人文科フェア(11/5) アンケートにご記入いただいたご不明点について

毎年秋の人文科フェアに多くの方にお越しいただき、ありがとうございます。

 さて、ご来場の皆様がアンケートに書き残してくださったコメントは、私どもにとりまして非常に大切で貴重な情報です。是非とも回答なりコメントなりで還元させていただければと考えました。いただいた際の票数も、ある年度のものですがご参考までに添えてあります。とは言え、こういった一方的に「言い切り」になる場では、ご理解いただけなかった点等が残ってしまいましても、私どもはそれを知る事すらかないません。

 もしも本校人文科を志望するかどうか決めるうえで、まだ「ご不明な点」が残るようでしたら、是非直接お問い合わせください。内容に応じ、人文科主任の私か管理職かが対応させていただけると思います。私に関しましては月曜・木曜以外の16:00からでしたら、原則さほどお待たせせずに電話口に出られるかと思います。

  

●質問と、参加された中学生と保護者によるアンケート回答内容のリスト 

記述質問1.「もし人文科を本当に受験するとなった時、学力やご自宅からの通学距離以外での不安材料は何ですか。」

【疑問・不安1】 クラス替えが無いこと(12件)や隔離感(5件) (重複あり) …中学生3、保護者11

【疑問・不安2】 カリキュラムが極めて文系寄りであること …中学生2、保護者3(5件)

【疑問・不安3】 人文科探究に関して(テーマ決め、人前での発表、論文と国語力) (5件) …中学生1,保護者4

【疑問・不安4】 学業、学習(英語、部活と両立できるか、課題に追われて部活に支障は?) …中学生3,保護者1(4件)

【疑問・不安5】 進路関係(大学入試、人文科卒業生の大学以降の進路が不安) …中学生2、保護者2(4件)

【疑問・不安6】 男女比…中学生2,保護者1

【疑問・不安7】 倍率…中学生1,保護者1

【疑問・不安8】 校則(どんなルールがあるのか、校則変えてほしい)・・・中学生3件

 記述質問2.せっかくフェアに出席したのに、分からなかったことや、達成できなかった目的、やってほしかった事等は、何かありますか(記述)。

①   部活はだいたい何時間くらいやっているのか(中学生)

②   授業の様子をもう少し見られたら良かった(保護者)

③   生徒の英語能力の発表(保護者)

④   色々な論文発表を聞きたい、テーマ選びの裏事情、探究する上での苦労(保護者)

  

 

記述質問1.「もし人文科を本当に受験するとなった時、学力やご自宅からの通学距離以外での不安材料は何ですか。」

【疑問・不安1】 クラス替えが無いこと(12件)や隔離感(5件) (重複あり) …中学生3、保護者11

★回答(側面別に述べます)

出会いの機会】

①    階が普通科と異なる件

 教室の配置の問題だけでいえば、出会いの機会はあまり変わりません。生徒にとりまして大きな出会いの場は「ホームルーム」「部活動/生徒会活動」等であり、廊下で出会って友人に、というケースは多くないと思われます。

②    クラス替えがない件

 機会としましては確かに普通科より2回少ないですが、代わりに独自行事等で同科の先輩後輩と交流する機会はいくつかあります。また部活動等の出会いの機会は普通科と同じです。私たちの認識としまして、特段「人文科は世界が狭いからね」ということはありません。

 最終的には、生徒各自の性格によるところが大きいかと思います。普通科にも一匹狼タイプの者や、友人は数名いればいい、という生徒もいます。

【普通科からの目/隔離感】

①    学校内の生徒集団の割り方

 通常、普通高校では学科ではなく「学年」という結びつきが最も強いです。春日部東でもクラス番号は人文科まで連番です。集会や特別活動等、みな一緒です(唯一、選択科目説明会の時だけ、場を分ける場合があります)。また人文科クラスの担任・副担任も学年に所属していますし、日常はそちらでの動きや教科ごとの動きの方が多いです。

 授業も、各教科の誰が人文科の授業を担当するかという点で、特に制限はありません。可能であれば担任や副担任が自分のクラスを1科目担当する、くらいです。

②    生徒同士の様子

普通科生が人文科の独自の授業や活動内容をよくわかっていない、ということはあると思います。それで「人文科は大変だね」とくらいは言うかもしれませんが、学校生活の時間尺は同じですし(実はR4年度までは週3回「あさべん」があるのですが、働き方改革の件などで継続できません。R5年度からは完全に普通科と同じ枠組みの生活になります)、人文科探究はあくまで「科目・授業」ですから、大変さは数学や英語等と同様です。

 これまで、部活や行事で様子を見てきて、少なくとも普通科の生徒たちが人文科生徒達に直接でも裏ででも差別的な発言をしているのを聞いたことは1回もありません。多くの生徒が部活に学習に忙しいですし、人文科と普通科の差異を、悪意をもって話題にすることなどないのだろう、と思います。

