2025年2月の記事一覧
【生物部】シドニー自然紀行⑦の2 シドニー近辺の草本
シドニー自然紀行⑦の2 シドニー近辺の草本
よろしければ、済んだ回もご覧ください。
「シドニー自然紀行」
掲載予告
①シドニー近辺の地理的条件と気候、環境 済
②シドニー近辺の「鳥類」 済
③シドニー近辺の「トカゲ」 済
④シドニー近辺の「虫など」 済
⑤シドニー近辺の「海岸砂丘植生」 済
⑥シドニー近辺の「樹木」 済
⑦シドニー近辺の「草本」 ← 今回はここの2回目!
⑧シドニー近辺の「植栽/園芸」
⑨シドニー近辺の「日本で見かけるものと似ている植物」
紹介の基本となる地図です(毎回掲載します)。下方の2つの円のうち、右が引率2名の宿泊したモーテルがある場所(サザランド)、左が平日毎日お邪魔したシャイヤークリスチャンスクールのある場所(バーデンリッジ)です。
⑦シドニー近辺の「草本」
前回、スペシャル?で「ガイミアリリー」を紹介しましたが、残りを一気に。
1.シダ植物
シダ植物! けっこう好きな分野ですが、実は私、この「シダ植物」というくくり方について、生物部顧問になってから認識を改めました。昔の図鑑では、分かりやすく例えると「p1、p2キク科」「p3、p4バラ科」~「p47、48裸子植物」「p49、50シダ植物」のように紹介されていたので、シダ植物に対して勝手に種子植物の一科と同じくらいの密接な関係性でまとめて捉えていました。ところが本当には、ちょっとだけちゃんと勉強すると、次のような分類のようでした。ただし、説がいくつかありますので、どれを信じるかでも多少変わりそうですが。
「界」から、「植物界」(一般的な藻類は原生生物界とのこと。界は他に動物界含め5,6界あるようです。)
「門」 ●コケ植物門 … 主に陸上に生える「蘚苔類」。水槽の緑のぬるぬるではなく、コケ庭やコケリウムのコケ。
●車軸藻門 … しゃじくも。田んぼによく発生する、開いた傘を骨だけにしてつなげたような藻。
●緑藻植物門 … 私は普通の藻類との違いは分かりません…(あらためて調べてはいません)
★維管束植物亜界
✸ここから5門は「胞子」で繁殖するスタイル
●古マツバラン門 … 生物部にも1鉢あります。「原始時代、海から初めて上陸したまともな植物の姿」。
●ヒカゲノカズラ門 … マツバランに続く。恐竜時代(大雑把)に大繁栄。
●トクサ植物門 … 恐竜時代(同)に大繁栄。「ツクシ」の本体「スギナ」のグループ。
●ハナヤスリ門 … 原則、栄養葉1枚、胞子葉1枚のかわいいシダの仲間。
●シダ植物門 … 一番普通にシダと言ったらこのグループ。
✸ここから「裸子植物」= 一応花が咲き種はできるけど、胚がむき出し。
●球果植物門(マツ門) … 松、杉、檜、櫟、ヒバなど。
●ソテツ門 … ソテツ、ザミアなど。
●イチョウ門 … イチョウonly。一属一種らしい。
●マオウ門 … 幻覚をみせる成分が取れるらしい。変な見た目の草。
✸ここから「被子植物」= 原則立派な花が咲き、種の中の胚がちゃんとカバーされている。
●被子植物門 … 我々人間にとって最も普通の植物。
上の分類で、マツバランからシダまでの5門を大雑把にくくっているのが「シダ植物」という便利な表現。これ、同じレベルの「門」で見るとコケから被子植物まで横並びになります。そう考えますと、シダ植物の5門だけで考えたとしても、動物で言うと「軟体動物(貝/イカ/タコ)」「節足動物(エビカニ/クモムカデ/昆虫)」「脊椎動物(魚/イモリカエル山椒魚/ヘビトカゲカメワニ/鳥/哺乳類)」「その他多数ある〇✖動物(原則、繁殖の仕組みが♂♀つまり精子と卵子によるもの)」を一緒くたにくくるのと同じなんですね。ということは、シダ植物の図鑑の全ページをぶわーっとめくって受けるべき印象は、ミジンコから人間まで載っている「動物百科事典」をぶわーっとめくって「なんでも載ってるなぁ」とおもうのと同じものであるべきなのですね。
ややこしい前置きはこのくらいにして。
●マツバラン
オペラハウスの脇の岸壁にたくさん生えていました。テイウカ、場所的にむちゃくちゃ吹き曝しです。海風です。日向です。胞子で繁殖するなら水分の存在は不可欠なはずですが、意外と岩肌や樹皮に着生するシダ植物って多いんですよね。
↑オペラハウスと岩の関係はこんな感じです。次の2枚目の地図↓で、左端の黄色い線が、生徒と我々がバスからオペラハウス敷地入口まで移動した動線です。3枚目の航空写真ではオペラハウス部分を切ってしまいましたが、黄色い点線Cが岸壁の位置です。薄緑色になっているエリアは植物園+公園緑地です。つまり、植物園+公園側とオペラハウス敷地の境目が、垂直の岩肌なのです。
ワタシ、野生でのマツバラン目撃例は少なくて、これで3回目です。1回目は千葉県、鋸山のロープウェイより上、頂上まで登る急な山道の途中の、地面から1mくらいで2股に分かれる、幹の直径が10cmちょいくらいの太さの椿の木の「2股部分」に生えていました。2回目は前任校・宮代高校の植え込みの、植樹の下。発芽から少し育ったくらいの小さな株で、まあこれは野生というより園芸もの由来でしょう。それでもたまげました! そしてまさかのオペラハウス脇。むすびつかな~い! 一時解散後、オペラハウスに背を向けて、なにやら岩肌を一所懸命撮影する東洋人に、生徒も現地の方々も奇異の目を向けたことでせう。でもちゃんと生徒たちやオペラハウスの写真もたくさん撮影しましたよ!
