚水槽に入れておいた「なんだかわからないミニミニ稚魚」が成長

 ・ノコギリクワガタメス…顧問が職員玄関階段で捕獲、部員が飼育してきたもの

 ・コクワガタ…顧問が捕獲、部員が飼育してきたもの

 ・カブトムシ…顧問が職員玄関階段で捕獲、部員が飼育してきたもの

 〇植物(全て部員が植え付けor植え付けポットに自然発生)

 ・コダカラベンケイソウ…本部活中、植物で最大御所

 ・メドーセージ…顧問宅から出た苗、強健種

  ・シマトネリコ…顧問宅から出た苗、近年の人気樹種

 ・ハナイカダ…顧問宅から出た苗、葉の中央にちょこんと花が咲き実がなる

 ・アカシソ…顧問宅から出た苗、梅干し等食材の染色

 ・コミカンソウ…顧問個人に長年ついてきたカワイイ雑草

 ・スズラン…顧問宅から出た苗、早く地植えして来年~再来年に開花?

 ・カンスゲ…リュウノヒゲに代わるガーデニングのナイスアイテム

 ・ホトトギス…顧問宅から出た苗、強健種

 ・オオハンゲ…顧問宅から出た苗、花の形が不思議!

 ・オロンティウム…激レア水草

 ・ケヤキ…顧問宅から出た苗、ミニ盆栽にどうそ

 ・クヌギ…顧問宅から出たドングリを卒業したAさんBさんCさんで植え付け

 ・ハナモモ…顧問宅から出た苗、今回はとりあえず数本用意、花が綺麗

 ・ナンテン…顧問宅から出た苗(まさかの大鉢お買い上げ!)

 ・トウカエデ…顧問宅から出た苗、街路樹に人気

 ・ツゲ…顧問宅から出た苗、こぎつねこんこん

 ・ネズミモチ…顧問宅から出た苗、丈夫な庭木

 ・アイタデ…顧問宅から出た苗、藍染の原料

 ・ジシバリ…ホトトギスの地下茎植え付けの際、間違えてできたポット

 ・ヘデラ…ヒキガエル水槽→ハシリグモ虫かご→苗

 ・オニヤブソテツ…顧問宅から出た苗、大株になるシダ

 

 さて、これだけの内容と、人出です。うっかりすれば企画段階から当日まで、いつとっちらかっても不思議ではなかったわけですが、実は新部長のJさんが、よ~くまとめてくれていたのです。全体マネジメントというやつです。そのためブログ中ではコードネームが登場しませんでしたが、文化祭直前には私の「よく頑張ったよ」というコメントから、皆が自然と彼に拍手を贈ったくらいでした。Jさん、そして部員の皆さん、いやー本当によく頑張ったー!お疲れ様ー!! 

 

  文化祭はなんと言っても生物部にとりまして最大の発信の場!ここまでは内容を整理分類して様子をお伝えしてきましたが、次回(文化祭最終回)は2日目一般公開日の賑わいを中心にお伝えしたいと思います。

 

 

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【生物部】9月8日9日(金土)文化祭の様子①

9月8日9日(金土)文化祭の様子①

 

  私が顧問になって、「文化祭出展内容をほぼ任せた初代」の現3年生が引退しているのは痛手ですが、それは毎年あること。よき伝統を1から作っていくのみ、です。現2年生4人、1年生4人。それぞれ、学年に1人は生徒会と掛け持ち等々の事情があり、常にフルタイムで部活動にいられることを望めるのは3人3人で、合計6人。引退した3年生と同人数です。しかし、8人とも夏休みから頑張ってやれることをやってきました。今日はその成果を発信する日!コーナー別にご披露します!それでは入り口から。

 

【受付】

 ここは、例年「生物室を訪れた客数」に興味がありながらもカウントする余裕がなくスルーしてきたポイント。今年度はちょっと発想を変えて、お客様に自ら訪問を記録して頂く方式を考えてみました。2年生Mさんが買って出て、家で作って来てくれた「訪問カード」をお1人1枚ちぎって、該当の箱にいれていただく、という形です。2日間とも1年生のSさんが長時間対応してくれました。

 

今年度の集客数は、恐るべきものでした!なんと!

8日(金)校内公開

 ●本校生徒:160人

 ●本校職員:15人

 ●8日合計:175人

9日(土)一般公開

 ●中学生:151人

 ●中学生保護者:54人

 ●本校生:137人

 ●本校生保護者:253人

 ●一般:124人

 ●本校OGOB:36人

 ●本校職員:16人

 ●9日合計:771人

8日・9日合計:946人!!!!