【人間関係でトラブルがあった場合】

 まず先に、年度途中でのクラス間の移籍は、知る限りどこの公立高校でもできないはずです(担任を変えてくれ、もナシです)。そして「クラス替え」は、使えても年に1回、3月末で、3年間で2回のみであり、人間関係トラブルの根本解決法ではなく、物理的に接触機会を減らすための逃避的対処ということになります。そして、「本当にもうそれしかない」とまでいくケースは珍しいのではないかと思います。

 普通高校では、普通科でも、クラス組みは芸術の選択、男女比と体育の展開、選択科目、進路希望の方向性などでかなり複雑なパズルとなっておりますので、誰かと誰かを分けようと思っても、自由自在ではありません。最悪、学校側でも強く望んだとしてもうまくいかないこともあります。また、うまく分けられたのに新しいクラスでまたトラブルになる、というケースもあります。

 ここはクラス替えが無いことによるメリットの方に目を向けてほしいところです。普通科によく見られる「仲の良い相手と分かれてしまった」「新しいクラスが合わない、居場所がない」といった心配事はなくなります。クラス内の様々な失敗経験も成功体験も共有できます。互いの性格や特徴への理解は非常に深まりますので、時間が経つほど突発的な人間関係トラブルは起こらなくなります。そう考えれば、クラスメイトを「3年間一緒になる人たちだ」と早くに受け止めて、苦手な相手や合わない相手とも上手に人間関係を構築するのには格好のトレーニングの場だとも言えます。

 

【疑問・不安2】 カリキュラムが極めて文系寄りであること …中学生2、保護者3(5件)

★回答

カリキュラムに関しての心配や疑問は、大学受験を意識してのことかと思います。

私立大学を推薦関係でなく一般受験で受験する場合、受験で使う科目数はほとんど3科目以下です。文系なら「英語・国語・地歴公民」、理系なら「英語・数学・理科」です。一方、国公立大学を受験したい場合は、必ずまず「共通テスト」を受験せねばならず、しかもその際、原則6教科8科目または9科目受けることになります。

 人文科のカリキュラムは完全に「私立大学文系学部受験」に特化したラインナップになっています。そのまま私立文系を受験するならばそれこそ最強です!一方、国公立大学や、私立でも理系、あるいは看護医療系を目指す場合は、正直苦しいものがあります。理科科目は2年生までは普通科文系と同じくらい学習しますが、数学につきましては2年生・3年生では選択科目で取らない限り、授業がありません。どのくらい理系寄りの進路になるか次第ですが、普通科でも授業以外に受験勉強は必要なわけですから、早いうちによく考えて、選択科目で取れるものは取り、授業以外に進学補習も個別補習も独学も全て含めて、計画的に準備をすることになります。

 ただ、忘れずフォローしておきたいのは、「それでも人文科から国公立大学合格者は出ている」ということです。近年も、年により学年全体の国公立大学合格者の半数近くが人文科生であったこともありますし、2021年度卒の私のクラスからは創立以来の快挙「一橋大学」合格者も出ました。これは私こと担任の腕前ではなく、学校や学年の指導体制と本人の努力のおかげです。彼は塾や予備校にも行かず、科目の選択を注意深く行い、進学補習も活用し、2年生から科目ごとに個別に面倒を見てもらえる教員をみつけて通いつめ、そして自学自習を「楽しんで」、極めて難しかろうと思われたことを達成してしまいました!流石にレアケースではありますが…。また、近年地方で増加している3教科で受験できる国公立大学を選ぶという道もあります。一人暮らしとセットの判断になりますが、この道を選んだ人も実際にいます。

 全ては、状況の整理と計画性、与えられた環境の最大限活用と「新規環境作り(無いなら作る!)」、それらの実現を支えるモチベーションですね!モチベーションが足りなければ、形だけ王道の環境下に身を置いても、進路を実現できないこともままあります。

 

【疑問・不安3】 人文科探究に関して(テーマ決め、人前での発表、論文と国語力) (5件) …中学生1,保護者4

★回答

■テーマについて

 テーマは自由です。そして、テーマ決めが探究活動の最も大切な部分とも言えます。身の回りや生活していて何気なく思いついた「独自の疑問」…これがテーマになります。それについて、「自分なりの仮説」を立て、その仮説が正しいと言うための「根拠」を考える。その根拠が正しいというのを助けてくれる情報を本などから見つけてくる。この流れを最後は文にする。これが人文科で書く探究論文です。研究したいことが決まれば、あとは調べ物をして、決まった流れ通りにまとめるだけです。