同じくオペラハウス脇の岸壁から。
●タマシダの仲間
マツバランではなく、正真正銘のシダ植物です。これは判別に自信あり! 園芸でもポピュラーなアイテム? この仲間は、地下茎の所々に「玉」ができるのでタマシダ?昔からそういう認識です。シダの特徴である羽状複葉が「一裂」しかしない(多くのシダでは二裂や三裂)のがぱっと見の特徴でしょうか。
せっかくですのでオペラハウスエリアでまとめたいのですが、同じタマシダの別の場所の写真もここで紹介します。
これらは、「クロヌラ駅」の構内で撮影した写真です 。冒頭の基本地図の、下方の黒い円の右側が引率宿泊地サザランドで、そこから右(東)に真っすぐ移動してみてください。クロヌラの地名が見えるかと思います。
こんな、レンガのつなぎ目のセメントのひびに。シダと言えばじめじめした日陰に生える植物のイメージですが、面白い!こういうシーンを見るにつけ、この世のH2Oのありどころを再認識しますね。小さい頃は、水のありかと言えば海、湖沼、川、地下水、ちょっとくらいは雨から、くらいに考えていましたが、大気中に含まれる水蒸気も大きな要素なのですね。シドニーは予想外にしっとりした場所。少なくとも現地の冬場は、もちろんジメジメムシムシはしていませんでしたが、空気、植え込みの土、そしてこうした着生植物などを見るに、意外に植物たちにやさしい湿気があるのだな、と。
●蛇足 「ハナヤスリ・ヒカゲノカズラ」
上記の分類コーナーで「ハナヤスリ」「ヒカゲノカズラ」という用語を出しました。せっかくですし、おそらく後にも先にもこの場が生物部ブログでこの2つについて述べる最初で最後の機会になるでしょうから、海外研修とは関係なく、ただし「レンガの隙間」「希少性」「恐竜時代風情の見た目」の3点をキーワードにお話しします。
まずハナヤスリ。どのような姿かと言いますと、緑色のスプーンの柄を地面に垂直にブスッと刺しただけ。そう、葉が1枚しかないのです。地下茎で増えはするのですが。胞子葉がつく場合は、緑色のスプーンの柄の途中からもう1本、緑色でイカの触手のようなものが葉より高く立ち上がります。多くて1枚1本だけ、の植物です。なんとも原始的で、ロマンチックで、恐竜ないし原始時代風情のかわいい草です。私、幼少のおり、植物図鑑でこの植物のイラストを見て以来、どうしても本物を見たくて見たくてしかたがありませんでしたが、40年近くかないませんでした。その後ですが、目撃例は全部で5件!
・北本市の自然観察センター敷地入口の、2車線で両側に歩道がある「橋」の上
両岸から離れた橋の中央部で、歩道部分はコンクリやアスファルトではなくレンガを敷き詰めてある状態なのですが、そのレンガと橋の端の石造り(コンクリ?)の柵との隙間に、「ヒロハハナヤスリ?」が生えていました。次に紹介するシダもそうですが、なぜわざわざそんな環境に…いや、たまたま胞子がこんな場所でよくぞ生き延びてまぁ…抜くことも掘ることもできませんので、なにしろよく観察して愛でました。
・新宿駅を出て、英語の研修で河合塾のビルにお邪魔する際。ビルの前の街路樹の根元、もう周りをすべてコンクリだかアスファルトだかで囲まれた四角い小さな「土地」に、やはりヒロハハナヤスリと思われるハナヤスリがかなりの本数生えていて、おったまげました! 行きと帰りによく観察! 周囲の目が怖くて持ち帰れず。
・旧与野市の17号線沿い、旧ドイトの園芸コーナー「花の木(店名は変わってしましましたが規模縮小で現存します)」で、数万円の大きな鉢植えの植物の根元に勝手に1株生えていて、ちょっとだけ鉢ごと買うか迷った件。
・自宅から娘の小学校までのルートの途中で、民家のブロック塀にハンギングされていた放置鉢(メインは枯れている)に、1株勝手に生えてきていて、おったまげた件。
・旧菖蒲町の山草専門店で、黒い苗ポットでヒロハハナヤスリが売られていた件。1つのポットに数株植えこまれており、1つ確か600円。当然買いました、2ポット。ただ、自宅の庭の環境が向いていなかったらしく、枯らしてしまいました。明るい墓地のような環境によく生えるらしいです。
つぎにヒカゲノカズラ。見た目は、杉の木の枝先の緑のトゲトゲフサフサが、時々枝分かれしながらツタのように地面を這いまわりまくる感じです。ところどころ、胞子葉が立ち上がるのですが、これがまた昔の恐竜図鑑で恐竜の背景に描かれていたような、ジュラシック風情のある形。
こちらは、同じ場所で見かけた延べ数でなく目撃ポイント数で考えると、私の人生で確か3回のみ。
・初任校でサッカー部の合宿夏合宿で苗場スキー場近くに毎年でかけた際。山の中にコートが5面?ある中央の管理施設の山側の土壌むき出し法面に、ふんだんに生えていました。勤務8年間で、新婚旅行で1回お休みしたので7年、7回、同じ場所で連続でみることができました。どこか初期の年度には自宅に持ち帰ってプランターに丁寧に植え付けるも、長くはもちませんでした。近年の日本の低地では、暑すぎるのでしょうか。 また厳密には「近い仲間の別種」がサッカーコートエリアからペンションまでの山道の途中にも生えていました。
・行きつけのペット屋で、メダカの産卵床だかアクアテラリウムのあいてむとしてだかで、短めに切った束がビニール袋パックになって売られていました。なんとまあ。ヒカゲノカズラ様を、このような扱いで。
・どこかでもう1回だけ、生えていたか売られていたか、普通に入手して今の自宅でプランターに植え付けた覚えがあります。
大雑把なほうの「シダ植物」、どれも植物の「恐竜版」という感じで、被子植物の渋谷感とくらべると本当にのどかな田舎の原風景、まさに恐竜時代風情の仲間ですね。
ヘビにムカデくらい足(脚では?)をつけまくりましたね。本題に戻りましょう。
●複葉の細長いシダ
岸壁に戻ります。日本のシダの図鑑をみると、似ている種もなくもないですが、シダの仲間は同じ「科」でも全然ちがう見た目の特徴をもっていることも多いので、普通になんだかわかりません。大きく写した2枚目の写真では、株の左下に、あとで紹介する別のシダ(クローバーのような印象でかわいいもの)も見えますね。
この種類も、別の場所の写真を1枚。これは「大通りが線路を超えるところ(橋ではありますが、地面に対して水平の、橋に見えない橋。線路が地面を削って深い所を走っている)の、通行人落下防止?の塀にはえていました。地図の最も中心に近い☆のすぐ左あたりでした。Aがモーテル、Cがキラウィー駅。写真をご覧ください、レンガはレンガですが、塗料が塗られていて、植物が根を下ろせる隙間はほぼありません。もうこれは、自力移動はできない植物のことですから、好き好んで生えたというより、胞子が風などで飛んできて付着して、発芽してみたらぎりぎり生きられる場所だった、ということなのでしょう。ただし、同じシダがちゃんと地面や土の上に生えているのをみかけませんでしたので、着生タイプの植物はやはり地面より着生状態で優先して生き延びるのでしょう。
●ホウライシダ(アジアンタム)の仲間?