 なお、文化祭実行委員会発表の9日来場者数データから計算しますと、約530名が中学生とその保護者の方々ですので、そのうち205人…割合で3人に1人以上が生物室にいらっしゃいました。驚きです!正直、まさかここまでお客様が入るとは!皆様、ありがとうございました!

 

【ふれあいコーナー】

 企画段階で、なんの動物をふれあいに使うのか聞いてみると、アズマヒキガエルとミシシッピアカミミガメにしたい、と。ところが、すでにブログで紹介済みの通り、部活で4年ほど飼育してきたメスのアズマヒキガエルは死んでしまっています。ここは一発、顧問が一肌脱いで、急遽自宅の庭から放し飼いのオスを1匹連れてきました。

●アズマヒキガエル:注意点は、耳腺から毒液を出させないよう気を付けるところです。万一出てしまえば、それなりの強さなのですが、よほど酷い脅かし方をしなければ、まず出しません。私こと顧問はこれまでさんざん彼らを取り扱ってきましたが、そのシーンを一度も見たことがありません。逃げる野生個体を無理やり摑まえる際も含めて、です。とは言え、万が一があってはいけませんので、部員達には事前にしっかり伝えておきました。お客様たちは、大概背中をつつきますので、そこには背骨があります。カエル、いえほとんどの両生類には肋骨がありませんので、私がこのコーナーについている時にはぷにぷにの脇腹もお勧めしました。人間にも似ています?が、つつかれるとそちら側の体を浮かせて嫌がります。かわいくて気に入ってしまうお客様も続出?

●ミシシッピアカミミガメ:こちらも注意点は「咬まれないように」です。部員はもちろん、お客様にけががあっては一大事!上から甲羅をつつく分には何も起こりませんが、せっかくの触れ合いコーナーです、水棲カメというものをじっくりみていただければと。係がそのまま上から甲羅の両脇を抱えて空中に持ち上げると、暴れて四肢を振り回し、凄い勢いで水滴を飛ばし、また掴んでいる手に爪をひっかけてきます。そこで、お客様にお見せする際は、持ち上げると同時に裏返してしまいます。すると、四肢を甲羅の中にひっこめ、動きだけは大人しくなります。こうなれば安全に触れますので尻まわりもつついてもらいます。また、頭近くに手をかざすと咬もうとして口を開けて首も伸ばしてきますので、口の中も観察できます(当然、かざすのは私の手で、お客様にはさせません)。特筆すべきは目の美しさ!宝石のようです。

 

【似ている生き物判別クイズ】

 これは今年初めての新しいコーナーです。素晴らしいアイディア!対象は何にするか、部員たちは夏休み中に計画を立てていましたが、実現したのは次の組み合わせたち。また、お客様がご自分で遊んでいただけるようなゲームにするのにはどうすればいいか、直前まで決まり切らず、危うく単純展示におまけがついているコーナーになりかけましたが、1年生のPさんがレイアウト基本形を完成させ、2年生のKさんが実にぴったりの工夫を追加してくれました!

初日、追加点を考えている?Kさんの様子。

 お客様から見て下段(手前)に回答欄、中段左右にめくり式解答カード、中央に選択肢カード、上段左右に生体を配置しました。また、めくり式ヒントカードと、正答できたか外したかをお客様がご自分で記録に残せる丸シール貼り付け欄も追加してくれました!Pさんの、自分でよく考えて形にする力はとても見どころがありますし、Kさんは1年生の時にも四葉コーナーでよくできた工夫をいくつも考えて今年に繋げましたが、今年のこのコーナーで形にした工夫は実に文化祭/展示会にぴったりで、感心しました!

