日誌

2024年1月の記事一覧

【生物部】1月15日(月) 新年初回アップ「ご挨拶+顧問ネタ」

1月15日(月) 生物室模様替え + 顧問ネタ「竹の花」

 新年が明けて、もう2週間も過ぎてしまいました。元旦から国内では大事件が重なりました。また加えて顧問も喪中につき、この場でのご挨拶は控えめに失礼させていただきます。本年もよろしくお願いします。 

 冬休み中の部活動、および休み明け2回分の活動は、生物の世話のみでした。今日やっと全体会をもちましたが、部の活動というより、生物室の整理整頓を皆で行いました。非常に協力的かつスムーズに動いてくれましたので、必要な移動や片付けがかなり手順よく済ませられました。それはいいのですが、ブログをご覧の皆様にそれだけをここでお知らせしても極めて面白くないでしょうから、今回は顧問の個人的なネタを挙げさせていただきます。

 

「竹/笹の花」

 あの大ヒットNHK朝ドラマ「らんまん」でも、このネタがありましたね。イネ科の一大グループ「竹・笹」の類は、その長い一生の最後だけ、一度だけ花を咲かせ、その後は株全体で枯れてしまうようです。私も幼少の頃にニュースか何かで見て、また植物に詳しい祖父(大正生まれで、かつて栃木高校で生物の教諭をやっていた人)にも同様に教わって、いつかは生で竹の花を拝んでみたいと思って生きてきました。それについてお話させていただきます。

 先に生物として「長寿命 × 1回だけの繁殖」について改めて考えてみましたが、メリットがさっぱり言葉になりません。ご多分に漏れず、改めて学術書などで確認はしませんが、寿命の最後に1回だけの繁殖って、何かいいことがあるのでしょうか。

 南北アメリカ大陸に分布するリュウゼツランの仲間(物凄く古くて大雑把な分類はユリに近い系統?)は、英語ではセンチュリープランツと呼ばれています。多くは乾燥地帯で、半球形に爆発してトゲットゲを放射したまま固まったような多肉植物で、種類によりますが長い種で100年も株の状態で荒野に佇み、最後に高さ数mの立派な塔を立てて、株のボリュームに不釣り合いなくらいの花穂を空に広げて、その一生を終えます。確かに動物に食害や轢害を受けにくい構造の植物ですが、だからって小さくても毎年花穂をつけてちょっとずつ種を落とすのではだめなのでしょうか。一度に落とす種が少ないと、厳しい環境ですぐ捕食者に食いつくされてしまうのか。大きな花穂をつけるには環境が厳しすぎて栄養を蓄積しきれないのか。その辺りの感覚を、では竹に当てはめてみましょう。

 少なくともこの日本で竹の様子を見る限り、環境が特別厳しいとか、花穂をつける栄養をためるのが難しいとか、そういうことは無さそうですね。であれば、しょっちゅう花を咲かせればいいのに…。

 ちなみに、竹や笹の仲間は、(種からの芽吹きというものが想像つきませんが)根付いたその土地で個体として地下茎を縦…もとい横横無尽に伸ばしまくって、一株で巨大な竹林なり笹薮なりを形成できます(と、昔何かで学びました。物理的に試しようがありませんが…)。そうそう、タケノコというのはこの地下茎の節々からでた巨大な芽、なのです。

 園芸で、同じイネ科の芝生と比較しますと、芝も同じように地下茎ないし地上茎で四方八方へ広がっていきますが、取引される際は1枚A4版くらいのマットで、10枚くらいの束で扱われますから、農園?で商品として育てる際、1株でマットを形成させるのは効率が悪すぎるので、種まきの段階で多数の種を高密度でばらまいて(間引かなくても大丈夫そう)、多くの株を密に生育してマットを作っているはずです。

 植え込みに使用する笹の仲間も、園芸の都合上、同じような感じでしょう。花が極めて珍しいので、種からの苗(実生苗)のはずはありませんが、親株から少しずつ切り分けてポットに植え付けて、ポット売りにするのでしょう(ホームセンターで売っている笹はポット入りですので)。そうしますと、諸施設や民家の外構で背丈の低い笹の植え込みを形成している笹の株数は、元の親株が共通していたとしても、一応生物としての個体数は植え付けたポット数と同じであると言えそうです。