これもオペラハウス脇の岸壁シリーズ。数枚前の写真でおまけで写っていたものと同種です。場所は正確には、他の種類よりオペラハウスから離れて、前掲の航空写真の黄色い点線の起点(左下)あたりでした。ここの岸壁、日本の山地の岸壁のように、ところどころ、水がにじみだして常に濡れていました。こういう環境は周辺に住む動植物の多様性を一気に増す要因だと考えていますが、季節/場所がらか、期待どおりではありませんでした。
アジアンタムは、ホームセンターの園芸コーナーにあるシダ植物の鉢植えでは非常に代表的な仲間ですね。ただ、鉢植えのシダって水切れに弱くて、いったん水やりを忘れてしなっとさせてしまうと、まず大抵、復活は困難ですね。乾燥による枯死ラインはけっこう明確です。一線を超えると、見た目が復活しそうでも、それ以上の水分蒸発を防ぐために急いで葉をすべて切って、株のみの坊主状態にして湿気を保って、運が良ければ小さな新芽がでるかどうか。新芽が出てももとのサイズの株にはならず、結局衰退して枯れてしまう。そして、アジアンタムの仲間はこの点で「弱い」! でも好きです! なぜか小さいころから、うっとりします。写真の株たちは、複葉3枚のクローバー状態が本来なのではなく、多分環境がギリギリで大きくなれないのでは、と思います。MAX複葉3枚が基本の種となれば、それはそれで素敵ですが。
●ヘゴの仲間
オペラハウス脇、最後のネタです。航空写真でいうA地点、垂直の岸壁が崩れて崖ではなくなる境目あたり。まず写真の説明をします。最も手前のとがった4本のトゲは、金属製の柵です。ここは、恐らくオペラハウスの敷地と、崖上に広がる植物園+公園緑地の、境目です。ターゲットの植物は、中央に1本、その背後に1本。また、右の樹木に隠れて恐らく2本、そして太い樹木の左下に小さなものが1株。太い樹木の背後のわさわさと、柵のすぐ向こうのワサワサは、おそらくソテツかヤシの仲間で、ターゲットではありません。
ターゲットは「ヘゴ」。恐竜時代を彷彿とさせる、シダのくせに「木」になる木性シダです。さすがに熱帯メインで、日本では鹿児島以南に2種類くらいしか自生しません。ここシドニーで、興味があるのは「自生」か「植栽の外来種」か、です。町全体に熱帯系の植物が木でも草でも多々見られるので、現地で街路樹や植え込みや民家の庭先など色々とみていたら、ここでのヘゴ系がどちらなのか、見当もつかなくなりました。
この2枚は恐らく同じ種類のものですが、場所をかえて「シドニー大学」構内にて。ふんだんに植えられていました。ヤシの木じゃあるまいし、ジュラシックパークよろしく木性シダを庭木で植栽って、まったく、植物好き恐竜好きの日本人からすれば、贅沢の極み!
●ランナーでマット状になるシダ(ウラジロ系か?)
ここから、オペラハウスから離れます。といってもやっぱり岸壁。研修日程終了間際の休日に1人で訪れたクロヌラビーチの、波打ち際からわずか数メートル(満潮時)という環境。前回の「ガイミアリリー」のすぐ近くです。
黄色い円はガイミアリリーの場所ですが、そこからSDカード形のプールの辺りにかけてのどこかでした。
前述の「複葉が細長い…」と似ていますが、株形態が異なりますし、若い葉の先端の1枚が長く伸びないし、よく見ると複葉が二裂しかけているのが異なります(画像をMAXで拡大してみてください。複葉のヘリがギザギザになっています。この程度だと表現としては「鋸歯」というのでしょうが、この切れ込みが深くなると「二裂」となります)。また、写真でも何か所か判別できそうなところがありますが、このシダ、1枚の大きな葉全体をみると、大文字のY(写真の株は岸壁から垂れ下がる状況なのでYの逆さ)の形をしています。つまり、ランナー=地上茎から立ち上がる葉が、大元の柄の部分でまず2股に分かれ、その先に一般的なシダの仲間のような複葉が広がっている感じです。この特徴は日本で言う「ウラジロ」というシダと似ています。ウラジロの場合は2股の基部に生長点を残すので、無限に2股ずつ(トーナメント型ではないので誤解のなきよう。最初の左右→Yの股から1本新芽が伸びてまた左右→また1本伸びてまた左右)新葉を展開する仕組みを持っていますが、撮影現地では岩壁に這い上ってその特徴があるかどうかまで確認できませんでした。確かに現場でも「あれ?ウラジロの仲間?」と思った記憶があります。ウラジロは日本のどこかの地域で、お正月かなにかの時期に、藁かなにかと一緒に飾り物に仕立て上げられて、玄関先に飾られますよね(また、調べずに記憶でコメント)。あれです。
ちなみに岩肌が濡れているのは、地層から染み出した真水で、海水ではありません。
●ヤブソテツの仲間
これも同じ場所です。そして判別にも自信があります。
関東平野で、郊外の街中で、最も普通に見かける2種類のシダのうち片方。イノモトソウかヤブソテツか。ヤブソテツは、普通のヤブソテツ(つや消し)とオニヤブソテツ(ツヤツヤ)があり、特にオニの方は環境が良ければ直径1mの半球くらいの大株になりますが、千葉の海岸にも、環境的に大株にはなれないのであろう株たちが無数に自生しています。日本では、庭に植えるなら、日陰でも問題なくドカンと育ちますので、お庭が日陰の場合などは、なかなか貴重なアイテムですね。
2.バーデンベルギア
自生する固有種ではないかと思ったら、当りでした! オーストラリアとタスマニアに3種類程度が分布するとのことです。この仲間は、日本の園芸コーナーで「普通に見かけるようになって」まだ20年経っていないと思いますが、花期になると中~小サイズの鉢が店頭にずらっと。つる性のマメ科植物です。園芸では、写真の紫花タイプ以外に、白花タイプ、中間の薄紫ないしピンク花タイプや花びらに斑が入るものなど、品種改良も多少進んでいる感じで売られています。
強健で耐寒性耐暑性強いという紹介で売られていますが、その割には、私の活動圏内の民家の庭先にはほとんど見かけません。現通勤路に1か所だけあって、「おっこのお宅はうまくやっている!」と羨ましい気持ち。私も鉢植えをこれまでに2回ほど購入しましたが、枯らしてしまいました。ここシドニーはさすが自生地、林をそのまま緑地として残したような公園(画像を10枚くらいさかのぼった地図のB、ポラード公園とか)では雑草状態で生えていましたし、ショッピングセンター前の公園の植栽でもきれいに植えられていました。
●ハギの仲間??
