2023年12月の記事一覧
【生物部】12月22日(金) カエルの冬眠作業 (2学期最終日&学校説明会準備)
12月22日(金) カエルの冬眠作業 (2学期最終日&学校説明会準備)
考査期間も成績処理期間も終わりまして、部活動再開…といってもすぐに冬休み、たいしたことはできません。今日は、「週3回の通常の生物世話」「兼冬休み前のミーティング」「兼翌日土曜日の学校説明会の準備」という状況。まあ、せっかく通常登校日最終日ですので、簡単ですが1つだけ作業もやってもらいました。
★カエルの冬眠
以前のブログで、本部活で長年飼育してきたヒキガエルが死亡したことはお伝えしました。その後、夏の活動時に増えた「採集してきたカエル」と、自宅より改めて持参した今年生まれたヒキガエル2匹の飼育が始まって約4か月。冬眠すべきカエルたちが文化祭に向けて充実させた「カエリウム」にたくさんいます。「(これも数年飼育してきた)今まで冬眠させなかったアマガエルたち」も含みます。
今回初めて、現役部員で唯一の女子のKさんに、ブログ用の写真の撮影を頼んでみました。いつもは全て私が撮影した写真ですが、今回はすべてKさん撮影です!(しまった!Kさんがいる写真を撮り損ねた!!)
1.冬眠箱を整える
長くしまいこんでいた冬眠箱の環境を調整します。中の土がカラカラですので、握っても水が滴らない程度に湿らせてもらいます。
その後、土の上に、やはりよく湿らせたミズゴケをしきつめてもらいます。これは新規に買い出しに行きそびれて、急遽前日に自宅で用意して持参したものです。
2.ほぼすべてのカエルをいったん虫かごに集める
水を張った虫かご(張らないと跳ねて飛び出したり鼻先をケースの内側に強打したりするので)にカエルを集めます。また、まだ生きている餌の虫は、餌虫入れに戻します。
ついでに話をそらせて、学校説明会の準備の様子。来場者の方がお求めならば、生徒たちで植え付けて管理してきた山草・野草の苗を無料で配布します。それを配置した様子も撮ってくれましたので。
ホトトギスも花が咲きました。結局「紫花」の株でしたね。Kさん、花にピントを合わせるのが難しかったようです。
さて戻りまして、カエルたち。
左の壁面と、左下の薄緑色のがアマガエル(色味が1匹だけまったく異なるので逆に一瞬見つけにくい!)。左下の背中に緑のラインがトウキョウダルマガエル。水中で左上の2匹のうち左がヌマガエル、右が東京ダルマ。中央の大きな個体と右下の角の大きな個体がアズマヒキガエル。中央のヒキガエルの右側がカジカガエル(顧問が購入品を庭から再採集して持参)。のこりの右半分のうじゃうじゃが全部ヌマガエル。
ヒキガエルのアップもありました。お腹のチョコマーブル模様がラブリー!
1匹だけ、ダルマガエルの大きな個体は、虫かご内で暴れると他のカエルを弱らせてしまうかもしれないので別で隔離。
寒いので?大人しくしていますね。
3.カエルを冬眠箱に入れる
いよいよ、整えた冬眠箱にカエルを入れます。一番楽しい所!
↑左から、アマガエル、ヌマガエル(上)、ヒキガエル(下)。右半分で、右端中央の1匹(よく見ると重なって2匹、ヌマ)以外で、上からヒキガエル、ヌマ、ヌマ、アマ(薄緑)、ダルマ、ダルマ、右下がアマ。
角度を変えてアップ。↓
上からヌマヌマアマダルマダルマ、右下がヌマヌマ。
↓ヌマガエル。昔は関東にはいなかったらしいです。温暖化の関係?近年、分布を北に拡大中の、ある意味「国内外来種」カエル。
そういえば、このこたちと非常によく似た「ツチガエル」もカエリウムにて文化祭展示したかったのですが、学校周辺で見つけられなかったことを思い出しました。昔は春日部にもいっぱいいたのに…。
4.落ち葉でふたをする
湿らせた土とミズゴケの乾燥がなるべくゆっくりになるように、ミズゴケのうえに落ち葉を均等に敷き詰めます。これも我が家から持参しました、100%クヌギの新落ち葉です。
水槽では、ほぼ冬眠状態に入っていたのに、起こされて、冬眠箱に入れられても訳が分からず、落ち着かなくなってしまったこもいます。
↓角っ子に、カジカガエルですね!よかった!全体をとらえた写真にしばらく登場がなかったもので。真上からヌマガエルに乗られていますが、右前脚の指先の吸盤で判別がつきました!