 いきなり興味のあることを挙げてみなさい、と言われても、その場になると意外と挙げにくいものです。人文科探究では、テーマ決めの前のネタ集めから論文完成まで、2年間かけて、ワンステップずつ進めます。その間、1年次は担任が面談等を繰り返し、2年次からは生徒1人につき1人、職員が個別指導担当でつきます。

■発表について

 人文科探究の授業では2人組や数人の班を組んで、その中で順番に何かを発表し合う、という活動がかなりあります。そういった場面で「人前で話す」ことに少しずつ慣れることができます。皆さんがフェアで見た発表者は、ボランティアや担任に選ばれた人で、全員があの状況にはなりません。全員が必ず参加する発表行事「ポスター発表」は(コロナ禍の状況及びIT機器の導入によりここ数年は方式が流動的ですが)1回の発表単位はフェアよりも少人数で、各班の半分はクラスメイト、半分は後輩です。

 コロナ禍以降、リモートワーク文化が一気に進み、今後世の中が実際にどうなっていくのか分かりませんが、「人前でまとまった内容のことを発表する」経験はまだまだ大切だと思います。臆してもいい!のですが、せっかくですからおっかなびっくりでもチャレンジしてみましょう!

■情報収集について

 1年生の初期から、まずは情報の集め方から授業で取り上げていきます。情報収集の初心者をフォローする環境は整っています。他校に比べて充実した図書室が完備されていて、司書の先生も人文科の探究授業に協力する体制があります。また全教室には毎日、新聞が3~4社分届きます。

 情報収集は、「調べる気」さえあれば、だれでも進められます。

■論文作成と国語力の関係

 上記「テーマ」のところで述べました通り、人文科で言う論文とはいわゆる小論文等とは全く異なります。研究者が学会に発表するような「学術論文」に近い形式のもので、これは書式に従い研究した内容を順番に記載していく感じです。この際、「上手な文」「読ませる文」「素敵な表現」等は求められません。主張と事実を簡潔に述べるのです。「一文一意」が望ましく、「、」で言葉をたくさんつなげて、一文を長くするのも好ましくありません。

 いわゆる「作文上手」が有利な分野なのではなく、「問い」「仮説」「根拠」「結論」の展開をしっかり組めて、「根拠」を支える情報を効果的に既存の書籍や研究から見つけてこられる人が、いい論文を作れるということになります。

 

【疑問・不安4】 学業、学習(英語、部活と両立できるか、課題に追われて部活に支障は?) …中学生3,保護者1(4件)

★回答

 英語が苦手な生徒は、普通科にも人文科にも大勢います。彼らの苦手具合は、恐らく皆さんの想像以上だと思います。

 その点でも、人文科は少人数制を英語含め数科目で取り入れていますし、皆頑張って、最後は結果を出して卒業していきます。

 文武両道に関しましては、春日部東ではどちらかというと「部活に追われて課題に身が入らない」心配の方があるかもしれません。その分、「追われてしまうタイプ」の生徒も、引退後の進路実現に向けたパワーはすごいです。一部、小テスト等で点数が一線を超えて低く、その結果「再テスト」や「課題」をこなさないと部活に出られない、という生徒も時折見かけます。

 「文武両道」は春日部東の独自の校訓ではなく、多くの高校がかかげているものですが、全体的、客観的かつ公平にみて、春日部東は「文武両道を実践できている高校」だと思います!

 

【疑問・不安5】 進路関係(大学入試、人文科卒業生の大学以降の進路が不安) …中学生2、保護者2(4件)

★回答

 大学入試や受験に対する不安というものは、春日部東の人文科を受験するかもしれない人に限らず、普遍的なものだと思いますし、先の「カリキュラムが文系寄り」の件以外では、進路関係で人文科独自のマイナス要素は一切ありません。また基本的に春日部東高校の進路指導体制は相当手厚く充実していると思います。

 高校卒業後の進路につきましては、高等学校は卒業生のその後の状況を後追い調査しませんので、別の角度からお答えします。例えば生徒が工業高校を卒業する場合、多くの場合、機械科なら町工場や大手会社の工場等に就職、電気科なら電気工事関係の会社に就職…となりますが、その後の卒業生の様子は、それらの職業をめぐる社会的状況を見れば、ある程度想像することはできます。

 人文科は、と言いますと、本当に独自の科目は「人文科探究」1科目のみです。あとは(名称に多少の差はあれ)全て普通科の科目なのです。身につく学力や学習経験値で言えば、普通科の文系を卒業した生徒と比べて同等と言えます。むしろ、探究学習で身につける力(ホームページ内の別コーナーをご参照ください)が、普通科卒業生と一緒に過ごす大学生活や就職活動時に、有利に働いていると思われる報告を卒業生たちから時々受けます(これも同コーナーに卒業生の感想として掲載しております)。