バーデンベルギアを紹介したので、同じマメ科をここで。撮影場所は前述のポラード公園。写真は背景のせいで見にくいですが、右手前に伸びる枝とマメ科らしい羽状複葉をたどると、6、7本の花穂に白い花がバーデンベルギアのように互生で鈴なりについているのが判別できるかと思います。普通のマメ科はどこの国でもマメ科らしい見た目なのですねぇ。
3.アスパラガス
おもにクロヌラ海岸の砂丘内側の海岸植生の中に多く見られました。これはどうも、外来種の可能性大? 食用のアスパラガスはヨーロッパ~ロシア原産なのですが、写真のものにそっくりな、園芸でよく見かける「アスパラガス・スプレンゲリー」は、南アフリカ原産とのこと。写真の株が、おおもとは園芸由来の外来種だとしたら、こんなのが人為的環境から逃げ出してはびこるのって「お国がかわると」というやつですね。
アスパラガスと言われて話がお見えでない方もいらっしゃるでしょう。我々がおいしくいただくアスパラガスは、タケノコと同じく若芽なのですが、あれ、成長すると若芽からは想像もつかない姿になるのです。特に食用のものは。まさにタケノコが最終的に竹になることと重ねてイメージしてください。アスパラは高さも1mくらいにはなって、たくさん枝分かれして、その先に無数につく葉は全て棒?針?いえブラシの毛?とにかく「面」のない短いブラシの毛のような緑のふさふさがわっさりと。実はあれ、厳密には葉ではなく超細かく枝分かれした「茎」なのだそうです。疑葉というそうです。じゃあ葉は?というと、小さな鱗状のものがこれらの表面にぽちぽちと。
写真のものはアスパラガス・スプレンゲリーに似ていますが、こちらの葉は、小さく見れば「面」のある細い小さな葉です。原産も別大陸ですし、多分ちゃんと葉です。
4.ハハコグサ系?
撮影場所だけまたオペラハウス脇の岸壁に戻りますが、ターゲットは草姿全体が白っぽくて、ほとんどが塔が立っている、たくさんある植物です。それこそ収斂進化という言葉を出してしまえば「この植物が何科なのか」なんて、ほとんど何でもありですが、普通に判断してこれらは「キク科」に見えます。キク科の中のどのグループ、も最終的にはやはり何でもありなのですが、日本で言うところのハハコグサやチチコグサの仲間に見えますねぇ。あるいはウスユキソウ(エーデルワイス)の仲間?
シダといい、岸壁着生型の種ばかり撮影しているのは、私が「変わった環境へ適応した変わった種が普通種より好き」だからですね。そしてこの草も、普通の地面に生えている様子は見受けませんでした。平らな地面に落ちた種たちは、どうなるのでしょうね。
5.ソテツの仲間? ヤシの仲間?
「樹木」のコーナーで出すべきでしたね。恐らく「木」になる植物です。上記、木性シダ「ヘゴの仲間」のところで、ターゲットじゃないと申し上げたやつです。この写真の両サイドにある灰色の帯は、金属製の柵です。柵の間にカメラを突っ込んで撮影しました。
実際、どちらでしょうね~ん~…大きな葉の、櫛のような複葉がついていない柄の部分が長いのがヤシっぽいですが、複葉の質感や株の塊の感じはソテツっぽいです。しかし、こういう「これはどっち!」とならないような種もまた面白いです。
海外研修で画像を確保してきた、このほかの「草」は、日本にもそっくりさんがいたり、明らかに「植栽」だったりするものですので、別の回での紹介になります。「草本」シリーズはここで終わりにします。
【生物部】シドニー自然紀行⑦の1 ガイミアリリー!
シドニー自然紀行⑦の1 ガイミアリリー(ドリアンテス・エクセルサ)!
よろしければ、済んだ回もご覧ください。
「シドニー自然紀行」
掲載予告
①シドニー近辺の地理的条件と気候、環境 済
②シドニー近辺の「鳥類」 済
③シドニー近辺の「トカゲ」 済
④シドニー近辺の「虫など」 済
⑤シドニー近辺の「海岸砂丘植生」 済
⑥シドニー近辺の「樹木」 済
⑦シドニー近辺の「草本」 ← 今回はここの1回目!
⑧シドニー近辺の「植栽/園芸」
⑨シドニー近辺の「日本で見かけるものと似ている植物」
紹介の基本となる地図です(毎回掲載します)。下方の2つの円のうち、右が引率2名の宿泊したモーテルがある場所(サザランド)、左が平日毎日お邪魔したシャイヤークリスチャンスクールのある場所(バーデンリッジ)です。
シドニー近辺の「草本」の1 ガイミアリリー!!!