 では、野生では?クマザサの広大な藪や竹林は?恐らく、見た目よりずっと少ない株数ではないかと思われます。特に竹林。高速道路で東京あたりから東西南北郊外へ移動し、両側に山が見え始めるあたりに来ますと、山肌に「ところどころ」竹林が見られます。ポイントは「ところどころ」。竹林が通常の広葉樹等と雑じり合わない様です。笹林に取り込まれた通常の木々が日光を遮られ大きく成長できず衰退する、というのは想像がつきますが、問題は竹林の縁です。なぜ、地下茎1本でも2本でも、木々の間に長く伸ばして線状に広がらないのでしょう。なぜ1本だけの状態の竹を森の中に見出せないのでしょう。恐らく、1つの竹林がほぼ1株で、種としてだいたい最大の株面積が決まっているからではないでしょうか。さらに、もし竹林を構成する株数が複数であれば、おそらくもっと竹林と通常の広葉樹などが細かいパッチワークになることでしょう。

 

 こうしてみますと、竹の仲間は、見た目のボリュームと反比例して「生息個体数のとても少ない」かつ「1個体の重量/質量は地球の全生物中トップ1桁?」な種族なのかもしれませんね。そちら方面で張り合うなら、最近のSNSでもたまに見かけますが、どこか外国の森のある種の木が全部で1個体だとか、どこかの浜の海草(藻でなく、高等植物でアマモやスガモの仲間)が1個体だ、とか、どこかの森の土中にいる菌類がとんでもない範囲/重量で同じ個体だ、とかありました。

 さて、話を「花」に戻しますが、特にサイズを小さくして「笹」でよければ、常に少しだけ意識をもっていれば、意外とたまには花を見かけられます。私も現在52歳ですが、これまで恐らく10例以上、見かけたことがあります。昔は笹の花を見つけると(誤解のなきよう、見つけると言いましても藪の中にポツンとある花を見つけるわけではありません。咲く時は株全体で一斉に花穂をつけますので、一度この現象に出会えばうんざりするぐらいそこに花があるのです)、たいがい数本折り取っては自宅に持ち帰るなどしておりました。おっさんになるにつれ、見て楽しむだけになってきました。今回紹介します最新の例を含めて、はっきり覚えているのは3例です。

①上尾市は武道館の近く、道路わきの店(工場?)の敷地で、これは植え込みではなく、建物と3段くらいのブロック塀の間の細長くコンクリで塞がれた土地のひび割れに勝手に生えてきた(元々生えていて地上部を伐採され、施工後に新芽がコンクリをぶち割って生えてきた??)笹の貧相な藪が、ある年に花をつけ、案の定それから1年と待たずに綺麗に枯れてしまった件

②前任校の宮代高校の、体育館の脇に「宮代の杜」という名の林があり、その片方の縁あたりに笹の植え込みがあり、それが今から10年くらい前のある年、一斉に花穂をつけた件

※これにはもう記憶が曖昧なオチ?がありまして、個人的に「おお」と思いつつ、業務主事さんに「そういうわけですので遠からぬ将来全て枯れると思います」と伝えたか、伝えようと思っていた矢先かどちらかですが、なんと男性の角刈りヘアーよろしく、きれいに丈を詰めて刈り取られてしまいました。もともと時期的にそういう作業をしようと思われていたのかもしれませんが、残念ながら業務主事さんに意図を確認はしませんでした。興味深いのはその後のことです。刈られた後、あらためてどこかに1本でも花が残っていないかと探しました。痕跡程度にはあったような気がしますが、なにしろ本当に綺麗に「花穂など無かった」ことになっていました。そうしましたらこの植え込み、なんと枯れずに存続して、数年前には健在でしたし、多分今も健在です。仮説ですらない、私が個人で言っているだけのことですが、「もしかして笹は開花前に花穂をきれいに失うと、ちょっとどころか数年単位で寿命が延びるのかもしれない!」…あと、植え込みなので、植栽当初はポットをいくつか植えたと思われますが、複数ポットの親株が同じであった場合「切り離されても同調現象で同じタイミングで花をつける?」、「親株が別の場合、別個体とも同調する?」などということも考えてしまいますね。

今回のメインですやっと!現住所の伊奈町の北のはずれの近く、桶川市との境目あたりにある民家の道路っ端の篠竹(篠とは、高さが2、3m、太さも大人の指前後のサイズの竹類/写真のものは恐らく斑入り葉の園芸品種)が、今まさに花を終え、枯れそうな件(似たようなのが少し前にSNSのニュースで出ていました)

覗きにならないように考えながら撮らせてもらいました。

もともと、マツの盆栽のように、枝をある程度落として、葉の塊を一定間隔で残す、園芸用の竹類によくみかける剪定をされている株だと思います。その状態で花をつけたので、こんな姿に…?この写真では、分からない方には竹が普通に枯れかけているようにしか見えないでしょう。