 人文科を含めて、春日部東高校を卒業する生徒は大多数が4年制大学へ進学しますが、むしろ大学卒業後の人生に影響が大きいのは、どの大学でどう過ごしたか、ではないでしょうか。

 

【疑問・不安6】 男女比…中学生2,保護者1

★回答

 すみません、こればっかりは、読めません!なんとなく普通科の男女比をそのまま1クラスに当てはめる感じです。ただ、普通科よりも女子の割合が多い学年もありました。現在は女子の割合が1年生から31%、42%、57%と言う感じです。

 

【疑問・不安7】 倍率…中学生1,保護者1

★回答

 これも読めませんが、全県及び東部地区のこの辺りで中学を卒業する生徒数の激減が続いているようです。令和6年度入学生につきましては、久方ぶりに倍率が出ましたが、私たち教職員は倍率回復についてまるで楽観視しておりません。

 

【疑問・不安8】 校則(どんなルールがあるのか、校則変えてほしい)・・・中学生3件

★回答

 人文科の問題ではなく、本来は生徒指導部が代表して対応する分野でしょうが、印象面で少しだけお答えします。

 本校が4校目の勤務先となる私から見て、校則の内容自体は、ほとんど他校とかわりません。それなのに、教員の立場で生徒の対応をする際、「校則違反絡み」のものは、実は春日部東では極端に少ないです。恐らく希望して入学してくる生徒たちのタイプが「部活動」や「学習」に真っすぐ向かえて、かつそのためにちょっとした決まり事を犯してトラブルになる暇などない、同時にある程度の縛りは縛りと感じない社会性を身につけているの…ではないかという印象を持ちます。まだ高校生ですから、属した集団の決まりごとに対して色々思うことはありますよね。それでも、高等学校は皆さんの人生においては「通過地点」であり人生の頂点ではありませんから、決まりを縛りと捉えすぎ、その思いに囚われるのはもったいないと思います。卒業後に歩む先をいかに良くするか、そのためにこの3年間を使いましょう。

 ルールというものは、何もないところに発生するのではなく、必ず背景や経緯があるものです。若者が「そんなの関係ない」と感じるのも、これまた自然です。でもだからといってホイホイ変わりはしません。高校生とは、義務・強制ではなく自由意思でわざわざ試験を受けて「入れてくれ」と入学してきた集団ですから、そこの決まりをあれこれ変えてくれ、とか、守らない、というのもなかなかうまくはありません。それでも、時代の流れや学校を取り巻く様々な状況から、変更を迫られる校則もまた存在します。春日部東ではここ4~5年で、いくつかの校則がかなり大きく変化しました。あくまで感情的にではなく合理的に。

 

記述質問2.せっかくフェアに出席したのに、分からなかったことや、達成できなかった目的、やってほしかった事等は、何かありますか(記述)。

① 部活はだいたい何時間くらいやっているのか(中学生)

★今、生徒一人の1回あたりの正規の活動時間は長くても2時間前後のはずです。ただ、高等学校では昔から中学と比べて遅くまで部活動をしてきました。高校入学にあたり、保護者の皆様も併せて「中学時代とは違うものだ」とまず含んで、その上で「現代の公的な基準に即しているか」を見ていただく方が、無用の心配が減るかと思います。人数の多さや場所の不足、そして今現在はコロナ禍の都合による、活動場所をめぐる部活の入れ替え制、あるいは同部活内のメンバーの入れ替え制、さらには自主練習も入ってきますので、場合により生徒本人の正規活動時間は規定内だとしましても下校時間そのものは少々遅くなる、という状況も見受けられます。

② 授業の様子をもう少し見られたら良かった(保護者)

★全体会のことだと思いますが、コロナ対応や参加人数等から考えられた今回のスタイルでしたので、何卒ご理解ください。

③ 生徒の英語能力の発表(保護者)

★再び海外研修を実施できる運びになれば、参加希望者は約半年間、週に1回ALTも立ち合いのもと英会話を中心にみっちり事前学習をしますし、フェアでは「海外研修についての発表」も毎年行っていましたから、これを全て英語でやってみせなさい、といったことも可能です。それ以外では、人文科の英語学習の手厚さはどちらかというと受験対策を意識したものであり、生徒の英語によるスピーチやディベート等の発表関係は、フェアの場で「人文科の紹介の一環」でお見せする対象にはならないのが実情です。

④ 色々な論文発表を聞きたい、テーマ選びの裏事情、探究する上での苦労(保護者)

★フェア独自の内容に対しての前向きなご意見、ありがとうございます。検討してまいります。実はコロナ禍以前のフェアは今回とは異なるスタイルでの実施で、特に保護者の皆様は短時間ではありましたが聞こうと思えば3人の発表が聞けました。今のスタイルでも、テーマ選びの部分をしっかり話すようにすることもできます。今後、また良い形を模索してまいります。