これは、帰国してから話題にできるネタだと知りました! ネットでちょっと調べてみたら、あらまあ、スゴイの
単独で1回アップしちゃいます。
上の写真で、大きい方のボウボウです。根元を取り巻く、葉先が半分下方へ下がる小さい方のボウボウは、日本でもそこら中に植栽されている「アガパンサス」でしょう。
大きい方が通称「ガイミア・リリー」、学名「ドリアンテス・セクセルサ」です。私、現地入りして初めてこの植物を見た時に、たまたま40年近く前にアメリカに3年半住んでいた経験から、珍しさは感じず、どちらかというと懐かしい感じ。当時、生活範囲の中で親しんだリュウゼツラン科の植物(英語でセンチュリープランツと呼ばれる仲間で、南北アメリカ大陸で繁栄しています。長い物で100年くらい経ってやっと1回だけ花穂をつけ、それで一生を終えるような仲間です)ではないかと思いました。この仲間も非常に多様な種があるのですが、そのうちの1つに株の姿がそっくりでしたので。ところが、花が咲いている株を見ると、花序の形態が違っていました。高いトウがたつのは同じですが、花が穂全体に分散せず、ごちゃっとかたまってつくのです。それは、園芸業界でみかけるものも含め、多くの目立つリュウゼツラン科植物と違います。「あれぇ、リュウゼツランの仲間じゃない??」…この植物、我々が滞在したエリアには、かなり頻繁に植えられて?いましたので、帰国寸前まで実物の観察は楽しめたのですが…とりあえず謎のまま帰国。
帰国後に色々と調べてみると、「オーストラリア東海岸の森林に固有のドリアンテス科(=リュウゼツラン科)の珍奇植物、とのこと。とりあえずリュウゼツラン科は、当たっていましたね。まじめな話の前の「話題」ですが、この植物、日本では一部の植物園に植えられているくらいで、非常に珍しく、一般に出回る際は輸入物の切り花ばかりのようで、花穂だけで1本数万円(実際に35000円で出しているお店をみつけました)、中には1本10万円で店先においているところもあるそう
! なんだか、切るにもライセンスが必要だとかなんとか。そんなことなら、もうちょっとじっくり観察してくればよかった!
まずゆっくり見られたのが、引率が宿泊したモーテルのあるサザランド(冒頭 ↑ の地図の下方右側の円)の街です。
上の地図のPがモーテルの場所で、写真は確かNあたりで撮影したものだったかと。まあ、限定しなくても、どこにでも植えられていました。
樹木や建物と対比していただければ、かなりデカイことがお判りになるかと。上の2枚目の写真の根元のモサモサは、1枚目(再)のアガパンサスとはまた別のものですね(実はこれはこれで固有の珍種?だったらしいです…あとで別で紹介できれば…)。
ごちゃっと固まった花です。前の写真のようにトウの途中にもつぼみとおぼしきものが付いていますが、ムカゴかも?です。この、あまりきれいではない固まった花穂をみて、現場では、リュウゼツラン科かどうかの自信がなくなりました。多様性への意識不足ですね。花穂は2.5m~3mくらいの高さにあって、近くで観察できません。望遠で撮影してPC画面で、となります。
撮影順番は時系列では最後ですが、2番目に紹介するのは、シドニー市街地の公園のものです。
次の地図と航空写真で、Aが海外研修の最後に生徒と一緒に1泊だけしたメトロホテルマーロウシドニーで、EFGHがある公園がベルモア公園です。この公園、多分、設定としては市街地に設けたほんとうにただの「公園」です。
Fのあたりの花壇に、何か所かに分けてたくさん植栽されていました。
次は、若い苗です。
あんなにでっかくなるのに、こんなに密に植えて、いいのでしょうか?? この苗、株の根元で葉が剪定されて、上方に向かう葉だけ残された形だったのですが、これは園芸業者さんの輸送時の扱いやすさのためでしょうか。あるいは植栽時も、全方向にわっさり広がっていると確かに扱いが面倒そう。そういえば、地下はどうなっているのでしょうか。リュウゼツラン科はキジカクシ目(もく)。キジカクシ目と言えば、数十年前の図鑑なら「ユリ科」とざっくりくくられていたグループ。球根か地下茎があるのがイメージですが、リュウゼツランの仲間はどうなんでしょう。
最後に紹介するのは、上のベルモア公園の前日、土曜日で生徒たちはホストファミリーと水入らずで最後の1日を満喫していた日に、私が単独ででかけた海岸で見たものです。海岸と言いましても、マンション?の植栽ですが。
上の地図で、Aが訪問校のあったバーデンリッジ、Bがモーテルのあったサザランド。次の地図をご覧ください。
繰り返しますが、Aがモーテルの場所、Bが、Dの終点クロヌラ駅に向かうために電車に乗ったキラウィー駅です。黄色い円は終点までの駅を示したのですが、Cの駅をご覧ください。そう、「ガイミア」。この植物の現地名は、どうやらこの駅がある場所の地名からついたようなのです。帰国後に名前を知り、「あれ、そういえばそんな地名があったな」と気が付きました。おそらく初期の新種発見が、このあたりでのことだったのでしょう。
さて、次の航空写真で、1枚目の下方、中央よりちょい左に縦長の長方形の公園が見えますでしょうか。その「ま左」がクロヌラ駅です。その拡大図の2枚目で、黄色い円のところに植えられていました。
やっと実物の写真です!
このような感じに、どこにでも植えられていました。
日本で買う場合の、ネットでぱっと出てきた一番高い価格にして、1本10万円。ここに写っているだけで末端価格80万円分ですな。うーむむ。ご覧のように、あんまし「きれい」という感じではありませんが。
これ、購入される方は、水に差して飾って終わりなのでしょうか? それとも、株から切り離された状態であっても花が結実して、芽が出るレベルまで種が熟成できるなら、この1本数万円の切り花から種を取って、実生苗にして、数十年育てて、人生に1回2回花を見られたら、それは嬉しいかもですね。
野鳥コーナーで紹介しましたオウムの「キバタン」もそうですが、海外の現地では珍しくもなんともないものが、はるか遠くの外国では珍しがられ、値段が付けばびっくりするほど高価…という現象も、なんだかおもしろいものです。 オーストラリアが自国の野生生物を海外に出したがらないという事情も加わりますでしょうか。環境保全の側面からは、そういった政策は素晴らしいことですね。 皆様は、この植物の切り花、いくらなら買いますか?
【生物部】シドニー自然紀行⑥
シドニー自然紀行6
よろしければ、済んだ回もご覧ください。
「シドニー自然紀行」
掲載予告
①シドニー近辺の地理的条件と気候、環境 済
②シドニー近辺の「鳥類」 済
③シドニー近辺の「トカゲ」 済
④シドニー近辺の「虫など」 済
⑤シドニー近辺の「海岸砂丘植生」 済
⑥シドニー近辺の「樹木」 ← 今回はここ!