このカジカガエル、「購入品を庭で再採集」と言いますのは、ペット屋で5匹購入しまして、自宅の庭に放したもののうちの1匹です。
我が家は周囲を道路で囲まれたブロックに建っておりまして、昆虫の様に空を飛ばない小さな野生生物は、ほぼ外へ出て行けない状態です。閉鎖的なビオトープです。昨今の国内外来種問題や種の地域個体群の遺伝子汚染の問題を考えるに、半径数十キロに恐らく全くいないカジカガエルをこの庭に放しても、まず出て行けないし、最悪庭から道路(小さな生物にとっては果てしない岩石砂漠)を渡ってよそへ逃げられたとしても、別個体と巡り会って繁殖までいける可能性は限りなくゼロ…と判断しました。
ビオトープとは本来、庭先に置く水草と魚の入ったカメのことではなく、ドイツ語で「野生生物の暮らす最小単位の空間」的な意味の言葉です。用語の使い道では、植木鉢1つとってもビオトープと呼べます。
我が家の庭は樹木も多く、地面は新しく植物が植えられないほど隙間なく何かしらの野草が植えてあり/生えており、または落ち葉や伐採枝等の山があったり、また水場もあって放し飼いのヒキガエルが毎年卵を産んだりと、12軒ほどの家と畑1枚(現在、アパートにかわりつつあります)を含む細長いブロックの中で、オアシス的な環境になっております。カナヘビも、カマキリ2種類も、毎年繁殖しております。アカガエルも3匹程度棲んでいます。住宅街に人が設けたビオトープとしましては比較的頑張っています。
その庭に、定住して欲しいとカジカガエルを放しました。定住の確認はとりあえず来春に1匹でも見つけられるかから始まりますが、秋にかけましては、週1~月1くらいで、庭の色々面白いところに彼らを見受けました。炎天下にデッキに放置してあったホテイアオイの入ったバケツにいたり、温室の壁面の棚にある鉢植えの水受け皿の水にいたり、はたまたどうやって入ったのか、温室の中にいたり…文化祭が近づいて、日本産のカエルをできるだけ種類数多く展示したくて、温室内に入り込んだ1匹を提供すべくつかまえて持参したのでした。
カジカガエルは分類は「アオガエル」の仲間です。アオガエルの仲間は、よく似たアマガエルの仲間ではありません。アオガエルは、琉球を除くと、「モリアオガエル」「シュレーゲルアオガエル」「カジカガエル」の3種類。カジカガエルは恐らく「世界最古の両生類ペット」かもしれないと読んだ事があります。平安時代?くらい昔から、その美しい鳴き声が魅力でここ大和の国では飼われていたとか。
ちなみに冬眠対象で「ほぼ」すべてのカエルを集め、と書きましたが、実はまだ冬眠させるかを迷っているカエルがいます。画像はありませんが、カジカガエルを入れていた水槽には、モリアオガエルが数匹います。これもさすがにペット屋での購入品で、自費でオタマで購入して自宅でカエルにした数匹と、部の予算でオタマを購入してこの水槽でカエルになった数匹と、現存数は合計で最低6匹かと。このこたちはまだ体が小さく(正確には飼育状況がベストでなく大きくできませんでした)、冬眠するには体力不足なのでは、という迷いです。多分、ヒーターでひと冬加温してながらえさせることになると思います。
5.冬眠箱を屋外の日陰に設置
話を戻しまして、過去のヒキガエル冬眠同様、箱は半端に温度が上昇してカエルが冬眠モードから覚めてしまうと余計な体力を消耗して、春までに死亡しかねませんので、できるだけ安定して低温の場所に置きます。
その画像もKさんに撮影してもらったのですが、なんとここでカメラが不調!?撮る画像みんな白く筋が入ってしまうので、最後の様子の画像は無しです。
それでは、生物部のブログをご覧いただいております皆様、良いお年をお送りください!