次の2枚はいかがでしょうか。

通常の葉と明らかに異なるのがお分かりかと思います。スマホのカメラでアップにして撮り、かつブログ用に画像の重さも落としていますので、鮮明ではないですが、私は花の終わった「花穂」で間違いないと思っています。病気なのでは?という可能性を否定できそうな、次の2枚もご覧ください。

高いブロック塀の向こう側ですし、道路に一部はみ出したりもしておりませんので、サンプルを採集できません。が、イネ科の植物を少し分かる方なら「ああ、確かに花穂だねこれは」と思っていただけるかと思います!

 ちなみに、この竹の脇には、明らかに勝手に生えている別種の雑草篠竹の藪もあるのですが、そちらは我関せずで青々しています。

 

 竹林が1つで1株、とうことを裏付けられそうな様子もご紹介します。この前の夏に撮影した次の写真をご覧ください。

これは、北本市の荒川沿いにあるとある公園にて、荒川上流方面を臨んだ風景ですが、中央の竹林が綺麗に枯れています。もしこれが病気による枯死だとして、通常は植物は病気が原因ならこんなに一斉にきれいに枯れません。何本か、と言いますか一部は、と言いますか、とにかく抵抗して頑張る「部分」が残るのが常です。そこで思いついたのが「まさか、花が咲いて一斉に寿命を迎えたのか?!」ということでした。うおおおお、笹や篠ならまだしも、孟宗竹レベルの「竹」であれば、まだ花はみたことがありません。鞘ばかりでもいいので枯れた後の花穂でも落ちていないか期待して、愛車のスクーターでこの竹林に近づいてみました。

しかし残念ながら、大きく外周を一周したのですが、この竹林は完全にどなたかの土地の内部にあり、通りすがりの者が昆虫採集の体でも入り込めそうなあぜ道すら見つけられませんでしたので、花の痕跡は手に入りませんでした。それにしましてもきれいに竹林まるまる1つ枯れていました!

 

 ここ春日部東高校は、HR棟が敷地南側の道路に面しておりまして、その道路の反対側にある敷地の広大な民家には、30年以上前の私が現役で通っていた頃から、立派な竹林がありました。6年前に母校に転勤してきて、今でも時折、校舎から大分面積の縮小したこの竹林を見下ろしては懐かしんでおりますが、おや?よく見るとなんだか通常の葉のかたまりぽくない部分が全体に見てとれる(気がする)のが数本ある?(まさかね、と自問自答)…小さな楽しみで、近々近距離でよく確認してみたいと思います。

 

 最後に余談ですが、篠竹でよろしければ、地下茎の様子を楽にみられるスポットがあります。

 栃木県栃木市?昔の大平町?大平さんという山が佐野の少し奥にあります。山頂には大平山神社があり、その少し下には謙信平という休憩スポットがあり、茶屋ないしお土産屋も並んでおりますが、その一番奥の駐車場のような広場に、ちょっと特異な篠竹の株があります。

 いつもの勝手な予想です。直径1m近い土管?を鉢代わりに、庭先にコンパクトに篠竹を植える、という手は私の祖父も使っておりました。竹類を地植えなどしてしまうと、生えて欲しくない範囲にまで地下茎を伸ばして、大変なことになり兼ねませんので…この謙信平最奥駐車場?の篠竹は、まるで長期間にわたり地下茎を円柱の中の世界でさんざんぐるぐる伸ばして成長して、ある時に何かの意図か事故かで、土管がばかっと外されたのか…?という感じなのです。硬く踏みしめられた、土むき出しの敷地の中ほどに突然ポツンと、パルテノン神殿の柱の様に、円柱状に篠竹の藪が屹立しているのです。そしてこの円柱状の藪の地面から1m近くは全て本来は地下にあるべき根の部分なのです。何しろ、地下茎が「見えない円柱」のバリアーからはみ出さないでいるかのような感じで、ぐるぐる張り巡らされまくっていて、基本的には水平であるそれらの地下茎の節々から、ボッと真っすぐ上方に多数の篠竹が伸びているのです。地下茎の大部分、特に円柱構造の外側を構成する地下茎は空中に浮いている状態なので、根も下せなければ横にも広がれず…で、これが竹類の地下の様子を手っ取り早く観察するのに最適なのです。

 とても珍しいケースだと思います。もう何年も見ておりませんが、今でも健在であることを願います。よろしければ、現地を訪れることがありましたら、探してみてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

0