●ミシシッピアカミミガメとクサガメ:これは、見た目は全然違いますので、比較の上、識別点を知るコーナー。クサガメは計画では写真でしたが、急遽生体が加わった亀です。顧問の私が夏休み中に本校近くの路上で車に轢かれて肩口の甲羅が割れて流血して鉄板のような熱い路上に裏返っているところに遭遇、持ち帰って様子を見ると生きそうだったのでそのまま部活で飼育を始めた個体です。近年になってだんだん知れてきましたが、中国原産の外来種ではあります(在来種はイシガメとスッポンのみ)。しかし、クサガメすらミシシッピアカミミガメに圧されてその個体数を減らしています。

●コイとフナ:日本の河川や沼で釣りをするのが好きな人たちにはヒトとサルくらいのものでしょうが、知らない人にはなかなか難しい識別となります。特に個体が小さくて動いていればなおさら。今回は10cm程度の若魚と、3cmくらいの稚魚をセットで展示。分かりますでしょうか?コイにヒゲがあるのは有名ですが、よく見るとけっこう違うものです。まず体形。鯉の方が腹側が直線的で、フナの方がいわゆる魚らしいライン。またうろこのキメもコイの方がネットっぽく、各ひれはうっすら赤く色がついています。

イモリとヤモリ:これは、「名前の紛らわしさ」を比較してほしいコーナー。そういったポップも付けられれば良かったですが…漢字に直せば一発です。「井守」と「家守」。お客様の中にもご存じの方も多かったですね。逆に知らない方はイモリの方の名札「アカハライモリ」から、成体のお腹を見て解答する方も。

 ヤモリは部員たちで夏中に捕獲する計画でしたが、現実は甘くない?本校校舎にもけっこういて、以前部活で飼育していた個体は私が職員玄関階段で捕獲した個体。こういう生き物って欲しい時にいないものですね。本番前1週間から、また私が二肌目を脱ぎました。週末にたまたま家の庭でしゃがんで作業をしている時に奇跡的に目の前の草むらを通りかかった(ヤモリを日中に、しかも草むらで見かけることはまずない)幼体を捕獲。一安心しましたが、イモリと並べるには小さい!継続して、夜家に帰る途中の公園のトイレで追加で1匹捕獲、成体でサイズは理想的。さらに文化祭直前の夜の職員玄関階段脇で成体をもう1匹get!幼体は通常展示に回し、成体2匹を比較コーナーに。

 イモリの方は私の顧問就任以降この部活でずっと飼っている3匹のうち1匹。そういえばあまり話題にしたことがありませんでしたが、実はイモリは極めて長命で、普通の飼育環境を継続できれば単純な餌で20年くらい生きます。野生では激減、本校が勤務4校目の顧問はもうすぐ52歳になりますが、いまだ野生個体は見たことがありません。2校目の時、さいたま市在住の女子生徒が小学生の頃に家の近所の水がある環境で見たが、今はもういない、と言っていました。ペットトレードでは恐らく養殖個体が安価に出回っています。

●オオカマキリとハラビロカマキリ:これは私が追加を提案したセット。退勤時、夜の職員玄関に飛来した個体です。ある晩は、昔は雑魚あつかいだったのに今ではめっきり見かけなくなった「コカマキリ」も併せて3種類のカマキリをみかけましたが…部員たちもじっくり種類の異なるカマキリを見比べるのは初めてらしく、いい機会となりました。

 ちょっと気になったのは両方とも「オス」なんですね。本当はポップにして添付して欲しかったのですが、部員たちの手が回りませんでした。本来、人目に付くカマキリといえばメスです。昔から「オス」は「おお、オスじゃん。」という感じだったのですが、今年はこの地球全体の異常気象が関係あるのか、メスを見かける機会が少ないです。職員玄関でもハラビロとオオカマキリのオスばかり、しょっちゅう見かけます。そもそもカマキリの成虫は秋!遅いと12月上旬まで生きた成虫を見かけますが、今年私が異常を感じたのは、7月上~中旬に自宅の庭でメスの成虫を見かけた時でした、ええ今?と。暑くて早く成長しすぎたのでしょうか。オス側もメス側も自分の成虫としての寿命のうちに交尾相手に会えないと大変なことに…。

●モツゴとモロコ:東校近辺で魚捕りをすると、どちらも捕まります。いつ頃でしたか、これも先入観で、この辺(自分の行動範囲)で捕れる、フナでもタナゴでもない黒いラインのある細いコイ科の淡水魚はみんなクチボソ(モツゴの関東名)だと長年思い込んでいたのですが、水槽に入れてみると「あれ??」と。よく見れば体形が違いますが、ぱっと見の紛らわしさはコイ・フナ以上かと。すぐ納得がいく違いは、頭の丸さでしょうか。モツゴの方が矢印的だと思います。