⑦シドニー近辺の「草本」
⑧シドニー近辺の「植栽/園芸」
⑨シドニー近辺の「日本で見かけるものと似ている植物」
紹介の基本となる地図です(毎回掲載します)。下方の2つの円のうち、右が引率2名の宿泊したモーテルがある場所(サザランド)、左が平日毎日お邪魔したシャイヤークリスチャンスクールのある場所(バーデンリッジ)です。
ただし、今回の「樹木」コーナーでは、1枚1枚の写真の撮影場所を示すための地図は割愛します。鳥やトカゲ程、「こういう場所で見かけた」という情報をしめさなくてもよいのかなと。樹木は、どちらかというと環境そのものを作り上げる大きな要素ですし、海岸から内陸まで「その場所を代表する」とまでの、環境との独自結びつきは感じられませんでしたので。
❶ゴールデンワトル
オーストラリアを代表する木だそうです。確かに、海岸の砂丘植生から内陸の民家の庭先まで、どっこにでも生えていました。
この仲間はひらたく言うと「アカシア」の仲間で、マメ科です。マメ科と言えば、藤やスイートピーの花ように、あるいはシロツメクサの丸い花のかたまりを構成する小さな1つ1つの花のように、左右対称の独特の花びらがカワイイ仲間ですよね。でも、アカシアの仲間は、はなびらが無いものが多い。写真のように、オシベがメインのはずですが、オシベメシべ関係がブラシのようにブワッと散開して花を構成します。このタイプの花の構造、個人的にはあまり好きではないのです。彼岸花などもそうですが、オシベメシベが目立って花の外まで飛び出して自己主張しているのって、どうもなんだか…まあ、写真のように、パッと見た感じは華やかでかわいいのですが。
植物は、身を守るために2手に分かれて進化したと何かのサイエンスもののテレビ番組で見ました。原始的な方は、トゲなどを生やして捕食を避けるタイプ。アカシアはこちらですね。そして主流になったのは「毒」をもつタイプ。「毒」は、人間が食して大丈夫かどうかが基準になりますが、実際は植物たちは主に昆虫相手に気の遠くなる年月をイタチごっこしてきたそう。新たに毒性を備えては、また昆虫にそれを超えられ喰われ、また新たに毒性を備える…一応この地球上では大型となろう我々ホモ・サピエンスにとりまして、あるいはさらに大型の草食哺乳類にとりましては、「余程毒性の強い」種以外は無毒に思えるようですが、存外毒性のある植物は多いようですね。
また、どちらのタイプにも見受けられますが、「虫をガーディアンに雇う」植物もあり、アカシアはその1つです。体から甘い蜜を出し、それでアリなどを常時からだにはい回らせ、一般的な草食の昆虫類などから身を守る。ゴールデンワトルがそうかどうかは、ちょっと調べ不足です。
❷ゴムの木
クワ科でしたっけ? でかい。本当にでかい。
日本でゴムの木と言えば、大きめの鉢植えで葉が大きく葉数の少ない、生長点が赤いとんがりカバーで角のように覆われている、アレを思い浮かべます。あるいはもっとかわいい定番観葉植物ベンジャミンゴムでしょうか。
シドニー近辺に生えていたものは、固有種ではなく園芸目的で輸入・植栽されたものだと私は思うのですが、実際はわかりません。昔から自然に生えていたの?と思うくらい、大きいのです。
❸ジャカランダ
これは確かノウゼンカズラと同じグループでしたっけ?
海外研修中日に、1日だけシドニー大学にお邪魔したのですが、そのキャンパスツアー中に案内の学生さんが教えてくれました。藤色の花が大規模に咲き乱れると本当に美しいそう。日本国内では、どこか1か所だけ、植栽されたジャカランダが観光客の鑑賞に堪えるレベルで毎年咲きそろうそうです。研修期間はまったく花期ではなく、さわやかな葉だけ見てきました。いったん教われば、街中にあるジャカランダもわかるようになりました。アイテムとしては日本で言うサクラに近い感じでよさそうです。
❹バンクシア
確かオーストラリア固有のグループだったかと。ゴールデンワトルと同じく、花弁があるのかどうか、オシベばかり?メシベも混ざってる?ばかりが目立つ棒ブラシのような花です。やたらと色々な種類がありそうでした。日本でも、ホームセンターの園芸コーナーで売っていますね、わりと高価で。…好きくない…しかも枯れた花の気持ち悪さ。だめですねこのきは。はんたい!
同じ仲間のグルビレア
こういうのもありました。
いやもう、どちらも、全部の家の庭に植えられているのでは、と思うくらいしょっちゅうみかけました。
❺ボトルブラシ
この、気持ち悪いタコの脚のようなものは、花が終わった跡です。この樹種も、生け垣になるくらいポピュラーでした。
やっぱり多分オシベの束がブワなんですよね。ど~も、何と言いますか、得体のしれない生き物の触手がニラニラ出ているような…そういえばウニやヒトデなどの棘皮動物の触手に似ているし…オーストラリアの人々にとって、花というと花びらでなくオシベ束なのでしょうか???それとも、気候や入手を考えるとこの手の植物が都合よいのでしょうか??? ボトルブラシって「瓶を洗うブラシ」って意味ですよね。もうみんなブラシやんです。
❻ユーカリ
ザ・オーストラリア! ユーカリプテス! 現地では「ガムの木(ゴムのことかな?)」ともいうようですbyシャイヤークリスチャンスクール校長先生。ここ固有の種族で、種類がめちゃめちゃ多かったです。巨木から低木まで、もう本当にどこにでも生えていました。
1つの仮説ですが、街全体に、公園に限らず、あまりにも巨木のユーカリが多数/多種類植わっているものですから、例えばここシドニー近辺も、建国時にユーカリ大森林に街をつくる造成の際、無理に全てのユーカリを伐採しないで、残せるものは意図的に残したのでは…と思うのです。そして恐らく、伐採せねばならなかったユーカリは(家の外構をやる際に知りましたが豪州より輸入される「中古枕木」はユーカリが多いようですが、それはそれはそれとしまして)、破砕してバークのように使っているのではないかと。街中の、芝生ではない、また土むき出しでもない土地は、ことごとく木くずより大きくバークより小さいウッドチップが敷き詰められていて、そのグラウンドカバー素材の出どころはユーカリなのではないかと。
日本でも、もう小さな鉢植えで当たり前のように園芸コーナーに複数種類売られていますが、ユーカリはなんといっても花に特徴があるので、花柄でも残っていれば一発で「ユーカリの仲間だ」と判別できます。多分、収斂進化(遠く離れた土地で、全く異なる種族が、見た目も習性も似た生物に進化すること)なのでしょう、「このユーカリの樹皮は、クヌギっぽい」「こっちはサルスベリみたい」「こっちはサクラか?ケヤキか?」と、樹皮1つとっても同じ種類の樹木とは思えない多様化です…が、花の構造だけは同じなのです。ユーカリの花は、まず基部がカップ状になります。ワイングラスとカクテルグラスの中間の形から台座と柄だけ取ったような、カップ状です。そして、植物的に変わっているのは、カップ状の基部に乗っかる部分が、同じようなカップを逆さにしてつけたような蓋。コンビニで売っているアイスのワッフルコーンの蓋を外すような気分です。普通、植物は、花でも芽でも先端部分が帽子を脱ぐがごとく、割れずに蓋状にぱかっと外れる…ということはありません。ユーカリのこれは、とっても特徴的です。
ここからは、おっと思って撮影しておいた木を、ランダムに紹介します。
●ナンヨウマツ?ナンヨウスギ?っぽい木
クロヌラ海岸に少し植わっていました。固有ではないかな…
●オシベメシベニラニラ系
花の基部の中央から1本だけ生えて残っている、ということは、メシベか? やはりオシベメシベとも飛び出しているのか!?