●カダヤシとミナミメダカ:小さい魚たちですので、それだけで紛らわしいのですが、今やミナミメダカのニッチを脅かす特定外来生物として悪名高いカダヤシと在来のメダカの違いを知っていただくことは大事です。と言いましても、特定外来生物はほとんどが人間によって生息地を新しく与えられていながら、新天地で在来種とたたかって力強くその居場所を確保したら、今度は「もともとの自然のバランスを壊す」と駆除の対象になったものたち。結局は自然を破壊するのも保護するのも人間のエゴ、翻弄されるのはいつも人間以外ですが…。

 カダヤシ科とメダカ科は、昔は図鑑でも同じページにいたり、カダヤシが胎生メダカと呼ばれたり、外国のカダヤシ科の魚にメダカ科と記してあったりで、魚の分類にこだわりがない人たちにはなんとなく一緒くたに思われていました(実は私も)。いまでは、メダカは「ダツ目」のメダカ科となり、ほぼ関係のない分類となりました。

 カダヤシは「蚊絶やし」。ボウフラ駆除のために各地に導入され、そのまま力強く定着しました。水域で表層を泳ぐ様子、そしてその見た目も、メダカにとても似ています。同じような餌を食べ、同じように自然界で暮らしているならば、「部屋の重複」はあるのでしょう。ただ、最近聞くハナシでは、メダカとカダヤシが共生している場合も多く、これまでしばらく考えられてきたほどメダカに圧をかけていないかもしれない、ということですが…。どのみち、数々の生物の減少の陰には自然環境の破壊もありそうだ、ということも忘れたくありません。

 人間側のことですが、カダヤシは「特定外来生物」に指定されていますので、飼育してはなりません、大変なことになります。具体的な方法は述べませんが、本部活では採集して持ち帰ってしまた場合、「処分」しています。

 泳いでいる姿を上から見ると、メダカは背中に黒いラインが入りますが、カダヤシは全身がうすら白いです。2種類一緒にいれば、ああ違う、と思うでしょう。でも片方しかいない場合は、どちらなのかちょっと迷います。今シーズン、生徒たちの網にメダカは入りませんでしたので、展示したメダカは過去に捕獲し飼育していたものです。

★おまけ…実現しなかったまぼろしの比較案

・カダヤシとグッピー:これは部員が考えていたものですが、部員数に対して文化祭準備全体が大変で手が回らなかったようです。非常にいい対象です、いつかやってもらいたい!

・トウキョウダルマガエルとヌマガエルとツチガエル:ダルマとヌマは、寸前まで案にあったのですが、やはりやりきれなかった…常設展示コーナーにカエリウムを設けましたので、そこで見比べていただければ…ダルマは私が小学生のころまでは「トノサマガエル」と呼ばれていました。その後、だいたい関東以北のグループは別種だという事が判明しました。足の長さが違うのですが、マニアでないと…モロコとモツゴの方が簡単です。ヌマガエルは別科のカエルですが、体形や模様は似ています。近年、国内外来種的に分布を北に広げてきた、昔は見かけなかった、そして今では大勢を占める、水辺のカエルです。そしてツチガエルですが、今回顧問として実はヌマガエルとツチガエルの比較は是非とも部員にも見せたかったのですが、ツチガエルが見つかりませんでした。昔はカエル捕りのターゲットとしてはアマガエル以下のキャラだったのですが、今回あまりにも見つからなくて、調べてみたら絶滅危惧種の仲間入りをしつつあることを初めて知りました。

・コガネムシとアオドウガネ:どちらも美しい緑色のコガネムシですが、「コガネムシ」の金属光沢は見事です!まさにコガネムシ中のコガネムシ!出展内容のコーナー数が今回の半分なら、実現したかったものです。今回はコガネムシの死骸だけそっと展示に含めておきました。

・アマガエルとモリアオガエル:これも成体展示による実現が可能だった案です。両方生物室にいます。ただ、モリアオガエルは一般的ではないので、優先順位は低いですね。

・ドジョウとカラドジョウ:カラドジョウに確証はないのですが、数年前に私の体制での部員1号生「A」さんとフィールドワークで捕まえて以来飼育しているもので、私には通常のドジョウとは別物に見えます。水槽2本に泳いでいて、部員の案には上がりませんでしたが、「ああ、これも面白かったのに」と思った案でした。

 

部員たちが色々と自分たちのアイディアを出して趣向を凝らした出展内容がウケて、嬉しくてつい長文になってしましました。一旦ここで切りまして、続きは「②」に綴ります。

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