そういえば、ユーカリの花もカップ状の基部からブワッとブラシ状だったか…。なにしろネムノキのような花びらナシのブラシ状の花が多かったです…
●不明の木
アサガオの双葉のような、特徴的な葉の木です。馴染みある分類に当てはめてしまえば、マメ科っぽいかもです。
●ヤドリギ
日本のヤドリギと同種続なのか、収斂にて似た別種族なのか。なにしろ「同じように他の木の枝に寄生して根を内部におろし養分を搾取して生きる寄生木」が、オーストラリアにもあるのですねぇ。
●スズカケノキ
ヤドリギが寄生している台木のほうですが、ここ冬のシドニーで珍しく落葉している「落葉広葉樹」ですね。
こちらはシドニー大学構内。とにかくでかい!
●セクロピア?
カポックのような放射状の特徴的な葉が、それっぽい。ただ、セクロピアって熱帯の木だった気がします。あ、でもシドニーの街中にははっきり熱帯の植物がかなりの割合で園芸に利用されていて、冬でもほぼ凍るまではいかないことがそれを可能にしているのでしょうか…シドニー大学の帰りにバスが停車していた脇にあった、熱帯風情のある樹木でした。
●実がたわわな謎の木
シャイヤークリスチャンスクールの植栽です。見当がつきません。始め、形の乱れる実がモクレンやマグノリアの仲間に思えたのですが、先端の4裂をみると、違うか…葉や枝などはツバキの仲間に思えなくもないですが…
●最後に、宇宙人の頭のような実の木
もう、多分まったくしらない種族の木ではないかと。実の部分、拡大してみてみてください。
シドニー、樹木だけ見ていても、とても興味深い土地でした。
ユーカリ~! (←?)
【生物部】2月1日(土)屋外活動スペース工事⑤
2月1日(土)屋外活動スペース工事⑤
珍しく!土曜日の活動です!
前回申し上げました通り、私の体調不良のせいで、冬休み前半に済ませておきたかった作業ができておりません。本当はそれどころか夏休みには、いえ3年生が引退する前の1学期前半には…と、気持ちを言えばキリがないのですが、現実をかみしめて。頑張ります!
イメージ作り用に、大きな作業は以下の通りです。
● スペース内側外周にカンスゲ植栽
● カンスゲの内側にガーデンフェンス設置(落ち葉等拡散防止用)
● 人が踏んでよい「通路」をブロックで敷設
● コンクリ船(水場)と同じ高さまで土壌かさ増し
● 水場の流水循環作り
実際の様子は次の通り。
まずは、資材運び。リヤカーをお借りして、生徒玄関近くから。指示を出しながらだと、どうしてもバッチリな画像が不足します~。ブロック30個(見えていませんが)、大きな腐葉土十数袋、地面用ゴムマット4枚(重い!)、その他細かいもの等。
まずは、数人ずつで、最初に出る作業ごとに班分け。
地味な作業(これは1人)を募ったら出てくれた1年生Yさん。入口左下のネットのつくろい作業。私の「ネットの長さ見積りミス」で唯一「もぐりこみ系小動物出入り自由」になっていた箇所を、縫ってくれました。
(できました! ばっちり、お願いした通り!)
ブロック敷設予定動線の落ち葉の下に、夏にここに放り込んだ「ヌマガエル」が冬眠していないか、係で確認。2大「大作業」ですので、時系列っぽく出していきます。
カンスゲ植え部隊による植栽。ちょうど日向と日陰の境目で分かりにくいですが、柱の手前4株、むこうに3株?うえられています。こんな感じで、外周(内周と言うべき?)一周してもらいます。
高いところの作業もあります。私が海外研修から戻った後、夏休み中になんとか設置を済ませた「小動物脱走防止庇」の1か所が、強風にあおられて?外れてしまっていたところの修繕です。
空中にはみ出しているあまりの部分を、ちゃんと長さを計って切断すればいいのですが、中空の透明ポリカ版ですので、断面は水やゴミや虫等が入り込まないようアルミテープでふさぎたいのです。切断の手間、アルミテープ貼りの面倒さ、そして「高価な資材を細かく切断したくない」というわけのわからぬ気持とで、最後の1枚をついそのまま設置してしまったらの破損でした。んん~、今回はネジくぎを長いものにして、簡単に外れないようにはしましたが、どこかできちんとしますか…。
体育倉庫からひいているコードの再設置をやってくれている2年生TさんUさん。コンセントから、コードのルートは様々な物品の裏の「壁際」にきれいに通し、必要なあそびを残しつつたわみをすべてスペース内にまとめます。
最後は、グラウンド側からの通路区間は、壁際に「埋めて」もらいました。ここの土壌は乾燥した砂(実際は砂より粒子の小さい、粉?)と小石の混ざったもので、壁際は特にだいたいいつも乾燥しています。南側なので、太陽光でコードのコーティングの劣化が進むにまかせるより、埋めてしまった方がいいかな?と考えてこうしたのですが…。
カンスゲ植栽班は、もうすぐ終わりそうですね(次の写真の右下)。ブロック敷設班は、ブロック上面とコンクリ船が同じ高さになるよう、冬眠カエルのいないのを確かめた場所に腐葉土をしいていきます。地面のかさが増せたら、いよいよブロックを置いていきます。この場所に愛着をもってもらうために、入口からのルート設定のこまかい部分は任せました。
ブロック通路と水場の間も、腐葉土でかさを増します。
水場を作ります。水底のかさ増しに、ブロックを3つ、沈めて並べます。その上に…。
四角い芝生の苗ではありませんが、「抽水性の水草の根のかたまり」です。顧問の自宅から寄付です。ドクダミと近い植物「ハンゲショウ」の地下茎ブロック。昔、半分に分けた株の片方で、右の写真の奥に見える色褪せた青いプラケースで数年放置していたのでプラケースの大きさまでふくらんだものです。ヨコエビ等の水棲微生物も大量に含んでいます。海水魚水槽に入れる「サンゴ石」のごとく、一発でこの水場を色々と調節してくれることでしょう。
さらに、オロンティウムの苗を仕掛けます。
オロンティウム! 日本広しと言えど、高校のビオトープでこれを植えているところが他にあるでしょうか!? 北米原産の、水芭蕉に近いサトイモ科の水草です。これも顧問宅から寄付。花が付けば、よく実がなります。その実を水盤につけておけば、だいたい発芽するので、自宅で植えるところも無く水盤上で小さな株がたくさん絡み合った「かたまり」数年分を、3つ提供しました。丸い鉢に1つ、プランターに2つ。
もうすぐお昼休み。校舎中庭の生物部コンテナ内にあった土も運んできてもらい、ブロック通路の周りの地面かさ増し。
乾燥した赤玉土まで使いましたので、よく撹拌してもらいます(もちろん今日の最後に散水前提)。
浄化槽で陰になるエリアに、これも顧問宅由来の「ヤブラン」を植栽してもらいます。陰性植物でグラウンドカバーにもなる植物です。「ジャノヒゲ」(リュウノヒゲ)と親戚ですね。
お昼休みにしましょう。ここでいったん解散。午後は、もともとですが「自主参加」としました。
昼までの出来具合です。
やっぱりまだ地面の高さは足りません。それに腐葉土は早めにかさが沈みますし。昼の間に用土買い足しですねこれは。あとはいい感じの植物を水場周りに植えて、それらの株が地面をしっかり抱えて、株もとにたまった落ち葉等も手伝って、盛り上がってくれれば。とにかくカエル等が外から水場に入るのに入りやすくしたいところです。
~お昼休み~
さあ午後、作業再開です。半分くらいに減るかと思ったら、大部分の部員が残ってくれました。
これは、鉢植えを1つ作っているところ。
1人ワイシャツで写っている1年生A’さんが左手で持っているのですが、「カクレミノ」という木の地上部が、彼の後頭部の向こうに、根のかたまりが右ひじの脇辺りに見えています。背景の男子の黒い服と重なって見えにくいですが。このカクレミノは、ずっと小さな鉢に植えていて、プランターの上にずっと放置していたら鉢の下からプランターに根を張ってしまって、もはやそちらがメインという変なことに。これを大きな鉢にあらためて植えつけて、水場の近くに置いて、願わくばいつの日か「モリアオガエルが枝先に卵塊を産み付けないか」という、望み薄な夢をいだいております。
カクレミノも設置しました。昼休み中に買ってきた、ホームセンターで売っている一番大きな袋の腐葉土、100ℓ。これを2袋、全体の地面のかさ増しに追加します。
後方で地味に始まっている作業。2年生Pさんによる、体育倉庫からの電源コードの「ネット内にたぐり寄せられたあまり部分」の設置です。日光の射す角度を考えて、なるべく直射があたらないように鉄パイプの陰側に縛り付けていき、最後は水場の上あたりでタップ部分がぶら下がるように設置してもらいました。
入口から見てこのスペースの一番奥にも、他の作業がおわったので、土を盛りつけてもらいます。
散水。ブロック自体は、数日前の購入時点より前に店舗で雨を受けていて、完全乾燥してはいませんが、8割9割は乾燥しています。まず湿らせたい。また、この周辺は、撹拌したとはいえ完全に乾燥した赤玉土が混ざっているエリア。湿らせたい! しかしずっと同じところに水流を当てていると、傾斜があれば土壌が流れ出しますし、かといって10cmの深さまで水分が染みるようにするのは、大変です。
そういえばこのホースですが、50mのものを新しく購入しました。大切に使っていきたいです。
まず第1段階の散水が終わったら、湿気保持のために、落ち葉で地面を覆います。
これも、校内で業務主事さんたちが掃き集めたものではなく、顧問宅由来です。念のため、ゴミではないです。個人的には、我が家の庭で出る落ち葉は、1枚たりとも「捨て」たくありません。我が家では原則、庭からでた有機物は全て庭に還元しています。その落ち葉や伐採枝葉などをストックしているものを3袋程提供しました。
仕上げに、落ち葉の上からも、全体によく散水。
最後に、水場のフィルターを回して、水流を作ります。この水流の仕掛けですが、ブロックの組み方を2通り、実際に組んで見せて、部員たちで票をとりました。A案は写真の通り。B案は、ブロックを平積みして、最上部から水流を流す形。B案ですと、水草等を植えられる垂直方向の穴は設けられませんが、かわりに水流が複雑に這う、横穴が6つできる塔になり、いずれはコケも生えるでしょうし、横穴に変えるなどが涼を取るべく入り込むかもしれません。まあ、A案がわずかに勝り、ひとまずはこれに決定。
構造の背面で、フィルターの水の吹き出し口が差し込まれているブロックの中央の穴の両脇の穴には、いずれ砂や土など入れて、何か水草が植えられないかなと。また「滝つぼ」にあたる長方形の「深み」にも、何か水草が植えられれば…そして滝つぼと「池」を隔てるブロックも、ちょうど水面ぎりぎりに断面が来ています。ここの3つの穴にも同様になにか植えられたら、素敵な感じになるでしょう。
やっと!やっとここまできました! 半年後にはかなりいい感じのビオトープになっていることでしょう!
実はこの場所が使えるように決まった当初は、ビオトープだけでなくある程度の資材や道具も置けるように、と考えていたのですが、結局シンプルな「ビオトープ」になりました。いいでしょう。まだ角材やクランプが結構あまっていますので、ちょっとしたグレードアップはできます。夏に向けて、「寒冷紗」を設置するための仕掛けはまだですしね。
たまには、集合写真撮影! 大変お疲れ様でした!